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練達拙者ステイ案件集~軟派記~

登場人物一覧

観音打 至東(p3p008495)

●ナンパまで
 秋晴れが美麗な昼時の『練達』首都郊外は溢れる若さで活気付いていた。
 ビル街が犇めく木陰でサムライ・ガールの観音打 至東(p3p008495)が悶々と待機する。
(ふむ? 此方が噂に聞く有名なナンパスポットという話でござるが……。中々、美青年の殿方からナンパが来ないで候)

 実は、魔性の古袴と漆黒の長髪を入念に整えた至東は今、ナンパ待ちなのであるが。
 誰からも誘いがないから独りで食事でもしようか、と至東が移動すると……。

「君、可愛いね? もしかして今、暇? 僕と遊ばない?」
 突如、至東に向かって、眼鏡が鋭い犬獣種の好青年が爽やかに声を掛けて来た。
 至東は美青年からの待ちに待ったナンパの機会が到来して思わず頬が緩む。
「うむ、頼もう! 拙者、丁度暇していたのでござるよ」

●デートスポットで
 至東は犬耳の青年と体を寄せ合っていた。
「ガル殿、いよいよでござるね? 拙者、不安でござる」
「最初は怖くても、痛くはないからね。で、ソレをきつく握らないで。そう、そっと力を抜いて」
 自己紹介が遅れたが至東をナンパしたかの好青年はその名をガルと云う。
 そしてついに至東が長くて固いピストルを精一杯に解放した。
「きゃっ、白い粘液が発射して飛び散ったでござるよ♡」
「変な所を触ったからだよ。普通のタマはこう出るはずさ」

 好青年に指導されて至東は見事に水鉄砲から水の弾丸を射撃する事が出来た。
 今、二人がいる場所はゲームのアミューズメントパークである。
 AR(拡張現実)の世界で水鉄砲の撃ち合いをするイベントに参加する予定だ。
 この手のゲームに不慣れな至東は開始前に二人きりで練習をしている所であった。

 練習が終わると、二人はまず海岸ステージへと進行する。
 なお、ARでも水場のステージで水鉄砲の撃ち合いをする為に水着着用である。
「では、準備はいいかな至東ちゃん? ふふ、眩しい水着だね?」

 至東は周回系クエスト水着という代物を着用している。
 美乳とお股の部分が白い稲妻を模した特殊な布で隠された水着である。
 限りなく裸体に近いそのデザインはうら若き女性の曲線美を強調しているそうだ。
 ちなみに、今回は愛刀の代わりに水鉄砲のホルスターを左太股に巻いて装備している。

●ゲームの行方
 ゲームのルールは至って単純である。
 ペアかチームを組んだ者同士でダンジョンに挑む。
 撃破されずにゴールまで辿り着いたら誰でも何位でもゲームクリアである。

 さて、ゲームが開始されると初戦は海魔物達の強襲で洗礼だ。
 至東とガルで協力して蟹やら貝やらの魔物を撃つが数が多くて埒が明かない。
「あ、しまったでござるよ!?」
「えっ、至東ちゃん!?」
 海辺から巨大な烏賊魔物が登場すると触手をくねらせて至東を不意に捕えた。
 触手がぬるりと至東の穴を目掛けて熾烈に抉る。
「あぁん、じゅぷっ、ん、ごごごっ……♡ き、きちゅいで、ごじゃるよ……♡」
 無論、至東は口腔に触手を入れられて口封じされてしまったのだ。
「何て事するんだ、烏賊! 今、助けるから!」
 ガルの水鉄砲から爆竹弾丸が発射されると烏賊魔物に直撃して爆発した。
 触手から解放されて落下する至東をガルがお姫様抱っこでナイスキャッチ。

 海岸ステージを見事にクリアした二人は洞窟ステージへ突入する。
 幾度か魔物や他のプレイヤーと撃ち合いにもなったが不気味な程に静寂な洞窟だ。
 警戒して歩みを進める二人だが、とある難所に侵入すると出入口が突如封鎖された。
「うわ? 今度は何だよ!?」
「封鎖された上に……。な、何でござるか、この冷たい煙は!?」

