シナリオ詳細
小芝居しないと進めないダンジョン~世界大会編~
オープニング
●ここは全部嘘です(読み飛ばし可)
そこは幻想で最近発見されたダンジョンの系譜。
世界各地にあるソレは今回もまた、鉄帝で発見されていた。
奥には素晴らしい宝があるとされながらも、誰もクリアできないでいた。
その理由は、そのダンジョンのギミックにあった。
そして、近年発見されたそのほぼ全てに関わったとも言われる男、『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)。
眼鏡が本体とも噂される寛治のプロデュース力たるや非常に高く、流石はファンドマネージャと言わしめるところだが、なんと最近世界大会が開催されることに決まったのだという。
「フッ、まさか私に勝てると思っているのですか? 近年の多種多様なライフスタイルに適応した、このカジュアル寛治に!」
再現性東京のお洒落なカフェにいても問題なさそうなカジュアル寛治がそう言えば。
「ファンド祭りは終わらない……近頃の緊迫した状況下であえてふざけて盛り上げる、そんな誰もが望んだ男がこの私、ファンド祭り寛治です。この需要に勝てるとでも?」
何処となく祭囃子が聞こえてきそうなファンド祭り寛治もそう対抗して。
「いいえ。全ては基本に集約するもの……この基本スタイルの寛治こそがファンドマネージャとしてのベストアンサー。お客様に信用と安心を提供する至高のベーシックスタイルですよ」
比較的よく知られたスタイルの寛治がそう応じて。
「ならば決まりですね」
「ええ、全ての寛治をもってして世界大会を催すしかありません……!」
「ならば私も参加するしかありませんね」
「香港黒社会仕様寛治!」
「私を忘れていただいては困りますね」
「カムイグラ正装寛治!」
「全てを併せ持つ私こそがこの大会を制するのです……前座ご苦労様でした」
「休日とビジネスの間寛治!」
続々と集まってくる寛治たち。今此処に寛治世界大会が始まる……!
●ここからが本当です
「えー、そんなわけで今回発見された小芝居ダンジョンについてです」
「……今の何だったですか?」
「ご新規の皆様に自由度を知っていただこうかと」
「それで何処かの誰かがいつも泣いているですよ」
「大丈夫ですよ。その人はドMなのできっと喜んでいます」
「はい、というわけで。こんな感じのが小芝居です」
『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)が寛治の眼鏡を没収しながら集まった面々に説明をする。
「今回のダンジョンは鉄帝内にあるダンジョンなわけですが」
正式名称は不明。
愛称は「小芝居しないと進めないダンジョン~世界大会編~」だ。
なんなんだろうか、このダンジョンは。
世界大会といっても何の世界大会かも自由であるようだ。
あまりにも謎だ。謎過ぎる。
ちなみにこのダンジョンの情報を掴んできたのは寛治だ。そう、また寛治である。寛治なのだ。
「ルールは簡単で、部屋に入った後に「世界大会」をテーマにした小芝居をする。2人1組でも3人1組でもいいらしいです」
必要なのは芝居にかける「熱」……つまり演技だ。
それを部屋の古代機械が判定し、クリアすれば次に進めるという仕組みだ。
「必要な芝居数は不明ですが……ま、前回までを考えるに芝居の熱量次第だと思うです」
芝居自体も難しいものではなく、本当に小芝居で良いらしい。
世界大会をテーマにしてさえいれば料理でもスポーツでもゲームバトルでもなんでもいい。
というか本当に古代文明は何なのだろうか、こんなダンジョンが幾つも存在する辺りヤバげではある。
そして、奥に進めば進むほど熱量の高い演技が必要になってくるだろう。
恥ずかしがらずにそういう事を出来る度胸が大切ということだ。
失敗したらダンジョンの外に射出されるが、再挑戦は可能だ。
また熱量が足り無さそうだな……と思うなら演技の追加なども可能だ。
これぞ世界大会と一撃で分かるような、そういうのである。
……なんだろう、幾らでもありそうな気もする。
無論、それは最後の手段ではあるだろうが……そういう手もあるということだ。
「今回の『宝』ですが……MVP参加者のフィギュアトロフィーらしいです。いらねーですね」
とはいえ、手に入れれば役に立つこともあるかもしれない。なんかこう、なんだろう。まあいいか。
ともかく充分にやってみる価値はあるだろう……!
