シナリオ詳細
エーテリアルガーデン
オープニング
●夢幻と幻影の庭より
――こっちへおいで
そう問いかけられたら、振り向いてはいけない。
夢幻の庭の夢の中に、とらわれてしまうから。
「ええ、私も存じております。この辺りでは有名なおとぎ話ですから。子供の頃に、絵本で」
そう述べたのはアリアナ・ウィンウッド。
鉄帝国は銀の森にほど近い、古民家を改装したカフェにイレギュラーズと待ち合わせをした彼女は、予想の通り依頼人であった。
長い金髪を持つ華奢な女性で、翠緑の瞳をしている。吹けば飛ぶようなという表現は相応しくないが、太陽のもと風に飛んでいくタンポポの綿毛を連想させるようなふわふわとした印象が、どうしても彼女からはあった。
青と白を基調としたエレガントな雰囲気のある冒険者装備。マントを常用しているようだが、なぜだか涼しげな空気が彼女を覆っているようだ。
そんな彼女が依頼したのは、ダンジョンの攻略。
丁度この近くに『門』があるとされる、『エーテリアルガーデン』の攻略であった。
「エーテリアルガーデン。またの名を夢幻と幻影の庭。
あなたもこの付近を訪れた際に聞いたことはありませんか? もしかしたら、挑もうとしたこともあるかもしれませんね。
けど、今のところ入れた人は少ないはず。侵入者が永遠に閉じ込められてしまうという伝説もあることから、門は立ち入りが禁止されていますから」
アリアナは自らのバッグから鍵のようなものを取り出した。
それは鍵と呼ぶには簡素すぎる形で、ガラスのように透き通り、しかし向こう側をすかして見ようとすれば銀の蝶が羽ばたく様子が見えるという奇妙な素材でできていた。
「これは幻煌晶(エーテリアルライト)という素材で作られたもので、エーテリアルガーデンへの通行証でもあります。ええ、そうです……立ち入りを禁止しているというより、立ち入ることがそもそもできないのです。これがなくては」
苦笑するアリアナ。彼女はその鍵を翳してみせてから、説明を続けた。
「私は代々夢幻魔術の研究をする一族に産まれました。決定づけられたというより、この家に生まれた者は例外なく夢幻魔術に惹かれるといった方が正しいですね。
母も祖母も、そのもっと上の代もずっと、親や祖先の研究に憧れこの道を目指したと言います。
そう、わたしも例外ではありませんでした。
私の研究が一定の成果を見せた頃、このエーテリアルガーデンの鍵が母から継承されたのです」
こうした一族にとって、鍵を継承されることには意味がある。生涯の目標。夢。希望。そんなものを、次の代へと託すにはそれだけの信用と期待と、そして同等の夢が要るのだ。
「私は、この鍵を託してくれた母の期待に応えたい。エーテリアルガーデンへ一人だけで挑むことは、確かに不可能ではありませんが……何があるかわからない場所です。皆さんに、同行をお願いしたいのです」
エーテリアルガーデンは夢幻と幻影の庭と言われるだけあって、現実と夢が混じり合ったような異常な異空間である。
歩く度に景色が変わったり、意識や感覚が干渉されたりすることで、そこが夢なのか現実なのか区別がつかなくなることも多々あるという。
そして迷い込んだまま、夢の中に閉じ込められ永遠に出てこられないという伝説もまた、あるのだ。
「私が一緒にいる以上、夢に捕らわれて出てこられないということはないでしょう。できるだけ、私から離れないようにして頂ければ……」
そこまで説明してから、アリアナは前金となるコインの入った袋を取り出しテーブルへ置いた。
重さからしてかなりのものだ。最近のローレットを雇うのは安くないのである。
「エーテリアルガーデンには様々なモンスターが現れますし、場合によっては私達を惑わせる罠が仕掛けられているかもしれません。皆さんの力を、お貸し下さい」
- エーテリアルガーデン完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別 通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年05月30日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談0日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●夢の扉はいずこに
依頼人アリアナ・ウィンウッドは吹けば飛ぶような女性である。ふわふわとした冒険者装束は、つばのひろい日よけ帽や風よけマントをつけているのに奇妙に貴婦人めいて見える。
