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シナリオ詳細

<天使の梯子>定まらぬ時の夢

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<天使の梯子>定まらぬ時の夢
 日常の破壊されし街、テセラ・ニバスこと、『異言都市(リンバス・シティ)』。
 住まう人々は否応事無く死への階段を踏みしめ、異言を口にする『ゼノグロシアン』へと化し、街を跋扈。
 そんな窮地に陥る街を救うために、天義の国はそれら脅威に対抗するべく、様々な街や地域で挙兵の時を迎える。
『いいか! 我等『レーベング』騎士団の目的はただ一つ! 致命者やワールドイーター共に苦しめられて居る人々を救う事である! もはや一刻の猶予も無い! かならずや街の人々を救い出し、この国に平穏をもたらすのだ!』
 部下の騎士達に強い口調で号令を下すのは、この騎士団の団長。
 この国、己が地域で困りし人がいる……ならば、救わねばならないのは当然のこと。
 勿論敵となるのはワールドイーターや元は市民であった者達が変わり果てた姿の先である、ゼノグロシアン。
 更には強力な存在、ゼノグロシアンらを率いる『致命者』達が出て来ているという話もある。
 しかし国の窮状……イレギュラーズの者達に倒して貰うのをただ待つだけでは事態は解決などしないだろう……だからこそ今が、立ち上がるとき。
 高い士気と共に、彼等は街を巡り、困難に立ち向かうが為に剣を取るのであった。


「……すいません、突然の事なのに、集まっていただきまして……」
 天義首都にて、『深緑の声』ルリア=ルナミス(p3n000174)は、集まりしキミ達に、深く頭を下げる。
 だが、その表情からして緊急事態が迫っているのはまず間違い無いだろう……故にその表情も、どこか強ばっている。
 そして彼女は、天義の国のある一地域の地図を差し出すと共に。
「ここは、テセラ・ニバスより数時間ほどの距離にある『レーベング』という地域です……ここも、皆様も知っての通り、『リンバス・シティ』の脅威が迫っており、この地域の人々は不安な日々を過ごしているような状況です」
「勿論、その事態をただ指をくわえて見ている訳ではない様です。この地域を治める領主が、『ゼノグロシアン及びワールドイーター』討伐の為の騎士団を派兵する事が決まったのです」
「彼等の実力からすれば、個々に対応する事事態は難しい事ではないでしょう……ですが、何だか嫌な気配を感じたのです……」
 不安気な表情……この感じは、以前『リンバス・シティ』解放作戦の際にも感じたもの。
「浮かない顔だなァ……あいつか? 巫山戯た口調の『夢哭のアインハイン』の時と一緒か?」
 『Stargazer』ファニー(p3p010255) の言葉に、僅かにこくりと頷くルリア。
 勿論、その予感が良い方向に裏切られればいいのだが……かくしてこういう時の予感は、悪い方向に当たるもの。
「致命者の方が出てくれば……騎士団の方々が太刀打ち出来る物ではありません。その実力の片鱗も殆ど見せていない様な、そんな状況……最低限、致命者を撃退し、騎士団の方達の命を守ってきていただきたいのです……宜しくお願いします……」
 と、頭を下げた。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 テセラ・ニバスの街の近く……という事は……。

 ●成功条件
  『レーベング』騎士団に襲い掛かる脅威を防ぐことです。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   今回の騎士団の者達は、イレギュラーズの皆さんに頼り切るのではなく、自分達でこの事態をどうにかしなくては……という高い士気と共に行動している人々です。
   それ故に、イレギュラーズの皆さんに守られる事には申し訳なさを覚えている様です。
   ただ彼等にとっては、致命者が出てくるだなんて思って居ませんので、致命者が出てくれば圧倒的な力で押し切られてしまう事でしょう。
   それ故に、今回は『致命者の魔の手』から騎士団を守る事が目的となります。
   尚、騎士団の人々は街を巡り、数日待機して……を繰り返しています。
   ワールドイーターらが来る場合、影と共に現れますので、それで察知する事は可能です。

 ●討伐目標
 ・獰猛たる獣な『ワールドイーター』の群れ
   その姿形だけ言うと、『ライオン』の様な感じです。
   ただその影から火を噴いたり、雷鳴を轟かしたり……と、ちょっとだけケルベロスの様なものも混じっている様な感じになります。
   基本的には彼等は前線として出て来て攻撃する……という流れを取ります。
 
 ・異言を話す『ゼノグロシアン』達
   一般人達が異言に蝕まれてしまった先の姿です。
   戦闘能力は高くは無いものの、数が多く、数の暴力で押しきろうとします。
   彼等を生かしたまま倒せば正気に戻すことも可能ですが、他の敵陣が容赦無く殺そうとする可能性もありまさうので、ご注意下さい。
   
