シナリオ詳細
※お嬢様言葉以外を使うと爆発四散するダンジョン
オープニング
●※お嬢様言葉以外を使うと爆発四散します
「はっ?」
「いやだからね。君達には、お嬢様言葉以外を使うと爆発しちゃうダンジョンに行ってもらいたいんだ――ある貴族の飼い猫がどうにもそのダンジョンに迷いこんじゃったみたいでね。至急、救出の為の手配をしてほしいそうで……」
「いや、そうじゃなくて……なんて? 前半部分もう一回言って?」
幻想北部に存在するシュテーゲン地方。
その一角にはとあるダンジョンが存在していた――そう。今しがたギルオス・ホリス(p3n000016)が説明した様に『お嬢様言葉以外を使うと、どこからともなく爆発が生じる』ダンジョンである――!! そこに、うっかり貴族屋敷から脱走した猫ちゃん様が迷い込んでしまったらしい。
だから救出の為に……えっ、何言ってんのか分からないって? いやホントなんだよ。
訳が分からなくてもソレが真実なんだ!
「いやいくら何でもお嬢様言葉じゃないと爆発するだなんて、そんな事ある訳――ぐぁああ!?」
と言う訳で実際見てみないと信じないと思うので現場に急行したイレギュラーズ――
の、一人が突如として爆発した!!
一体どこに爆発する要素があったのか。火薬も火種も無かったのに、ホントに突如として爆発したぞ……!? ええい! まぁ命を奪う程の衝撃ではないのだが……しかし幾度も爆発に巻き込まれれば、倒れ伏す事ぐらいはあるかもしれない……! なんて危険なダンジョンだ!!
「と言う訳で皆! ダンジョンでは、お嬢様みたいに優雅に頼むよ。
汚い言葉なんて使おうものなら爆発力が挙がるらしいから、気を付けてくれ……!
あ。あとゴブリンが沢山生息してるみたいだよ。そんなに戦闘力は強くないらしいから余裕だろうけど、戦闘に夢中になって言動が荒くなったりしないように注意だ。『ぶっ殺す』とか言っちゃダメだよ」
「じゃあなんて発言すればいいんだよ!」
「『おぶっ殺しになりますわ』とか……? まぁそこは任せるよ!!」
クソ、ギルオスめ! 説明めんどくさくなって投げたな!!?
まぁとにかく纏めると、だ。貴族の飼っていた高貴な猫ちゃんを救出する為にダンジョンに潜ればいいわけだ……途中ではゴブリンとの戦闘もあるかもしれないから、その際にも注意する必要がある――
そう。ついうっかり乱暴な言葉が出たりしないように、だ!!
お嬢様の気持ちを忘れればどうなるか。
先程の様に制裁の爆発が襲い来るのであろう……なんて迷宮だ!
猫を救出する。お嬢様の気持ちと言動を忘れずに――
今。イレギュラーズ達にとって(多分)過酷な依頼が始まろうとしていた――!
- ※お嬢様言葉以外を使うと爆発四散するダンジョン完了
- GM名茶零四
- 種別通常
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2023年02月08日 23時50分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
――『剣の麗姫』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)は聞いた事があった。かつてこの国では……『お嬢様』という概念を研究し一つ極みに達した魔術師が、自らをお嬢様とするために作り出したダンジョンがある、と……
「もしかすると此処がその一つなのかもしれませんわね。
噂程度にしか思っておりませんでしたが……よもや実在するとは驚きですわ」
「私は迷宮探索ができると聞いて依頼を受けたんだがなあ……
なんなんだ? お嬢様言葉じゃないと爆発する迷宮?
こんなアホらしい仕掛けとは聞いてな――ぐぁ!」
しみじみ。アンナが迷宮に想いを馳せていれば『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)が早速に爆発に巻き込まれた! もうお嬢様判定があるとは!!
「ゲホ、ゴホ……コホン。黎明院・ゼフィラですわ!
黎明院家の名にかけて、このような迷宮、ティータイムまでに片付けてしまいますわよ!」
「ほほ、黎明院様よろしくあそばせ。
こんなに沢山のお嬢様と一緒にお出掛けするのは初めてで、ドキドキしますわね〜
アテクシのことはお気軽にルー子と呼んで下さいまし!」
「ぷちちゃん様救出の為にも、スケさ……スケ子も参りますわよ!
骸骨だからと侮らないでくださいまし!