『大艦巨砲なピーターパン』メイ・ノファーマ(p3p009486)はそんな立ち姿に思わずふわわあという顔をしてしまった。
彼女の務めるバー『Stella Bianca』にこういうお客さんが来ないわけではない。海洋はリッツパークの出身であるが故、冒険者だって見慣れているつもりだ。
そんなメイの目から見ても、アリアナはだいぶ浮世離れをして見えた。それが夢幻魔術に魅入られた者特有の気配なのか、それともウィンウッド家に伝わる伝統や血筋なのかはわからあない。だがメイはなんとなく、後者であるような気がした。
「今日はよろしく! ダンジョン探索って聞いたけど……この分だとちょっとした冒険になりそうだね」
『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)は引き連れたロバ(メカ子ロリババアという何かがこじれたロバロボットである)の頭を撫でてみせた。
ロバの背を左右にまたぐように革の鞄が提げられ、中には冒険に使うような道具がぎっしり詰まっている。この辺りはさすが『勇者パーティー』の一人である。少数精鋭での備えに覚えありということだろう。
一方で『61分目の針』ルブラット・メルクライン(p3p009557)はかなり長年使い古したであろう鞄をひとつさげていた。中身は医療道具や医薬品なのだが、文明が瀉血全盛期の中世ヨーロッパである。きっと開いてみせれば21世紀の医療関係者が卒倒することだろう。
そんなアイテムでもちゃんと治癒ができるのだから、この世界はなかなかに『平等』である。
「しかし、エーテリアルガーデン――夢幻と幻影の庭、か。どんな植生があるものやら、興味深いな」
「植生……あるんでしょうか」
『航空猟兵』綾辻・愛奈(p3p010320)がなんとなくと言った様子で話に加わってきた。
エーテリアルガーデンは言葉の響きの上では草花が生い茂っていそうな雰囲気だが、それすら夢幻の一部であったりしないだろうか? などと思うのである。
「なければないで、経験が積めて良い」
「それはその通り」
愛奈は最近おろしたての『黒衣』にあえて袖を通し、黒革のリュックサックを装備した。彼女の体型でリュックなど背負うと胸元の凹凸が随分と強調されるものだが、気にしていないのかあえてなのか、彼女は涼しい顔で胸ポケットから眼鏡をとりあげる。
「ところで、その鞄の中身は? 医療道具か何かかね?」
「それは……開いてのお楽しみということで」
愛奈は唇に指を立てて見せた。
「クウハ。我の猫」
『闇之雲』武器商人(p3p001107)が振り返り、手を翳す。
「ん、慈雨」
『あいいろのおもい』クウハ(p3p010695)はそれに応えて頷き、彼のそばに立った。
彼ら二人の関係性を語り尽くすのは難しい。深く複雑で、濃密だ。しかしあえて一言だけ単語を用いて語るなら、クウハは武器商人の『眷属』であった。
「このダンジョン、どう思う?」
「どう……と言われてもな。幻術の類いは得意だが、こいつも深くて複雑だからな。『夢に捕らわれる』って伝説があるあたりからして、気持ちの良い夢を見せて閉じ込めたり、ヨモツヘグイめいたトラップがあったりするんじゃねえかな。
気をしっかりもって、備えを充分にして挑めば問題無いはず、だな」
「うん……頼りになるねえ」
くすくすと笑う武器商人。この者はこの者で、どんな場所でも平気な顔をして入っていくので、意見を聞いたのはクウハ自身を案じてのことだろう。
「ヨモツヘグイか……なんだか久しぶりに聞いた気がするね、その単語は」
『結切』古木・文(p3p001262)が眼鏡に指をあて、うっすらと笑う。
「知っているのか?」
『蒼空の眼』ルクト・ナード(p3p007354)がちらりと視線を向けると、文が指の上で万年筆をくるりと回した。
「異界の食べ物を食べると異界から戻れなくなる、というたぐいの伝説だよ。日本世界に伝わる神話でね。有名だし、たしか希望ヶ浜あたりの資料にもあるんじゃないかな」
「夢幻には夢幻のルールがあるということか……迂闊にものに触れないように注意すべきかもしれんな」
「だね。空間そのものに手品でもしかけられてるとおもって挑むのがいいよ」
そんな話をしていると、アリアナが振り返って穏やかに笑った。やはり冒険者というより貴婦人めいている。タンポポの綿毛のようなひとだ。
「やっぱり、皆さんに頼んで正解でしたね。
