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シナリオ詳細

ぽこぽこ雪合戦!〜ポカポカかまくらを添えて〜

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●雪合戦がホワイトアウトする前に

 ここは冬の国にある常雪の町、ホワイタウト。
一年を通して真っ白くフワフワな雪に包まれているこの場所は、雪を用いたレジャーが盛んに行われている。

雪のコンディションが常に良い状態で楽しめるスキー、スノーボード、スノーモービルは勿論爽快なものだろう。
町の住人が毎日出来栄えを競ういう雪だるまも、環境客の目を楽しませてくれる。
中でもこの町で有名なレジャーは、子供から大人まで誰もが楽しめる競技が雪合戦『だった』。

だが、近年ではその雪合戦人気が、どうにも下火になっているという。
というのも、毎年この時期に開かれる雪合戦大会、年々参加チームが減少しているからだ。

観光客は競技性のある『燃え』よりも雪景色の『映え』を求めホテル付きのスキー場へとどんどん流れてしまい、地元の若者も「雪はもう飽き飽きだ〜!!」等と言って『夏の国』あたりにバカンス出て言ってしまった。

 今年の雪合戦大会開催も参加者がギリギリのラインと言ったところで、あと1チーム参加登録が無ければ、今年の開催は見送ると通達されてしまった。
果たして、冬の国のスポーツ雪合戦に未来はあるのだろうか。
……否、あるのだろうか、ではなく、我々の手で作り出して見せるのだ。
そうだろう、イレギュラーズ?


●いざ、かまくら!……じゃなくて合戦の地へ!

「あっ、来てくれたのね、イレギュラーズ!」

 境界案内人であるマチネは、来客の姿を認めると、ぱあっと表情を明るくして、こちらへと駆け寄ってきた。

「ねえ、皆。雪合戦に興味はない?」

マチネは雪合戦のルールブックを手に、そう問いかけてくる。
彼女曰く、今回の舞台となる世界の名は『四季』。その中にある、レジャーで特に潤っている町のホワイタウトで開催される雪合戦大会に出場してほしいというのだ。
一昨年は有名チームの相次ぐ体調不良、去年は悪天候で大会の中止を余儀なくされ、今年は参加者不足ということで開催自体が危ぶまれているという。確かにこの町で親しまれてきたスポーツがこのまま衰退してしまうのはたいへん惜しい。

「あ、あとね、あたし、『かまくら』にも興味があるの。……ね、大会が終わったら、一緒にどうかな?」

貴方がマチネの誘いに乗るかはさておいて。
どうかおいでませ、冬の国へ!

NMコメント

どうも、なななななです。
皆様、今シーズンはもう雪を見たでしょうか。ななの所ではまだ見ておりません。見たいような見たくないような。

以下、詳細になります。

●ホワイタウト
今回の舞台となる町の名前です。
常に雪に包まれた『冬の国』に存在する、レジャーで有名な街となっています。
かつてはスポーツ雪合戦も有名だったのですが、出場選手の高年齢化、若者の流出、観光客を他に取られる等の事情が重なって、人気が下火になってしまっているようです……。

●目的
『雪合戦大会で優勝すること』。
+かまくらを楽しむことです。

因みにかまくらの中は案外暖かく、中で鍋も楽しめるようです。

●ルール
チームは7人制。
皆様イレギュラーズは(最大)6人+マチネの7人で1つのチームとして出場することになります。
参加者皆様でチームを組むことになりますので、チーム名も考えてみるのはいかがでしょう?

※当シナリオに欠員があった場合は、地元の人がチームに入ってくれることになります。

細かなルールは以下の通りです。
あくまでもこの町でのルールとなります。その旨をご了承ください。

・試合はトーナメント形式で行われる。
(リプレイ本編では決勝戦をメインに描写する予定です)
・コートはセンターラインを境に【チームA│チームB】といった陣地に分かれる。
・1試合で使える雪玉は各チーム100個まで。当然、中に石等を入れてはいけない。
・雪玉以外による相手への攻撃行為は禁止。
(要するに、攻撃スキルは禁止になります。非戦スキルはモノによっては活用できるでしょう)
・コート内には雪玉を防ぐシェルターが各所にあり、両チームの陣地の最奥部に近いポイントにフラッグが立っている。
・相手チームの陣地に侵入し、フラッグを奪ったチームが勝利。
フラッグを奪われるか、両チームとも雪玉を使い切ったか、開始から3分経過したら試合終了。
両チームとも相手チームのフラッグを取れなかった場合は、相手選手により多く雪玉を当てたチームが勝利。
(参加者は、雪玉に当たった瞬間や、最終的に幾つの雪玉が当たったかが分かる特殊なユニフォームを着用します)
・尚、一度に相手陣地に侵入出来るのは3人まで。また、相手チームに侵入した選手に雪玉が当たった場合、その選手は一度、自陣地のフラッグまで帰らなくてはならない。

