PandoraPartyProject

シナリオ詳細

賞金首、ダメリーニ三兄弟討伐依頼

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●暗殺者兄弟、生死は問わず
 様々な野望が渦巻く幻想、レガド・イルシオン。
 無辜なる混沌において最も伝統のある大国であるのだが、この地は現在国力が衰え、貴族達が思うが侭に国を支配している状況が続く。
 彼らは私欲の為なら、何をすることだって辞さない。
 それが例え、人殺しであろうとも。
 選ばれた貴族は、何をしたって許される。そんな考えすら彼らは持っているのだ。
 ただ、如何なる手段を使おうとも、自分の手を汚すはずもない。
 その上で、何事もなかったかのように後処理も済ませるのが彼らの恐ろしいところである。

 ローレット内には数々に依頼が壁に貼り付けられてあるが、それに関連して賞金首についても様々なイラストが壁に並んでいる。
『DEAD OR ALIVE……生死は問わない』
 多くは、非常に人相の悪い悪党面。
 いかにも悪いことしていますと言わんばかりに描かれたそのイラストは、すぐにでも破り捨てたくなりそうになる程の威圧感だ。
 そんな中、それらの賞金首を見ていたイレギュラーズ達は、見慣れぬ男達の討伐依頼に目をつける。
「その賞金首の依頼、受けるなら早くしたほうがいいと思うのですよ」
 そこで、後から『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が声をかけてくる。
 彼女は愛用のメモ帳を広げ、その賞金首の情報を確認して。
「アルバーノ、ビアージョ、カルロのダメリーニ三兄弟なのですよ」
 文字列的に『ダメ123兄弟』と見えたなら、きっとそのイレギュラーズはとある世界の日本という国出身だろう。
 ダメリーニ三兄弟だが、長男が遠距離射撃を、次男が刀剣を使った遊撃を、三男がナイフを使った近距離攻撃を得意としている。
 彼らは暗殺や諜報を得意とし、幻想の貴族達にも諜報されて依頼されていた存在だ。
「状況によって自分達の技を使い分け、暗殺を行っていたようなのですよ」
 ただ、貴族達も非常に狡猾だ。
 腕の立つ暗殺者は幾人も抑えており、用済みと判断した者は容赦なく情報屋などにその存在を売りつけ、イレギュラーズなどによって討伐してもらう。
 これなら、自分達の素性を知られずに済む。まさに死人に口なしといったところか。
 ともあれ、幻想で暗躍する暗殺者一団とあれば、見過ごすわけにもいかない。
「彼らも自分達が常に狙われていると感じていますので、アジトを幾つか持っていて転々と移動しているようなのです」
 今回つかんだのも、そのうちの一ヶ所。場所はとある建物の地下にある広い空間だ。
 地下への階段をくだると、35m×35mという広い空間の隅に出る。
 敵はその対角線上の隅で、ひっそりと物陰に隠れるように潜んでいるようだ。
 ここで逃すと、他のアジトの場所が分からぬこともあって、三兄弟を捕らえることができる機会がいつになるかわからない。
 ここで、彼らを確実に捕えたい所ではあるのだが……。
「ただ、相手も自衛の手段は講じているはずなのです」
 詳細は確認できてはいないが、アジトにトラップを仕掛けていても何ら不思議ではない。
 例えば、トラバサミ、落とし穴、落石、ワイヤー、ロープを使ったトラップなどなど。敵に接近するだけでも、骨が折れそうだ。
 さらに、隠し通路を作っている可能性も大きい。逃げられぬよう色々とこちらも手段を講じたいところだ。
「説明としては、以上なのです」
 相手の陣地に侵入してからの戦いとなる。
 危険な任務ということもあるので、うまくことが運べば報酬に色がつくかもしれない。
 一通りユリーカの説明を聞いたイレギュラーズ達は様々な考えを出し合い、今回の依頼について対策を練り始めるのだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様、こんにちは。なちゅいと申します。
 賞金首となっている三兄弟の討伐を願います。
 以下、概要です。

●敵……ダメリーニ三兄弟
○長男、アルバーノ、長身、拳銃、ライフルを所持。
 長距離射撃が得意。
・アキュレイトスナイプ……物遠単・物無
・連弾……物遠貫・連
・全弾発射……神遠扇

