PandoraPartyProject

シナリオ詳細

地獄大回転パンジャン海老祭

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「春。それは恋の季節」
 ジョージ・キングマン (p3p007332)は手袋ごしに煙草をスッと掴むと、取り出したジッポライターで火を付けた。
 十夜 縁 (p3p000099)と蜻蛉 (p3p002599)、そして集まったイレギュラーズたちがその様子を眺めている。
「つまり、パンジャンロブスターの季節だな!」
「……」
 蜻蛉が助けを求めるように、あるいは説明を求めるように縁を見た。縁は明後日の方向に顔を向けて誤魔化した。

 説明しよう!
 パンジャンロブスターとはパンジャンドラムのごとくジェット噴射ぶちかましながら大回転して突っ込んでくる巨大な海老のことである。
 人間をまあまあ轢き逃げできるくらいのデカさとヤバさがあり、この季節になると海洋王国ネビシュー島の海岸沿いにやってくるのだ。
「何故やってくるのかって? それは……恋の季節だからさ」
 ニヒルに煙草くわえながら言うジョージ。説明を求める蜻蛉。そっぽを向く縁。
 かわりに説明すると、これはパンジャンロブスターの求愛行動なのだ。
 より豪快に爆走し、より破壊的に突っ走り、より人を轢き逃げした奴こそが優れたオスでありメスの寵愛をうけることができるというスンポーである。
 なんでそんな生体してるの。みんな迷惑じゃないの。って思うかもしれないがご安心いただきたい。
 なぜならば!
「ネビシュー島の人達は――パンジャンロブスターが美味いことを、知っている!」
 ここでやっと具体的な説明をしてくれたジョージ。
 今度こそ蜻蛉が縁のほうをみて、縁もこくんと頷いた。
 俺は海産物食べないよというサインである。
「ということで俺たちにはパンジャンロブスター漁の依頼が舞い込んでいる。見事依頼を達成すればとれたてのパンジャンロブスターを食べることもできるだろうな。規格外のものは地元の漁師たちでいただくのが習慣になっているのだから」
 ぬかりないぞとばかりに依頼書を翳すジョージ。
 世界がどんなにしんどくても人は飯を食うし、美味いものを食いたい。それが喜ばしいものであればなお良い。
 恋の季節に必死に爆走するパンジャンロブスターはそういった意味で縁起物でもあるし、とにかく美味い特産品としても有名だ。
 きっちり倒してキッチリご馳走を戴こう!
「ちなみに、現地はかなり暑いし海辺だ。あえての水着姿での参加も推奨されている。気合いを入れていこう!」
 4月の暮れ。水着で南の島でロブスターパーティーとしゃれこむのも、それはそれで悪くないハナシであった。

GMコメント

 海老だああああああああああああああああああああああああああ!
 転がる海老を倒して食おう! そういうドシンプルなシナリオです。楽しもうね!

●えねみー?:パンジャンロブスター
 海岸からバッシャーいってあがってくる巨大な海老です。ロブスターです。ロブスターなのか?
 謎のジェット噴射でぐおんぐおん転がって突っ込んできて轢き逃げかましてきます。
 これができればできるほどイケてるオスってことになるので皆必死です。そう、モテたくて転がっているのです。彼らは。
 華麗に回避して攻撃する。あえて轢かれて隙を作ってみる。真正面から受け止める。いろんなプレイがあるとおもうし楽しいとおもう。

 フィールドは海岸のまわりに限ります。あんまり広かったり障害物多くてもごちゃごちゃするので砂! 海! 空! でいきましょう。
 めちゃあっついし水しぶきもかかるかもしれないので水着での参加も推奨しています。
 4月の暮れにあえて水着で南の島へ行き海老を食うってのもGW前の遊び方としちゃオツなもんじゃあございませんか。

