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シナリオ詳細

再現性東京202X:死亡確認、良し!

完了

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オープニング

●ロデリック・アッシャー
 暗い――只管に暗かった。
 軽率に頷いた所為だ。テキトウに笑った所為だ。
 まさか彼女がこんなにも頭の中身が柔らかいとは想いもしなかったのだ。
 狭苦しい世界にひとり、莫迦みたいにオマエは横たわっている。
 最低限の呼吸を試みても、脳が、精神が、今にも爆ぜそうになってたまらない。まるで先端から腐るような、削がれるような思いに触れてしまいそうになって数分。
 いや、数秒か、それとも数時間か、或いは数日……?
 わからない。わかりたくもない。ガリガリとやっていた指の爪はもう無いと謂うのに。誰か助けてくれ……誰でもいいから、助けてくれ……。
 燃え、崩れ、朽ちていく現実に絶望の二文字を知った。

●私立希望ヶ浜学園、とある教室にて
 練達――再現性東京、私立希望ヶ浜学園。授業終了のチャイムが鳴り響く。イレギュラーズである君達は各々、昼休憩が『始まった』事を認めるだろうか。友達や先生との仲睦まじい和やかな時間の予感にワクワクとしていると、不意に、声を掛けられた。其処にいたのは知っている貌だったか、知らない貌だったか。兎も角として、なんとも愛らしい女の子で――いや。オマエであればきっと赤城ゆいの噂を耳にした事くらいはあるだろう。何せ彼女はクラスの中でもひと際美人で、病弱で、少し前までは保健室登校が当たり前だったのだから。
「最近せんせーに会えなくなったから少し寂しいんだけどさ、でも、これも授業の一環だと思う事にしたんだ。それでね、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、手伝ってほしいんだけど、良いかな……?」
 ところで、イレギュラーズ諸君は『早過ぎた埋葬』と謂う言葉をご存じだろうか。再現性東京では火葬が一般的だが、その昔、埋葬が当たり前だった頃『実は死んでいなかった』場合が多々と視られたらしい。棺の中から呼吸音がこぼれた、だとか、もがく音が聞こえた、とか、それなら『まだ』助けられた。しかし、仮死状態の儘で埋葬され気付いた時には暗闇だった、なんて状況も――掘り起こされた死体の面構えの、ああ、なんと謂う苦悶……。
「ま、ようするに、ね。新鮮なホイップクリームや粘土で楽しむのも良いんだけど偶には『視えていない』ものを『視たい』って思ったの。あ、ちゃんと棺とかは用意したから安心して。あーしは皆の反応が知りたいだけだから。良い作品が出来たら最初に見せてあげる……ホントはせんせーにも見てほしいんだけど」
 おもたい蓋がひらく。

NMコメント

 にゃあらです。
 ホー、ホー……。
 第一章完結予定、カジュアルシナリオなので全て成功します。

●状況説明
 アナタはとある女子学生に声を掛けられました。
 彼女の願いを聞いてやってください。
 アナタが犠牲にならなければそこらの生徒が犠牲になります。

●目標
 埋葬ごっこに付き合う。
 プレイング次第で『埋葬されている時間』が変動します。
 赤城ちゃんの気分次第で24時間放置とかもあるかもしれません。

●再現性東京、希望ヶ浜学園
 再現性東京に存在するおっきな学園です。
 みなさん知っての通りでしょう。

●登場人物
 赤城ゆい
 頭のネジどころが頭の中身が加工されてる系女子です。
 もう完全に正気ではありません。
 常に『芸術』の事を考えており今回は『人間が生きた儘葬られる』ところを視たいそうです。