○次男、ビアージョ、中肉中背、刀を所持。
 中距離遊撃が得意。
・居合い斬り……物中単・ブレイク
・衝撃波……神中貫
・抜刀乱舞……神中範

○三男、カルロ、小柄、ナイフ所持。
 近距離ナイフ裁きが得意。
・急所斬り……物至単
・ブラッディダンシング……神近範・出血
・ナイフ投げ……物遠貫

●概要
 幻想内のとある寂れた通り。
 三兄弟は誰も立ち寄らない建物の地下、薄暗く肌寒い所をねぐらとしております。
 声も立てずに潜んでいた彼らへと近づく形となりますが、敵がアジトとして利用する場所です。
 ダメージを受けたり、拘束されたりする罠には予め警戒すべきでしょう。
 また、隠し通路から敵が逃げる危険性もあります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • 賞金首、ダメリーニ三兄弟討伐依頼完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年09月16日 21時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)
メイドロボ騎士
エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)
特異運命座標
陰陽 の 朱鷺(p3p001808)
ずれた感性
ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)
我が為に
シラス(p3p004421)
双竜の猟犬
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
新兵達の姉御
クライム(p3p006190)
フローラ=エヴラール(p3p006378)
白き閃刃

リプレイ

●雇われ暗殺者の行く末
 幻想某所。
 ローレットの依頼を受けたイレギュラーズ達は情報を頼りにとある建物を目指す。
「やって来たことは褒められないとはいえ」
 そう前置きしてから、右目のみ色素の薄さを感じさせるメイドの女性、『メイドロボ騎士』メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)が主観を語る。
「仕えてきた相手に切られるなんて、なんともやるせない話だね」
「とはいえ、俺らの仕事も、褒められたものばかりじゃないからね」
 幻想出身の少年、『特異運命座標』シラス(p3p004421)は、ターゲットとなる三兄弟はある意味で自分達の先輩に当たると考えていたらしい。
 フリーランサーの汚れ役が行き着く末路はこんなものだろうと、シラスは達観したように語る。
「使うだけ使えば、用済みってワケ……。殺しは良くないなんてのは当たり前」
 独り言を呟く『寄り添う風』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)は、昔の自身の姿を脳裏に過ぎらせて。
「ケド、もしかしたらソイツらだって、やり直せたかも知れなかったのに!」
「救われない奴等だな。まぁ、私には関係のない事だ」
 筋肉で引き締まった三つ目の男、クライム(p3p006190)が素っ気無く告げると、左腕が義手となったオールバックの『バトロワ管理委員会』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)も頭上を仰いで。
「刃の末路とは、何時も虚しいものさ」
 虚空を見る彼は元いた世界に、何を思ったのだろうか。
「用済みとなれば、容赦なく切り捨てられる……。暗殺者様の世界もシビアでございますわね」
 一見、普通の成人女性にも見える『特異運命座標』エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)。
 その実アンドロイドである彼女は人間社会について、少しずつ学んでいたようである。
「これを因果応報と言うのならば、今回の依頼主である貴族様方にはどのような天罰が下るのでしょうか」
 想像するだけで、エリザベスは「おそロシア」と身震いしていた。
「……貴族に思うところはありますが、幻想で暗躍する暗殺者を放っていくわけにもいきませんね」
 仲間へと微笑みかける銀髪赤眼の少女、フローラ=エヴラール(p3p006378)は、改めてターゲットであるダメリーニ三兄弟の討伐を誓う。
 皆、複雑な心境を抱きつつ依頼へ意気込みを見せるが、陰陽 の 朱鷺(p3p001808)だけは物憂げな表情を浮かべていて。
「暗殺者ですら三兄弟……。なのに、式神三兄弟は影も形も……」
 元々、式神であった朱鷺はその関係性を羨んでか、嘆いていたのだが。
「とばっちりの刑で今日、その三兄弟の命を散らしましょう」
 ふつふつとその身を怒りで燃え上がらせ、この討伐依頼に意欲を見せるのである。

