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『永遠の淑女』

登場人物一覧

アベリア・クォーツ・バルツァーレク(p3p004937)
願いの先
アベリア・クォーツ・バルツァーレクの関係者
→ イラスト

名前:ベアトリクス
種族:精霊種
性別:女性
年齢:Unknown
一人称:私
二人称:呼び捨て
口調:わ、よ、なの、なのね
特徴:青い宝玉の様な美しい瞳

 深緑にひっそりと存在する聖域「玲瓏(れいろう)郷」の守護者たる大精霊。
 遥か過去、幻想種と『盟約』を交わし彼らと友の間柄に。
 彼女の性質は宝石の様に無機質で冷静だった。一応人並みの情はあり、決して完全な機械的存在であった訳ではないが――聖域を汚す者に対しては何処までも苛烈に、容赦なく攻め立てるという一面からやはり畏れの傾向が強かった。

 その性質に変化が訪れ始めたのは、つい最近。
 偶々迷い込んだ音楽家の青年を保護した事が始まりだ。
 彼の紡ぐ音色に魂を揺り動かされたベアトリクスは愛の熱を灯した。
 二人の過ごす時間が深くなるほどにその熱は強まって……
 やがて二人の間には子が生まれる事となる。
 それがリア。クオリアのギフトを宿した、二人の子――

 ……しかしそれがいけなかったのかもしれない。
 リアが生まれて以降ベアトリクスの大精霊としての力は徐々に失われつつあった。宝石の様に孤高で、一人で完結していたが故にこそ完成されていた存在は――自らの血肉を別けたから。
 時を経る毎に彼女は精霊よりも希薄な存在になりつつある。

 だから彼女は止められなかった。
 聖域に侵入してきた魔種の横暴を。全盛期の力がもしあったのならば……
 妻と子を身を挺して守ったダンテが狂気に呑まれる事も無かっただろう。
 彼女に出来たのは狂気の蝕みを遅らせる事のみ。
 ……『盟約』に従い、ダンテの了承も受けてダンテと娘を聖域より追放。

 その後は――クォーツ修道院を支援する『足長おじさん』として成長するリアを人知れず見守っているらしい。



「守護者としての力が――? その事を君は……」
「当然、知っていたわ。自分の事なら当たり前にね」
「ならば――ならば君は、私を受け入れるべきでは……」
「あら酷い人ね。私は『知っていた』と言ったでしょう?」
「――」
「私はもうずっと前から、聖域よりも貴方の方を選んだのよ。
 もうその時点で私は守護者に相応しくなかった」
「ベアトリクス」
「あらゆる物事に終わりはあるわ。だから、いいのよ。抱いてあげて。
 ほら……貴方の腕の中にいるとすぐ泣き止むわ。ふふ……」

「リア。私とダンテの子。私達の、愛しい子……
 ありがとう。生まれてきてくれて、本当にありがとう……」

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