●NPC
『境界案内人』マチネ
雪合戦、そしてかまくらに魅了されてホワイタウトに同行を申し出ます。
プレイングで指定せずとも皆様が考えた作戦によく従い、彼女なりに頑張ってチームのために戦いますので、良ければ皆様が全力で頑張る姿&冬を満喫する様をマチネにも見せてあげてください。

以上になります。
それでは、どうか、皆様に素晴らしき冬の思い出ができますように。

  • ぽこぽこ雪合戦!〜ポカポカかまくらを添えて〜完了
  • NM名ななななな
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2023年02月17日 22時15分
  • 参加人数6/6人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛
ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
月夜の魔法使い
山本 雄斗(p3p009723)
命を抱いて
多次元世界 観測端末(p3p010858)
観測中

リプレイ

●降り立つは冬の国

「マチネさんは冬、お好きですか?」
「あたしは好き。冬を舞台にしたお話って幻想的だったり、悲しい話も多く浮かんで、インスピレーションが湧くのよね」
「そうなんですね。僕は雪かきした思い出ならあるんですが……」

雑談をしながら進む足は弾んでいる。目的の場所までもう少し。

「皆、ここがホワイタウトだよ」
「わー、真っ白! 本当に雪でいっぱいだあ!」

マチネの先導を受け、一行はゲートを潜る。そこには前情報で聞いた通りの、ふわふわの雪に包まれた真っ白な風景が広がる。これには思わず、雄斗のテンションも上がろうというもの。

「雪か……俺の所じゃなかなか降らなかったし、降っても遊ぶ相手が……」

おっと世界、悲しい話はそこまでだ。だって今日は楽しむ日だ。だって睦月もそう決めたから。

「雪合戦か、寒いのも冷たいのも含めて『冬』って感じがするよ」
「しーちゃん、今日は優勝目指して頑張りましょう。勿論皆と一緒に」

少なくともイレギュラーズ達の気力は充分だ。史之もええーと言いながら、冬景色を楽しめることに胸踊らせている。

「マチネ様、改めてルールを説明いただいてよろしいでしょうか」
「勿論。時間があるからゆっくり確認していきましょ」

ジョシュアの言う通り、事前の確認は重要だ。
ルールブックを全員で改めて読み合わせて、準備は万端、と行ったところだが。

「ところで、一つ聞きたいんだけど。貴方は、雪合戦……できるの?」

マチネは、自分を除いた6人の顔ぶれ。……の、その最端にいる人物を差している。観測端末の事だ。

「参加資格モ先程再確認シマシタガ、端末ハ出場不可等トハ書カレテイマセンノデ 
無問題デショウ」
「いやどちらかっていうとお前動けるのか、って心配だと思うけど」

世界は思わずツッコむ。境界特有の加護が働いているのか、その姿を恐れるものは誰も居なかったが。

「可能ナ限リ戦力トシテ貢献シヨウト思イマスノデ、何卒ヨロシクオネガイシマス」
「そっか、やる気充分なのね。一緒に優勝目指して頑張りましょ!」
「えいえい、おー!」
「「「おー!」」」

端末のやる気が伝わったのか、マチネの心配は一気に吹き飛んだらしい。雄斗の元気ある掛け声に、仲間達も拳を突き上げた。

「……まあ、わざわざ水を差すこともないか」

だから世界も、なんだかんだ言いながらも、ちゃんと会場まで付いてくるのだった。

「ところでマチネさん、チーム名はどうします?」
「うーん、そうだなあ。シンプルにイレギュラーズでいいと思うよ」
「まあ僕達を示す符号としては、一番しっくり来ますかね……」

というわけでイレギュラーズよ、いざ雪合戦の舞台へ進め!

