＜廃滅の海色＞娯楽の陰りて

オープニング

●＜廃滅の海色＞娯楽の陰りて
　美しい海の拡がる蒼穹の国、海洋。
　住まう人々は幸せに暮らし、そして……ここ、シレンツィオ・リゾートにおいてはカジノ等の娯楽に興じる裕福な人々が多い。
　彼らからすれば、海洋の国を苦しめた『廃滅病』は最早過去の病気であり、今のこの国に於いては完治された病であると信じられている。
　それ故にこの国で最早事件など起きる訳も無い……と考えている人々も多く居り、享楽を楽しみ、思うがままに生きる人々が、このシレンツィオ・リゾートに集う。
　……だが、そんなシレンツィオ・リゾートの近く。
『あぁ、明日にはリゾート到着かぁ……』
『そうだなぁ……折角のバカンスだ。思う存分楽しもうぜぇ！』
　海洋のどこかから船を駆りて、リゾートへと向かう、羽振りの良さそうな男達。
　恐らく海洋のどこかで交易で成功を収め、上手い具合に金を得た者達なのだろう……降って湧いた金だから、一時の享楽に使おうと考えるのは、その若さ故、かもしれない。
　昼も夜も休みなく船を進め……そして、水平線の辺りにシレンツィオ・リゾートの煌めく灯りが見えた、その時。
　船の周囲を取り囲むように、コポコポと水泡が海中から浮かんでくる。
　だが、彼らは水泡に気付いたとしても、気に掛けることは無い。
　気付かずに時間だけが経過……そして。
『……グルゥォオオ……』
　今度ハハッキリと、海底から聞こえてきた唸り声。
　その唸り声と共に、船に海中から絡みつく触腕。
　船は抵抗出来る程強固ではない……その触腕が締まれば容易に破壊され、船は真っ二つに破壊。
『うわぁ、なんだ、なんだ！！』
　と驚きの声を上げる彼らが見たのは……薄暗闇の中に姿を表す、巨大な『蛸』
　ただ、普通の蛸とは全く違う特徴がある……頭部に鈍く光り輝く、『錨』の様な紋様。
　まるで息付くように鈍く輝く蛸に囚われ、生きたままに囚われし彼らは悲鳴を上げて、そのまま海中へと引き摺り込まれていくのであった。

●
「……すいません。『海洋』で動きがあった様なのです……」
　天義首都。
　『深緑の声』ルリア＝ルミナス（p3n000174）は、集まってくれたイレギュラーズ達を前にして、頭を下げるのも早々に、海洋王国の地図を提示し、『シレンツィオ・リゾート』を指す。
　勿論イレギュラーズ達にとって、シレンツィオ・リゾートは一大娯楽産業を集めた地である、と言うのは周知の事実。
　そんな場所故に、海洋だけではなく、遠い場所から遠路遙々訪れるような客も多い。
　だが、ルリアが集めたと言う事は……ここに天義の『影』が現れた、という事なのだろう。
「皆様も知っての通り、ここ……シレンツィオ・リゾートには沢山の人が訪れます。ですが、ここを訪れる船が無差別に襲われる事件が発生している様なのです」
「恐らく……天義の『影の軍勢』が裏で糸を引いて居るのでしょう……命からがら生き延びた方からは、その襲われた『巨大蛸』の頭に『錨』の紋様が刻まれていたと言います……」
「『錨』の紋様は、恐らく……遂行者の聖痕でしょう。その力を得て、狂暴化した彼らは見つけた者を無差別に破壊し、殺します……リゾート地にそのような話が広まれば、瞬く間に寂れてしまいかねません……」
「……正直、『巨大な蛸』という事と、『錨』の紋様が刻まれている事以外……詳しい事は判っておりません。ですが……この事態を放置しておく訳にも参りません……どうか、皆様のお力を貸して下さい……宜しくお願い致します……」
　そうルリアは、本当にすみません、と頭を下げるのであった。

