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生まれつき

登場人物一覧

彼岸会 空観(p3p007169)
彼岸会 空観の関係者
→ イラスト

名前:彼岸会 無量
種族:旅人
性別:女
年齢(或いは外見年齢):十代後半~二十歳程
一人称:私(わたくし)
二人称:貴方、貴方様、お姉様
口調:~ですわ、~でしょう? ~ではなくて?
特徴:美形、柔和、アルビノ、おしゃべり、残酷、裏表がある
設定:

 本当の『無量』。姉のそれは妹の名を名乗るによる。通称『荊棘姫(いばらき)』とも称される。
 彼岸会 無量の血を分けた実の妹であるが、姉とは対照的に身体は弱く生まれついた。
 礼儀正しく何事にも卒のない優等生であり、家族想いで心優しく聡明で美しい彼女は無量を含む家族全て、或いは周囲の人間すべてに深く慈しまれ愛されていた。
 彼女と彼女を取り巻く幸福な世界が暗転したのは彼女が十七になった時の事だった。地方で猛威を振るった疫病は彼女を含む多くの人間の命を脅かしたのだ。
『姉である無量』は唯一残された肉親である妹の為に神仏に祈り、全ての尽力を続けたが、結果として彼女が快癒する事は無く、憔悴し、絶望していく姉を見ていられなかった彼女は姉の負担にはなるないと最後には自分からその姿を消した。

 ……と、いう事になっているし『姉である無量』は思っているのだが、その内実は全く異なる。
 彼女が生まれつき持ちあわせてしまったのは『病弱な身体』と『その反面の美しさ』だけでは無かった。
 無量が授かった最大の祝福/呪い(ギフト)は、凡そ救いようのない嗜虐欲求(ぜったいあく)である。
 環境は人を作らなかった。彼女は『一切の狂気に侵される事もなく、全て素面の状態で一般的なそれとは全く違う次元の価値観を有している』。
 彼女は姉が大好きだった。
 故に疫病に侵された時、彼女は心底より歓喜した。その意味を聡明な頭脳で理解していた。
 病魔に苦しみながらも、最愛の姉が徐々に壊れていく様子に心の底から満悦し、砂被り席にありながらキャストとして『姉がより憔悴するよう、無力感に絶望し、弱っていくよう、絶対に助けなければいけない妹を好演した』。

 最後の時、姉の前から姿を消したのは唯の仕上げである。
 事実、妹を救えなかった姉は、妹の苦しみを終えさせる事も出来なかった姉はすっかり祈りを捨て、救いと称して人を斬る鬼になってしまったのだからそれは計算通りであった。
 計算違いはその直後、混沌に呼ばれてしまった事。
 長く無為な人生を次はどう遊ばせようか考えている彼女が姉と再会するのはきっともう少しあとの事。

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