＜カマルへの道程＞月の雫

オープニング

●＜カマルへの道程＞月の雫
　砂漠に巻き起こりし『紅結晶』騒動。
　市場に並ぶ、美しき紅さは好事家の目を惹き、高値で取引されていた。
　だが、それが何故に採れるのかは解らぬまま……何処かから流れてきた高価な紅結晶を売りさばき富を得る。
　……そんなラサの国に、突如襲い掛かったのは龍を模したちぐはぐの生物・晶竜（キレスアッライル）。
　彼等の襲撃により『赤犬』ディルクは行方知れずとなるが……その行方の手がかりとして浮かび上がったのは、『古宮カーマルーマ』。
　過去『夜の祭祀』と呼ばれた死と再生を司る儀式が行われていたとされる場所。
　……そしてそれを裏付けるかの様に、遺跡内部にはその形跡が残り……更には幾つもの転移陣。
　その転移陣を飛んだ先は月……そして視界に映るのは、月の王宮。
　そして……その王宮より出ずるは、『吸血鬼』達。
「我等、無数の同胞を生み出す。映し鏡の如き砂漠の国は大きくなる。月の王国は何時しか現実に権限し、ラサの全てを飲み込むだろう……！」
　彼等の言葉を現実とさせる訳には行かない。
　ラサに集う者達は、吸血鬼達を滅し、その先に見える『月の王宮』へと乗り込む為にも、今こそ力を振るう時なのである。

●
「すまない……取りあえず先日は皆のお陰でどうにか対処出来た、感謝する」
　頭を下げるファレン。
　ネフェルストの街は、つい先日の突如の襲撃に混乱に陥った物の、イレギュラーズ達のお陰もあり最低限の混乱で収まる。
　ただ、その混乱の収拾に息をつく間もなく……ディルク行方不明の報と共に、転移陣の先に月の世界が拡がっていた……という話が舞い込んだのだ。
　更にはその月の世界においては、月の世界と映し鏡である砂漠が飲まれるとの話もあり……穏やかではない。
「このラサが月に飲み込まれるだなんて事にさせる訳にはいかない。だが……このままでは多くの吸血鬼やら偽命体（ムーンチャイルド）達に押しきられかねない状況だ」
「一刻も早く月に向かい、吸血鬼と偽命体達の侵略を防いでほしい。そして……その先に見える月の王宮に向けての切っ掛けをもぎ取ってきてほしいんだ。不躾な願いだが……ラサの緊急事態、皆の力が今必要な時なんだ。よろしく頼む」
　難しい顔をするファレン……ラサの緊急事態は、一刻の猶予も無かった。

