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シナリオ詳細

<伝承の帳>ステラリウムの星よ、輝きを変えることなかれ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●デネブの川辺にて
「ん? あれは……?」
 男は、一瞬ではあるが行商人の荷物の中にあったその石を見た。
 石……いや、宝玉だろうか? なんとも不可思議な石だというのが第一印象だった。
 赤く透明感のあるその宝玉は、なんだか目を離せないような……しかし、不思議と自分の中の悪を見抜かれたかのように目を逸らしたくなるような、相反する印象を持つ宝玉だった。
 しかし、なんだろう。アレがあればとても正しく生きられるような、そんな気がして。
 男は行商人に声をかけようと一歩前に踏み出して、しかしその瞬間、行商人は道端の石に躓いてたたらを踏む。
「お、おっと!?」
「危ない!」
 普段そんなことは迷うだろうに、今日ばかりは何故か迷いもなく男は飛び出して行商人を支える。
 そのおかげか、行商人は転ばずに済んでいた。
「お、おお……怖かった。いやすまないね、助かったよ」
「いや、いいんだ。俺もよく飛び出せたもんだと思ってるくらいだ」
「ハハハ、そうかい。しかしまあ、何かお礼がしたいがどうしたもんか」
 無粋でも良けりゃ現金で礼をさせてもらうがね、などという行商人に男は首を横に振る。
「いや、いい。それより……お礼というなら、売り物であるなら……だが売ってほしいもんがある」
「へえ、なんだい? 割引させてもらうよ」
 ならば、と男は先程見た赤い宝玉のことを聞いてみるが……行商人はきょとんとした顔になってしまう。
「宝玉……? ええ? ちょっと待ってくれ」
 男が荷物を下ろし中身を確かめていくが、その中にあるのは香辛料ばかりだ。
「ないなあ……うーん、何かと見間違えたんじゃないかね?」
「ありゃ? さっきは確かに見たんだが……落ちたかな?」
 男と行商人は周囲を見回すが、やはりそんなものはない。
「うん、きっと見間違いだろうさ。俺は岩塩は扱っても本物の石はちょいと手に余る」
 言われてみると、確かにその通りなのだが。
(確かに見た気がするんだよな……)
 男の頭の中には、しばらくその宝玉のことが残っていた。

●持ち込まれたものは
 ステラリウム、デネブの川辺。
 王都メフ・メフィート郊外の川辺に所在する『紅薔薇水晶』ファニー(p3p010255)の領地だ。
 とても綺麗な星空を見ることが出来、川辺からは稀少な天然石が見つかることがあるという。
 そんな素晴らしい場所だが、無数の家屋や特産施設を備えた、それなりに発展している場所でもあった。
 しかし、しかしだ。
 ファニーはそこに「とある紋章の刻まれた石」を見かけた者がいた、という噂を聞いた。
 それは1度見ると引き込まれてしまうような、不可思議な魅力を持つ宝玉であったという。
 見ていると正しくあらねばと思ってしまうようなその宝玉は、門を2つの鎌が守っているような、そんな紋章が刻まれていたという。そしてその紋章に、ファニーはこれ以上ないくらいに見覚えがあった。
「エクスの野郎の紋章だな……ふざけやがって」
 そう、それは遂行者たる『聖拳』エクス・ヴァインの持つ紋章……聖痕によく似たデザインであるようにファニーには聞こえていた。
 そして、それが原因なのだろう。幻想の国内にばら撒かれた『触媒』により、幻想王国を包み込む大規模な帳の出現が『預言』された、その通りにファニーの領地であるステラリウムにも帳が降りたのだ。
 このまま放置するわけにはいかず、帳を祓わなければならない。
 神の国の定着を、許すわけにはいかないのだ……!

GMコメント

ファニーさんの幻想領地「ステラリウム」の「デネブの川辺」に『聖拳』エクス・ヴァインの聖痕が刻まれた宝玉が持ち込まれ、それを触媒に帳が降りてしまったようです。
現在デネブの川辺は「流星都市ダスト」となっており、宝玉を壊さなければ本当にそうなってしまいます。
逆に宝玉を破壊すれば、帳が祓われ中に居た人も助かるでしょう。

●流星都市ダスト
常夜の町。常に流星群の降り注ぐ、ある意味ではとても美しい町です。
町の端を流れる川辺では、星屑の欠片と呼ばれる透明で綺麗な石が見つかることがあるといいます。
町の中央には城、南西に住居群、東に川が流れ北東には大きな倉庫があるようです。

●出てくる敵
・『異言を話すもの(ゼノグロシアン)』×不明
 住民が狂気に陥り、『異言(ゼノグロシア)』を話すようになってしまった状態です。
 生かしたまま倒すことで正気に戻すこともできます。
 建物の中にいたり、歩いていたりします。
 攻撃方法は黒いエネルギー球を放つ『異言怪弾」です。