 目的の建物に向かう間も、メートヒェンなどは隠し通路らしきものがないかと直感を働かせる。
 人の出入りした跡などがあればと主に地面を見つめていたが、それらしきものをメートヒェンは確認できない。
 建物に近づけば、朱鷺が子供式神「右鬼」と大人式神「左鬼」を行使する。
 彼女は紙人形の右鬼に一階の監視を任せ、人形を依り代とする左鬼には周辺の調査を任せ、隠し通路の調査と誰か出現したら大声で叫ぶよう指示を出す。
 ただ、これからイレギュラーズ一行は地下に向かう為、式神が動ける距離は制限されてしまうと朱鷺は感じて。
「この猫と犬の力を借りて、なんとかして下さい。2人とも任せましたよ」
 式神三兄弟が無理なら、彼女はペットで代用を考えていたようだ。
 さて、メンバー達は地下にある広間へと踏み込む。
「3人……、いますね」
 温度視覚を使うエリザベスが部屋の対角線上の奥に、3つの熱源を感じて仲間に告げる。シラスも透視でそれを確認していたようだ。
「ちっ……」
 ダメリーニ三兄弟は侵入者……イレギュラーズの存在を把握するやいなや攻撃態勢に入る。
「帰れ。さもなくば……」
 長男アルバーノがライフルを構え、こちらへと威嚇射撃を行ってきた。
 現状、次男ビアージョ、三男カルロは動かないが、神経を尖らせてこちらの様子を窺っている。
 さすがにエリザベスが考えていたように隅でガタガタ震えるような連中ではなさそうだ。
 長男の言葉にイレギュラーズ達が応じるはずもなく、すぐさま作戦を展開し始める。
 侵入者対策として、この広間には多数の罠が仕掛けられているという。
(三兄弟でこの稼業をやっているという事は、それなりの理由があるのだろう)
 仲間の罠対処待ちとあって一旦待機するクライムは小さく嘆息し、奥の三兄弟を見つめていた。
 率先して罠解除に動くのは、ミルヴィだ。
(罠看破してみせるからネ)
 ギフト「1日約束」で心に誓ったミルヴィは主に、部屋に張り巡らされたワイヤーの発見に注力する。
 ミルヴィは落とし穴も警戒するが、そちらはシラスに任せていた。
 そのシラスはサイバーゴーグルを装着して床を見回し、仲間へと落とし穴の存在を示していく。
 同じく、フローラも本格的な戦いとなる前に罠を把握しようと動いていた。
 死角になりそうな天井、床の埃の積もり具合、擦れた痕などから注意深く罠の発見に努め、フローラは罠発見に動く2人のフォローを行う。
 エリザベスは念の為にと用意した3メートルの棒を手元に置き、状況の推移を見守る。どうやら、彼女は最悪の場合の罠の解除に棒の使用を考えていたらしい。
 そのタイミング、ラルフは長男の発砲に応戦しつつも、罠把握を行うメンバーの言葉に耳を傾ける。
「部屋中央より少し右寄りが何もないルートか?」
 彼は仲間達の情報から、罠の配置をある程度把握していたようだ。
「件のダンゴ――じゃなかった、ダメリーニ三兄弟との戦いでございますが」
「式神任せではなく、主である私も私で頑張りましょう」
 エリザベスの言葉に王子、朱鷺は応戦の為呪符「魔性惨華」を手に術式を展開し始めると、メートヒェンも罠の位置把握に努める仲間達の声を聞きつつ、メイドの嗜みとして格闘戦の構えを取る。
「手心を加えたりはしないよ、やってきたことの報いはしっかり受けてもらおう」
 ダメリーニ三兄弟は明らかに戦い慣れした相手だと感じたらしく、アイコンタクトを侵入者の殺害へと動き始めたのだった。