参加者 : 8 人

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参加者一覧（8人）

リプレイ

●月影
　砂漠の国に巻き起こりし『紅結晶』騒動。
　高価な紅結晶を巡る事件は、龍を模したちぐはぐの生物『晶竜』の襲撃事件の展開を経て、『赤犬』ディルクが行方を眩ませてしまうという事件が発生してしまう。
　そして、その行方は……空の上に浮かぶ『月』へ。
「転位陣の向こうに側に、こんな世界があったとは……興味深い。見事な美しさがあるな」
「そうだねぇ……月だから夜しかないのかな？　うん、良い夜だ。例え人工的なものでも、月があるのは良いことだ」
　『泥人形』マッダラー＝マッド＝マッダラー（p3p008376）の言葉に目を細めながら頷くのは『氷狼の封印を求めし者』ルーキス・グリムゲルデ（p3p002535）。
　『古宮カーマルーマ』を経て、その中にある転位陣から飛んだ先の月面。
　月に降り立つ事等、無い戸思っていたのに、現にこうして足元の月砂を踏みしめている訳で。
　どこか現実感の無い状態だが、振り返れば先程通ってきた転位陣がぼんやりと輝く、薔薇のような文様が刻まれた転位陣。
　一人、また一人……と地上から月の世界にやって来るイレギュラーズの仲間達を見ては、どういう原理かは分からないものの、確かに地上と空を繋ぐ魔紋だろう、とは疑う余地も無い。
「これが転位陣ですか……模様を紙に書き残してもいいのでしょうか？　後で怒られないと良いんですけど」
「んー……大丈夫なんじゃないかな？　紋様ってのは、それに意味がある事も多いけど、結局はそれに力を注ぎ込まないと意味ないものだしね」
　『雨嫌い』マイア＝クゥ（p3p010961）の言葉に、くすりと笑うルーキス。
　……ただ、転位陣の先に平和が広がっているかと言われれば、そんな訳も無い。
　現に視界を煌びやかな月の王宮の方へ向けると……多くの影が転位陣に向けて進軍している。
　多くは偽命体……人と獣が合体したかのような、不気味な姿の者達が多いのだが、ちらほらとその中に、人型で魔力の波動の強い者も感じ取る事が出来る。
　そして、彼等はイレギュラーズ達を視界に納めると。
「我等、無数の同胞を生み出す。映し鏡の如き砂漠の国は大きくなる。月の王国は何時しか現実に権限し、ラサの全てを飲み込むだろう……！」
　ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、イレギュラーズ達を見下す。
　そんな敵の姿を一瞥したマッダラーは。
「全く……月の危うさとは良く言ったものだが、無粋な輩というのは、どれ程美しい風景であっても台無しにしてくれるものらしいな」
　と肩を竦めると、ルーキスも。
「そうだね。綺麗な風景の中で血生臭い連中が蔓延って居るのは……うーん、減点！」
　びしっ、と指を差すルーキスに、頷きながら『暗殺流儀』チェレンチィ（p3p008318）も。
「古宮カーマルーマ……そして、月の王宮。綺麗な景色が広がってはいますが、夜しかないのですよね。その辺りがあの吸血鬼と何か関係があるんでしょうか？」
　彼女の問いに、『血吸い蜥蜴』クリム・T・マスクヴェール（p3p001831）は。
「まぁ、確かに吸血鬼は昼に弱いってのは良くある話……だがしかし、吸血種である私としては、肩身が狭くなるようなことをする連中を親戚みたいな存在だとは思いたくは無いものだけどね」
　赤い片眼で、じっと睨み据えるクリム……チェレンチィは。
「そうですね……彼等については分からない事が多いですし、今回の作戦で何か少しでも判明したら良いんですがねぇ」
　と言うと、『狙われた想い』メリーノ・アリテンシア（p3p010217）と『開幕を告げる星』ルシア・アイリス・アップルトン（p3p009869）、そして『名も無き忍』百合草 源之丞 忠継（p3p010950）が。
「そうねぇ……とりあえずは、あの宮殿から来る吸血鬼ちゃんはみんな倒しちゃえば良い、そういうことねぇ！　偽命体ちゃんは、んー……幻想種っぽい子は気になるから、連れて帰りたい所だけど。ま、出来ればって感じかしらねぇ」
「ええ！　大量に敵を作れるのならば！　それ異常の速さで倒したり大本を潰すまででして！　今日はそれに備えての準備みたいなものなのですよ！　帰る場所の事を心配しながらの進軍は避けたいのでして！　ここでしっかりズドーンと迎撃するのでして！」
「そうだな……物の怪退治は専門外だが、斬れるのなら、血が出るのならば勝てる。不死では無い限りな」
　そんな仲間達の言葉を聞いたクリムは。
「……そうね。吸血種として肩身が狭くなるような事をする連中が跋扈するのを見過ごすわけにはいきませんしね。叶うのならば、吸血鬼の血肉を味わってみたくもありますが……変な状態異常を貰うのも困りますし、今回は自重……しておきましょうか」
　と僅かに微笑み、マッダラー、ルーキスも。
「そうだな。鬼気と迫る剣呑な輩たちを抑えるとしよう」
「うん。今回は一先ず大掃除だ。ついでに情報収集もしないとね……それじゃ、行くよ」
　ルーキスの声に合わせ、イレギュラーズ達は迫り来る敵の群れを迎撃するべく、月を駆けた。