 ・影と翼を纏いし人型の『影の天使』達
   影に翼を生やした人型生物です。
   空を飛び、空からの遠隔攻撃、支援砲撃を軸に仕掛けてきます。
   数は少ないものの、総じての戦闘能力は高めです。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <天使の梯子>定まらぬ時の夢完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年05月15日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)
アネモネの花束
彼者誰(p3p004449)
決別せし過去
リサ・ディーラング(p3p008016)
蒸気迫撃
皿倉 咲良(p3p009816)
正義の味方
ファニー(p3p010255)
多次元世界 観測端末(p3p010858)
観測中
マリオン・エイム(p3p010866)
晴夜の魔法(砲)戦士

リプレイ

●時は移ろう
 テセラ・ニバスこと、異言都市リンバス・シティより伸びし闇の帳。
 そこに棲まいし住人達は、一夜の内に異言を唱えしゼノグロシアンへと化してしまい、街を彷徨う。
 だが、イレギュラーズ達の活躍もあり……ゼノグロシアンから解放された市民達も出て来ている今……その窮状を察知した『レーベング』騎士団は、イレギュラーズ達だけに頼るわけにはいかない……と、挙兵。
「そうですか。イレギュラーズだけに頼らず、自分達で何とかしようと言う意思と行動! マリオンさんは、その点は高く評価してあげたいと思います! まる! でも、詰めが甘いのは良く無いと思います! バツ!!」
 『双影の魔法(砲)戦士』マリオン・エイム(p3p010866)は声高らかに、騎士団の行為を称賛と共に、警鐘を鳴らす。
 そしてその言葉に『鳥籠の画家』ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)も。
「確かに、なぁ。天義は腐ってる宗教も多いもんだが、今回のレーベング騎士団のメンバーは悪いヤツじゃなさそうだ」
 と、笑うベルナルド。
 今まで色々と天義の国で活動はしていたものだが……今回の様に、危険を顧みずに立ち上がろうという者は殆ど居なかった。
 でも今回は、この様に騎士団が人々を救うために出兵したり、司祭が人々を救済しようと街を巡ったり……と、イレギュラーズではない者達が立ち上がろうとしている。
 天義に棲まう人々が立ち上がろうとしているのは、国の窮状から何らかの手段で抜け出したい……という人々の心境の変化があるのかもしれない。
「本当、その意気や良し、と言うものですね。自国に誇りがあればこそ……ですね」
「ええ。人を救いたいという思い……とても素晴らしい事です。それを潰す訳にはいきません。なれば私はその想いを持つ、その皆さんを生かす……その役目を果たすとしましょう」
 『決別せし過去』彼者誰(p3p004449)と『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)の言葉……しかし称賛しつつも、厳しい見方を示すのは、『正義の味方』皿倉 咲良(p3p009816)。
「そうだね。そういう人達ってカッコいいよね! 確かにやっている事は素晴らしいと思うんだよ! でも、誇り高いと頑固って言うのは紙一重だからねぇ……ま、アタシも人の事は言えないけど!」
 勇気と無謀は紙一重……誇り高さと頑固さも、確かに紙一重の線上にあるのは間違い無い。
 イレギュラーズ達はそれを切り抜ける力を兼ね備えている故に、少し位無謀な物ですらひっくり返してしまうこともあるだろうが……特段の特殊能力を持たない国の騎士団達では、出来ない物は出来ない。
 それに加えて、今回は『リンバス・シティ』の近くである……街を混乱に陥れているワールドイーターや影の天使……更には闇の中から糸を引く強力な『致命者』すら出てくる可能性もある。
「こいつがまたアインハインの仕業だとしたら……面倒だな。何を企んでいやがるんだか……」
 肩を竦める『紅薔薇水晶』ファニー(p3p010255)……そして『観測中』多次元世界 観測端末(p3p010858)も。
「兎ニ角、今回ハ影ノ軍勢以外ニ、強力ナ敵ガ現レル可能性ガアル、トイウ訳デスネ。トナルト、今回ハ騎士団トノ連携モ含メテ、比較的大人数デノ行動ガ必要デスカ……デシタラ、当端末ノ容姿ハ、騎士団ノ方ニハ、咄嗟ノ時ニ敵味方ノ判別ガ難シイカモシレマセン。誤認ヲ避ケル為ニモ、ギフトデ変身シテオキマショウ」
 と言うと共に、己が姿を変化させる。
 ……その姿は可憐な少女のような姿で、観測端末は自分の姿を確認するように。
「……取りあえず、これで誤認の危険は避けられますね。変身解除後の筋肉痛は、この際仕方なしです。後の問題は、致命者が何時現れるかですね。奇襲を仕掛けてくるのが、堂々と現れるのかは分かりませんが……出現のタイミングを警戒しておかないと、騎士団の皆さんの被害が増えてしまいそうですが」
 観測端末の言葉に、『蒸気迫撃』リサ・ディーラング(p3p008016)も。
「そうっすね。『致命者』が出てくるとは決まった訳ではないっすし。まぁ、やれる範囲の事はやってみるっすかね!」
 拳を握りしめて、力強く振り上げるリサに、咲良とベルナルドも。
「そうだね! 彼らの意思を尊重しながら戦うのも正義の味方のオシゴトだって想う! 未来を守る騎士団、アタシなりに全力で守らせて貰うよ!!」
「ああ。可能な限り穏便に、上手く共闘したいもんだ……その辺りの説得は、そうだな……シフォリィに頼んでもいいか?」
「ええ、お任せ下さい。騎士団の皆さんの補佐と共に、戦友として協力を請おうと思います」
 頷くシフォリィ、そして彼者誰も。
「私もお手伝い致しましょう。一度は出て行ったとは言え、天義出身にて騎士団の黒衣を許されたものですから」
 並々ならぬ思いを口にし、そしてイレギュラーズ達はテセラ・ニバス近隣を進軍する『レーベング』騎士団の下へと急行するのである。