- 小芝居しないと進めないダンジョン~世界大会編~完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年04月11日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●マッチョ☆プリン世界大会、あるいは虎井明日論世界大会始まる
かつて、偉大なるスポーツマンは言った。
挑戦することをやめたら、スポーツマンではないと。
挑戦し続けるからこそ、世界に届くのだと。
「またこの季節が……俺達の世界大会がやってきた」
『八百屋の息子』コラバポス 夏子(p3p000808)はそう感慨深げな声をあげる。
「今回も我々が世界一位に…… ミラクルチャンプになる大会が催される訳だ ふふ 最早参加する事すら申し訳ないまである 決まっているのに 世界を獲る事が」
夏子の自信は充分だ。もうその瞳に見えているのは、世界を獲った自分たちの姿なのだ。
「世界を牛耳れる日が やってきた やってきたのだ しかしてお客様方は ワールドオーバーロードたる我々をご覧になりたいのだからして コレはお見せしない訳にもいかない……」
そう、今日夏子たちが挑むのはまさに最高峰だ。
「かつて誰も挑んだことが無かった、小芝居ダンジョン世界最強の存在「無粋な奴をぶっ飛ばす古代ゴーレム」。ついに我々は、彼に挑む。この挑戦を無謀と笑う者がいるだろう。できやしないと諦観する者がいるだろう。それでも、このメンバーなら。私は世界と戦える。世界一を取れる。そう確信してここまで来ました」
スポットライトを受けた『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)もそう宣言する。
そう、頼もしい仲間たち。予選を勝ち抜き、地区大会を抜け、ついにこの場までやってきた。
涙も笑いもあった。時にはぶつかりあったし寛治の眼鏡も吹っ飛んだ。夏子が悪徳6人衆相手に自爆する姿は涙なしでは見られなかった。
「今年もやってきたか、全混沌の王者を決める大会が……。最後に立っていた者が最後の部屋にて行われる最終決戦に進む。最終決戦の内容は謎。ゴーレムと戦うとか、色々な噂が流れているが……。やってやろうじゃないか。王者になるのは私だ」
仁王立ちする『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)もフッフッフと黒幕感を出している。
「みんなで世界一に、つまりはマッチョでプリンになるって聞いてきた! マッチョ☆プリンはみんなでなっても良い……そんな事、考えた事なかった! すっごいわくわくするぞ! それその相手は…あいつってわけだな! いかにもマッチョで強そうだ!」
『アイアムプリン』マッチョ ☆ プリン(p3p008503)の一言でこの大会はマッチョ☆プリン世界大会になった。なんてこった。
「そこのデッカくて強そうなヤツ(無粋な奴をぶっ飛ばす古代ゴーレム)!! おれが相手だ!」
そして本気と書いてマジで呼ばなくてもいいモノを皆で小芝居に巻き込んだ。怖いもんなしである。
「ごくり……ついにきちまったな、虎井明日論世界大会決勝の舞台が! 思えばここまで激しい戦いの連続だったぜ……だが、今日の試合に勝てば、オイラ達が世界さいきょーだ!。厳しい戦いになると思うが、オイラ達なら絶対勝てる! 思い出すんだ、地獄のような今までの特訓を! それを乗り越えたオイラ達ならいける! さあ、いくぜみんな!」
虎井明日論世界大会らしい。ええい、どっちでもいいや。ともかく『生イカが好き』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)も気合は十分だ。
「え、まぢ? 今回ゴーレムと戦うの!? あれってなんか毎回最後にいい感じに倒されてるやつじゃん! 世界大会ってそう言うことだったの!?」
『宝食姫』ユウェル・ベルク(p3p010361)もそんなことを言っているが、『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)もやる気満々だ。
