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シナリオ詳細

<帰らずの森>呼ぶ声は遠くに響く

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<帰らずの森>呼ぶ声は遠くに響く
 覇竜領域デザストル。
 亜竜達が過ごし地にローレットがやってきて、彼等が特異運命座標として仲間入りしたのはつい先日のこと。
 更には覇竜領域の集落の一つ『フリアノン』の相談役として出入りしていた里おじさまと呼ばれていた者が、『冠位暴食』ベルゼーであるという事実は亜竜集落に大きな衝撃を与える。
 彼は春ウ領域を拠点にする冠位魔種……良く隣人でありし亜竜種達を害さぬ様に、彼は錬達や深緑を襲ったのだろう。
 しかし今は、その二つが潰えてしまい、そのターゲットは覇竜領域になるのではないだろうか……と、里町代行達は考え、大いなる影が亜竜種楽を飲み込む前に対策をしなければならない、と結論を急ぐ。
 良き隣人が、己達へ害を為す前に。
 ……そんな里町達の話を受け、先んじて探索へと出立したのは、『フリアノン里町』である、桜・琉珂。
 彼女と共に行動するイレギュラーズ達は、ピュニシオンの森へと赴き探索を開始する。
 ……だが、その一方で。
『……ん……?』
 森の近くの亜竜種の集落『バートーン』にて、空を見上げる住人。
 通りがかるは竜の姿の影……何匹もの影が空を過ぎて通り過ぎていく。
『な……何だあいつらは……』
『ギャウウゥゥゥ……!!』
 驚く人々に対し、咆哮を上げる空の影。
 その内数匹が地上へと降下、村の入口に降り立つと共に。
『グギャウウウ……!!』
 方向と共に吹き付ける炎のブレス。
 突然の行動に、集落は混乱の境地に叩き落とされるのであった。


『すまない……イレギュラーズの皆に力を貸して欲しい。至急に、だ』
 覇竜領域デザストル、亜竜集落ウェスタ。
 ピュニシオンの森への探索作戦が行われている今、拠点の一つとなるこの集落にはイレギュラーズ達が集まり、森へと向かう。
 ……だが、そんな集落に突如舞い込んできたのは、周囲の集落が突如として襲撃の事件にあっているという話。
『恐らくではあるが……琉珂達がピュニシオンの森の探索を始めた為に、そこに棲まう亜竜達が狂暴化してしまった様なんだ。彼等は正気を失っているのかは分からないんが、少なくとも無抵抗の村人達の命を奪うべく蠢いている」
「このままでは、デザストルが大混乱に陥ってしまうのは間違い無い。勿論、こちらが要らぬ刺激をしたからだ……と言う話もあるだろうが、このままでは罪無き亜竜種の人々が被害に逢うはめになりかねない。故に、空を見上げ、集落を襲う『亜竜』を討伐してきてほしい」
 頭を下げる彼の依頼に、イレギュラーズ達は急ぎ、周囲の集落へと展開していくのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回は、覇竜領域デザストルに突如現れた、狂暴化した『亜竜』退治……となります。

 ●成功条件
  空より飛来せし『亜竜』達を倒し、襲撃されている集落を守りきる事が目的となります。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  今回は、亜竜集落ウェスタの周りにある幾つかの集落を守る事が目的となります。
  時刻は昼頃から開始であり、空は快晴。
  敵である亜竜達は空を飛来しているので、その影を追いかければ亜竜達が襲撃する集落を追跡していく事は可能です。
  ただ、一個の集落に時間を掛けすぎてしまうと、別の集落の襲撃が進行してしまい、被害が大きくなりかねませんので、出来る限り速攻で倒し、次なる集落へと転戦していくという事が必要となります。

 ●討伐目標
 ・狂暴化した『亜竜』達
   炎のブレスを吐き付ける『デミ・ドラゴン』や、大きな翼をはためかせて吹き飛ばし攻撃を行う『ワイバーン』などの構成です。
   一箇所毎に現れる敵数は数匹程度ではありますが、一匹毎にかなりの体力を誇り、しぶとい敵が揃い踏みといった感じです。
   又、彼等には知能は無く、『動く者』を優先的に狙う習性があります。
   一般人の居る集落を襲うという事は、一般人が逃げ惑えばそれを優先して狙おうとしてしまうので、敵の対応だけでなく、一般人達の対応も同時並行で行う必要が有るので、ご注意下さい。
 