参加者 : 8 人

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参加者一覧（8人）

リプレイ

●富を求めし
　海洋王国の一大リゾート地、『シレンツィオ・リゾート』。
　ホテル、カジノ、歓楽街などが所狭しと並び、海洋の人達だけでなく、周りの人々まで吸い寄せるような……そんな人々の『欲』を満たす街。
　当然そこに集いし人々は享楽的な環境に身を投じており、今迄海洋で起きた事件なんて過去のものであり、最早自分達には関係無い……なんて思って居る人も多い。
　過去に国を苦しめた『廃滅病』ですら、過去の病気でありて、今を生きる自分達には縁の無い事だ、と……。
「まぁなぁ……こういう病ってのは、自分の身に降りかからなければ、単なる伝承伝記の病だとしか想わない奴なんてのも多いだろうしな」
　肩を竦め青い空を仰ぎ見るのは、『Star[K]night』ファニー（p3p010255）。
　己に刻み込まれた烙印を経たからだろうか……強く想う。
　そして、そんなファニーの経緯をどこかから聞いた『揺蕩う老魚』海音寺 潮（p3p001498）と『幻蒼海龍』十夜 縁（p3p000099）からも。
「まぁのぅ……あれは酷い病じゃった。勿論それを常に感じて生きておいてほしいという訳ではないがの」
「ああ。にしてもすこし緩み過ぎな感じはするがね。海の漢ならば、そういった危険と隣り合わせだと身に染みついていそうな所だが」
「それはの、やはりここがリゾート地だからじゃろうて。楽しい事が待って居れば、自然とその前には気が緩んでしまうものじゃからな」
　笑う潮にやれやれ、と肩を竦める縁。
　当然イレギュラーズ達がシレンツィオ・リゾートに来たという事は理由がある訳で……今回は、この島の周りに『廃滅病』に侵されたかの様な、狂暴化した海の魔物が現れた故。
　彼の魔物は、この海域を通りがかる船に次々と襲い掛かり、絡みついて海の底へと沈めてしまう……そんな事件を発生させている。
　その被害に逢う船数は少ないが為に……単に座礁したんじゃないか、とか言われたりもするが。
　そんな中、漏れ伝わる話の中には、船を襲いしかの魔物は、頭に『錨』の聖痕が刻まれている蛸と言う事……つまりこの事件の裏には、天義が関わっている。
「しばらく平和になってきたってのに……本当に何をやってくれているのかしらね」
　少し憤りを見せる『銀すずめ』ティスル ティル（p3p006151）、それにファニー、『ヴァイスドラッヘ』レイリー＝シュタイン（p3p007270）、『苦い』カトルカール（p3p010944）も。
「全くだぜ。ついに海まで進軍して来たってことか……」
「天義だけかと思っていたけど、とうとう海洋にまで現れるなんてね……遂行者の奴ら」
「そうだよ！　もう、まったくもう！！　僕の担当（シマ）に変な怪物を放すなってんだよ！！」
　一際強い憤りを見せるカトルカール……サヨナキドリの支部長だからこそ、己が身に一番響くことであるというのもあるだろう……それを理解した上で大和型戦艦 二番艦 武蔵（p3p010829）は頷きながら。
「そうだな。シレンツィオのようなシマならば交易は重要……通商破壊など仕掛けられてはたまったものではないだろう。一刻も早く原因を排除し、安心させてやりたいものだな」
「もうその通り！　シレンツィオ・リゾートが寂れるだなんて冗談じゃない！！　サヨナキドリの支店長としては絶対許しておけない！　解決しないと！！　縁のおっちゃん、潮のおっちゃんも力を貸してくれてありがとな！！」
　見上げてくるカトルカールに、縁は。
「ああ、ま、気にするな。海洋は俺にとってのシマでもあるからな。まぁでかい蛸に関しちゃ、幽霊船と並んで海洋の風物詩みてぇなモンだから今更驚きはねぇが」
「そうじゃ。奴等の目的が何かは知らんが、皆が楽しんで居る所に水を差しに来るようならばお帰り頂くかのう」
「ん。でかい蛸に関しちゃ、幽霊船と並んで海洋の風物詩みてぇなモンだろうさ。ま、そこらへんは今更驚かねぇとして……天義の例の連中の仕業でそいつが余計に面倒な奴になっちまってるって訳か。厄介だねぇ」
　苦笑する縁に、『若木』寒櫻院・史之（p3p002233）とレイリーも。
「本当に厄介だよね。まぁとりあえず、今回はタコ漁、と……なんでここに現れたのかは、倒した後で調べればいい。何にせよ人を襲うタコは御免だよ。悪いけど、切って捨てるね」
「そうね。新たなる悲劇は絶対に起こさせないわよ！　私の白は負けないわよ！！」
　拳を振り上げるレイリー、そして。
「取りあえず彼らが出るのは夜……だったわよね。時間はまだあるし、今の内に港で注意喚起をしておきましょうか」
「そうだね。事前に周知しておくってのは大事だ。『蛸の化け物が最近夜に出て来て人を襲うから、夜に船を出さない様に』、とな。サヨナキドリの名前も添えておけば、ある程度信憑性は高まるだろうから、そう言ってくれてもいいさ」
「了解よ」
　カトルカールの提案に頷くティスル、そして縁、レイリーも。
「島とは言えど、ここには多種多様な人々が集まるからな……俺からも言伝しておこう……一応名は知られてる存在だからな」
「うむ。それでも聞かぬ様なら『今夜海で戦闘があるので、必ず今夜中に片付けるから船を出さないでほしい』とな。海の男同士の伝達網にも頼るとするかの」
「ああ、そうだな……ま、それでも出航する様なら、ま……どうなっても自業自得さ。ひとつしかねぇ命を賭け金にしていい、ってんならな」
「了解、二人共頼もしいわね！　なら私も精一杯、アピールしてくるわよ！」
　そう手分けして、夜の出航の時までイレギュラーズ達は島の港を巡り、出航しない様に言伝。
　勿論、それを必ず守ってくれるなんて保証は無いけれど……少なくとも声を掛けずに無防備に死を迎えるよりはマシ。
　そして夜になると共に……イレギュラーズ達は、島を離れていくのであった。