●罠を避けつつ攻撃を!
 イレギュラーズ達は動き出したダメリーニ三兄弟の討伐に当たるのだが、この広い地下室に張り巡らされている罠がメンバー達のスムーズな進軍を妨げる。
「ヘンなトコじゃなくて、罠も見てよネー?」
 ミルヴィは罠を看破し、仲間達にその場所を報せていく。
 完璧な対処だと逆に不味いと感じた彼女は時に、相手の油断を誘おうと敢えて比較的被害が軽微な落石の罠を作動させて。
「分かってても痛いー……」
 これでも、落とし穴や、釣りロープといった行動阻害用の罠に比べれば対処が楽な方だが、それでも彼女は落ちてくる石の痛みに堪えていたようだ。
「…………」
 そのミルヴィへと、三男カルロが素早く近づいてきた。
 序盤はナイフを投げて牽制の素振りも見せていたが、得意な近距離での攻撃をと罠を避けて迫ってくる。
 すると、そいつに至近戦闘を挑むべくクライムが仕掛けて。
(あまりこういう手は使いたくないが、兄弟の絆を逆手に取らせてもらう)
 彼は三男を動けなくできれば、闘争は抑えられると考えていたのだ。
 シラスの示す落とし穴の位置を把握した上で、クライムは平常心を保ちつつ自身のサイバーゴーグルを使った目視での確認と直感を合わせ落とし穴を避けていた。
 その上で、集中力を高めていたクライムは「爆縮式弾倉鞘-KAGURA-」で斬りかかり、閃光の如く刃を鞘に納める。
 ナイフを振りかざす三男は、クライムの戦闘スタイルに驚きを隠せずにいたようだ。
 その三男から少し奥に立つ次男ビアージョには、メートヒェンが近づいていく。
 できる限り、罠把握に動くメンバーへ敵からの射線を切るよう気がけ、次男に張り付いてしっかりとマークする。
「…………!」
 次男も刀でメートヒェンに斬りかかりながらも、前に進めぬことに苛立っていた。
 落とし穴の場所の把握を続けるシラスは後方に位置し、三兄弟がそれぞれ使う貫通攻撃を警戒して固まらないよう気がける。
 できるなら、イレギュラーズとしては隠し通路も把握しておきたいが、それを相手に気取られたくもないところ。
 仲間の情報には十分気をつけ、シラスは情報収集を続けていく。
 そのシラスに落とし穴の場所を聞いたラルフは、術式媒体用の拳銃アウトレイジから全身の魔力を破壊エネルギーと化して発射する。
 その膨大なエネルギーは部屋を駆け抜け、途中のワイヤーを燃やしてロープ、トラバサミなどの罠を不発状態で起動させつつ、奥の長男へと命中した。
 次男、三男を抑えるメンバーの一方で、他メンバーは長男へと攻撃を集中させる。
 メンバーの傷を気がけるエリザベスは召喚した物を長男に向かわせ、攻撃を叩き込ませていく。
 また、応戦する三兄弟が妙な行動をとらないかと、エリザベスは注視し続けていた。
(とばっちり3兄弟討伐のため、優秀な仲間が揃いました)
 朱鷺は仲間の回復支援にと、長男の射撃を浴びる近辺の仲間の癒しに当たる事となる。
 その1人、フローラは罠に掛からぬ範囲で散開し、チームの火力となるべく漆黒の強弓「アルク・ノワール」を手に動く。
 ただ、すでに仲間達が散開した後だと、フローラも広範囲に武器を振るうことが出来ず、最優先撃破対象である長男目掛けて素早く矢を飛ばすことにしていたようだ。
 さて、罠看破を行うミルヴィは、罠を避けがてら情欲を込めた魔性の瞳で次男、三男を見つめ、相手の怒りを買う。
 うまく、次男は引き付けられたこともあり、当初の通りに次男の抑えへと向かうことにした彼女は、仲間を相手のスキルで巻き込まぬよう気をつけ、部屋内を立ち回って行く。
「さあ、退場願おうか」
 シラスもまた、罠対処から本格的に敵の討伐へと当たり始めていた。
 次男はソードヒェン、三男はクライム。抑えに動く前衛陣は十分と判断したシラスは魔導書「旧世界」を広げ、見えない悪意を飛ばして長男を攻め立てる。
 同時に、彼はおそらく長男付近に隠し通路があると察し、その場所の特定にも動いていた。
 ラルフは明らかに長男への手数が集まるのを見て、さらに砲筒から破壊エネルギーを発していく。
 序盤、イレギュラーズ達の対応はうまく機能していた。
 このまま一気に三兄弟を攻め落とすべく、メンバー達は攻勢を強めていくのである。