●時の声
 そしてイレギュラーズ達はテセラ・ニバス近郊で展開している、『レーベング』騎士団の下へ。
 街から街へ移動しながら、人々を救い続ける彼ら……勿論イレギュラーズ達の活躍は彼らの耳に入っており。
『いや……イレギュラーズの皆様が来て頂けるのは大変ありがたいのですが……イレギュラーズの皆様の大事な力を私達の為だけに浪費する訳には参りません。大丈夫……街に蔓延る驚異は、私達の手だけで討伐してみせましょう!』
 この騎士団の団長である青年は、イレギュラーズ達の手を患わせるわけにはいかない……と、その協力を断ろうとする。
 だが、そんな騎士団の言葉に対し、ベルナルドは。
「確かにゼノグロシアンや、ワールドイーターであれば、皆様の力を集結させる事で、倒す事は出来るだろう……だが、最近不穏な噂が俺達の耳にも入ってきているんだよ。俺達ですら手を焼く『致命者』が、テセラ・ニバスの街の外にも現れているってな」
 真摯な表情、強ばった声色。
 更にファニーも。
「ああ、ベルナルドの言う通り、先日の戦いにおいて俺達も大怪我を負わされたんだ。あいつはかなりの強敵だ」
 と、辛辣な表情で騎士団に声を掛ける。
 イレギュラーズ達の言葉を聞いて、流石にこちらもどうするべきか……と思慮を巡らせる騎士団。
 簡単にイレギュラーズ達の力を借りていいものだろうか……という思いの一方、自分達だけでこの事態を解決したいという願いが入り交じる。
 そんな彼らの思いを理解した上でマリオンが。
「分かります。その思い、とっても分かります。ですが自分達で対処出来ない相手が出現した時、生きて撤退出来るとは限りません! だから、頼るべき時は遠慮無く頼ってくれていいんです!」
 と言うと、更にシフォリィと彼者誰が。
「ええ。私達は、皆さんの勇敢な行為、とても素晴らしいと思います。ですが危険な目に遭うのを解っていて、黙って見ている訳には参りません……ですから、私達で皆さんの補佐を務めさせて頂けないでしょうか? 守るのではありません……皆様と共に戦いたいのです。だって……この天義の国を助けたいという思いは同じ……戦友なのですから」
「ええ……我が身の黒衣に掛けて、共に走り抜いてくださりますか? 皆様方」
 真っ直ぐに見上げてくるシフォリィと、手を差し伸べる彼者誰。
 そして、騎士団は。
『……分かりました! この天義の国を守りたいという思いは一緒。共に戦いましょう』
 手を握り帰し、そして。
「良し……それじゃぁ愚者の行進を始めるとしようか」
「そうっすね! 私自身は鈍重な装備であるっすから、この装甲蒸気車両でついていくっす! これなら車両に乗ったまま攻撃出来るから楽なんすよ。照準遭わせるは手が正確っすけど、ドでかく仕留めるならこっちの方がっすから! 必要な荷物は積んでいくっす!」
 ファニーとリサの進言に頷き、そしてイレギュラーズ達は探査開始。
 マリオンがリトルワイバーンに乗って上空から、一方地上からファニーが広域を見渡し、敵の気配を常に探る。
 更に死角になりそうな所をベルナルドが先回りして確認を行う一方で、少女の姿になった観測端末は騎士団の言葉に耳を傾け、彼らの戦い方や癖を調べ上げる。
 そうして暫し探索を進めていくと……段々と空が薄暗くなり始める。
 勿論そうなれば、地上の影も伸びていく……すると、その影から、ウゾゾゾと先陣たるゼノグロシアン達が生まれ始める。
『っ……現れたか!』
『皆の者、後方展開!!』
 と騎士団がその方向へ攻撃しようとすると、別の所の影から影の天使とワールドイーター達が、次々と出現。
『っ……挟まれたか!?』
 と、焦りの表情を浮かべるが、そんな影とワールドイーター側に、シフォリィを除き展開。
「それじゃぁ行くよ! 特にゼノグロシアン達の方は数が多いけど、みんななら助けられる筈! だから任せたよ!」
「ええ……あの者達は、生かしたまま倒す事で、正気に戻すことが出来ます。ですから、殺さぬよう気をつけて行きましょう」
 咲良の言葉に頷きつつ、シフォリィは騎士団達と共にゼノグロシアンに対峙、勿論騎士団達は。
『良し……我等『レーベング』騎士団の力、此処に発揮する時! シフォリィ殿、共なる戦い、宜しく頼む!!』