●お料理
 このあと海老を食います。めっちゃ食えます。
 海老をつかった料理が食べたい場合は注文すると誰かが作ってくれるでしょう。
 味方にお料理得意勢がいればお願いしてもいいですし、地元の人が急にやってきて作ってくれるパターンもあるかもしれません。
 ネットで『伊勢エビ 料理』『ロブスター うまい』とかで検索すると沢山出てきておなかすきますね。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 地獄大回転パンジャン海老祭完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2023年05月02日 22時05分
  • 参加人数6/6人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
※参加確定済み※
十夜 蜻蛉(p3p002599)
暁月夜
※参加確定済み※
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
※参加確定済み※
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女
クウハ(p3p010695)
あいいろのおもい

リプレイ


「常夏……ってやつか」
 『悪戯幽霊』クウハ(p3p010695)は黒とパープルを基調とした水着と猫が書かれたTシャツというラフな格好で海岸に立っていた。
 両サイドに猫の耳めいたものがついたオシャレなサングラスをついっとあげ、目を細める。
「まだ春先だってのにな」
「日焼け対策は大事なのよ!」
 そう言って麦わら帽子を被り直す『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)。お揃いの麦わら帽子を巨大モルモットのリチェルカーレに被せてやると、『ねっ』と笑いかけた。
 もっふもっふと口を動かしてそれに応えるリチェルカーレ。
「ま、それもそうか。にしてもパンジャンしてくるロブスターとは。
 恋はいつでもハリケーンってか? 意地でもモテたい男ってのはいつの時代も必死だな……」
「じだい?」
 口元に指をやって小首をかしげるキルシェ。同じく首をかしげるリチェルカーレ。
「エビさんたち、恋の為に頑張ってるのは分かるけど……島の人たちにも迷惑だし、美味しいエビさん食べるためにも倒させて貰うのよ! あ、リチェはそっちで待っててね」
 リチェルカーレが『モッ』と応え、お料理セットを背にのっけた状態で砂浜の端の方へと移動していく。

「ま、春だしな。動物たちは恋の季節だ。
 恋は人を狂わせるって言うくらいだし、海老だっておかしくなるだろうさ」
 海洋の常夏気分は慣れた者という様子で、『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)はのんびり砂浜に立っている。両手をポケットに入れ、ラフなシャツを風になびかせるさまは海の漢といった風情だ。
 その背中をじっと眺め、『暁月夜』蜻蛉(p3p002599)はくすくすと口元に手を当てた。
(春やのおても、うちはいつでも恋しとりますよ、んふふ……や、のうて!)
 去年おろしたドレスのような美しい水着姿でとことこ歩くと、十夜の隣に立った。
「美味しい出会いが出来るんもこの季節、パンジャンロブスターには捕まって貰いましょ。
 気合い入れて、ちゃぁんと水着に着替えて来たよって大丈夫!」
「何が大丈夫なんだか」
 そう応える十夜の表情は、やはりどこか柔らかかった。

「季節だな」
 常夏であってもこの黒いスーツを脱がない『絶海』ジョージ・キングマン(p3p007332)だが、今日は周りにあわせて水着姿だ。黒いビキニパンツに黒の薄手の半袖ワイシャツ(ボタンフルオープン)という期待を裏切らないルックスではあるが。
 コウテイペンギンを思わせるグローブをきっちりと身につけ、取り出した煙草に火を付ける。
 チリチリと焼ける葉の熱と太陽が照りつける熱を同時に受けながら、ジョージは胸いっぱいに煙を吸い込んだ。
「ラサに天義、鉄帝も一段落ついたばかりであちこち忙しいが、だからこそ。息抜きというものは必要だ。これも一種の祭だからな」
「祭なのか……まあ確かに、海老食べ放題は祭以外の何物でも無いが」
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)がナイフとフォークを手に真面目な顔で言った。
 早すぎたと察してシャッと道具を妖刀『愛染童子餓慈郎』に持ち帰る汰磨羈。
「海老よ! 向こうから転がって来てくれるというのなら好都合。片っ端から食ってやるから覚悟しろ!」