●救われぬ暗殺三兄弟
 ダメリーニ三兄弟は淡々とイレギュラーズと交戦する。
 彼らも数々の暗殺依頼をこなしてきたプロだ。自身の感情を押し殺し、応戦してきていた。
 ミルヴィは素早い動きで次男を牽制し、儀式的な舞踏で周囲の仲間に活力を与えていく。
 その次男を最初抑えていたメートヒェンは長男の攻め落としに動き、自らの格闘技能も駆使して防御を展開しつつ強打を与えようと近づいていた。
 ラルフは3度、エネルギー砲を長男へと発射して状況を確認する。
 クライムは先に三男を制することができればとマークし続けていたのだが、思った以上にそいつの動きは素早い。
 彼のマークよりも先に動き、イレギュラーズ後方メンバーにまで攻め入ろうとしてくる。全力でクライムが三男を追う。
 それに気付いてラルフも三男を追うが間に合わず。敵の鋭い刃が朱鷺へと襲い掛かっていく。
 支援回復もそうだが、地上階の式神達にも注意を払っていた彼女は、三男の接近に対処が遅れて。
「これは……」
 事態の改善にと自らに治癒符を使う朱鷺だが、三男のナイフは容赦なく急所を抉り、彼女を床へと沈めてしまう。
 パンドラの力にも頼ることもなかった朱鷺は、意識を失ってしまったようだ。
(このまま、ゴリ押してしまいたいところですが)
 エリザベスはその状況を察しながらもなお攻めの手を緩めず、呼び出した召喚物を長男に強襲させていく。
「ぐっ……」
 長男はすでに、足元がふらついている。
 暗殺をメインに動く彼らは、相手に気付かれることなく一撃必殺で相手を仕留める事を得意としている連中だ。それほど体力が高い敵でないのは間違いない。
 どうやら、長男が手をかける壁に隠し通路があると察したシラス。
 逃走を察した彼は浮遊してラルフがエネルギー弾を飛ばした軌道上を飛び、長男に接近して生み出す魔棘で相手の体を赤く染めていく。
 ついに意識が途絶え、長男アルバーノはその場で崩れ落ちていった。
 三兄弟の1人が欠ければ、形勢はイレギュラーズへと傾くこととなる。
 長男を失った兄弟は平静を保ってはいるが、多少の焦りも見え始めていた。
 次男は前方に向かう弟も気がけるが、やはり倒れた長男が気になる様子。
 だが、彼はすぐ、射撃をメインとするイレギュラーズの攻撃の的になっていたことに気づく。
 抑えに当たるミルヴィは次男の居合い、抜刀を全身防御で堪え、仲間達が次男の体力を削るのを待つこととなる。
 メートヒェンが三男の対応に回ったこともあり、ラルフは次男の対応へと戻って。
「殺せば殺される。狩る私がこんな道理を説くまいさ」
 刀を振るう次男の足が鈍り出してきたのに気付き、彼はそいつに魔力の火炎を燃え上がらせる魔甲義手『孤狼』を振り下ろしながら呼びかける。
「但、凶手であったのなら、最期まで凶手であれ」
「…………」
 彼らは自分達のあるがままに、生きようとしただけなのかもしれない。
 そんな兄弟達の攻撃を受け止めるミルヴィに視線を走らせ、ラルフは彼女にはトドメを刺させないと果敢に攻め立てる。
 ――自らを良しとせよ、自らの保身に生きる連中よりは誇り高く君達は生きた筈。
 呪いの魔力を込めた銃弾を装填した拳銃を次男に突きつけ、ラルフは一言。
「さらばだ」
 銃声の後、次男ビアージョは音を立てて床へと倒れてしまった。
 残りは、三男のみ。
 シラスは仲間の回復に、とりわけ三男の抑えを続けるクライムの為に治癒魔術を行使する。
 その近くには、気配を消したフローラが三男へと奇襲を仕掛けていく。
 フローラは仲間が落とし穴に落ちた際の救出として、風妖精の指輪での簡易飛行という手段を用意していた。
 とはいえ、シラスがしっかりと場所を把握してくれてこともあってその出番はなさそうだったが……。
 その時、兄2人が倒れたこと、イレギュラーズの数に押されたこともあり、三男が身を引こうとする。
「逃がしません」
 弓を携えてフローラが三男へと狙い定めようとしている間に、相手へと追いすがるクライムが飛ぶ斬撃を放ってその体を裂く。
 暗がりの中、飛び散る鮮血。
 仲間達の攻撃が三男へと集中していく間にクライムはなおも相手に攻め込み、刃を一閃させた。
「これも依頼ゆえだ。悪く思うな」
「…………!」
 真横に切り裂かれた三男カルロもまた意識が途絶えたのか、長男の体に寄り添うように倒れ込んでいったのである。

●哀れな末路を目にして
 ダメリーニ三兄弟の討伐後。
 全く苦戦がなかったわけではなかったが、罠に関してはミルヴィ、シラスの罠対処で助かった部分も大きい。
 傷ついて倒れていた朱鷺も、大事には至らぬ様子。
 また、こちらにやってくる彼女の式神は、うまく隠し通路発見に成功と報告にやって来ていたようだ。
 比較的スムーズに撃破へと当たる事ができたのは良かったが、本気でこちらを殺そうと襲い掛かってきた相手にイレギュラーズ達も手加減などする余裕はなかった。
「コイツらは死んで当然の人間サ……。ケド、だからってこんな最期あんまりだよ……」
 ミルヴィがその遺体を見下ろし、寂しげに呟く。
 最初にエリザベスが言ったとおり、因果応報。殺すのであれば、殺される覚悟は常に持つべきなのだ。
「依頼だからな。……戻るぞ」
 ローレットに仕事完遂を照明すべく、クライムは遺体を担いで背を向ける。
「行くぞ」
 保護者のラルフに促されながらも、ミルヴィまた仲間を追って地下室を後にしたのだった。

成否

成功

MVP

シラス(p3p004421)
双竜の猟犬

状態異常

なし

あとがき

なちゅいです。
ほぼ情報のない罠だらけの相手の住処に侵入しての討伐、
お見事でした。
MVPは罠の解除や戦闘にと幅広い活躍を見せたあなたへ。
今回はお疲れ様でした。
ごゆっくりお休みくださいませ。

PAGETOPPAGEBOTTOM