・影の天使×30
羽の生えた鎧の兵士の姿をしており、倒す事で消滅をするようです。
剣を掲げ、何かに祈り続けるかのような仕草を見せる事が多いようです。
武器は剣による近距離攻撃と、剣から放つ波動による中~遠距離攻撃です。
宝玉が壊された場合は撤退します。

・『遂行者』エクス
『遂行者』を名乗る人物の一人。非常に真面目で正義感が強い。
ただし、それが一般的大多数の正義と合致するかはまた別の話であるのですが。
オーラを纏った拳による格闘攻撃と、輝くほどのオーラを纏った、超破壊力の拳『聖拳撃』を組み合わせて使用します。
今回は流星都市の何処かにいるでしょう。
出会えば戦闘になるでしょうが、上手く回避することもできるでしょう。
滅茶苦茶強いので、今回倒すのは無理です。超無理です。
作戦が失敗すれば撤退するので、宝玉の破壊を狙いましょう。

・ゲートキーパーの宝玉×1
エクスの聖痕の刻まれた赤く透明な宝玉であり触媒です。
大きさは大人の男性の握り拳程度。
結構固いですが頑張れば壊せます。流星都市の何処かにあると思われます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • <伝承の帳>ステラリウムの星よ、輝きを変えることなかれ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年05月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
チェレンチィ(p3p008318)
暗殺流儀
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
ファニー(p3p010255)
煉・朱華(p3p010458)
未来を背負う者
メイ・カヴァッツァ(p3p010703)
ひだまりのまもりびと

リプレイ

●神の国へ
 空は暗く、常に流星が降り注いでいる。
 ある意味で美しく、しかし許し難く。そんな神の国が此処……流星都市ダストであった。
「これまでの神の国と違って、定着度というか上書き度が高いんだね……元々の領地の住民が上書きされてるかはわからないけど、できるだけ戦闘にならないように気を付けないとね」
 だが、そうだとしても宝玉を壊せば元に戻すことは出来る。『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)はゴイサギのファミリアーを飛ばすことで索敵を行っていた。
「夜行性で水辺の鳥だから、細かい場所はともかくその辺りを飛んでても違和感がないはずだよ」
 広域俯瞰と暗視も併用しながら宝玉を探していくが、同時に探しておきたいのが遂行者であるエクスであった。
 可能な限り自分たちと鉢合わせしないように動向を確認しておきたいと思っていたからだ。
(今回のファミリアーはそんなに小さくない鳥だから、商店の店先とかわかりやすい場所に飾ってあったらいいなあ)
 そういう可能性も充分にあるだけに、見逃さないようにしておきたいところではあるのだが。
 今日のこの状況を、誰よりも怒っている者がいる。『紅薔薇水晶』ファニー(p3p010255)である。
「エクスの野郎、ついにひとの領地にまで手を出しやがって……歴史の修正だかなんだか知らねぇが、『いま』を必死に生きる人間にはそんなこと関係ねぇんだよ。さっさとご退場願うぜ、クソ野郎が」
 そう、此処は元々はファニーの領地なのだ。帳が降りた影響でこんなことになってはいるが……許せるはずもない。
 ちなみに今回の作戦の基本はまとまって行動だ。まあ、敵の戦力を考えれば当然の対応だろう。
 基本構造が元のファニーの領地と然程変わっていないことを利用して、ファニーは『秘密の隠れ家』を城の裏手あたりに緊急避難場所として用意していた。
 そして広域俯瞰と超視力で空からの視界による捜索、そして屋外の探索と索敵を行うことによりある程度精度の高い探索を実現していた。
 更には掌サイズの精巧な渾天儀であるArmillarySphereからファミリアーとして烏を1体召喚し、超視力を共有して、屋外・屋内の探索に使ってもいた。
 ちなみに探すべきはまず、影の天使が一番多い場所だ。全部で30体いるらしいから、割合的には……というところだ。
 次に重点確認目標とすべきは、そこにエクスがいないかの確認だ。ファミリアーで建物内を窓から覗き見たり、こっそり侵入してみたりすることで確認していくのだ。
 エクスがいれば間違いなく勘付かれるが、エクスがいなければ自分たちがそこに突入して調査をできる。
 そして今のところ、影の天使たちは均等に配置されている。
(エクスの野郎……何処にも隙がねえようにってか? 性格が出てるな)
 しかしそれは同時に隙になる。こういったものは攻める方が常に有利なのだから。
 『煉獄の剣』朱華(p3p010458)もそれが分かっているからこそ、町の上空にファミリアーを放って影の天使が固まっている場所を探していた。
「確かに均等に配置されているのかもしれないけど……破壊されたら困る物に防衛戦力を置かないっていうのは流石に考えられないもの」
 そう、必ず何処かに手がかりがある。それを見つけなければならないのだ。
「正義だか何だか知らないけれど、人の家に勝手に踏み込んで好き放題するんだからちゃんちゃらおかしい話よね。まっ、顔も見てない奴相手に文句を言ってても仕方がないし、私達は私達の為すべき事を為すとしましょうか。町一つを虱潰しに探すのは流石に時間が掛かり過ぎるし、先ずは大雑把に捜索場所を絞らないとね」
「んと。その為にもしっかりと、下調べをしましょうなのです」
 『ひだまりのまもりびと』メイ(p3p010703)もそう頷く。残念なことに帳の影響もあり、1度中に入らなければ探索はできなかったが……それでもやりようというものは幾らでもある。
 時間が限られているお仕事ではないですから、一通り調査をしてからの方が動きやすいかな? なのですよ、とはメイの言葉だが……まあ、実際その通りである。
「メイは精霊疎通と子猫のファミリアーで、領地の中を探ってみるです! 調査して、敵さんの居場所と動きを掴みたいですね」
 そう、色々と調査して敵の出会わないルートが確定したら本格的に移動開始……といったところだ。
「宝玉のありそうな場所を調べていくですよ。例えば敵さんが固まって何かを守っている場所とか、それっぽいものを隠せそうなところとかあればいいですが」
 城、川、倉庫……怪しい箇所は幾つかに絞られつつあるが……それでも確定したわけではない。
 しっかりとした下調べが、この状況を覆すカギになる。それは疑いようもなかった。
「こちらの領地では、綺麗な星空を眺められるとか。今回の件が終わったら、見に来てもいいですか?」
「ん? ああ」
 メイはファニーとそんな約束をしていたが……それもまた、自分を鼓舞する手段だ。
「後に続く約束は、今を頑張る理由になるのです。この領地に住まう人の為に、自分の約束の為に。頑張ろう! なのです」
 だからこそ、やらねばならないのだ。