●錨上げ
　そして暗闇の拡がるシレンツィオ・リゾートの海を進むイレギュラーズ達。
　船に乗る者もあれば、飛行状態で海を進む者も居る……ただ、今回の巨大蛸は……。
「そういえば、今回の相手は船しか襲わないという話だったな……となると、飛行している人達の方には行かないと思うんだけど……果たしてどうなるのかな？」
　と史之は何処か楽しげに呟く。
　彼自身は船の近くを飛ぶ事で、いつ船が襲われても対処が出来るような体勢ではある。
　その船を操蛇する潮が。
「そうじゃのう……ま、この様に暗い海じゃし、どこから襲われるかも分からぬが……なぁに、この『ポチ二号』なら大丈夫じゃよ」
「中々の自信だね……ま、だからといって油断をしている訳じゃ無いんだろうけど」
　史之の言葉にはっはっは、と笑う潮。
　……ともあれ、この様な暗闇の中とあっては、いつ襲われても全くおかしくは無い状態なのは間違い無い。
　それ故に、いつ彼らが出て来ても良い様に、手分けして常に周囲の警戒……更には暗視を効かせて、その暗闇の中における僅かな変異を直ぐに発見出来るよう、監視の目を光らせる。
　そんな監視の目を光らすこと、数時間。
　幸い周りには船は居ない……イレギュラーズ達の呼びかけは、まぁまぁの効き目はあった様である。
　そして、出航した『シレンツィオ・リゾート』が、水平線上に消えるか、消えないかといった具合の所海域まで離れたところで……。
『……ゥォォォン……』
　海中から響きわたる、異質なる生物の鳴き声。
　その声を聞けば心がざわめき、水面上に僅かながらも見えていた小魚たちも、何かに怯えるかの如く、その周りから四方八方へ逃げだしてく。
「……ん？　何だか、おかしいわね……？」
　と、ティスルが音の異変が起きた所を指さす。
　警戒度を一段階上げて、その辺りへ近づいていくイレギュラーズ……すると、その周りには、まるで船が粉々に砕かれたが如く、船の甲板や船体の欠片と思しき物達が浮遊して居るのを発見。
　その木片を飛行する物達が接近し、掬い上げて見ると……当然濡れては居るが、水の浸食はまだそんなに拡がっていないのが分かる。
「これは……沈められてからそんなに時間は経っていない様だな。となると……」
　と武蔵が思慮した、その時。
　　水飛沫を上げ、海底から触腕を伸ばす『影』。
　漆黒の闇の中に在って、影の生成する朧気な概形は良く分かる。
　どこまでが影で、どこからが闇の空間なのかが分からない……そんな所。
　ただ……その影は、その腕を振り上げ、落とす事で水飛沫を立ち上らせて、己が身を水飛沫で纏い、眩ませる。
　勿論その腕は、二つだけでは無く、幾つもあるもので……。
「早速現れた様だな」
「その様ね！　ワールドイーター、大人しく出て来なさい！　ヴァイス☆ドラッヘ只今参上！　さぁ、夜の釣りに協力させて貰うわよ！」
　武蔵の言葉に、声高らかに口上を述べるレイリー。
　どうやら蛸はその挑発が効いた様で、再度触腕を水上へ振り上げ、また水飛沫を高らかに叩きつけて視界を水飛沫で覆い隠しながら、威嚇行動を取る。
「バッシャンバッシャンと五月蠅い奴だ。さっさとこの海に沈めてくれよう！」
　レイリーに続く形で武蔵がありったけの弾幕を一斉掃射し、蛸の居るであろう周域を集中砲火。
　水飛沫と弾幕の煙が千条を覆い隠し……それが晴れると共に、海上に顔を出している蛸のワールドイーターの姿を全員が確認。
　勿論その頭部には、『錨』の聖痕が刻まれており……彼が普通の怪物でない、と皆が一瞬で理解。
「あいつがかの『ワールドイーター』って奴かしら？　それじゃ早速だけど、始めさせて貰うわね！」
　とティスルは先陣を切り、蛸の頭、脚を狙い済まして短剣を投擲。