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <帰らずの森>呼ぶ声は遠くに響く完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年04月04日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
武器商人(p3p001107)
闇之雲
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女
ファニー(p3p010255)
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
ライオリット・ベンダバール(p3p010380)
青の疾風譚

リプレイ

●狭間の哭
 覇竜領域デザストル。
 亜竜達が過ごす広大な地であると共に、厳しい山間の狭間に拡がる絶境が印象的な地域。
 そんな絶境の地であり、普通の人が訪れることが殆ど無かった土地からこそ……人目に付くことはほとんど無かったのだ。
 だが……イレギュラーズ達が足を踏み入れたことにより、歴史の針は動き始めており。
「……藪蛇をつつくならぬ、森亜竜をつつく、か……」
 と、目の前に拡がる雲海を一瞥して言葉を零すのは、『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)。
 今回、イレギュラーズ達がデザストルに赴いた理由は、『ピュニシオンの森』に纏わる。
 かの森より飛来せし『亜竜』達が周囲の集落を次々と襲撃しており、その脅威から集落を守ってほしい……という話である。
 ただ、亜竜達は幾つもの群れを構成しており、次から次へと森から出現しており、時間差はあれど幾つかの村を襲撃しているという窮状具合である。
「ちっ……ちょっと厄介な仕事だな。オレ達からすれば、亜竜を倒すだけなら造作もないだろうが、如何せん守るべき集落が一箇所だけじゃないってことか……」
「そうだね……なんて言うか、亜竜大進撃? 洒落にならないのは確かだけど、錬達の時を思えばまぁ、何とかなりそうなのが幸いだけど」
「ああ。転戦な上に連戦とは……割に合わねえ仕事だぜ」
 と『荒くれ共の統率者』ジェイク・夜乃(p3p001103)と、『灼極光』ラムダ・アイリス(p3p008609)、『Stargazer』ファニー(p3p010255)の三人が口にする通り、今回の依頼のポイントは『連戦且つ転戦』をこなさねばならない。
 勿論、勝手に亜竜達が出て来て集落を襲撃している様ならば、良心の呵責無しに悪を滅するという理由にて倒す事が出来たであろう。
 ただ……亜竜達が出て来たのは、ピュニシオンの森の調査を今進めているが故。
 森の中に居るであろう『冠位暴食』ベルゼーを探す為……彼の跡を追い、森には幾つもの探索班が展開しているのだ。
 今となってはもしかすれば……と過程の話に放ってしまうが、ピュニシオンの森の捜索を進めなければ、彼等が出てくる事も無かったのかもしれない。
「えっと……ピュニシオンの森の探索が始まったから、亜竜達が狂暴化したのよね?」
 と、『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)が小首をかしげると、『闇之雲』武器商人(p3p001107)と『相賀の弟子』ユーフォニー(p3p010323)が。
「ああ、そうだねぇ。森の調査も強硬に行っている部分があるからね。生態系に影響が出ているのだろう。他にもいくつか似たような依頼が見受けられるね」
「ええ……多くの亜竜達が森から次々と姿を表している様です。一つの場所に余り時間は掛けられません」
「そういうこと。ならば、その『後始末』もしっかりとやらねばねぇ……」
 武器商人とユーフォニーの言葉に、ウェールは何かを決意するかの様に眼を瞑り。
「ああ……彼等からすれば、森を荒らすな、と言った感じなのかもしれない。だが、こっちも探索しないと、冠位魔種がいるかいないか分からない。探索以外で狂暴化する原因がある可能性もある。それに森に入ったことの無い一般の方々を襲うのは八つ当たりだ……暴力には暴力で返さなきゃな」
 何かを振り切ろうとするが如く、ぐぐっとと拳を握りしめた言葉に、はいっ、と頷きながらキルシェも。
「ええ! 森には亜竜たちにとって大切なものがあるか、亜竜たちを狂暴化させる何かがあると思うけど……それを調べるのはまた今度ね! まずは亜竜種達の人たちを助けましょう!」
 使命に眼をキラキラさせるキルシェ。
「まぁオシゴトのエリアとスケジュールタスクがアレな気がしないでもないけどね~」
「ああ。亜竜を倒す殲滅速度や、俺達の移動速度だけではなく、一般人を速やかに避難させる事も今回は重要か」
「そうっすね。数が多くてあまり時間もないっぽいッスから、全力で片付けて、全力で次の集落に飛んでいくッスよ!」
「ああ。ま、一般人を守るためなら仕方あるまい。あとでローレットにたっぷり追加報酬を要求してみるがな」
 アイリス、ジェイク、『青の疾風譚』ライオリット・ベンダバール(p3p010380)、ファニーも口々に言葉を紡ぎ、そしてアイリスは。
「……さて、と。軽口はこの辺にしておいて……お仕事と征こうか……時間が押しているからね、最初から本気で征くよ?」
 今迄の笑顔から一変、真摯な表情を浮かべ……そしてイレギュラーズ達は拠点となる『ウェスタ』集落の近くの『バートーン』へと急行するのであった。