●くるま!
 海を割り、現れたるは巨大な海老! その名もパンジャンロブスター!
 うなりをあげて回転するそのさまは、砂浜を切り裂き大地を奔る。
「来た!」
 対して、『絶界・白旺圏』を発動させた汰磨羈はそんなパンジャンロブスターへと真っ向から対抗していた。
「海鮮物は鮮度が命。ならば、速攻でいくのがセオリーというものだ。
 そして、私には貴様等(えび)どもにお誂え向きな必殺技がある!」
 翳した妖刀『愛染童子餓慈郎』でパンジャンロブスターを防御。ぎゃりぎゃりと削る火花を浴びながら、汰磨羈はその技の名を叫んだ。
「喰らうがいい! 海鮮焦波――『海老焼牡丹』ッ!!」
 厄狩闘流新派『花劉圏』が一つ。限界まで断熱圧縮した食欲を纏う刀身を超高速で叩きつけるコトにより急激なアレをアレする汰磨羈の必殺技である!
 一方で、その左右を別のパンジャンロブスターが回転しながら突進していく。
 狙うは蜻蛉。――いや、その間に素早く割り込んだ十夜である。
「やれやれ、恋路を邪魔すると馬に蹴られるってのはよく聞くが――海老に轢かれるのは勘弁してほしいねぇ!」
 ワダツミを抜き放ち、防御する十夜。ただ受け止めるのではなく斜めに勢いを付けることでパンジャンロブスターを跳ね上げるという荒技をやってのける。
 跳ね上げられたパンジャンロブスターは空中で体制を整えると、着地と同時に豪快にターン。
 再び突っ込んでこようとした所を、キルシェが桜模様の魔術障壁を展開することで防御した。
 ばきんと激突するパンジャンロブスターの勢いに障壁が歪むが、キルシェの防御を破るにはワンギア足りない。いや、防御を破ってこそいるが、キルシェ自身の治癒能力を、あるいはその後ろから治癒の魔法を唱える蜻蛉のサポートを越えられないのだ。
「ぴぁ! 想像より凄い勢いと回転なのよ!? けど、蜻蛉ママはルシェが守るんだから!」
 キルシェが突き出したブレスレットのついた手のひら。そこから放たれた魔法の波動がパンジャンロブスターを貫きその意識を刈り取っていく。
「恋路の邪魔してごめんやけど、こっちもお仕事なんよ」
 そう蜻蛉はパンジャンロブスターに呼びかけるが、心の中ではちょっと別の事を考えていた。
(女やって必死なんよ……どこかの誰かに振り向いて貰うまで、長い事かかったんやから!)
 グッと拳を握りしめる蜻蛉。十夜とキルシェは振り返り、そんな彼女に小首をかしげるのだった。
「どこの世界も殿方は大変やこと……でも、恋はいつでも戦いやの!」
 と思ったらちょっと心の声の一端が漏れる蜻蛉だった。
 コホンと咳払いをし、防御しきったとはいえ怪我はしている十夜の腕に手をあてて治癒の魔法を唱える。しゃらんという鈴の音がどこからか聞こえ、紅い花びらが散ったかと思うと十夜の腕についていた傷がスウッと空に溶けるかのようにきえていく。
「倒した海老は、後でお料理させていただきますよって」
 端によけておきましょうねと、蜻蛉はキルシェたちと一緒にうんしょうんしょとデカい海老を運んでいったのだった。

