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SS詳細

『Heilung』

登場人物一覧

リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)
黒狼の従者
リュティス・ベルンシュタインの関係者
→ イラスト

名前:カリーナ・ギースベルト
種族:幻想種
性別:女
年齢(或いは外見年齢):18
一人称:あたし、(目上には)私(わたくし)
二人称:あんた、(目上には)貴方
口調:ね、よ、よね(目上には)です、ます、でしょう
特徴:スラム出身のメイド
設定:

 幻想王国出身、娼婦の母の許に産み落とされた不運な娘。父は知れず、母には日銭を稼ぐようにと幼い頃より強要された。
 日々の営みの為に、野垂れ死んだ仲間や兵士の死骸を漁り、金品を盗み売り払う事で飢えを凌ぎ続けていた。
 母の仕事を手伝う事を強要されたある日、隙を付いて逃走しリュティスが以前仕えていた主人に拾われる。
 スラム暮らしで礼儀作法も知らぬカリーナに一からら叩き込み、自身の名を与えた若き執事のおかげでギースベルトの姓を名乗る。
 ギースベルトは幼い娘を失くした経験から、カリーナを彼女の代わりに立派に育て上げることを主人に誓っていた。
 主人が没した際、ギースベルトは他の主君を見つけ、カリーナに独り立ちする様にと命じた。
 もしも、困ったならば面倒を見ようと微笑む義父に甘えることなく、右往左往し、現在はリュティスの伝手で黒狼の使用人をしている。
 長けているのは金品の目利き。メイドとしての実力はあまり高くないが『鼻が利く』事は貴族にとって大きな利点である。

補足:
 名前とは記号であると、少女は認識していた。朽ちた死骸を漁り財宝とも呼べぬものを集め続ける。砂漠の中で砂金を探すような、そんな気持ちになりながらも『金』がなければ母に愛して貰えぬ焦りが少女にはあった。
「おい」と母は常に彼女を呼んだ。名など存在せず、母が日々を営む手助けを行うだけの駒だった。
 雨風が凌げる場所があればいいと軒の下で襤褸に包まれて眠り続けた少女が九つになった頃「おい、客を取れ」と母は言った。母の『仕事』は少女にはひどく恐ろしい物として映った。
 故に、逃げた。裸足の儘、地を蹴り泥を啜り逃げられる場所まで――

 そうして出会った『ご主人様』はまるでかみさまのようだった。
 カリーナと名を与え、優しい父を、生きる術を。全てを与えて呉れた彼に恥じない様に。
 少女は日々を生きる為に立ち上がる。恐ろしき不幸には見ないフリをして、心の傷を癒すために。

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