骸骨にもお嬢様の因子は骨身に宿っているものですわ――!」
幸いにして一撃で全て吹き飛ぶようなガチ爆発ではない故にゼフィラは無事だ! しかしもう迂闊な言は出来ぬと『散華閃刀』ルーキス・ファウン(p3p008870)や『陽気な骸骨兵』ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ(p3p010147)は己が心に乙女スイッチ入れる。
いやお嬢様スイッチか……! いずれにせよ仕草からしてお嬢様モードだ。ホホホッ、と優雅なる笑みを見せつつ迷宮を進んでいく――こんな意味の分からないダンジョン、手強いことに変わりはないですが……ぷちちゃんのためにも一分の隙もないお嬢様を纏ってご覧にいれますわ!
「なるほど……それではオイラ……いえ、私はちゃろ子と申しますわ。
ごきげんよう。皆さま、今日はどうぞよろしくお願いしますね?」
そして。纏うと言えば『炎の守護者』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)は『ガチ』であった。何がガチって服装からして――女装しているのである!
お美しいですわ、ちゃろ子様。ふふ。ちゃろ子様は女装した方が、お嬢様言葉が出やすくなるのでこの姿でいくようですわ。分かりますわよ。やはり何か物事を始める時は衣からですわね……!
そんなこんなで皆して進むのですわ。
何か助けを求める声がないか、怯えてるような感情はないかと術を張り巡らせながら――
「世界の皆様ごきげんよう――! わたくしですわ――!!」
その時。クソデカ大声で更に馳せ参じたのは『自称・豪農お嬢様』フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)だ――こら! この先にはゴブリン達がいるのに何してるの! バレちゃうでしょ! 元気は百点満点ヨシッ!!
「話は聞かせてもらいましたわ! 普段お嬢様言葉を使いこなしているわたくしがいればバッチグーですわ。爆発四散にも慣れておりますので手足の10本や20本程度ならダイジョブ、ぬわ――!!? 何故!? 何故爆破が二連鎖で生じて、あばばば――!!?」
「油断なさいましたわねフロラお嬢様!
おダンジョン様をお見くびりになられては――死にますわよ!!」
「……まだ入って一分も立ってないのに、既に死屍累々な気がするのは気のせいですかね?」
お嬢様はバッチグーなんて言わない! ダンジョン判定により吹っ飛ばされたフロラの在り様を見据えるのは『挫けぬ魔弾』コヒナタ・セイ(p3p010738)と、既にロクな事にならない未来が待ち受けていると吐息零す『プロメテウスの恋焔』アルテミア・フィルティス(p3p001981)か――
アルテミアはいっそ一言も喋らない、という対抗策も思い浮かんだのだが。しかしそれはそれで絶対にダンジョンがお嬢様じゃない判定してくるんでしょうね――という確信がある。だから、仕方ないのでそれっぽく振舞っていくとしよう。
(……いや私はこれでも貴族令嬢だから、いつも通りのふるまいをしていれば大丈夫でしょう。大丈夫よね? ちゃんと貴族令嬢出来てるわよね?)
自らで『これでも』と自然に思ってしまうのは半ばご自身のネタ……
ゲフンゴフン。もとい、属性を理解されている証でございましょうか――?
なにはともあれ、ぷちちゃんを探す為に頑張りましょうね! お嬢様たち!
●
「ふふ。それにしても殺風景な場所ですわね~『デスワデスノヨ迷宮』という名前はお飾りですの? お嬢様が至るに相応しい場所ではございませんわ! もっとこう、豪華で華々しい雰囲気の方が良くなくって?」
「おお! ルー子様ご自慢のおハーブが生えてますわね!(物理的に)」
迷宮を進むルーキスお嬢様はお気づきになられました――この迷宮は優雅ではないと。
故に迷宮に入る前に摘んでおいた、その辺の野草やお花を飾り付けて差し上げましょう! ふふふ~ん♪ ルー子様の美術センスがお光になられますわ! 爆破も生じないという事は、これはダンジョンに認められたお嬢様行動と言う事ですわね!
コヒナタ様もお嬢様としての礼儀作法を宿しながら進んでいくものですわ……! ん? 怪しげなエンバーミング? それはコヒナタお嬢様の趣味なだけなので問題ありませんわ。お嬢様だってエンバーミングにうつつを抜かす事ぐらいありますわ!(力説)
「まぁルー子様素敵ですわね。でも長居させて頂いても良い事はありませんわ……申し訳ありませんが早々に迷宮を攻略させて頂くとしましょう。これでも本職は考古学者、フィールドワークは得意……あっ」
「あー! ゼフィラお姉様が、またしても自爆なさってますわ――!」
もー! 気を抜くとすぐゼフィラは考古学者モードになるー!