●月惑
『ほう……命知らずか？　ようよう畏れずに結構結構！』
　進軍してくるイレギュラーズ達の姿に、口端を釣り上げ不敵に笑う吸血鬼。
　勿論その前には多数の偽命体立ち……人である部分を良く見れば、耳が尖っていたり、美しい顔立ちの面影が残っていたり。
「確かに偽命体の中に、元幻想種が多いというのは……間違い無いみたいですね」
　マイアの言葉に頷きながら忠継は。
「ああ……だが、だからといって手加減する訳にはならん。最早あの姿であるなら、ほぼ元に戻る事も無いであろうからな」
「そうですね……分かりました」
　頷きながらマイアは、向かってくる偽命体の先陣に向けて先陣を掛ける。
　偽命体達はイレギュラーズ達の動きに『ウウゥゥ……！』と、呻き声を上げながら取り囲み、攻撃を開始。
「それじゃあ、行くのです。最初からズドーンと行くのでして！！」
　と先ずは自分へ支援を付与すると共に。
「そうやって最初から全力で当たってくるのは嫌いじゃないのです！」
　向かい来る偽命体の群れに、開口一番の砲門を開くルシア。
　魔神の力を宿した強力な魔力の砲撃で敵を纏めて一網打尽。
　強力な威力は、先陣を務める偽命体の一群の半数以上を死へと追いやる。
　だが、残る偽命体達は決して恐れを抱く事無く前進進軍し、イレギュラーズとの間合いを更に詰めてくる。
「たくさん知る為にも、壊されない様にしないと……！」
　ルシアの攻撃に続き、あえて敵陣に突撃するのはマイア。
　敵陣中心で有毒ガスの霧を放ち、偽命体に猛毒を引き起こし、苦悶の呻き声を上げる。
「苦しいですか？ごめんなさい。でも、敵なので」
　そう言い残して、直ぐに敵陣中央から退避。
　その動きに連携する様に忠継とチェレンチィも。
「さぁ、ちぇれんちぃ殿。行くとしよう」
「ええ。取りあえず、敵の勢いを削ぐようにしましょうねぇ」
「了解した……仮初めの命を持つ者達。某が相手しよう！」
　先に忠継が敵を惹きつける様、威風堂々とした口上で敵の注意を惹きつけ、引き寄せる。
　そして敵の動きを広い視界で見渡し、動きが遅れ孤立しそうな所の敵や、他よりも前に出ている偽命体を見つけるとそこに飛び込んで。
「前に出すぎですよぉ？」
　と短い一言共に、その首を狙い済ました雷鳴の一閃で斬る。
　一体だけではあるが、見敵必殺にて確実に仕留めるチェレンチィ。
　そう四人が敵に処撃を与える一方で、マッダラーは連れた協奏馬を転位陣を守らせるよう一列に並ばせて防衛戦を築くと共に、泥の壁を幾つか突き立てる事で防衛陣を築く。
　更にルーキスとクリムはファミリアや音の反響を利用して、周囲の戦況を全て把握出来る体勢を整える。
『ほう……中々に注意深い性格揃いの様だな？』
　それを後方から眺める吸血鬼。
　まるで他人事な彼に向けて、大きな声でマッダラーとルーキスが。
「それほどまでに俺たちの世界が眩しいか？　月の民よ」
「そうね。あなた、随分と仲間を増やしているみたいじゃない。攻め落としでもしようとしているのかな？　メリットはなさそうだけど」
　と問い掛ける。
　それに吸血鬼はニヤリと笑みを浮かべ、明確に答えはせず。
『面白い奴らだ……少し遊んでやるか』
　地を蹴りて、ふわりと月面を飛翔する吸血鬼。
　そのまま詠唱を行い、空から轟く雷鳴の一閃を落とす。
　流石に注視していれば、その攻撃を回避するのは難しい事では無い。
　ただ、撃ち抜かれた地面は焼け焦げており、かなりの威力なのは間違い無い。
　だが動揺燃せずマッダラーは。
「持久戦は泥人形の得意分野だ。尽きぬ命の立ち回りを見せてやろう」
　と、感情を見せぬままに言い放つ。