●勝ち進んで決勝戦

 おじいちゃんチーム、ママさんチーム、青年団に打ち勝って、あれよあれよと言う間に決勝戦。
雪合戦初心者にも関わらずこれまでに彼等が勝ち上がれたのは、それぞれの能力のみに限らない。全員の連携の賜物だ。

どうしたものかと考える世界に、史之が雪の精霊の機嫌を訪ねてはどうかとアドバイスしたり。
セスと端末が、シェルターの合間から巧みに見え隠れして相手を射抜いたり。
睦月が敵チームの注目の的となる間に、オフェンス雄斗が果敢に攻め入ったり。
マチネは、イレギュラーズの攻め手が絶えぬよう雪玉を常にパスし続けていた。

そんな彼等の決勝戦、対戦相手はこの街のレジェンド……とも言われてたりする元プロ選手チーム、『D(ダイヤモンド)ダスト』。
この街の雪合戦の着火剤となるよう、今大会のためにホワイタウトが直々にオファーをかけ、出場を快諾してくれたらしい。

勿論全員、既に現役を引退しているのだが……。

「観光客が飛び込みで参加してくるなんて、久しぶりだな」
「ああ、だがあちらは皆若くて勢いがある。ぼくらもうかうかしてられないね」

その瞳の奥に、静かに炎が燃えているのが分かる。

「よし、あたし達も頑張ろうね!」
「ちょっと待て」

マチネが勇んでコートに入ろうとするが、その肩を世界がそっと止める。

「どうしたの、世界?」
「一度競技が廃れている以上は、俺達がただ勝ったところで意味が薄いだろう。周りを見たか?」

確かに、初戦に比べればまばらだった見物客が、幾らか増えているのが分かった。しかし観客席には空きもまだまだ多く、来年以降の盛り上がりを考えると……このままでは不充分と見える。

「確かに、世界様の仰る事も一理ありますね。問題はどのように魅せながら戦うか、ということですが……」

うーんと考えるセスに、雄斗がハイ!と挙手。

「じゃあ僕、思いっきり飛んで跳ねて旗を狙いに行くよ! その方が皆も楽しいからね!」

そういう彼の元気は有り余っている。彼が宣言通り動く姿が今から目に浮かぶようだ。

「デハ、当端末ガ相手方の動キヲ観測シマショウ。雄斗サンガ安全ニ攻メラレルコースヲ探リマショウ」
「僕も手伝うよ。しーちゃんも耳貸して」
「はいはい」
「でしたら、僕は……」
「ああ、頼むよ」

斯くして、作戦準備は完了。今、開始を告げるホイッスルが鳴った。

「風はなし、雪山は俺達を公平に応援しているらしい」
「それは良かった、障害になるものはない、って事だね!」

自陣を守るは世界、そして史之。

「狙われてるよ世界さん、隠れて!」
「助かる」

相手が投げる雪玉の軌道を適確に読み、回避を呼びかける史之。反撃として投げ返した玉に、世界の追撃が続く。

「おわっ!?」
「天候はお互いにフェアーだが……どうやら、冬は俺達の味方らしいぞ」
「当然だよ、ここには冬宮の者だって居るんだから」

彼等の反撃を受け、イレギュラーズ陣地に入ろうとしていたDダストが撤退。
その様を見て、一気に攻めへと転じるイレギュラーズ。

「お、っとぉ!?」
「くっ、シェルターすら安全地帯じゃないのか……!」

そして僅かな隙さえも、シェルター裏に隠れた選手さえも端末が射抜いて、その隙を埋めていく。

「セスサン、今ナラ前進デキマス。当端末ガ全力サポート致シマス!」
「あ、ありがとうございます。では睦月様!」
「ああ、行くよ!」

セス、そして睦月が二手に分かれて前進。相手陣地のフラッグを狙いに行くのだ。

「ユーリ、あっちの坊っちゃんを狙え!」
「分かった!」
「おいおい、お嬢ちゃんを狙ってどうする!?」

Dダストの狙いは定まらない。冬の精霊とも言えるような睦月の儚げな姿。それが雪玉を避けながら雪上を駆けている姿に、相手選手もつい見惚れてしまうのだ。

「あ、Dダスト!」
「そこ、そこー!」

観客がそう呼びかけるよりも早く、セスもまたフラッグまで迫っていた。雪のクッション性があるとはいえあまりにも静かで素早い接近に、相手チームも焦る。

「カンちゃん!」
「うん」
「セス、ちょっと下がって!」
「はい、マチネ様!」

睦月には史之、セスにはマチネが、自陣から声援を送った。
そして、彼等を狙う相手選手の視界を奪い砕け散る雪の玉。端末が計算して投げたものだ。

『もうすぐだよ』

世界の耳に、冬そのものが囁いた。それを受け、彼も静かに頷いた。『その時』を、最も果敢な仲間に知らせる。

「雄斗」

それと同時に、少年が思いっきり体にひねりを加えた跳躍を。シェルターをも軽々と飛び越え、腕を目一杯伸ばす。
そのゼッケンを雪玉が僅かに逸れていく。ギリギリのラインで、当たらない、届かない。

ぼふんと雄斗の身体が雪に埋もれた、次の瞬間。Dダストのフラッグが、今、イレギュラーズの手に……!