 充分な気合いと共に、ゼノグロシアン達との闘いに身を投じる。
 勿論ワールドイーターと影の天使に比べれば、強敵ではない故に、騎士団とシフォリィらだけで十分に対抗する事は出来る。
 その一方で、先ず影の天使に向けて前進するのは咲良、ファニー、リサの三人。
 ライオンの姿をしたワールドイーターは一段と素早く、咲良と連鎖行動でスピードを上げたリサだが、それよりも素早く行動を取る。
 飛ぶことはないので、地上を駆け回る敵ではあるが、かなり素早い動きで以てイレギュラーズに的確なダメージと、様々なバッドステータスを加えて行く。
 ……だが、そんなワールドイーターから喰らった攻撃を、少し後方より監視していた観測端末が瞬時に判断。
 何とか敵の攻撃をひとまず耐えきった所で。
「それじゃあ、行くよ!!」
「了解ッス!!」
 咲良の動きに遭わせ、リサが連携。
 先陣を切った咲良が爆裂する一撃を初めから放ち、影の身を眩い光で満たし、その光を合図にしてリサの狙撃で撃ち抜く。
 更にファニーは立ち位置を移動し、出来る限り最大数を巻き込んで、星屑の雨を降り注ぎ、総じて体力を削り取っていく。
 と、ワールドイーター達に立ち回る一方で、空を飛ぶ影の天使達にはベルナルド、マリオン、彼者誰が対峙。
 ただ影の天使達は、出来る限りイレギュラーズ達との距離をある程度とり、詰められれば更に距離を空けようとする為、中々近づく事が出来ない。
 ……だが、その動きをベルナルドは見越していた様で。
「逃げるんじゃねぇ。それとも命大事にしろって指示か? じゃねえならこっちにきて見ろ!」
 と怒号を放ち、敵の怒りを買う様な行動を取る。
 全てに効果は発揮されないものの、数体は怒りと共にイレギュラーズ達の下へと接近。
 そして近づいて来た彼らに、彼者誰が彼らの足元に強力な一閃を叩き込みながら足止め。
 加えてマリオンがうねる雷撃を放ち、中距離範囲の影天使を纏めて雷鳴に轟かせていく。
 ……そして、影の天使からの攻撃。
 メインターゲットとなるは、当然ベルナルドと彼者誰であり、遠隔攻撃と支援砲撃で追い詰めようとしてくる。
 そこに。
「被害……中々の模様。回復を行います」
 と、ダメージの状況を確認為た上で、的確に回復を飛ばして回復を遂行する観測端末。
 その状況観察を常に行い、仲間達を決して倒れさせないように最後の砦として回復に傾注。
 次の刻になり、ゼノグロシアン、ワールドイーター、影の天使其れ其れがイレギュラーズと騎士団に熾烈な攻撃を放ち続ける。
 勿論その攻撃の矛先は、不意の偶然で騎士団に向けて飛んでいくこともある。
 だが……それに素早く動くのはベルナルド。
「誰一人殺させねぇ。不正義の咎を受けた男でも、貫き通せる正義があるって事を証明してやるんだ!」
 と、その攻撃を身を呈してカバー。
 それでも止めきれなかった攻撃は、騎士団の一番近くに居るシフォリィすらも、身を投じる。
「っ……!」
 仲間達を守る為に、防御態勢を取ることも出来ず に攻撃を受ける羽目になる訳で……かなりのダメージ。
『だ、大丈夫ですか……!?』
 と心配の声を上げる騎士団員達……それに微笑みで。
「大丈夫です……さぁ、私達はゼノグロシアンを確実に対処していきましょう!」
 と強い口調で元気付け、それに更に士気を向上させる。
 そして完全にゼノグロシアン達はシフォリィと騎士団で相対し、そして彼者誰は影の天使らに。
「余所見をなさらないで? 私達と踊ってくださいまし!」
 と口上を述べて更に足に楔を打ち込んでいき、一匹ずつ確実に仕留め行く。
 流石に数も、体力も少ない故に、ワールドイーターよりも先に全てを仕留めていく。
「うん。これで良しっと。後はワールドイーター達だね! 一気に攻めていくよ!」
 と、ワールドイーター側へ加勢。
 全員が相対した所で、咲良は騎士団に向けて。
「騎士団のみんなのおかげで、アタシ達、すごく戦い易くなってるよ! さぁ、このまま押しきっていくよ!!」
 と発破を掛け、騎士団の士気を更に向上。
 強い士気に後押しされながら、イレギュラーズ達は立ち塞がる影の軍勢を次々と打ち崩していくのであった。