　それを更に面白いと感じたのかは分からないが、吸血鬼は声高らかに笑い。
『フハハッ！！　面白い、面白いではないか！！』
　と尊大に天を見上げ、両手を広げる。
　その両手の間に高エネルギーの『何か』を生じさせると、それを続けて投下。
　先程の雷とは別の、破壊力に特化したその一撃は、爆風を共ない流石にダメージを喰らわざるを得ない。
　だが、次の刻にルシアはすぐに仲間の傷を癒す魔砲で回復、マイアも回復薬を手に取り回復。
　回復為た者から偽命体を、そしてその先で不敵に笑みを浮かべる吸血鬼に向けて進軍。
「本当に敵が多いねぇ……それじゃ絨毯爆撃で解決しようか」
　とその手でくるりと円を描くと、その前の空間は捩れ、曲がり、深淵からの呼び声で偽命体を薙ぎ払う。
　そしてそれを逃れた偽命体にはチェレンチィが、偽命体を一体ずつ狙い澄ました多重攻撃で、その数を確実に減らす。
　偽命体の数は減っていく……が、次から次に、吸血鬼の前には偽命体がどこからともなく姿を表し戦列に加わってくる。
「次から次に……きりがないわねぇ」
　最初は遠距離から仕掛けられる攻撃で対処していたメリーノだが、やれやれといった具合で肩を竦め。
「本当はあんまり近づきたくないんだけどねぇ、仕方ないわぁ」
　と言いながら、偽命体達の下に接近し、メリーノは三撃を展開する邪剣で滅殺。
　確実なる死を与えつつ、それより先に行かせぬ様に立ち塞がり、少しずつ前線を引き上げていく。
　数刻、前線が遠距離に吸血鬼を射程に収められる位まで到達すると。
「偽命体は某に任せてくれ」
　と忠継が仲間達に告げると共に、偽命体の攻撃を引き受け、そこにクリムの鋼の雨が降り注ぎ追撃。
　切り拓かれた狭間に、メリーノとチェレンチィの二人が遠距離攻撃で吸血鬼を狙い済ました攻撃を叩き込む。
『ふん……やっと来たという訳か！』
　ほんの僅かではあるが、憤りを見せる吸血鬼。
　戦場に渡る攻撃から、近づきつつあるメリーノとチェレンチィを狙った攻撃へと切り替える。
　勿論かなりのダメージに疲弊するが、変わらずルシアとマイアの回復が二人を強力にサポート。
　当然偽命体は、忠継、マッダラーの二人が確実に対処し、二人を邪魔させないように立ち回る。
　そして、ルーキスも後方から前に進み出て。
「いやはや、敵陣に踏み込んだのは私達だけどそれにしてもね？　さあ、おいでおいで。幾らでも歓迎してあげる」
　余裕な表情と共に、周囲の偽命体を纏めて穢れた泥に飲み込み、滅殺。
　吸血鬼も、さすがにイレギュラーズ達を相手にしているとなれば偽命体を自分の身を守る盾にする様にしながら更に追加……は難しい模様。
『くっ……！』
　狼狽の気を見せる吸血鬼に、メリーノは。
「ねぇ？　貴方、血を吸いたい衝動はあるのかしら？　それは、誰が相手でもなのかしらぁ？」
　と、敢えて問い掛ける。
　だが、吸血鬼は。
『御主らに放す必要な、無い！』
　と回答を拒否。
　……それにそう、と息を吐いて。
「それじゃあ仕方ないわねぇ……たおしてあげるわよぉ」
　ふんわりとした言葉ながら、その視線は辛辣。
　流れる様な動きと共に、黒き顎が、吸血鬼の腕を貪り喰らう。
　痛烈な表情は、明かな痛みの表情。
　しかし、それだけで止む事はない……チェレンチィの圧倒的なスピードから繰り出される無数の斬撃で以て、その顔、身を切り刻んでいく。
　苦悶は、絶叫に変わり、手を伸ばす吸血鬼。
　そして、そこにルシアが。
「あっ、今がチャンスでして！　一気にずどーんするのですよー！！」
　と声高らかに宣言すると、最大の破壊力を誇る魔人砲。
　その身を飲み込む魔力の奔流は、逃げる暇を与える事無くその身を滅殺するのであった。