●亜竜刺襲
 そしてイレギュラーズ達がまずに向かうのは、『バートーン』の集落。
『グギャァルゥウウ!!』
 と、獰猛な咆哮をあげて空から灼熱のブレスをはきつける亜竜達は、どれも狂暴化しており話を聞いてくれる様な雰囲気はもはやまったくない。
 亜竜達の襲来が遠い空に見えつつあるその時……亜竜種達は突然のことに悲鳴をあげる。
 そんな集落の住人達を見つけるやいなや、即座に。
「俺たちローレットが来た! 集落を襲う亜竜達は、動く物を優先的に狙う習性がある様だ!」
「外にいる者は落ち着いて建物の中に入るか、物陰に隠れてじっとしていろ! もし亜竜に見つかった場合は一歩も動くな! やつらは動いているものにしか反応しないようだ!!」
「そうだ! 亜竜達に動く所が見られないよう、建物の中など、隠れられる場所に急いで避難してくれ!」
 ウェールとジェイクが、そう亜竜種達に呼びかければ、当然の事ながら集落の亜竜種達は命を救われようと、急いで逃げる。
 ……とは言えみるみる内に亜竜達は空を駆けて接近し……全員が逃げおおせる前に、街に中心地へズシンと音を立てて着陸。
『グルゥゥウ……!!』
 真っ赤な瞳を鈍く光らせるとともに……前方範囲に炎のブレスを吹き付ける。
 集落の草や稲穂、枯木などなどが次々と燃え盛り、集落は熱さに包まれる。
 そんな亜竜達の目前に、8人のイレギュラーズ達は臆することなく立ちふさがる。
 勿論亜竜は、動くイレギュラーズ達を敵と認めたようで。
『グルゥゥゥ……グギャアアアア!!』
 と更なる咆哮をあげて、威嚇する。
 そんな敵の威嚇に対し、ちょっと驚きを覚えるキルシェだが……その背中には、逃げ遅れた集落の亜竜種の子供。
『……』
 言いつけを守り、怖さに体を小刻みに震わせながらも、出来る限り動かないように耐える。
 ……そんな亜竜種の視線を感じたキルシェは。
「うん……大丈夫! ルシェはみんなみたいな誘導はうまくできないけど、みんなの力を借りてできることを頑張るのよ!!」
 自分に強く言い聞かせる。
 そんな彼女の言葉に小さく頷く子供……そして。
「それじゃあ始めようか……ジャッジメントの時間だよ♪」
 と笑顔を浮かべるとともに、アイリスは容赦なく、無尽の極光を周囲に解き放つ。
 強力な極光は亜竜達を次々と巻き込んでいき、一発でかなりの大ダメージを与える。
 勿論強力な攻撃ゆえに、アイリスの疲弊もかなり激しいが。
 そしてアイリスの攻撃で全体をまず焼き尽くした後に、一番素早いライオリットが。
「さぁ、オレについてくるっスよ!」
 と仲間たちを鼓舞する号令とともに、一気に連鎖行動で攻撃を行う。
 さすがにライオリットの速度よりは亜竜達は遅く、次々とダメージを食らい苦悶の咆哮をあげていく。
 ……少しばかり罪悪感を抱かせるその悲しげな咆哮……だが、手加減することはない。
 そしてその行動とともに、仲間たちを補助する様にファニーの愚者や、ジェイクと武器商人の突撃戦術。
 加えてユーフォニーの万華鏡が敵を惑わし、アイリスの極光が敵全体を傷つけて削る。
 そして全体攻撃ののち、彼らの攻撃を一旦受け止めた所で、キルシェが仲間たちが倒れないように回復を行い、ウェールは馬車を乗りこなして動かない様にしている亜竜種達を曲芸乗りで馬車の中に回収していく。
 馬車を駆るウェールを殺せば、亜竜種達を一網打尽にできるかもしれない。
