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シナリオ詳細

再現性東京202X:触れ遭いナマモノ園

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ズー・ズー・パニック

 土竜とも蟻とも腐乱死体とも思える、飛翔する生き物。
 これは展示されている『もの』のひとつに過ぎない。

 希望ヶ浜学園周辺には様々な娯楽施設が存在している。お洒落なカフェやハンバーガーショップ、隙間時間に使えるジムやらネットカフェなど、思いついたものは必ずと言っていいほどに見つかるだろう。そんな中でも最近学生たちの中で密かなブームになっているのが、そう、動物園である。その動物園は『触れ合い』をモットーとしており普通の動物園ではありえない生き物との触れ合いも可能だと謳っている。たとえば、大きな草食動物などが挙げられるがそんなものは序の口。この動物園にはもっと面白い、普通に生きていては絶対に会えないものとの交流も容易なのだ。
 例を挙げよう。ここに、とっても可愛らしいモフモフとした生物がいる。このモフ味あふれる生命体の名前は『シアエナガ』。個体によって見え方が変わってくるのか、特徴的な緑色の単眼が此方を覗き込んでいるように思えてたまらない、タマラナイ……。
 夜――お客さんのいない時間帯、警備員が巡回していると違和感をおぼえる。この小屋、今日はヤケに静かだな……? チュンチュン、声が聞こえた。鳴き声が聞こえた。いや、そんな、まさか――外から! 外から!!!
 名状し難い騒音――正体を晒す獣の群れ――正気を失ってぶっ倒れた警備員。

●とある公園
「まあ、つまりだよ。ボクの造った動物園から生き物が脱走してしまったワケだね。いや、本当、驚きの出来事だよ。ボクがしっかりと管理してきたって謂うのにさ。たぶん気の触れた警備員があやまって鍵を開けちゃったのさ。嫌になるよね」
 やれやれ、と、楽しそうに息を吐いたのは依頼人である一般人『N』であった。勿論、依頼を受けるイレギュラーズ諸君は彼女の事を『一般的』だとは思えないだろう。
「はあ??? 莫迦じゃないの??? そもそもアレはアンタが集めた『生き物』じゃないの。アンタが回収しなさいよ、おい、聞いてんのニャルラトホテプ???」
 くらりと目眩を起こして頭を抱えた彼女は火々神・くとか。イレギュラーズの『生き物回収』に同行してくれる生徒だ。依頼人とは仲があまりよくないと見える。
「そんなに火っ火してると寿命を縮めるぜ、キミ。ボクとしては生き物が無事ならなんだって良いさ。そうそう、これは知ってると思うけど。人が見たら一瞬で気が狂う生き物もいるから回収の際は注意してくれよ。それじゃ、吉報を待ってるからね」

NMコメント

 にゃあらです。
 パニック・ホラー。
 このシナリオはラリーです、第一章で終了の予定。

●状況説明
 動物園から『生き物』が脱走しました。
 総ての生き物を回収し檻に容れよう。

●目標
 生き物の全回収。

●動物園
 一般人『N』が造った動物園です。
 今はもぬけの殻、生き物は希望ヶ丘にて騒ぎを起こしています。

●生き物
 様々な『生き物』です。
 全てが名状し難い形状をしており、見るだけで頭がおかしくなります。
 OPで登場したのは『土竜とも蟻とも腐乱死体とも思える生き物』と『シアエナガ』です。
 プレイング次第で色々増やせます。

●登場人物
 一般人『N』
 自らを一般人とのたまう存在です。
 ロクでもないやつです。
 ぶっちゃけるとニャルラトホテプです。

 火々神・くとか
 夜妖を滅する一族の末裔です。
 ニャルラトホテプ絶対殺すウーマン。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はLです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる場合があります。
 全て成功判定になります。

●サンプルプレイング
 じゃあ俺はシアエナガを捕まえるとするか。
 シアエナガの好物って何だ……?
 えっ? 肉……? しかも新鮮な肉
 困ったな俺用意してきてない……。
 うわっ! なんか来た。すごい勢いで群れてきた。
 つつくな、痛い、痛いから!
 ……なんか食べられたくなってきたな?