折角に数多の冒険用技能によって順当に進めていたというのに、再びの爆発である! えっ。これも一流のお嬢様の嗜み? お嬢様フィールドワークしないもん! ともあれ、思わずちゃろ子様は口元にお手を当てられて嘆くものですわよ。
「皆様方。常にお嬢様たる心得を忘れてはなりませんよ――
さぁ。常に絶対的に。華麗に。優雅に、参りましょうね」
「ええ! ぷちちゃん様の為にも……一花咲かせてみせましょう!」
次いで、アンナにヴェルミリオ様もいらっしゃいましたわ。
ああ特にヴェルミリオ様なんてどこか輝いて見えて……いや実際輝いておりますわ! 暗い洞窟をスケ子お嬢様は自らのお嬢様力によって照らされているのですわね! どこか背景に白百合を背負っているかのような気迫も伺えますわ――! あれ? よく見たら白百合じゃなくてコウホネの様な気も……
ともあれそんなスケ子様なども含め支援するべくアンナお嬢様は皆を導くものですわ。
そう。アンナ様が宿す技能にはそういうモノも……ないですわよね? どう考えても強弁……え、何? 『絶対的に。華麗に。優雅に』ってフレーバーテキストを見てくださいませって?
「つまりこれは――皆様のお嬢様の練度を挙げる為に用意されていた技能に間違いありません事よ! わたくしがそう決めました。よって今よりコレはお嬢様専用技能で――ダメですの? 仕方ありませんわね」
うーん、一部の隙もない完璧な理論です事! でもアンナお嬢様。お嬢様はメタ言語なんて用いないので爆発タイムです! ドーンッッッ!!
吹き飛ぶアンナ。ついでに巻き込まれるスケ子にルー子。
その折もお嬢様の様に優雅なのは流石と言うべきか――でも普段と口調が違うのはまだしも、男の人のお嬢様言葉はなんともシュールだとアルテミアは思考しながらも猫捜索の手は止めず。
「ぷちちゃん? どこにいるのかしら――?
猫だったら小さい所にも紛れ込んでそうよね、こことか……」
彼女が探すのは壁の亀裂や穴などだ。この辺りに挟まっていたりしないかと身を乗り出し……ハッ! 危ない。こういう仕草もお嬢様判定されるのかと思えばこそ例えばお尻を突き出すだなんて、はしたない事はしませ――ひゃん!!?
「な! い、今お尻に何か――ってゴブリン!!」
「あ、ゴブリンですわね。一人前に槍を持ってきています事よ――というか、わたくしもう変なモンスター狩る依頼ばかり行ってたのでこんなストレートな奴久しぶりに見ましたのよ。ちょっと感動ですわ」
その時! 現れたのは――おゴブリン様ですわ!
アルテミアの背後にいつの間にか回っていたおゴブリン様は武器を携えている……それで尻を突いたのか! でもゴブリンだ。シンプルにゴブリンだ――『こういうちゃんとした魔物も存在したんですのね……』なんて、フロラはやや感極まってる。まぁ猫探しを邪魔されても仕方ないのでサクッと行きましょう。かわいいネコチュワンの為に頑張りますわ〜! あと生活費の為にも! なので!
デスワ~~~!!
大声炸裂! え? 今の何? 今のはフロラの鳴き声――違う。名乗りですわよ!
「お嬢様はデスワーって鳴くもので……え? 鳴かない? 何を仰って……あーまたー!!」
「ああ! フロラお嬢様がまた大爆発に――!
くそう、敵討ちですわ! サーチ・アンド・デストロイですわーッ!」
サーチ・アンド・ボンバー! もののついでに暴力的な言葉を使っちゃったコヒナタ様も吹っ飛んでらっしゃいますわね。迷宮に入る前には『お嬢様らしくしていればいいんですのよね? 私こういうのは得意ですのよ~任せてくださいまし!』なんて自信満々に言ってらっしゃいましたのに! おハーブ生えちゃいますわよコヒナタ様!
「ギギーッ!!」
「おゴブ様たちがお怒りですわね! でも御免あそばせ。力不足です事!」
「ええと、失礼ながらあなたがたとお戯れになる余裕はありませんの。手向けの花は何がよろしくて? あぁ――生憎あなたがたの攻撃は薔薇の棘ほどにも感じませんわ! 私の一撃をお受けなさいませ!」
「邪魔立てするのなら、仕方ありませんね……加減は出来ませんよ。お尻を突いた罰も受けてもらいましょうか――お痛の過ぎる方達には、お仕置きをしないといけませんから、ね?」
――が。幾人かのお嬢様達が吹き飛ばされようとも地力の差というのは歴然でございましたわ。ルー子様の斬撃はおゴブ様たちを華麗に両断され、あちらこちらから至ろうとするおゴブの援軍様方はちゃろ子様に引き付けられてしまうのです!