「今回こそは勝てる。そんな気がするの」
そう語るコルネリアは、何処か悟った、清々しい表情を浮かべていた。
「波が来ている、確実に、恐れるものなんて無いと心が奮い立つ。このメンバーなら、絶対に勝てる。いくわよ!」
そんなコルネリアに『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)も力強く頷く。
「ゴーレムだって? ふふん! この猛虎である私ととらぁ君にかかれば余裕のよっちゃん虎さ! ヨシ! 闇のデュエルの始まる時だ! (世界大会)私はこのターン! コルネリア君を334人生贄に捧げ! アルティメットとらぁ君を召喚するぜ! いけ! とらぁ君! 全てを蹂躙するのだ!」
「とらぁ……」
「え、ちょ、ま」
「とらぁ……」
四足歩行形態でカサカサ走る『VDMランドの謎の生物兼マスコット』とらぁ君とマリアを見比べながらコルネリアは台本に無い動きに仲間たちを振り返る。全員そっぽ向いた。
「マリアアアアアアアアア!」
「とらぁ」
とらぁ君の攻撃! 334の殺人技!
こるねりあはしんでしまった! こしばいなのでしんでない! あんしんだね!
●世界大会の結末は
まずは大会前のエキシビジョンサバイバルマッチが始まり、モカはリングに上がり戦っていた。
「まずマリアさんはコルネリアさんを狙うだろうから戦わせておこう……いや、とらぁバスターをかけている最中を狙うのも面白いか。状況を見て決めよう」
実際マリアとコルネリアががっぷり4つに組みあっているのでまあ正解だ。
(新田さんは接近戦に弱そうだから射撃に気をつけて、私が得意な接近戦に持ち込む。プリンさんは味方にすると頼れるが、敵に回すと厄介な人だ。なるべく関わらないでおこう。夏子さんは色仕掛け(誘惑と性的魅力とギフト発動で巨乳化)で油断したところを潰す。ユウェルさんは面識が無いし、ワモンさんは面識が有るが、二人とも正直よくわからん。経営者としては、新田さんとマリアさんより早く敗退したくはないな)
「とらぁ……」
「くっ、もうこっちに来たか! コルネリアさんは……もうマットに沈んでる!? 新田さんは……眼鏡だけがリングに!」
迫ってくるとらぁ君相手に、モカはファイティングポーズをとる。
「ここで簡単に負けはしない……経営者として、この場に立つファイターとして!」
そんなこんなでプリンがエキシビジョンサバイバルで優勝したが……此処からが本番である。
「風が吹いている、確実に、恐れるものなんて無いと心が奮い立つ。このメンバーなら、絶対に勝てる。いくわよ!」
「ゴーレムビーム発射」
「ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」
発射されたゴーレムビームをリンボーダンスの要領で回避したコルネリアにとらぁ君が師匠面で頷く。
「あと数ミリズレてたら死ぬところだったわ、流石アタシね!」
「ふふ その実力は健在ということか」
夏子も訳知り顔で頷いてみせる。勿論分かってはいない。
「さて、競技開始だね。え? 何だって? バトル虎イアスロン?」
マリアは台本を思い出しながら分かった顔で頷く。
「ほぅ……この世界にもバトル虎イアスロンを知る者がいるとはね……やるじゃないか……(
勿論、何一つ分かっていない顔なので分かっていない。その辺の顔芸の出来ないピュアレディ、マリアである。
「炭酸抜きコーラで効率良くエネルギーを補給し挑むとしようか!」
「ほう、炭酸抜きコーラですか」
ここぞとばかりに寛治が更なる小芝居をミルフィーユの如く織り交ぜていくがさておいて。
「自転車だろうが水泳だろうがマラソンだろうがこの空の女王である私に恐れる物は何もない! 異能拡張兵装ヨトゥンヘイム! 最大出力! 全部空覇してくれるわ!」
「とらぁ」
「う!? とらぁ君!? どうして……!? え? ズルは駄目? いやいやいや! これはれっきとした戦術であってだね! あああああああああああああああああ!? ただでは死なん!!! コルネリアも道ずれだ!!!」