  • 再現性東京202X:触れ遭いナマモノ園完了
  • 君も動物園でシアエナガと触手!!!
  • NM名にゃあら
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年08月10日 22時00分
  • 章数1章
  • 総採用数5人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)
極夜

 伽藍洞に成り果てたロールケーキがクリームの行方を探して転がっている、胡乱な生命体どもの筆舌に尽くし難い鳴き声、今直ぐにでも耳を塞いで終いたいがペッカートに選択肢はない。じゃあ、その可愛いモフモフしたシアエナガっていう生き物でも捕まえるか。真っ白いモフモフが肉食性なのか雑食性なのか知らないが、新鮮な肉が二体もあるのだから、それに釣られて蠢動してくるかもしれない。ねえ、待ちなさいよ、アタシも含まれてるって事じゃない? 気の所為だぜ君、片っ端から鳥籠に詰めりゃ万々歳じゃねぇかな。飼育小屋がピチピチと騒いでいる、もしや収容場所も脈動しているのか。
 ……なんだこれ。明らかな可笑しさ、まったく不自然な沙汰ではないか。集ってくるシアエナガ、緑だったり赤だったりと散らかった単眼の群れ。こんなん小屋に入りきらない、と、いうより。増えてないか? まるで餌を、魂をつつくストラスが如くに。幾等なんでもテンション上がりすぎだと思うんだよなぁ……待て。そんなに群がってくれると肉が在っても足りやしない。友好の握手にしては力加減に容赦が無さすぎるぞ……締め付けられた腕の、なんとも、脆弱なゼリーか。折れて潰れて、ずるずると啜られる。
 まぁ、でもいいか。再生するし。いや良くないわよ、えっ、嘘こっちに来ないで……! 誰かさんの悲鳴が聞こえる。羨ましい、燃えるような、萌えるような末路だ。こいつはこんなに可愛いんだから。

成否

成功


第1章 第2節

毒島 仁郎(p3p004872)
ドクター・チェイス・ゲーム

 再現性東京――希望ヶ浜、とある町と地続きになっている此処には名状し難いものが時折流れ込んでくる。今回の沙汰はおそらく、毒島の予想では第三者による外来種的な侵略行為とも解せたが、そんな正気ではない事を思惟している暇はない。毎度の事ながらこの地はコズミック事案が絶えませんねぇ。まあ、ぽぽ魅さん――デカイ化け物――連れてる私が言えた義理でもありませんが。はっはっはと笑い飛ばした紙袋のピエロなセンス、では、害獣捕獲と参りましょうか。おいおい、害獣だなんて人聞きの悪い事謂うなよ。それならアナタも手伝ってくれませんか? まあ、私にはぽぽ魅さんの障壁があるので力を借りる気はありませんがね――突如として介入してきた依頼人をお断って、遭遇したのは……。
 シアエナガ以外にもナマモノがいるという事ですが、あそこ、何か動きましたね。草むらから飛び出してきたのはキノコを背負った人間サイズの甲殻類。仮にマツクビガニとでも呼びましょうか? キノコが本体の可能性も高そうですね。ともあれ、ぽぽ魅さんの守りを受けながら――殴ったり蹴ったり、組み合ったりと大忙し、良い汗をかいたなオマエ。
 時間は掛ったが如何にか小屋に戻す事が出来た。収容後も元気な様子でバタバタと胞子を散らかしている。……ええと、ぽぽ魅さん? 都市伝説なアレの亜種がぬらりと、淫靡な眼でオマエに圧し掛かった。重い……超常存在を狂わせ……。
 アッーーー!?