 だが、亜竜にはそこまでの知能はなかった様で……単純に一番近くで目立つように動くライオリットをメインターゲットに、アイリス、ファニー、ユーフォニーの四人を中心に炎のブレスを吹き出し、巨体でプレスし、爪で切り裂く……その繰り返し。
 あえてファニーは挑発するかの様に反復横跳びで目立ってみたりする。
 一発のダメージは多いものの、イレギュラーズ達もさるもので即たおれる程に軟な者はいない。
 かなりの時間はかかるが一匹ずつ、確実に亜竜達を仕留めていき……そして集落を防衛。
 ……とは言え空を見上げると、まだまだ別の亜竜らがピュニシオンの森の方角から飛来している状況。
『ありがとうございました……何とお礼を言えばいいのやら……』
 と命を救われた集落の村長が頭を下げるが、それに武器商人とキルシェが。
「いやいや、お礼は大丈夫だよぉ。まだ亜竜種達がいる様だから、しばらくの間は家の中でおとなしくしておいた方がいいと思うよぉ?」
「ええ! 怪我した人は、簡単だけど治療するわ! 治療終わったらすぐに次の集落に行かないといけないの。でも、狂暴化してる亜竜達を倒したら、帰りにまた来ます! それまで、無理せず休んでいてくださいね!!」
 と、笑顔で亜竜種達の治療と呼びかけを行いつつ、キルシェは周囲の精霊たちに。
「精霊さん達、亜竜たちが行こうとしている集落を教えてください! 最短ルートも、教えてほしいの!」
 と呼びかけ、そして……精霊達からもたらされる囁きに頷き、そしてイレギュラーズ達は次の集落へウェールの馬車に乗って次なる集落へと急行。
 時間が惜しい状況下故、道中で仲間たちの体力を回復し、次戦に備えるを繰り返す。
 そして二つ目の集落にたどり着く……が、そこはすでに亜竜達が暴れまわっている状態。
「っ……! 逃げようとすると亜竜に襲われる! だから出来るだけ動かないでくれ! 俺たちが動いて皆さんが狙われないようにする! 怖いだろうけど、俺たちを信じて耐えてくれ!」
 とウェールは、集落の人々に向けて呼びかけ。
 すでに亜竜達が暴れている状況では、彼らを襲わせない様にするのが重要。
 そしてウェールの言葉に促されるがまま、イレギュラーズ達はあえて亜竜達の目を引くように左へ右へと動き回り、村人たちから自分達へターゲットを挿げ替える。
 勿論その間、集落の人々には動かぬ様に声をかけ……それに従ってもらう。
 イレギュラーズ達が慌てている様では、おそらく集落の人々は不安に陥り従わなかったかもしれない。
 だが落ち着いた言葉と、毅然とした動きは集落の人々を勇気づける事に繋がる。
 そして、敵のターゲットをイレギュラーズ達が惹きつけたところで、再度ウェールが馬車を駆りて、集落の人々を一人ずつ安全確保し、亜竜の影響が及ばぬところで解放を繰り返す。
 さすがにそうなれば、ウェールは攻撃に加わることは出来ないが……一人がその役目に徹する事で、集落の人々への被害はほぼゼロに抑えられる。
 そして……二つ目、三つ目、四つ目の集落を次々と解放。
 同時並行で行われている、ほかの集落の救出作戦もあり……ピュニシオンの森より飛来する敵の数は、だんだんと減り始める。
 ……そして、空の灯が暗闇に包まれ始める頃。
 大きな翼をはためかせる亜竜達の影も捉え辛くなるが、目を凝らして次の集落へ先回り。
 飛来してきた敵に、先んじて渾身の一発を叩き込み、炎を吹くよりも先に翼に風穴を開き、打ち砕く。
 そんなイレギュラーズ達の防衛作戦は功を奏し……ピュニシオンの森の近くに点在する亜竜種の村々を、確実に守り切るのであった。

