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客星桜
登場人物一覧
- ベネディクト=レベンディス=マナガルムの関係者
→ イラスト
名前:有里耶(ありや)
種族:精霊
性別:女
年齢(或いは外見年齢):Unknown
一人称:わたし
二人称:あなた
口調:です、でしょう、ですか?
特徴:雪色の髪、舞い散る桜
設定:
神威神楽の郊外に位置する神域『客星(かくせい)の座』に坐する精霊。
客星の座に咲き誇る八重紅枝垂は彼女の化身であり、姿を見せぬ彼女が現の世と疎通するための依り代。
気が滅入る話ばかり、都の神逐(かんやらい)の儀を遠巻きに眺め、穢れ祓いをも自身と隔絶された世界の様に感じている。
それでも、稀人たる己を歓迎してくれるものがいるならば、彼女は喜んで力を貸すだろう。
美しき花を芽吹かせる為ならば、その力を振るう事は厭わない。
あまりに姿を現さぬ精霊であるために、彼女については御伽噺や地域伝承で語られることの方が多い。
枝垂桜の下に姿を現した精霊との大恋愛は、その種の違いにより潰えてしまったと語られる。
その伝承は真実を違える事無く、愛しき人の愛した地である『客星の座』を彼女は守り続ける。
悪しきものがこの地に踏み入れ、害する事があるならば――その神力を以て彼女は全てを払い除けるだろう。
補足:
「春に、また――お会いいたしましょう。わたしを慈しむあなた様」
そう告げた乙女は紅色の瞳をすう、と細めた。獄人たる『客星』の御子に合わせ、柘榴色の角を己に飾った美しき精霊はこの地を彼と共に治める日々を愛し、尊び、眠りの冬を越える事を願っていた。
「有里耶」
「はい。何でございましょう。わたしを慈しむあなた様」
「……君は知っているだろう? 精霊(かみさま)と呼ばれし存在と我々には命の物差しが違うのだと」
「……ええ、存じております」
乙女は――有里耶は気づいていた。
年老いて皺の刻まれたその腕が、桜の大木を撫でる心地よさ。うっとりと目を細めながらも、聡い女は目を逸らさぬ様に男を見遣る。
慣れ切った男との別れが今年は違った意味を孕んでいるという事等、とうの昔に気付いていた。
「有里耶」
「……何時だって待っております。わたしを慈しむあなた様。
あなた様が、もう一度この地に訪れるその時まで、わたしは、客星を護り続けましょう」
――それは客星の座に伝わる恋の物語。真実語られぬ、一人の大精霊の小さなあいのおはなし。
- 客星桜完了
- GM名日下部あやめ
- 種別設定委託
- 納品日2020年11月26日
- ・ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
・ベネディクト=レベンディス=マナガルムの関係者