その通り。エーテリアルガーデンは風光明媚な庭園やお屋敷を映し出すかもしれませんし、不気味な廃墟を映し出すかもしれません。けれど、それはエーテリアルガーデンがこちらにコンタクトをとるために何かのフレームを用いているだけにすぎません。
こちらの常識にとらわれうかつに触れればダメージを負うことになるでしょう。注意して進んでくださいね」
といっても、注意しすぎれば一歩もあるけなくなってしまうのですけど、と冗談めかして彼女は言う。
事実、冒険というのはそういうものだ。
皆は顔を見合わせてから、こくりとアリアナに頷く。
アリアナは『それでは』と映画館の扉を開く案内人の如く、幻煌晶(エーテリアルライト)でできた鍵を取り出した。
●エーテリアルガーデン
ダンジョンへの入り口は、洞窟に備え付けた石の扉でもなければ、そびえ立つ塔のふもとでもない。森へ分け入った所に見つかる小さな小さな湖だった。
アリアナが取り出した幻煌晶の鍵をそっと水面に近づける。
半透明な、しかし空かしてみれば銀の蝶が羽ばたいて見える不思議な素材の鍵。近づけた途端、湖の水面がふわりと銀の燐光に覆われた。
銀色の向こう側を見るのは、すこしだけ難しい。焦点をぼやかすというか、平面立体視のだまし絵を見るような、奇妙な視点の合わせ方をすると花畑が見えるのだ。
「見え方は、中に入ればすぐに慣れますよ。さ、行きましょうか」
そう言ってアリアナはぴょんと水面へと飛び込んだ。
クウハたちは一度顔を見合わせたが、真っ先に飛び込んだのはフォルトゥナリアだった。
「わっ」
一瞬だけ浮遊感があったかと思うと、全身の感覚がくるりと反転する感覚が覆い、すぐに花畑にぽすんと着地した。
どこまでも無限に続く花畑だ。
「これは……ユリ科の花か。森にもあった植物だな。入り込んだのだろうか」
隣で呟くのは一緒に入り込んだルブラットだ。
安全が確認できたらしく、皆次々とダンジョン内へと入ってくる。
アリアナは全員が入ったことを確認すると、小さく手を翳した。両手を組んで、パタパタと蝶が羽ばたくようなしぐさをする。突然なにをと思ったが、その後ろに銀色の蝶が羽ばたく幻影が生まれ、銀色の光をぽわりと周囲に灯しはじめた。
「目印です。私について飛ぶので、この光が届く範囲から出ないようにしていてくださいね。まあ、あくまで目安なのですけれど」
「代替魔術か。興味深いね。それになにより、綺麗だ」
文がくすりと笑う。メイが『だいたいまじゅつ?』と首をかしげたが、その説明をしてくれたのはクウハの方である。
「『似たものはいずれ本物になる』っつー魔術のロジックだ。髪の毛仕込んだ人形に釘刺したり、分骨したお守りを持ったり、善し悪し問わずいろんなとこに使われてるよな」
「賢いねえ、クウハ」
武器商人がにこやかにそう言うと、メイもへーえと興味深そうに語尾を上げて瞬きをした。
一方で、ルクトは空を見上げる。
「雲の形が……歪だな。偽物の空だ」
「そんなこと分かるの?」
「空は私の領域だ。見ればわかる。絵に描いたような、同じ雲のパターンが連続しているだろう。雲は気流と水気でできるものだ。ああはならない」
あの空は飛びたくないな、とルクトはむっつりとした顔で言った。
「そろそろ、進みましょうか」
愛奈がリュックサックを背負い直し、歩き出す。こういう時にクールに歩き出してくれるのは愛奈の良いところだ。
アリアナも頷き、そんな愛奈たちに囲まれるような陣形で歩き出した。
●夢の庭
噂に違わぬ夢幻ぶり、というべきだろうか。
エーテリアルガーデンはアリアナの案内無しではとてもではないが進むも戻るも難しいダンジョンであった。
時に火の中を潜り、時に花のおしべを分け入り、時に雲を階段にして、時に駒鳥の会話を盗みとる。歩く度に風景ががらりと変わり、扉らしい扉などまるでなく、進む度に常識が崩れる思いをさせられる。
「けど、魅せられる気持ちはよくわかるよ。こんなに綺麗だとね」
文は虹が何本もかかった雲の上に立ち、目を細める。
そして、ちらりと眼下を見やった。
隣のクウハも同じく見やり、呟く。
「空だな」
「空だね」
雲はアリアナたちが立っていられる程度の広さしかなく、その周囲に足場らしい足場は見えない。
空は遥かに高く、ずっとずっと先に地上らしきものが見えるという有様だ。飛行能力のあるルクトやメイたちはともかく、肝心のアリアナが飛べないのではどうしようもない。
「どう見る?」
「行き止まり……ってことはないだろう。落ちるのが正解ってケースもなくはないが、今回はちょっと違いそうだな」
クウハは一通り眺めてから、文に謎解きをパスした。