　流石に致命傷になる顔は避けるが、幾つかの短剣がその触腕に突き刺さる……すると、そこに向けて瞬間移動から飛び蹴りのコンボを叩きつける。
　素早さを活かした攻撃に、流石に対処仕切れないワールドイーター。
　それに続くは縁とファニーの両者。
　全面を受け持つレイリーに対し、側面へと回り込んで、焼けた星を次々と降り注いでいくファニー……その一方で縁は水中に潜航。
　浮かぶ蛸の身に、渾身の黒き大顎で食らいつき、一つの触腕を喰らい尽くす。
　水中で攻撃されたのに驚いたのか、その身を捩らせて海面が大きく変動するワールドイーター。
　当然船も大きく揺れてしまうが、卓越したそうだ能力で、蛸を挟み込むように潮が船を横付け。
「ほれ……頼むぞ」
　と仲間達に向けて潮が強化魔術を付与すると、史之、カトルカールの二人が連携。
　飛行する史之が狙うのは、海面上に出ている頭部……一方カトルカールは、脚と頭部の付け根をターゲット。
「どんな生き物でもさ、目だけは強化できないんだ。タコも同じだろう？」
「そうだ！　それにここを狙えば、いくらお前の力が強くても万全の効果を発揮出来ないだろう！」
　と、其れ其れが威力を最大にして攻撃を叩き込んでいく。
　そう仲間達が順次攻撃していく中、武蔵は戦況を俯瞰。
　……彼らとは違う影がこの場に居ないかを常時監視し……不穏な影を見つけ次第、即座に仲間達に知らせるように心がけながら、ワールドイーターを集中砲火。
　イレギュラーズ八人に対し、ワールドイーターはたったの一匹……数の上では圧倒的不利。
　更には左右前方をイレギュラーズ達二包囲され、逃げ筋も無い苦境。
　しかし苦境に撤退もせずに、イレギュラーズ達をただただ攻撃するワールドイーター。
　己が身を傷に侵されても、ひたむきに攻撃を行うその動きは、まるで何かに取り憑かれているかの様。
　……ともあれど、そんなワールドイーターの触腕を一つずつ使い物にならなくさせて行き……その半分ほどを切り落とした、その時。
『……小賢しい』
　どこからともなく聞こえてきた、通る声。
　その声の方向ははっきりしないが……次の瞬間、ワールドイーターの傷が少し癒えて、更にその素早さが一段階上がったかの様になる。
「何処に居るのかしら……？」
　とティスルが辺りを見渡すものの……その影は闇の中に紛れてしまう。
　とは言えど、ワールドイーターを支援する様な行動を行っているという事は、少なくとも近くに居る筈……それを確かめる為に、レイリーは少し場所を移動し、挑発を重ねる。
　その上で武蔵が広域を監視し……影の中の不審な動きが無いかをチェック。
　すると……ほんの僅かな影の揺らぎを発見。
「左方に影あり！」
「了解……んじゃ一気に仕掛けるか」
　ニヒルに笑うファニーが、その空間を焼き焦がす。
　燃え盛る焔……それが闇の一空間を確りと映し出し、闇の中の影が天使の羽を生やしたものである、と判明。
　更にそれが幾つも浮かび上がり、影の天使を炙り出していく。
「厄介な影の天使を先に仕留めるとしよう」
「了解じゃ」
　縁と潮も影の天使へ攻勢を転じ、四人で影の天使と相対。
　彼らがワールドイーターを補助できない様に、最大限の攻勢。
　さすがにイレギュラーズ達の攻勢の勢いに、影の天使達の回復や補助が追いつかない事態。
　数刻の後、ワールドイーターの身は完全に海の中へと沈み行き、残るは影の天使のみ。
　彼らは逃げようと踵を返すが……素早く動けたのは、イレギュラーズ。
「させないよっ！」
　と史之が回り込み、死の五月雨を叩き込み切り刻む。
　一匹を即に葬り……残る２体の影の天使に、その退路を開ける事もなく……そんなイレギュラーズ達の包囲網の前には、支援重視の闇の天使らは、満足に太刀打ちは出来なかった。