『決勝戦、勝者は……イレギュラーズチームですおめでとうございます!』

実況席から、そんな声が聞こえてくれば。
会場全てから送られるのは、祝福の拍手と健闘を称える声。

「いやあ、ぼく達もまだまだ若い子達にはと思ってたけど、これは認めないとな。完敗だよ。お疲れ様。いい試合をありがとう」

Dダストのリーダー、ユーリが手袋を外し、笑顔で握手を求めた。

「ソチラモオ疲レ様デシタ。初メテ体験シマシタガ、楽シカッタデス」

それに応じたのは端末。その触手を握る手は、とても暖かかった。

●勝利の味は、かまくらの中で

「7人だとかまくらも狭いんじゃないかと思ったが……存外快適だな」

 と言ったのは世界の第一印象である。
冬の国を冠するだけあって、通常の……少なくとも混沌でよく見るタイプのかまくらよりは規模が大きく、少なくとも今こうして7人で鍋をつつける程度には、広々とした空間に恵まれていた。

さて、イレギュラーズの前に並ぶのは2種類の鍋。
雄斗が『食べよう!』と持ち込んでくれた五平餅ときりたんぽ鍋セット、そして史之の一押し、鯖のつみれ汁である。
とはいえ後者の鍋は今しがた、睦月がつみれを落としたばかり。まだ史之が心を込めて準備中なので、まずはきりたんぽ鍋が煮えるのを待ちながら、五平餅を炙っておこう。みんな揃って、いただきます。

「つみれ、きりたんぽ、五平餅。どれも初めてだわ……」

ワクワクした様子で、まずは綺麗なおこげの五平餅を齧るマチネ。

「ん、甘じょっぱい! これって何のタレ?」
「えーとね、味噌、醤油、砂糖……それにすりごまとクルミだったかな」
「なるほど、香ばしさの秘密はクルミだったんですね。他にはどのような味付けが主流なのですか」

セスも興味津々、といった様子で雄斗に詳しいことを訪ねた。ひょっとしたら、森のナッツ達もこのような料理に応用できるかもしれない。
皆が冬のエネルギー源を味わった頃、グツグツ、きりたんぽが食べ頃だよと自分をアピールしてくる。

「世界サン、当端末ノ観測ニヨルト、火傷注意報ガ発令サレテイマス。オ気ヲツケクダサイ」
「なんで俺に言うの?」

どっちかって言うとぽやーってしてるのはマチネ等の方では。そう思いつつも、崩さぬよう、きりたんぽをそっと取り出して、齧ってみる。

「あっふ」
「当端末、警告ハシマシタカラネ」

思いの外汁が染み込んでいた。フーフーが足りなかったものと見える。続く豆腐はかなり慎重につついていた。

そうこうしている間に、鍋の蓋を開ける史之。つみれ汁が出来上がったのだ。ほわっと上がる湯気に一同はおお〜と声を上げる。やはり出来立ての鍋は何度見ても良いものだ。

「では、しーちゃん、一つお願いがあります」
「うん」

史之はお椀とお玉を手に取った。つまり、出来上がった汁を早速皆に振る舞う準備をしていたのだが。

「しーちゃんの分は、僕に『あーん』」

思わずお玉を落としそうになる史之。

「いやその……それは俺の係だよ、俺はカンちゃんの従者でもあるんだから」
「嬉しくないの?」
「そういう訳じゃなく」
「だよね、だって、しーちゃん、僕の旦那様だからね。拒否権、ないよね」
「はいそうでした」

睦月がたおやかな手付きでレンゲに載せたつみれを、ぱくんと一口。魚の臭みはきちんと消えている。出汁と鯖そのものの旨味が味わえて、ウン、確かに我ながら美味しいのだけど。

「あの、カンちゃん……二口目からは俺が自分でやるから」
「まだだーめ。僕がいいっていうまではね」

そんな夫婦の様子に、ほっこりさらに温まる一同。
そういえば、ここは冬の国の一部だが、渾沌の方では春遠からじ、と言われている。

果たして、この世界の『春の国』と呼ばれる場所は、果たしてどんなところなのだろう。
誰かが、そんな疑問をこっそり呟いた。

成否

成功

状態異常

なし

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