●狂いし咆哮
「……ふぅ。この集落もこれで終わり。次は……」
 亜竜を叩き伏せ、ピュニシオンの森の方角の空を見上げるアイリス。
 ……暫し観察するが、更に集落を襲撃する亜竜の影は見受けられない。
「……とりあえずは一旦落ちついた、って言う所かな? みんな、お疲れ様だよ♪」
 笑みを浮かべるアイリスに、胸をなで下ろし、息を吐くユーフォニー。
 その一方でファニーは、一応……という事も含め、広域を俯瞰する視界と共に敵の気配察知を行い、敵の生き残りがないかを確認。
 ……それでも敵の気配が無い事を再確認すると、ライオリットとユーフォニーに。
「集落の皆さん、もう大丈夫ッスよ! 亜竜達は俺達が倒したから、もう安心してほしいッス!」
「ええ……集落の皆さん、もう大丈夫です。安心してください」
 と、集落の人々を安心させる様に心のケアを行う。
 そんな心のケアをしつつも、アイリスはずっと空を観察し続けて、敵の影がないことを常に警戒し続ける。
 ……そして、この街の人達のケアを一通り熟した後は、拠点の『ウェスタ』に向けて、ウェールの馬車に乗って帰路につく。
 ガタゴトと揺れる道程の中……ユーフォニーがふと。
「それにしても……何故、彼等は凶暴化してしまったのでしょう。本来ならば……今日ここで傷つく事もなかったかもしれない命、なのかもしれないのですよね……」
 確かに彼女の言う通り……亜竜達は理由なく周囲の集落に攻め入っているという訳ではないのは明白であろう。
 勿論……琉珂が慕う『冠位暴食』ベルゼーの行方を追い求めているが故に、ピュニシオンの森を探索しているんだという理由も十分に理解出来る。
 森に棲まう亜竜種達をそれ故に刺激してしまうのは避けられぬこと……どちらも両立することは難しいだろう。
「……どこから来たか、何があったか……教えてほしかったけれど……」
 倒した亜竜達に向けての言葉、そんなユーフォニーの葛藤を眺めながらアイリスが。
「……まぁ、今回はこの数で済んでるけど、ここ最近、ピュニシオンの森の調査においても亜竜達が騒がしいって話だしね。それが虎の尾ならぬ、竜の尾を踏まないか……怖い所だけど、ね?」
「そうですね……私としては、、この一連の事を、悪影響が大きくなる方に発展させたくはないんです。私……この地が好きだから。琉珂さんの大切も、『この地に住む全て』の大切も大事にしたい……だから……」
 眼を閉じ、胸に手を当てるユーフォニー。
 その肩を元気付ける様にポン、と叩くジェイク。
「……ま、余り思い詰めるなよ。俺達のやっていることは、他所から見れば悪事であることは多い。正義なんて、逆から見れば悪……だからこそ、その善悪がブレちゃいけねえ。今は琉珂の正義を信じて進むとしようや」
「そうそう……絶対の正義なんてのは無いからねぇ。ま、自分の心に忠実に進むとしよう……それで敵同士になったら、それはそれでってね……ヒヒ」
 不敵に笑う武器商人。
 正悪入り交じる覇竜の地を巡る騒動は、一向に収まり着かぬのであった。

成否

成功

MVP

ライオリット・ベンダバール(p3p010380)
青の疾風譚

状態異常

なし

あとがき

ご参加いただき、ありがとうございました。
みなさまのおかげで集落も無事に防衛できて、集落の人々も安心……といったところですね……。

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