●宝玉を破壊せよ
「コャー、なんともはや~。なんと、天義に留まらぬ神の国。とんでもないの。今ならまだ定着の阻止は間に合うそうなので、がんばるのよ」
 『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)のそんな呟きもまあ、当然のものではあるだろう。
 天義だけではなく幻想にまで広がった神の国。はたしてその手は何処まで伸びるのか?
 それを考えれば、此処で絶対に阻止しておきたい話ではある。
 エクスや影の天使との戦闘をできる限り避けるように探知しながら進んでいく流れは変わらないが、怪しい箇所は大分絞れてきている。
 そして胡桃のギフトである「炎狐招来」はファミリアの相互互換として使える……まあ、ファミリアーと違い明らかに自然のものではない外見ではあるが、離れた位置の情報を収集する手を増やすのに使えるので放っている。
 加えて、本体と広域俯瞰を共有することによって別角度からの情報を得たりすることが可能だ。
(ファミリアと違って小動物等への偽装ができないので相手側に気付かれるリスクは高いの。気を付けるの)
 とはいえ、そんな弱点は胡桃本人がよく分かっていることだ。
 本体から遠く離したり、むしろ気付かれているならその前提で攪乱したり、状況次第だけれども、やりようはある。そう考え運用していた。しかし何よりも、他の仲間と捜索範囲を散らせる事で効率的に宝玉を探していける利点は捨てがたいものだ。
「個人的には、きれいな石に紛れてそうな河原とか、気を付けた方が良さそうに思われるの」
「可能性はあるな。今のところ巡回の頻度が多いように見える」
 ファニーも胡桃にそう頷いてみせる。朱華も言ったように、何処かに必ず防衛力の高い場所がある。
 だからこそ『暗殺流儀』チェレンチィ(p3p008318)も油断せず広域俯瞰で捜索を続けていた。
「まさかイレギュラーズの領地にまで帳が降りてしまうとは……! 情報によると、エクスという遂行者の姿もあるようですし、何とか上手いこと彼に見つからないように触媒を破壊したいところですね……上書きなどさせない。歴史とは修正するものではなく、過去より紡がれ、今を生きる人々が紡いでいくものですから」
 此処の何処かに遂行者であるエクスもいる。彼の戦闘力を考えると、此処で会うのは本当に得策ではない。
 分からないところに宝玉が隠されている可能性もありますし、MASTERも常に働かせてより見つけやすくなるようにしている。
「たいせつな場所、たいせつなひと……上書きなんかさせないのです、よ」
 『あたたかな声』ニル(p3p009185)も小さく拳を握り、ファミリアーにハイセンス、色彩感覚も活用しながら仲間たちと手分けして宝玉を探していく。
 それだけではない。ニルは探した影の天使の位置を確認し、地図に示していっていた。
 巡回ルートも記していくことで、一番警備が厳重な場所も分かりやすく絞れていく。
「天使が多い場所が、一番守らないといけないものがある場所……核の在処かも。あとはこの巡回ルートを頭に入れれば、こっそり動くのもやりやすそうです。エクス様に見つからないように気をつけなきゃ、ですね」
 そう、なんとか宝玉を壊しこの地を取り戻さなければならない。
「遂行者どもめ。天義一国に飽き足らず周辺国にまでその手を伸ばしてきおって」
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)も改めて遂行者たちへの怒りをあらわにする。
「当然どの国であろうが、これ以上一か所たりとも異言都市など増やさせるわけにいくものか。……そろそろ裏で糸を引いてる奴のところまでたどり着きたいんだがな」
 遂行者であるエクスでさえ、この問題の根本ではない。それを考えると、なんと根深い問題だろうか?
「ここまでの情報を整理すると、一番怪しいのは川辺だが……」