 もうここまでくると海老のバケモンを倒すというよりデカい海老取り放題の祭みたいになってきているが、おおむね事実である。ちょっと怪我はするが。
「逃げる奴は優秀なロブスターだ!
 身の程ってやつをよく分かってる!!
 逃げない奴はよく訓練されたロブスターだ!
 さぞ身が引き締まってるに違いない!!
 恋は戦争ってよく言うよな? いやァ、全く戦争は地獄だぜ!」
 シャツをおもむろに脱ぎ捨てると、クウハは突っ込んでくるパンジャンロブスターめがけ跳躍。三回転一捻りから繰り出す必殺のクウハキックを炸裂させた。
 クウハキックだよ。今まで何度も使ってきたクウハの必殺技だよ。相手は死ぬ。
 というのは冗談だが、跳び蹴りによって軌道を無理矢理かえられたパンジャンロブスターが急カーブをかけ再びクウハを狙おうとした矢先、握っていた大鎌から禍々しい瘴気を放つとそれによってパンジャンロブスターを拘束。強制的に引き寄せ、その刃によって切り裂いたのだった。
「どこも調子は良さそうだな……」
 ジョージはそろそろ俺も加わるかとばかりに砂浜へと歩み出る。
 会場からのっそりと上がってきた巨大ロブスターと目が合った。それは男と男のシンパシー。女にもてたい。子孫を残したい。成り上がりたい。そんな欲望がパンジャンロブスターからあふれ出るのを、ジョージは確かに感じたのだった。
「真正面から受け止めようか! 俺を突破できないようでは、強い子孫は残せないな!」
 ガッと身体を開くような姿勢で構えてみせると、パンジャンロブスターは独特の跳躍から前転姿勢へと変化。謎の推進力によってジョージへ突っ込んでくるではないか。
 が、そのまま突進をゆるすだけのジョージではない。
「来るがいい。モテたいのだろう? だが――轢き逃げできるのが、お前たちだけとは思っていないだろうな!」
 そこでジョージは走り出した。
 ジョージペンギンショルダータックル(JPS)が炸裂。全身全霊で激突しにいったパンジャンロブスターはしかし、その殻を粉砕され無様に地面に転がることしかできなかった。
「来世には男を磨いて、出直してくるんだな……」
 ショルダータックルを終えた独特の姿勢でフッとシニカルに笑うジョージであった。