「ぐあー!?」
地面というマットに沈んだマリアとコルネリアが起き上がり、コルネリアが何事もなかったかのように小芝居を再開する。
「成程、バトルトライアスロン。体力もそうだけど、長丁場を駆け抜けられる精神力も求められるってワケ。ぴちぴちだか知らないけど、若造に負ける訳ないわよねぇ? ま、アタシもまだ若いけども。若いけども! わけぇつってんだろ!!」
「とらぁ……」
「コルネリアーーー!!!」
「くっ、分かってはいたが、これが世界の洗礼か」
落ち着けと言わんばかりにとらぁ君に黙らされたコルネリアをユウェルが突いて寛治が大空でサムズアップしているコルネリアの幻影を見るが、小芝居続行可能なようである。
「バトルトライアスロンってなに!? バトル入ったらクワトロアスロンじゃん! なんか今日叫んでばっかり! わたしいつもはツッコミなんてしないんだけど! それはそれとしてやるとなったら勝つぞ勝つぞー! ぜんりょくだー! わたしはまだまだぴちぴちだからね。おじさんおばさん達には負けないよ!」
その理屈だと年齢もボディも一番ピチピチなワモンがチーム内のMVPになるが、さておいて。
「よし、最初の競技は世界海獣水泳だな! これはオイラの得意種目だ、オイラからいかせてもらうぜ!」
そのワモンがトップバッターなあたり、本当にピチピチ順な可能性もある。
「へへ、アシカやトドにアザラシが負けるわけねー! 世界の海獣王はアザラシだってことをビシっとみせつけてやるぜ! うおおお! 一気にとばすぜー! アシカクラッシャーアターック! この高速きりもみ回転で推進力をえたオイラの速度アシカなんざにゃ…なにぃ?! あ、あれはとらぁくん!くそ! アシカと思ったらとらぁくんが泳いでるだと?! やべぇ! 水でアザラシが虎に負けるわけにゃあいかねぇぜ! みせらせ! オイラの水泳力!」
バタフライで泳ぐとらぁ君にコルネリアが「やべえ」と口にしているが、とらぁ君の死ぬ程カッコいい泳ぎっぷりがヤバいのかシビれるくらいに素敵なワモンの泳ぎ方がヤバいのかは分からない。さておいて。
「へっ! 途中やべぇ場面はあったけど、何とかアザラシの面目はたもったぜ! 泳ぎ切った疲れもあるけど……ちょーきもちいいぜ! こっからは次のメンバーにバトンタッチだ、後は任せたぜみんな!優勝トロフィーのためにもがんばってくれ!」
「よし、次は私の番だね待ってとらぁ君! 私はまだ何もしてなコルネリアガード!」
「グアアアアアア!」
「よし、今のうちに自転車だ!」
コルネリアがなんかこう……どうにかなっているうちにマリアが自転車でフィールドを駆け抜ける。
チーム戦なので個々人が全力を尽くせばいい。尽くしたらとらぁ君に撃沈されてもいい……いや、よくはないが。
余計なことするととらぁ君が併走して狙っているのでマリアは凄く真面目に自転車を漕いで。
「ユウェル君、タッチだ!」
「任せて!」
そうしてユウェルが今度は障害物走に挑む。なお実際の練達のトライアスロンにそんなものは無かった気がするが、虎井明日論なので問題ない。
「翼がある利点を活かしていくよ! ずるい? うるせー! 飛んじゃダメなんてルール知らないもーーーん!!! ドラゴンは飛ぶモノなんですーーー! 1位を目指して爆走じゃー!」
「とらぁ……」
「え? なんだってとらぁ君? 終わったらおしおきだって? だってさユウェル君!」
「なんでぇー!?」
なんかこう死なない程度に命のかかったユウェルの動きは凄まじいものになっていく。たまにゴーレムビームも発射されるので本当に必死だ。
「くう~ やるッ! ビームなんて使うからぁーッ! こんな事になっちゃうんでしょお!」
そんな夏子の声援が響く中、ユウェルがなんとかゴールして。競技は次々と進んでいく。
「時間を稼ぎます。先に行って下さい。後で必ず追いつきます」
そんな中、寛治のそうした熱い場面も当然のようにあった。
「追いつくことは無理だとしても、そのくらい強がって見せなければ、気持ちで勝てないですからね。我々は誰か一人が、ゴーレムに勝利すればいい。小指が折れようが眼鏡が割れようが、フォア・ザ・チームの精神で戦い抜き……そして勝ってみせようではありませんか」