成否

成功


第1章 第3節

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

 動植物園にはオコサマ用の小さな遊園地があった筈だ、用意されていないとは、吶喊、滅裂な仕事だったに違いない。早めの弁当を贄としていた獣は我慢の二文字を殺していた。ひり出された臓腑と未消化の三葉虫。
 おめでたい紅白の檻の中で、糖度、在り来たりな果実よりも凄まじい二人の縛鎖。ハツに絡まった血管、流れて往く赤の熱っぽさにグルグルと騒々しいカタツムリの真似事。シアエナガを探します。キッパリと言い切った睦月の眼球は、それはもう、キャンディみたいに不安定であった。知ってますよ、黄色くてぬるっとしていて、ぎゅっとしぼるとけきゃけきゃって鳴くんですよね? あと水につけると増えて、黄色い……。何かを探すのだとしても、カンちゃん、それって本当にシアエナガなのかなあ。ハッキリとした間違いにぼんやりとした指摘、いや、詩的なほどに肯定するとでも言い換えるべきか。俺は、寒櫻院・史之は、オマエの従者だし、かわいい奥さんの喜ぶ顔は見たいものね。寝転がって坂道を往くような心掛けだ、たいへん柔らかいほどに黄色は幸せの色ですから……。
 白くて、モフモフで、緑なのか赤なのか解せないほどの単眼が積み重なっている。四つ葉のクローバー探しを彷彿とさせる現状に、女の子、邪魔なふわふわをポイ捨てする。白いのはシアエナガじゃないので、勿論、アノマロカリスのフリした獣と同様に扱います。知らないです、こんなの。いやいや、どうみてもこっちがシアエナガなんだけど。ぶん投げられた個体をキャッチして睦月の様子を窺う。ダメそうだ。カンちゃん、今日はコーヒーカップはおやすみだし、ここは動物園だよ。訂正しようと想ったけれどもお話が壊れていく。俺はぐるぐるできない半端者だから地道にやりますか。心までもが撹拌されて、脳味噌はいつも通りに使い物にならない。どこにいるの、幸せの黄色いシアエナガ。ちょっとしーちゃん、手が止まってるし頭も動いてない。はい、がんばって。僕も探すから……。
 思えば彼方まで足を運んだものだ。白いのをまとめてアタッシュケースに詰め込んだらあとで『N』さんに渡しておけば宜しい。なんか鳴いてる。何が? 気にしてはいけないと緑の崩壊で学ばなかったのか。喰い破られている……それが? おい、おい、襲い掛かってくるなよ白いモフモフのクセに。デートのお邪魔はだめだよ君たち……。クオリティは完璧だ、添えた所為だ、ナマモノは腹を空かせている。
 しーちゃん、本物のシアエナガを見つけたよ。仲良しこよしに半分こだ。ずっとずっと仲良しでいたいから引き千切った。そう謂えば、くとかさん。くとかさんは見つけました? 幸せなまでに黄色い、けきゃきゃきゃって笑う……。誰が正気に戻ったのか、戻したのか、ぬるっと掌から逃れたナメクジの出来損ない。
 え、なにこれ。
 そりゃこっちの科白、アンタ等もうちょっと正気で居なさい。
 今日の俺は正気だった筈だけどね。

成否

成功


第1章 第4節

ピエール(p3p011251)
ナマモノ候補

 ようこそ、無辜なる混沌へ――かつて神の如き存在は世界を晩餐として喩えたが、果て、世の中が馳走である事に変わりはない。召喚されての「初仕事」が猫探しならぬナマモノ探しとは、嗚呼、如何様な運命か、ピエール、その巨躯を堂々と晒して魅せた。ま、何でもそうだが一歩ずつコツコツとだな。どうせ「レベル1」とかで「鍛え直し」なわけだし。まったく豚骨に沁みるかのような想いだ。何処かの誰かさんみたいに、再び、磨き上げる事を楽しめる――素晴らしいほどのバトル中毒だ、さて、オマエの眼球に映ったのはシアエナガではなく……土竜とも蟻とも腐乱死体とも思える、筆舌に尽くし難い蠕動。ともあれ、動いているのならナマモノだ。じりじりと、刺激しないように盾を構えて、ゆっくりと『それ』に近づく。今だ。組み付いてやれば此方のもの、ナマモノも『視なければ』只の生き物だ。本来の棲家を模倣した緑光まみれなナマモノ小屋に収容しておく。これで依頼は完了。やれやれ……これ以上の視認は危険だな。おい、「N」さんと、やら……。
 一般人を名乗っている依頼者がじろじろと此方を視ていた。俺の顔に何かついてるか? それとも、豚頭のオークがそんなに珍しいか? いやいや、そうじゃないさ。君もナマモノになれるんじゃないかって、そんな考えなのさ。俺はナマモノじゃねぇからな! なる気もねぇ! ナマモノ園で見世物になるなんてまっぴらゴメンだぜ! 残念だなぁ。

成否

成功


第1章 第5節

 名状し難いナマモノの鳴き声が反響する、そのままお客様は発狂したと謂う末路だ。
「いや、君達、助かったよ。これで東京も正気を保てるってワケさ」
 一般人『N』は満足げな面でイレギュラーズを称えていた。
「そうそう、シアエナガ一匹くらいならあげるよ、彼等は賢いから脱走しないよう注意してね」

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