●えび!
 ご想像いただきたい。
 燃える炭火と網。そこに並べられる海老。
 今回は巨大海老を切り分けているのでブロック状でこそあるが、風情は海岸でやる海老バーベキューのそれである。
「まずはシンプルにいただくとしようか」
 ジョージは下処理を終え生のまま刺身に変えた海老を皿の上に並べた。傍らには調味料が並んでいる。レモン汁、醤油、テーブルソルト。その中からジョージは迷ったあげくに醤油を手に取った。
 小皿にとった醤油に刺身をちょんとつければ、海老と醤油の混ざったなんともいえないあの香りが広がる。口に入れたときが、そのピークだ。
 新鮮なだけにきゅっと引き締まり身の甘みを広げるロブスターは、ジョージの口の中で優しくとろける。
「これは……酒がいるな……」
「フッ、どうやら忘れているようだな」
 汰磨羈がにやりと言って何かを取り出した。
「という訳で用意したのがこちら、『宵闇の自家製味噌』。これで伊勢海老の味噌焼きライクにしてやるからな……行くぞッ!」
 ロブスターブロックに味噌を塗ってあぶり焼きにするという、もはや暴力みたいな料理ができあがっていく。
「味噌焼き以外にもガーリックバター焼きやグラタンも作って行――うまぁーーい!」
 焼きたての海老味噌焼きを囓って『パラダァイス』と呟く汰磨羈。
 そうなるのも無理からぬことだろう。なにせ味噌の風味としっかりとした海老の身が合わさり、プルンとした歯ごたえが期待に応えてくれる。
 とにかく焼きたてというのが素晴らしく、若干こげついた味噌の香りと共に口の中に広がる香りは無限に米か酒をいけるだろう。囓った瞬間のあの熱さすら愛おしいというものだ。
「そろそろ、手の込んだ料理も作りたくなってきたころじゃないか?」
 クウハが鍋掴みをして運んできたのはなんとオーブン焼きである。
 耐熱皿の上でガーリックバターと共にじっくり焼かれた巨大海老がまるごと運ばれてくるという贅沢な風景がそこにはあった。
「グラタンにしたり、アボカドやトマトと合わせてサラダにも出来る。けどまあ……俺がお勧めするのはこいつだな」
 クウハが取り出したのはなんとワッフル。
 ワッフルに薄く切ったロブスターを載せ、バターとメープルシロップを上からかけていく。
「ほう?」
 ジョージと汰磨羈が目をきらりと光らせた。好奇の視線であると同時に、美味いものを嗅ぎつけた目だ。
「意外な組み合わせだが、これが結構美味いんだよな」
 そう言ってワッフルを口に運ぶ。焼きたてのサクッとしたワッフルの上に鎮座したロブスターがそのさっぱりとした甘みと弾力を駆使し、バターメープルと溶け合っていくのだ。このバターが良い仕事をしているようで、メープルとの架け橋となりついにはワッフルの甘みの中へと溶け込んでいく。
 渾然一体となったそれは美食という言葉に相応しい。
 そうこうしている間、蜻蛉はせっせとお料理に勤しんでいた。
「蜻蛉ママ、なに作るの?」
「エビ炒飯」
 下処理を終えた野菜と海老、そしてご飯を調理していく。今回の調理法は炊いた米と炒めた具材で作る中華チャーハンではなく、野菜を蒸す過程と一体にして米を炊く所謂パエリア方式だ。その後ザッと炒めることで食感を増す工夫である。
 できあがった海老チャーハンは見事に艶があり、お皿に盛って貰ったキルシェ(お野菜を切るのをがんばった!)はスプーンでそれをひとすくいした。
 チャーハンにスプーンを突っ込むこの一瞬ってなんでこうワクワクするんだろう。
 キルシェは期待と夢に目をキラキラさせながら、まず一口目を頬張った。
 んん~という美味しい顔をして蜻蛉を見る。
 蜻蛉もそれを見て満足そうに頷いた。
「ほー、上手いモンだ。うちの店主に教えてやりてぇんで、後で作り方を聞かせてくれるかい?」
 ふと見れば、十夜がクウハ相手に海老ワッフルやオーブン焼きの作り方を尋ねていた。ちょっと専門的な話になっているようだが、彼は魚介類を食べられないクチである。クウハが気を利かせて彼のための料理を作ろうとしたところで……ふと、蜻蛉の視線に気付いたらしい。そっちへ戻るようにジェスチャーした。
「? 俺のことは気にしねぇでいいから、お前さんは思う存分堪能してくれや。そんだけ喜んでくれりゃぁ、身体張った甲斐がある」
「気にしないわけないやない、うちの事よお知っとるでしょ。お野菜しか入っとらんから大丈夫」
 そう言って出してきたのは蜻蛉の豚肉チャーハンである。海老の代わりにベーコンを使ったものである。
「ルシェも手伝ったのよ!」
 ね! と両手を上げて見せるキルシェ。
 十夜はフッとわらい、早速チャーハンに手を付けてみた。
 皆と囲んで食う飯というのは、なんでこう美味いのか。
 それにちょっと変わった料理も並んで目にも楽しい。
「色々な意味で、中々味わえねぇだろうからな。ほら、こいつなんてどうだい? 島のやつらの自慢の一品らしいぜ」
「今、両手が塞がってしもとって、無理やの。あとで頂きますよって」
 どうやら蜻蛉は次の料理にうつっているらしい。
 十夜は少し考えてから、海老ワッフルをそっと手に取り蜻蛉の口元へと運んでやった。
 少し顔を赤らめた蜻蛉は、「あ」と口を開いてみせる。
「そら、火傷しなさんなよ」
 蜜が染みこんだワッフルから溢れ、蜻蛉の唇を僅かに濡らす。
 キルシェはそんな光景を、ほんわかした気持ちでずっと眺めていたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete

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