●サンプルプレイング
 埋葬時間10分
「いや、確かに聞いた事はあるけど、その誘いは……」
 でも私がやらないと他の誰かがやる事になってしまう。
 ここは仕方が無いので頷いておく。
「やけに本格的な棺だな」
 蓋をされた。何も見えない。かすかに、かろうじて、声だけは聞こえる。
「ま……まってくれ。埋めるのか? これ本当に埋めるのか???」
 気が狂わないように平常心を取得しといて良かった。
 でもこれキツイ。夢に出そう。

  • 再現性東京202X:死亡確認、良し!完了
  • 赤城ちゃんと一緒に埋葬ごっこしよう!!! イレギュラーズ死体役な!!!
  • NM名にゃあら
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年06月29日 22時50分
  • 章数1章
  • 総採用数4人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結

 縄張り争いに敗れた獣の行き先は、孤独、亡骸を晒す他にない。人類で在っても同じ事で横たわった糞尿の袋は爆ぜる時を待つのみ。しかし、生前に葬られる体験をする事で僅かにショックと呼ばれたものを削げるのではないか。おや赤城さんじゃないか。アノマロカリスの頭部はどうだった? ホイップクリームがたっぷりで美味かっただろ……。頷くよりも速く心の広さを魅せつけると宜しい。いいよ、埋まればいいんだね? カンちゃんじゃない他の人のお願いを受ける程度には紳士だよ。脳味噌を叩き付けたからには仕事としてやり遂げなければ成らない。それじゃ、蓋をしめておくれ――重苦しい黒々とした裏側を舐めた史之。
 真っ暗で静かで、何よりも、沈むようで、昼寝にはちょうどいい感じ。布団やベッド、誰かの膝や腕とは違ってヤケに痛いのが気になるけれど、まあ、他の依頼みたいに。荒れ地での雑魚寝よかいー感じ――これが絶対無敵のプライベート空間、理想的な死体役と謂うワケだ。それでは腐敗よろしくおやすみなさーい。
 ふああ――ねすぎたな。全身が硬直したかのような感覚に苛まれる。赤城さん、そろそろ開けて。こんこんと軽くノックをしたところで血が上手く巡っていない事に気付けた。……赤城さん? おーい……おーい。えっちょっと待ってこのまま? 如何やら脳味噌を叩き付けていたのは彼女も同じらしい。せめて最後はカンちゃんの腕の中、果てたい。勘弁してよー……。

成否

成功


第1章 第2節

冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

 粘土と飴の違いを説明する為には人らしい舌を再構築しなければ成らない。赤城さんこんにちは、零したところで真実味を把握する事は難しい。今日はアノマロカリスの刺身はけっこうですか? 結構なお手前でしたと心無いお話、つまりは脳味噌が蟹味噌と同じだと嘯くのか。それとも頭の殻を使って芸術的なオブジェでも作りますか? どちらでもご自由に、と、睦月。
 棺桶は根の国の香りなのだと、二度と戻れぬ馥郁なのだと、僕は『これ』を知っている。しばしの別れだと虚空の誰かさんに手を振ったならば、確りと、別の墓穴に君は居たのか。ばいばい、しーちゃん。牙を隠し切れない獣の如くに、獰猛性を失くせない怪物の如くに、さて、佛様は何処まで骨粉を吹いてくれる……。冷たい寝床に身を横たえ、ごとん、重苦しい黑の中にオマエは在る――まっくらになったので瞼を閉ざした。世を厭う人のように。
 ユリカゴから墓場まで何を持っていくのか、さしずめ無限ループの最中、小さい世界からの洗礼。廻る事すらも出来なくなって奪われた体温、こんなに寒いとは想定していなかった。僕一人だけで足りる空間というのも――やっぱりいやだな。悪くないなんて思った自分が忌まわしく、何よりも、どうしてさっき「ばいばい」なんて強がったのか。永遠の別れみたいじゃない。そんなのは……。