「そっちは? 俺にいきなり聞いてきたってことは、ある程度アタリをつけてるんだろ?」
「そう見えた?」
文は肩をすくめ、そしてフォルトゥナリアがつれてきたロバの鞄から色石の袋を取り出した。
それを、足元へとばらまく。
「幻術にはいくつか種類がある、ってクウハがさっき言ったよね。僕もそこを意識してここまでの道中を進んでみて、わかったことがある。
元からある場所に幻のカバーを被せるタイプじゃない。感覚全部を乗っ取ってダンジョンを歩いてる気分にさせるものでもない。となると――幻自体が僕らを内側に招いている魔法ってことになる」
見ると、色石が一部『落ちずに』空中に残っていた。
「こういう場合。ルールさえ破らなければ、僕らの常識に沿う」
「いいね、正解」
クウハはどうやら分かっていたようで、パチパチと拍手を送ってみせた。
暫く歩いて行くとモンスターの襲撃を受けることもあった。
空の幻の中で飛ぶのは宝石で彩られた煌びやかな鳥だった。それが幻で出来ているのは一目瞭然。なぜならそんな高価な物品が当たり前のように、それも群れを成して飛んでいるはずがないからだ。
「出番だな。ここは任せて下がっていろ」
そう呟き飛び上がるルクト。急速に加速をかけると宝石鳥たちが放つ幻の弾丸をジグザグな飛行で回避する。
(相方から貰った装備を活かしているんだ。……生きて帰る)
ルクトは至近距離まで迫った弾丸をバレルロール機動で急速回避すると、手にしたサブマシンガンを撃ちまくる。
このとき、空戦においてルクトは無敵だ。
何発もの着弾をうけた宝石鳥が空で暴れ、破裂するように消滅する。
その調子で次々にモンスターを撃墜していくと……道の先に、ゆらりと揺れる影が出現した。
武器商人の姿を象った偽物だ。
「おやおや」
武器商人はにやりと笑い、あえて前に出る。
目に見えない矢のような弾幕が浴びせられるが、武器商人の持ち前の防御力とBS耐性にかかれば大したダメージにならない。よしんばこの者の体力をゼロにまで削れたとしても、確実なEXF能力によって一度は立ち上がることだろう。その初見殺しに嵌まった所に復讐属性の反撃によって手痛いダメージを叩き込むという寸法である。
「誰の許可を得てその声と姿を使ってんだ? あ?」
武器商人が相手の攻撃を完全に抑えている間、クウハが怒りにまかせてモンスターを殴り飛ばした。
借り受けた二つの権能。金環と銀環の力で自らを固め前に出ると、魔術を纏った拳で殴り飛ばしたのである。
幻のカバーを失ったモンスター夢盗幻影が影の姿へと戻ったところで、武器商人が己の力を解放させ切り裂いてしまう。
「ふむ……怪我はないかね?」
ルブラットが歩いてきて、クウハや武器商人たちを観察する。
そして暫くじーっと見た後、小声で『瀉血はやめておこう』と呟いた。
「ここは薬がいいだろう。薬草で構わないかな?」
ルブラットがそんな風に薬草を取り出すと、メイがはいはーいと手をあげてジャンプする。
「それならお茶淹れてあげる! 任せて、そういうの得意だから!」
伊達にカフェで働いていないメイである。ルブラットから受け取った薬草を煎じたものを香りのいい茶葉と混ぜて蜂蜜を入れると、温かいお茶にして出してくれた。
「急いては事を仕損じると言いますしね。すこし、ゆっくりしていきましょうか」
見ると、愛奈がリュックから休憩セットを色々取り出していた。フォルトゥナリアもロバからキャンプセットを広げている。
空の上でキャンプとはなんとも不思議な経験だが、やってみるとなかなか楽しいものだ。
「私クッキー焼いてきたの! お茶にあうかな」
「私はスコーンを。ジャムとクリームと一緒に――」
「あら、まあ。ダンジョンでお茶会ができるなんて」
アリアナは口に手を当てて微笑んだ。
といった具合でお茶の時間が始まったのだった。
●夢幻樹
団らんを終えて、最奥へ。そこには天を突くほど巨大な樹木が立っていた。
「夢幻樹――この領域の中心と言われる木です。けれど、気をつけて」
アリアナが呟くと同時に、樹木から無数の枝が伸び槍のように襲いかかった。
前へと飛び出す武器商人とクウハ。
武器商人はその強靱な防御能力で、クウハは借り受けた権能によってそれぞれ枝の槍を防御。
攻撃を完璧に受け止める。
クウハは夢幻樹の中心に幻煌晶の宝珠があるのを発見した。
「なるほど、こいつを倒さなきゃ手に入らないってことか」
「もう一撃、来るよ!」
夢幻樹は木の枝に実った林檎を振り落とし、その林檎を狼や兎や鷹に変えて襲いかからせた。
