PandoraPartyProject

SS詳細

登場人物一覧

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

 光輝が降り注ぐ中での食事とはなんて素敵な事だろうかと誰かが叫んでいた。音が絶叫なのか蟲声なのか愈々解けなく陥った時、※※ちゃんは俺を誘ったのだ。今年は美味しいものを食べながら一緒に飾り付けを行おう。首を傾げた。いいや。最早『ない』首を傾げたのだ。既に※※ちゃんは俺を抱いている。既に※※ちゃんは俺を掴んでいる。既に※※ちゃんは俺を加工している。混沌よりも混沌じみた状況で、如何にして祝祭を楽しむと云うのか。秩序よりも秩序じみた異常論で、如何にして広大を愉しめと云うのか。終着・執着極まってキた今現在曰く、嘔吐するほどに羨ましい。デート・スポットに※※ちゃんが選択したのは前頭葉だろう? くすくす、お子様のような微笑が聞こえて来た。しかし俺は脊髄の真似事が得意だったらしい。有名な小説家が『こういうの』を何だって表現していた? 人間の行方は狂皇も喰わない――兎角。兎に角だ。そもそも※※ちゃんに『元に戻す』技術など期待出来ない。かみさまとにんげんの中間地点だとしても『菌類』の貌は模倣出来ないのだ。カク謂う俺自身も四肢を伸ばせない。数えるべき『じゅう』すらも脳・身体から抜け落ちたのだ。ぐわんと世界・のうが回転していく。焦らさないで。焦らしてない。揺らすなよ。揺らしてない。俺に臓器が残っていたならば汚物を撒き散らしていたのは絶対だ。良かったね※※ちゃん……髄奥に滓れたツマリの感……どんちゃり・どんちゃり・低かった世界が動き出す。くるまれた容器が熱を伝えてみせた。嗚呼、こんなにも※※ちゃんはあたたかいのか。嬉しい事だ。悦ばしい事だ。この生活にも幾分か慣れていた。特殊な溶液が擽ってくる。ぎぃぎぃと戸口が視界をブレさせ、向こう側の茫々を叩き付けた。不意に喰らった情報量の必殺が意識を掻っ攫って……?
 暗黒が振り撒かれる中での罵声だなんて素敵な事だろうかと物が称えていた。根が腐敗なのか蟲食なのか愈々融けなく生った時、※※ちゃんは僕を殴ったのだ。来年は美味しいものを噛みながら一緒に戯れを始めよう。脳を晒した。いいや。それしかないのだ。既に※※ちゃんは僕を好いている。既に※※ちゃんは僕に餓えている。既に※※ちゃんは僕へと縋っている。無秩序よりも無秩序な、ピンク色か灰色の混在物。目眩よりも眩暈と記すべき、暗渠のようなクラし方。あの正常論を叩き書きながら、如何にして閉所を抉じ開けろと云うのか。執着・終着とたいへん騒がしく、莫迦らしくも『始まり』だと証明書を印した――腹を下すほどにおぞましい、そんな暴力がぶるぶると回転させる。デート・スポットに※※ちゃんが選択したのはドリンクバーだろう? あはは。あはは。あはは……絶好調だね。お子様と記すよりは外れの地獄、無価値に無意味に韻よく連ねている。だから僕は頭蓋骨の真似が上手いんだ。有名な小説家が『こういうの』を何だって表現した? ノイズ音など遂に『ありきたり』と成り果てて終った――うん。ううん。わかってる。わかってはいるのだ。そもそも※※ちゃんに『元に戻さない』籤引きは無い。にんげんがかみさまに祈ったとしても、この絆が壊れる事は赦されない。模倣も不可能な状況に投じた『いし』積み方法。伸ばせない四肢が保管庫でぼんやりしていた――整えるべき心すらも、小さな世界には敵わない。焦らさないで。焦らしてない。揺らしてよ。揺らさない。僕に臓器が残っていないのが悔やまれる。この吐物を共有してみたいのだ。良くないよ※※ちゃん……松果体に紛れ込んだ、ひどく欠片な金属……ぽっかり・ぷかり・高みへと世界が酔いだした。くるまれた容器が冷気を吸い込んで、あの碑へと遠ざかっていく。嗚呼、こんなにも※※ちゃんは寒いのか。嬉しい。喜ばしい。この生活には最初から憧れていた。特殊な溶液が掻き乱してくる。ぐらぐらと戸口が視界をブレさせ、此方側のぎゅうぎゅうを嘲笑してきた。意図的に中った情報量の不殺が理性を取り払って……?
 シャン・シャン・シャン。シャン・シャン・シャン――無意識と意識の狭間に『鈴の音』が挟まった。すれ違いの夢か幻想か。正面衝突した現か最下か。絡み合ったタンパク質のお隣、精神体の貴様等が『目玉をつつき』遭っている。楽しさと嬉しさと悦ばしさ、その不安定な水槽の中々で、じっくりと考えをドッジ・ボールし続けろ。あのブーメランの持ち方は正解なのか? 眼振して悪魔・天使曰く、シャイネンナハトにご招待――これは戦ではないのか。貴様等の意識・無意識が問いを投げる。何を妙な事を。こんなにも平和な無間は……?
 ※※ちゃんに攫われるが儘に、僕は大好きな羊羹の群れとぶつかった。なんで。嗚呼。如何してこんな『ひどい』事に成ったのか。今の僕では口がひらけないのだ。今の僕では胃袋がないのだ。やわらかく※※ちゃんに中った羊羹が、ぐったりと地面に倒れている。勿体ない。なんて勿体ない。でも※※ちゃんに叩かれているのは好いなぁ羨ましい――※※ちゃんの刺激で俺は覚醒した。嘘だ。嗚呼、嘘だと告げてくれよ髭面の爺さん。どばどばと涌いていたドンペリが※※ちゃんの頭まで『侵して』いる。しかし何故だ。何故※※ちゃんは溺れない。何処までも何処までも突き進む、今の俺のように息をしていない。成程、夢か。これは夢だ。だから『俺』が有る事が可笑しいのだ。もう融解した後だろう――※※ちゃん。突き進むのは勝手だけれど、偶には僕の事も覗いてほしいな。そろそろ溶液が足りなくなりそうだよ。え。まって。ちょっと待って。そっちは崖だよ。そっちは暗黒だよ。そっちは――深海へと到達すれば俺はあははと笑うしかない。付着した海藻が視界を狂わせ、幾何学な異常論へと……※※ちゃんダメ。いかないで。ええい。黙れ黙れ黙ってお願いだからまた言葉の繰り返しか僕・僕――ふわり。ふわり。