そう、ここで寛治が抜けてもチームの負けではない。此処で託すことがチームの勝利に、そして寛治の勝利になるのだ。
「それにね、私も一度、貴方の力を見てみたかったんですよ」
(絶対無敵を誇る全長10Mの謎金属製の古代ゴーレム。これまで戦ったおうと思ったことはありませんでした。だが、今日は違う)
「純粋に、勝負を楽しもうじゃありませんか!」
言いながら寛治は眼鏡をかけ直す。すでにそのレンズに曇りは1ミリもありはしない。
見据えるべきは目の前。そして、心すべきは。
「私からは一つだけ。憧れるのをやめましょう」
ゴーレムに指をつき付け、寛治はそう宣言する。
「古代ゴーレムがいたり、とらぁ君がいたり、小芝居ダンジョンをやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手がいる。しかし、憧れてしまっては超えられない。私達は今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」
なんだか寛治の後ろに野球スタジアムが見えた気がしたが、きっと気のせいだろう。そうして、寛治はゴーレムへと向かって。
そうしていよいよ、ラストスパートへと至ろうとしていた。
此処まで来ると妨害も多く、まさにこの最後の直線が勝負を決めるだろう。
「俺は雑魚向けタンクだから攻め手の皆が一層一段輝くようド派手な演出を繰り出したいんだよね」
夏子は常々そう言っていた。その度皆が夏子らしいと笑ったものだ。
だからこそ……今、さも花火の様に事ある毎に都度闇を劈く爆裂音『炸』で爆音閃光を撒散らしていた。
「世界一位だからね コレくらいは呼吸するようにしてしまうんだ 不思議とね」
しかし、それだけでは妨害にしかならない。ならないが……夏子はそれで充分だった。
寛治がそうしたように、仲間がそこにいるからだ。
「流石 任せて大丈夫だな……」
コルネリアがゴーレムに相対しているのを見ながら、夏子はその場に倒れて。
「アタシにかかればゴーレムもおちゃのこさいさいってヤツよ。あれ、速くて泳ぎも達者で持久力もあるわね、このゴーレム……どうやって泳いでるたのかしら」
考えてはいけないことを考えながらコルネリアはゴーレムを見る。併走しているとらぁ君など見えてはいない。
「だがぁ、アタシ達はチーム! 集団で力を合わせて何倍にも強くなる、人類の恐ろしさを教えてあげるわ! 寛治が、そして夏子が隙を作った、これを逃す訳にはいかない。ユウェル、いくわ……おめーー飛ぶとかズリーぞクソがぁ!! あ、とらぁ君が飛んだ……」
「あああああああ!」
「とらぁ……」
コルネリアは見なかったことにした。さておいて持ってる大型の砲撃機で火炎放射を出したりしてゴーレムの足をいやらしく攻めていく。
「おら! マリア! 早く此奴殴り飛ばしなさいよ! マリ屋の給料も上げなさいよ!」
「上がらないよ!」
「なんですって!?」
そうしている間にもプリンもまたゴーレムへと立ち向かっていく。
「これは1番マッチョでプリンなヤツを決めるマッチョ☆プリン大会! ここで男気ない事するヤツが、1番になんてなれるか!! そーだろ、みんな!?」
プリンの叫びは、まさに魂の叫びだ。ここで諦めてなるものかという気合が伝わってくる。
「とは言っても、何もできないままやられちゃうのだけはダメだ! あいつ凄く強そうだし……いざとなったらアレを使うしか無い! 未完成の奥義《PPP発動》を!」
そう、その奥義はまさにプリンの一世一代の超奥義。けれどプリンは今更引いたりはしない。
「うおおおおお!大宇宙のプリンよ、おれに力を! 例えここでおれが負けても、みんなが敵をとってくれるって信じて! おれの有りったけを、この一撃に賭けるッ!!」
「うぅ……アルティメットとらぁインパクトは死んでしまうよ……私の股関節と首はもうボロボロだ……」
弱音を吐くマリアだが、その心は折れてはいない。そう、戦士はもう1人いたのだ!