恐怖を煽るような光景ではあったが、フォルトゥナリアは持ち前の勇気によってそれらを振り払い、魔術障壁で幻の林檎をはねのける。
メイも負けていない。パラソルをバッと広げると回転をかけて降り注ぐ攻撃を凌ぐのだった。
「このままなんとか防げそう! けど――」
「ヘイトは稼ぐ。任せろ」
ルクトが空中へと飛び上がり、夢幻樹の回りを巻くように飛び始めた。
それをたたき落とそうと葉を刃に変えて飛ばし続ける夢幻樹。
一発もかすらないそれらのを見て、文は攻撃のチャンスを悟った。
「さ、反撃と行こうか」
白紙『折鶴』に万年筆で魔方陣を描いた文。最後に実印を押すと精霊との架空契約が完了。攻撃精霊が夢幻樹めがけて次々に飛んでいく。
その弾幕に紛れ、ルブラットと愛奈が走った。
「最後にいいものを見られた。幻の中に咲く特別な植物を」
ルブラットの剣が突き刺さり、愛奈が側面から放った魔術の青い炎が夢幻樹が覆い尽くす。
夢幻樹は悲鳴のような音をあげ、そして焼け落ちていったのだった。
この後、アリアナは幻煌晶を獲得し無事エーテリアルガーデンを脱出した。
「祖先の期待に、どうやら応えられそうです」
内に銀の蝶が舞う宝珠を長め、アリアナはイレギュラーズたちにそういって礼を述べるのだった。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
――mission complete
GMコメント
依頼人アリアナ・ウィンウッドに同行して、ダンジョン『エーテリアルガーデン』を探索しましょう。
最終的にダンジョンの奥に存在するという幻煌晶(エーテリアルライト)を獲得することでクエストクリアとなります。
●一言プレイング
プレイングにはこの依頼への感想や、自分の得意分野(フレーバーでも可)について書いてみてください。
●エネミーの種類
ダンジョンでは以下のようなモンスターの出現報告があります。実際に遭遇するかはわかりませんが、雰囲気を掴むには丁度良いでしょう。
・幻影妖花(Phantasmal Blossom)
美しい花の姿を持つ魔法植物。花弁からの香りで迷い込んだものの意識を混濁させることがる。
・夢食宝石(Dream Devourer)
空飛ぶ宝石のような姿をした魔法生物。夢を餌にしており、人の夢をエネルギーとして吸い取る力がある。これによって魔力が枯渇してしまうケースもあるらしい。
・夢盗幻影(Dreamthief Silhouette)
夢の中に現れるドッペルゲンガーのような存在。自分をおぼろげにコピーしたような姿で現れ、様々な妨害を仕掛けると言われている。
・夢幻樹(Veilwhisper)
特に強力な夢の大樹と言われている。
エーテリアルガーデンの中心に存在すると言われ、幻影と夢幻の力を操る神秘的な能力を行使するという。
●トラップの種類
エーテリアルガーデンでは、不可視の地面を渡らなければならない幻影の落とし穴や、不意に襲ってくる鏡の中の幻影、感覚を狂わせる銀の霧など夢幻魔法によって作られたトラップが沢山しかけられています。
道筋もランダムに入れ替わるようになっているらしく、依頼人のアリアナ・ウィンウッドも記録や記憶はアテにならない(してはならない)と述べています。その場その場の対応能力が問われるでしょう。
探索スタイル
あなたはこのダンジョンに対してどのようなスタンスで探索するでしょうか
【1】謎解きに挑む
持ち前の非戦スキル等を駆使してダンジョンに仕掛けられたトラップについて考えたり対処したりします。
【2】戦闘に集中する
持ち前の戦闘スキルを駆使して現れるモンスターとの戦いに集中します。
【3】癒やし枠
休憩できるスペースを見つけて料理を振る舞ったり、ほっこりするようなものを振る舞ったりします。
戦闘スタイル
あなたのバトルスタイルを選択してください。
【1】アタッカー
率先して攻撃スキルをどかどかと撃ち込みます。
威力型やBS型など形は様々ですが、あなたは頼れるチームのアタッカーとなるでしょう。
相手にバフをかけたりするのもこのアタッカーに含まれます。
【2】ディフェンダー
優れた防御ステータスを用いて敵の攻撃を引き受けます。かばったり引きつけたりは場合によりますが、あなたがいることで仲間のダメージ量は大きく減ることでしょう。
味方や自分を治癒することで戦線を支える役目もここに含まれます。
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