 宙・底へと足元すくわれた……?
 暗さが最果て、グロテスクが崩壊する。
 ――久しぶりに『出会えた』『出遭えた』ね。


 二人――僕と僕は何もないを漂っている。僕と僕はお互いのシナプスを揃え、名状し難い高み・低みへと到達したのだ。乗り込んだ脳味噌の数は誰にも判断出来ず、ぶら提げた袋の中身は『て』なくて確認不可能。乱雑に扱われた僕と僕は真っ白の域、はけない息に真意を求めている。されど永劫や刹那の類はにんげんを咀嚼しないのだ。ふっ……と放された宙・底。上・下には人々の『飾り付け』――そんな悪趣味な芸術は聞いていない。そんな忌々しい『感情』は正気の戻った証なのか? 着地。正確に言えば『くくられた』のだ。これでは晒し者。見世物じゃないかと※※ちゃんはないていた――ツリーの真上には生首が相応しい! 変な事を云うなよ、時代はやっぱり脳味噌だ。
 反芻者に刑罰を与えたいと※※ちゃんは言う。※※ちゃんとお隣なら問題のでは、僕が笑う。ごちゃ混ぜから進化・退化して分離品だ。わがまま放題電飾もらい、ぴちゃぴちゃ傍観者だけが嘔吐した。ずるい。ズルいよ。何が狡いんだ――だって僕、※※ちゃんのまだ食べてない……羊羹の話は後にしてくれ。

 あはは。あはは。そう頷かないと『やって』られない。
 くすくす。くすくすくす……そう咽喉に突っ込まないと『わらって』られない。
 贈り物は何が好い? 決まっていたのだ。
 吊られた人と吊られた神の、ダンス・ダンスは止まれない。

  • 完了
  • NM名にゃあら
  • 種別SS
  • 納品日2020年12月17日
  • ・寒櫻院・史之(p3p002233
    ・冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900

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