 どうやら二人は洞窟内の罠である「冷たい部屋」に閉じ込められた様だ。
 凄まじい冷気がキンキンに吹き荒ぶ中、水着である二人の体温を急速に冷やした。

「あ、これ、只の冷気でござるね? こうするでござる♡」
「え、ちょっと、至東ちゃん!? そ、それ、やられると、ぼ、僕が……」
 良さげな事に閃いて至東はガルをしっかりと抱擁した。
 すると至東の柔らかな双乳の膨らみがガルを圧迫する。
 確かに、肌を寄せ合って温め合えば冷気は凌げるが……。
「おや? カチコチのガチガチでござるね?」
「ま、まあ、寒いから、ね……」
 ガルの海パンが何やら厳しい状況だそうだが、それはきっと寒さの所以だろう。
 一先ず好意的にその様な理解に努めた。
「ガル殿? 拙者、凍えそうでござる。密着度を増して体温を上げるでござるよ♡」
 至東が岩陰に腰を掛ける様にとガルを誘う。
 ガルが椅子に座る様に腰を掛けたその上に至東が馬乗りになる。
 至東が四肢からガルの身体にぎゅっと絡めて抱き着いた。
 至東の熱のある脂肪部分で余す所なく温められる名案である。
「う、うん、あ、温かいよ……至東ちゃん」
「良かったで候! 寒さはクリアでござる。でも念の為、罠が終わるまでこのままでござるよ♡」

 洞窟ステージも苦難の果てにクリアした二人は最後のお宝ステージへと決戦に向かう。
 所謂洞窟の奥にある「宝の部屋」がゴールだが、早速プレイヤー同士が鎬を削っていた。
 戦況は五人組の男子プレイヤー達が圧勝していた所に至東達が現れた構図となる。

「よし、勝負だ! そらよ!」
 ボス格の男子が煙系弾丸を発射して戦場を真っ白に眩ませた。
 五人組が手早く方々に散り分かれて射撃を開始する。

「至東ちゃん、どこ? しまった、逸れたか!?」
 ガルが慌て蓋めく所で運悪く別のプレイヤー達も出現してしまう。
 やむを得ず、ガルは至東を探す前に新手を相手取るが……。

「きゃあっ!? 突然、何事でござるか!? ……いやん、変な気持ちになるでござるよ♡」
 至東は五人組に囲まれて一斉に射撃されていた。
 連射された粘液弾丸を大量に浴びてしまい全身が白濁液でびっしょりである。
 綺麗な長髪からお洒落な水着まで粘液塗れでもはや動きが取れない。

「こらー! 僕の至東ちゃんに何をするか!!」
 至東がリタイアを告げる寸前でガルが爆竹弾丸を撒き散らして戦場に登場。
 流石にオタク系であろうか、巧みな射撃スキルで五人組を一瞬で撃退してしまった。

「か、かたじけない。お陰様で助かったでござるよ。いやぁ、銃撃戦はスリルあったでござるね……」
「ふふ、至東ちゃんさえ無事ならば僕はいいさ。さ、二人でゴールしよう!」

●しばしの惜別
「どうだい至東ちゃん? 僕のチョコバナナは美味しいかい?」
「ん、はむはむ……。ガル殿のチョコバナナ美味しいでござるよ♡」
 何て事はなく、二人は賞品のチョコバナナを頬張っている最中である。
 至東とガルは仲良く互いのバナナを食べ合っているのだ。
 食後に至東は口周りの生チョコをぺろりと舐め取った。

 時刻は気が付けば夕暮れであり解散の時間が迫るが……。
 至東が挨拶をして去ろうとしたその間際、ガルが彼女の手を掴んで懇願する。
「あのさ、至東ちゃん……。今夜だけど、朝まで僕とどうかな?」
 至東の手元にはカラオケのチケットが握らされていた。
「そうでござるね、貴殿とならばオールも良いかもしれん候」
 その後、二人はカラオケボックスで熱い一夜を過ごすのであった。

 そして翌日、至東は一日彼氏だったガルと連絡先を交換した後に別れた。
 至東と雖も本日の昼過ぎからはローレットで仕事があるからだ。

――しばしの惜別でござるね。でも、彼とだったらまたデートしたいでござるよ。

 了

  • 練達拙者ステイ案件集~軟派記~完了
  • GM名ヤガ・ガラス
  • 種別SS
  • 納品日2020年10月16日
  • ・観音打 至東(p3p008495

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