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ふたつのf
登場人物一覧
名前:フラッフル・コンシール・レイ
一人称:僕
二人称:~君、~さん
口調:~だよ、~だね、~さ
特徴:【儚い】【柔和】【美形】【長髪】【編み髪】
【子供】【ロマンチスト】【シニカル】【もふもふ好き】【情が深い】
設定:
風の吹くまま気の向くまま。ヒトの感覚でかれを表すなら、それだ。
足取りは軽いのに行き先は決めず、決めてもころっと変わることが多い。
なぜなら、この大地には風の終わりがないと知ったから。
吹き渡る風は、目覚めたときに感じ得なかったもの。
雲を流し、種や鳥といった命を運び、留まる場所もない風に、どうしてか興味を覚えて。
風を『
かれの典麗な見目や慈愛を思わせる眼差しは、人の視線を吸い寄せる。
ごっこ遊びに勤しむ子らに誘われ、貴族や異邦人の真似事をした。
我が子を失った夫婦の招待に与り、不要なはずの寝床や食卓に身を置いた。
求められたから応じたが、根底にはかれ自身の『好奇心』がある。
いざ願いに付き合ってみればどの人物も、かれとの時間を『思い出』と呼んだ。
――ああ、ヒトはこれを求めるのか。
知らなかった。かれは人恋しさでヒトと関わったりしないから。
着飾り、演じて、楽しませる役目を自ら望んでこなかったから。
そこでまたひとつ好奇心が生まれた。
なら、己の
コアへ直に触れてもらえば。状況が整えば確かめられること。
だけどかれは未だに答えを得ていない。得ないまま、人の話を聞くのが好きになった。
夢中になれるものなど何処にも無いけれど、四辺に転がるのは興味の塊ばかりだから。
無遠慮に首を突っ込むかれを厭う者が出ても、本人は残念とも思わない。
そんなかれは、誰かの日常を天井の節穴から覗き見て、とろりと毒を垂らすような存在。
致死量でもなければ、救いの糸にも成り得ぬ毒は――かれの『心』らしきモノを満たすために滲みていく。
楽しくても、真に満たされる日はまだ巡ってこない。
かれの名はフラッフル。
ふたつのfを抱く、ただの散歩者だ。