 エーレンもエネミーサーチを常にかけながら歩き、影の天使が反応したらそれを仲間と共有することにしていた。
 もっとも、ゼノグロシアンも大勢いるので他の仲間との情報共有が一番大切なのは言うまでもない。
 そうして得てきた情報から見るに川辺が一番怪しい。
「……待て。これは……!」
 そこでファミリアーと視界を共有していたファニーが反応する。
 住居群の道に突然現れたエクス。その視線が、ファミリアーに向いている……!
 気付かれただろうか? 分からない。しかし、エクスの視線は確かにファミリアーを追っている。
 これまで会ったエクスの性格からして、もし何か違和感に気付いたらどうする……?
「……川辺に向かうぞ。どうやら時間制限が出来た」
「なら急ぎましょ。此処までの調査結果があれば難しくないはずよ!」
 朱華の言葉に全員が頷き、走り出す。もう影の天使やゼノグラシアンたちの配置は分かっている。
 エクスが此方の位置に気付くまでにと走り抜けていく。
「これは……! 影の天使たちの動きが変わりました! まるで何かを捜索するような……!
 チェレンチィは言いながらも、その「探しているもの」が何かは考えるまでもないと思う。
 だが、川辺はもうすぐそこだ。そして……この状況であればこそ、気付かれていないファミリアーたちが川辺へと先行する。
「見つけたの……!」
「よし、エクスが来ないうちに宝玉を壊しちゃおう!」
 アクセルがそう叫んで。
「それが狙いか」
「エクス……!」
「如何にも。『聖拳』エクス・ヴァイル……いざ、参る」
 チェレンチィに律義にも名乗り襲い掛かるのは、まさに遂行者たるエクス。だが、チェレンチィとて速さではかなりのものだ。
 放ったターリエントが圧倒的な速力で繰り出され、それを真正面から受けながらエクスが迫る。
「良い斬撃だ」
 全く防御を考慮しない、攻撃重視のその姿勢。エクスの輝く拳がチェレンチィへと叩き込まれ、そこでファニーの指先が死をなぞる。放つは指先の一番星。
「来やがったな、此処で封殺してやるぜ……!」
「何度か見た顔だ。正しき歴史を阻もうとする者よ、その報いを受けるがいい」
「いいや」
 エーレンはそう言い放ちながら、宝玉へと向かう。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。この地は神の国ではない。人の国だ」
 鳴神抜刀流・太刀之事始『一閃』が宝玉を断ち切って。瞬間、エクスがその構えを解く。
 これ以上の戦いが意味がないことを悟ったのだろう。
「……見事だ、と言っておこう。だが、俺は必ず全ての偽りを破砕する」
 その言葉を最後に、エクスは凄まじい速度で撤退を開始していく。
 此方に近づいていた影の天使たちもそれに合わせて消えていき……流星都市と化していたステラリウムは、その正しい姿を取り戻していく。
 全てが正しく、元の姿に……デネブの川辺もファニーのよく知るものになり、星降る夜だった空は真昼のよく晴れた空へと戻っていく。そう、神の国は切除されたのだ。此処に定着することは、もうないだろう。
「よかった……戻ったね!」
「なんとかなったの」
 アクセルと胡桃も、この勝利を喜び合う。
「よかった。ファニー様の領地を、守れたのです」
「ああ。アンタたちのおかげだ」
「やったわ! 私たちの勝利よ!」
 そう、全ては元に戻った。これもまた、幾つもある企みの中の1つを砕いたに過ぎないのかもしれない。
 けれど……大きな、そして誇るべき勝利であった。

成否

成功

MVP

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼

状態異常

なし

あとがき

ファニーさんの領地を覆っていた「帳」が消え去りました!

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