●波間揉まれ
　そして……。
「ふぅ……終わった様だな」
　息を吐き、夜空を見上げる縁。
　星々が瞬き、美しい景色……だが、周りには大量の船の木片が浮かび、悲壮なる状況。
「取りあえず……私達の船は無事の様ね？　彼らが何故現れたのか、ちょっと調べておきたい所だけど……いいかしらね？」
　ティスルの言葉に頷き、その周囲の海域を探索。
　彼の聖痕の他に、聖遺物と言われる残留物等が浮かんでいないかを確認しつつ、生存者がいないかを捜索する。
　だが……目立った様な異物は残って居らず、被害者の影も無い。
　とは言え一つ言えること……蛸の魔物と、影の天使達を倒した故なのかはわからないが、うっすら空の雲が晴れつつあるという状態。
「この悪天候は、彼らが引き起こしていたのかもしれないね。それ位、力が強い……ってことなのかもしれないな」
「確かに……天候を操作するなど、本来は不可能であろう。与り知らぬ力を持っている者達を相手していると……」
「……そうだね」
　史之と武蔵の会話の通り……彼らの真なる力は分からない。
　ともあれ巡回を終えたイレギュラーズ達は……朝靄の中、シレンツィオ・リゾートに帰還。
　港の係員や船員達がどうですかねぇ、と聞いてくる。
「ああ、もう大丈夫だ」
「航路の安全は確保したわ！　だからもう安心して貰って……これからも何かあれば、すぐに駆けつけるわ。だから、安心して！」
　ファニーとレイリーの言葉に安心した感じの港の人達。
　そんな表情を見ながら潮が。
「それにしても……ちょっと離れていたうちに色々起きているようじゃな。何があっても、すぐに対応出来るよう備えておかんとな」
　と言うと縁も。
「ああ……俺達の棲まうここを荒らすような奴等には天罰ってのをしっかり受けてもらおうぜ……な」
　不敵な笑みを浮かべる縁……そしてイレギュラーズ達は島を言ったん後にするのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

ご参加頂きまして、ありがとうございました！
タコさんは影の天使に操られ、巨大化させられたた被害タコなのかもしれませんが……このまま放っておいても良い事は万が一にも無いでしょう。
海洋の騒乱……天義から何を狙っているのかも分かりませんが、皆様のお力が頼りです、宜しくお願いします……！