●時定め
 そして……ワールドイーターと影の天使を全て討伐した時。
『はぁ、はぁ……何とか、勝てたぞっ!!』
 シフォリィと共に戦っていた騎士団の者達は歓声を上げ、剣を振り上げ喜びに歓喜する。
 ……だが、何となく感じる不気味な気配。
 その気配に、ファニーは仲間達に視線で合図。
「……了解デス」
 と、観測端末が周囲の監視体勢を強化したところで、ファニーは声高らかに。
「……おい! いるのかアインハイン! 姿をみせやがれ!!」
 と叫ぶ。
 その声が木霊し、静寂……を劈くように。
『あらあらー。うーん、気付かれちゃってたのかなぁー? これはこれは、僕が未熟だったかなぁー』
 まるで子供のような口調で、イレギュラーズ達の脳内に話しかけてくる声。
 その声の方向がイマイチよくわからないが、観測端末が周囲を見渡し……黒い影の中に何かが動いているのを発見。
 小さく指さして合図すると、その方向に向けてマリオンは声も発せず、その方向にむけて黒き大顎を放つ。
 ……その攻撃は影に命中するが、プスンとあった筈の『影』が煙のように消失。
 そして、すぐに。
『もー……何なのかなぁ? 何も言わずに攻撃とか、マナーがなってないんじゃないかんぁー?』
 クスクスと笑う声が響きわたる中、ファニーは。
「マナーだどうだかは、お前に言われる筋合いはない。何を目的にしている? 影の天使やワールドイーター達を率いて、天義の国に何をしでかそうとしているんだ?」
 と言うと、彼……いや、『夢哭のアインハイン』は。
『どーだろーねー? まぁ、少なくとも天義の国は一度潰れた方がいいかなーって思ってるんだよねー。ま、その真意は君達には分からないだろうけどさ♪ ま……まだ急ぐ頃でもないし。でも……邪魔しないでほしいんだよねー。邪魔したら……殺すよ?』
 巫山戯た口調だが、最後の一言は……背筋が凍るような寒気を感じる。
 いや、次の瞬間……イレギュラーズの後方にあった大きめの樹が空は明るいのに雷に打たれ……燃え上がる。
 突然の事に何なんだ、と驚きつつも、水を掛けて消火しようと行動する騎士団……どうやら彼らには、致命者の声は聞こえていないらしい。
 更にアインハインは。
『ま……まだ君達を泳がせておく理由もあるし、ま、今日の所は失礼しとくよ……ふふふ。それじゃぁねー』
 と言うと共に、気配はすっ、と消失。
「……巫山戯やがって」
 声を静かに荒げるファニーに、咲良も。
「本当だね……でも、天義の国を潰そうとしている、って言ってた。何か天義に恨みでもあるのかもしれないね……」
 と唇を噛みしめるのであった。

成否

成功

MVP

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女

状態異常

なし

あとがき

ご参加いただきありがとうございました!
今回は騎士団と共闘という形でしたが、彼らの人心掌握も上手く行けたと思います。
勿論まだ国の危機が去ったという訳ではないので、中々難しい所ではありますが……彼らも成長して、自分の身を守りながら国も守ってくれる事でしょう!

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