 開けて。

 とんとん、蓋をたたく。
 何度も何度も、とんとん、とんとん。
 赤城さん、気づいて、早く。

成否

成功


第1章 第3節

アオゾラ・フルーフ・エーヴィヒカイト(p3p009438)
不死呪

 新鮮なホイップクリームとは真逆な色合いだと謂うのにアオゾラとは奇天烈な名前ではないか。所以としては空中神殿で目にした、綺麗な綺麗な景色、光景に身投げしたくもなる。そんな、ロマンと現実まみれる中での提案にオマエは僅かにだけ好奇を覚えた。生きたまま埋葬ですか。ワタシはちょっとやそっとでは死なない体なので棺桶とは縁がないデスガ面白そうなので入ってみるデス。なんだかゾンビが自分のお墓に帰っていくようですね。蓋をされる前にそんな言葉が聞こえたのだが、ああ、まったく膨れ面をさせてくれる……。
 重苦しい黑に蒼白が失せてから数秒、ふむ、やはり棺桶の中は暗いデスネ。重ねて枕が少し硬いのもいただけない。今からグッスリお休みしようと思っていたが如何にも寝難くてたまらない。この身体は酸欠位では死なないですが首が凝ると後が辛そうデスネ……? でも、まあ、今まで肩凝りになったことはないデスからもしかしたら大丈夫かもデス。これもおそらくお呪いの効果だ。重なり過ぎて、圧迫が過ぎて、何が所以かも解せないのだが――不完全な願望器に瞼の中身をころがす、随分とゴロゴロとした心地の良さだ。
 ……ぐぅ。
 ……ぐー。
 ……はっ!?
 覚醒したのは何時間、いや、何日後だったか。気がついたら寝てたデス。枕は硬かったですが静かで、こう、思っていた以上にぐっすりと眠れたので、偶にはいいかも知れないデスネ……いつ掘り返してくれるのデス?

成否

成功


第1章 第4節

ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)
極夜

 テケリ・リ――アルビノ讃歌に参加するのは勝手だが、黑い。
 ある男は虚無と謂う宇宙と繋がり――半永久的な旅には、勿論、夢の世界も含まれる――此処に来た。肉体と魂魄の関係性などはこの際、置いておいて、湿った土の臭いを友とする。嗚呼、虚れこそが絶対の闇黒だと嗤うならば、圧し被さる深海の如き沈黙も枕や毛布の亜種にひとしい。眼には見えないが感じる征服者蛆虫の感覚……或いは、惑星ひとつを蹂躙するワームの仕業か。ペッカートにとっては、俺にとっては何れも子守唄のようなものだが、生きている間に埋葬されると云うことは人間にとって運命の上に落ちてきた極度の苦痛の中でもっとも恐ろしいものだと――自分を殺した方がまだマシだとウィリアムも嘆く。ところでウィリアムって誰だ。俺は男の話をしているのだ。結局のところ『それ』は男の記憶違いだったのだが……。まあ、兎も角、俺は数奇にも取り残されてしまったワケだ。俺は眠らなければいけない。眠っていることにしなければいけないのだ……でなければ苦痛が、空虚が、崩壊する家々が、我々を滅ぼして終うから……?
 暇で暇で仕方がない。暇が過ぎてポエムを始めるくらいだ。ぽぉぽぉとヤカマシイ棺からの脱出は何時になる? これ待ってていいんだよな? おーい、さっき埋めてくれた君、俺じゃ面白くもないだろ。俺じゃ芸術作品の『げ』の字にもならねぇぜ? ごっこ遊びはこれで終いにしようじゃねぇか……。

成否

成功


第1章 第5節

 せんせーに叱られたんだ。停滞だけはダメなんだって。
 これで初心にかえる事が出来たよ、ありがとう!
 あ、これお土産のクレープね。
 ……実際さ、生きたまま埋葬される事って中々ないと思うんだ。
 とくにこの混沌とした世界では!

 崩壊する事は決してない、と、校舎が聳えている。
 何処かの『家』のように腐る未来はないのだろう。
 死亡確認、良し!

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