「だがヴァリューシャにかっこいいところを見せる為にも、私は負けるわけにはいかないのだ……!!!! ゴーレム如き! なにするものぞ! 皆で世界を制してみせる! バケモンにはバケモンをぶつけんだよ! とらぁ君! この戦いが終わったらコルネリア君は、いや! ここにいる全員を好きにしていい! だから皆に力を貸してくれ! 世界を獲らせておくれ!!!」
何処かから「これ以上!?」という悲鳴が聞こえてきたが、気にしない。
「とらぁ……」
「いくぞ、攻撃を合わせるんだ! うおおおおおお!」
そうしてプリンととらぁ君の一撃が(小芝居上の演出として)ゴーレムを打ち倒す。
ちなみにPPPはトリプルプリン(プリン・プリン・プリン)の略だし重傷も演出なので問題はない。
眼鏡を投げ捨てて吠えて世界大会優勝を喜ぶ寛治を皆が胴上げして、最後にとらぁ君がファイナルとらぁバスターをきめて。
逃げたコルネリアをとらぁ君が捕まえて、ついでにマリアも捕まえて。そんな感じで皆がノックアウトされていく中……マリアの姿を模したフィギュアトロフィーが輝いていた。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
はい、というわけで今回は黄金のマリア像です。ご参加ありがとうございました!
GMコメント
今回はファンドマネージャからのアフターアクションです。ありがとうございます。
またしても小芝居ダンジョンです。
そう、小芝居しないと進めないダンジョン~世界大会編~です。
チームを組んで世界大会系の小芝居を実施しましょう。
皆さんなりの演技をぶつけてきてください。
当然ですが、世界大会なら、どんな内容でもいいです。ノリだから。
俺の世界大会はこれなんだ!っていう勢いが必要です。
プレイング全部を内容と相手で埋めてOKです。
互いにNGシーンを打ち合わせてプレイングを決めると良いと思います。
なお、相手が見つからない悲しい子はチーサを拉致できます。ちゃんと適宜合わせてくれます。
ちなみにですが、無理矢理突破しようとした場合には古代ゴーレムが現れます。
無茶苦茶強いので、無理矢理突破はしない方が無難でしょう。
一応こんな感じです。
・無粋な奴をぶっ飛ばす古代ゴーレム
全長10Mの謎金属製の古代ゴーレム。
ゴーレムパンチと範囲攻撃のゴーレムビームを使います。
もうとんでもない強さです。
一番重要なのは「最後の部屋」なので、そこの担当はしっかり決めておいた方が良いでしょう。
なお、お宝は「MVP参加者のフィギュアトロフィー」です。
つーても最近皆さんは1つの大寸劇を作ってくるのでたぶん一撃ですが。
破壊不能のすげーやつです。思い出は永遠に……。
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