●影宵
　そして吸血鬼を滅したイレギュラーズ達。
　周囲に倒れた偽命体が積み重なり、死屍累々たる光景が広がる月の一角。
　……そして倒した彼等の血糊を振り落とすように刀を薙ぎ祓う戸……その血潮は月の表面に零れ落ちる。
「しかし……本当に個々はあの月なのだろうか？　あくまで月を模した世界ではなかろうか。鏡面に映し出すなど、まるで術か何かを使ったようだが……」
　ぽつりと言葉を零す忠継に、ルーキスは。
「そうだねぇ……」
　と苦笑為ながら、吸血鬼の滅した跡に手を触れる。
　既にその姿は無いものの、仄かに感じる吸血鬼の魔力。
　……ほんの一瞬、それに吸い込まれそうな感覚は覚えるものの、それ以上でも以下でもない。
「本当は生け捕りにしたかったが、下手に生け捕りにしようとするのは流石に難しいか……」
　マッダラーの言葉にこくりと頷くルーキス、そして忠継は更に。
「此処は誰かが作り出した偽りの月の想像。某はそう思う。なればこそ、斬るだけよ。忍は命ずるがままに、任をこなすだけ。それだけだ」
　全ての血を振り薙ぎ、納刀する忠継。
　その横でメリーノは、遺体が残る偽命体を注意深く観察。
　手、足、胸などに、昨今ラサを賑わせているあの『紅結晶』が無いかを探すが……その痕跡は見つからない。
「うーん……どうやらこの偽命体達は、紅結晶の影響で産まれた者、って訳じゃなさそうねぇ……？」
　小首を傾げるメリーノに、ルシアは。
「そうなのでして！　でも、前ラサを襲撃した晶竜は明らかに紅結晶が埋め込まれていたのでして。全く無縁、という訳ではないと思うのでして？」
　彼女も又不思議そうに首を傾げる。
　……何はともあれ、月の王国の一勢を退けたのは間違い無い。
　ただ、月の王宮の方角を見ると、更なる軍勢達が次から次へと現れ転位陣へ……更に転位陣を越して、古宮カーマルーマへと至る者も居る。
　カーマルーマで待ち構え、対峙している仲間達もいる……ならば、自分達は月からラサへと至る者を、出来る限り抑え込まなければならない。
「本当、紅晶石関連が落ちついたと思いきや、次は吸血鬼ときた。ラサも忙しいよね。商人達の苦労は暫く絶えそうに無いか」
「そうだな……あの顕示欲に満ちた建物は誰が作った者なのかは分からない。だが……あそこにいるのが俺達の敵なのは間違い無い。出来る限り情報を集めて、一刻も早く至らねばな」
　肩を竦めるルーキスに頷くマッダラー。
　それに忠継は。
「行くならば、私はここに立ちましょう……帰り道は守ります」
　その言葉と共に、瞑目すると。
「……月渡し　砂丘の夜空　明けてをり」
　餞の辞句を紡ぐのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

ご参加頂き、ありがとうございました！
吸血鬼の影は未だに月上に多数……その中にはかなりの強敵もちらほらと混じっているので、この先も決して油断はなさらない様に御願いします……！