そこへアルテミア様の剣閃が舞われます。足先で地を軽く叩き、ステップを踏みながらリズムを取られるアルテミアお嬢様たるや――なんと優雅な事か。
まるで輪舞を踊るかの如く……これこそがアルテミア様の真髄……! アルテミアお嬢様、本当に幻想貴族たる御方だったのですね……! 疑っておりましたわ……!
「ふむ……やはり、お嬢様と言ったら『コレ』ですわね」
と、その時。アンナお嬢様は――指で『ソレ』を弾かれました。
それはコインで御座います。とある都市で流通していた……
ソレを、おゴブ様たちの――足元に――
「ほら、拾いなさい愚民。地べたに這いつくばるなら、あげますわよ?」
わたくしは優しいから施してさしあげますわ。
ホーッホッホッホ! とまで聞こえてきそうなムーヴ! こ、これはお嬢様ではない……これは悪役令嬢だ! ――だけど。
「ギィ――ッ!!」
「なっ!? 見向きもしない――!? くっ。これはまさか……ゴブリンが真のお嬢様だという噂は本当だったんですの? そんな馬鹿な! わたくしを差し置いて、こんな下等なゴブリン達の方が、お嬢様だとでも!!? ――あぁ!!」
ゴブリン達は媚びぬ! 自らの誇りを捨てるぐらいならば、一矢報いてみせると! アンナに襲い掛かるのだ――しかも彼らは爆発しない。むしろアンナの方で炸裂が発生しようか! 『こんなのお嬢様じゃない! これはこれでアリだけど!!』という迷宮の思惑がアンナの脳髄に染み渡る――!!
(ばか、な……さすが、情報精度A……! ギルオス様申し訳ありません。わたくしは貴方の技量を見誤っておりましたわ!)
いやそんな所で誤られても……某情報屋の言っぽい幻聴もなんだか聞こえてきた、が。それはそれとしてアンナはステップ踏んですぐ様に迎撃。おゴブ様達を打ち倒してご覧にいれようか!
「あらやだ、デスなんてはしたなかったかしら。ごめん遊ばせ?」
「さて、ここでワタクシの歌声を披露しますわ! 血生臭いのは似合いませんしね!」
「道をお開けなさい! 下郎!
ぷちちゃん様をどこへやったのですか! このスケ子、許しませんわよ!!」
更には多少おゴブ様達が抵抗しようとも、ゼフィラ様の治癒術により皆様すぐに回復。その上で至るヴェルミリオ=スケ子様の想像を絶する平手打ちは、おゴブ様達を薙いでいくのです――!
次々に倒れていくゴブ子様達。必死の抵抗も無意味なモノです。スケ子様が身を挺してお味方を守護されれば、誰がお崩れになりましょうか! 可憐に優雅に! 最後までスケ子様はあり続けるのです!! ああ!
「何故なら! わたくしはお嬢様なのですから!! あぁごめん遊ばせ、今日は所用がありまして先を急ぎますの。次はお時間の在る時に、是非お茶会にでも誘ってくださいましね。それでは、ご機嫌よう」
「ギッ――!?」
「えぇ、えぇ! わたくし達こそ真のお嬢様! その証に、お花をブッ刺……いえ、お花を飾って差し上げますわ! 後は私の家紋も此処に刻んでおきますわね! えー『特異運命座標参上』……っと! ふぅ! いい仕事をしまし――ふぇええ!? 爆発!!? なんでですの――!!?」
しっかりとポーズまで決めるスケ子様! 続いてルーキス様もおゴブ様達を突き刺しまくりながら、おゴブ様達の家たるこの無味乾燥とした迷宮に落書……じゃなくて『書』を刻んでおきましたわ! 『ヤンキーじゃん!』っていう天の声が聞こえてきて、ルー子様が吹っ飛ばされましたけど!
――と。あらかたおゴブ様達を殲滅しまくった、その時。
「んにゃ~~お」
「ん? わぁ、ふわふわでかわいい……ぷちちゃん様、ですわね?」
ちゃろ子様の近くで鳴き声が聞こえました――そう。お猫様です!
「ちょっともふもふ……もふもふさせ……ふわあ! さすが貴族のネコちゃ、あっ判定早い!」
「こら、暴れちゃだめですよ? ほら、毛並みもこんなに汚れて……
帰ったらちゃんとブラッシングしてあげますから今は――ヴッ!」
思わず素がちょっと出てしまったちゃろ子様、吹っ飛んだ! ので、アルテミア様がぷちちゃんを引き継いで抱きかかえるものです。でもソレと同時に喉仏へ猫パンチ一閃。ヴヴッ!! あぶない。今、嗚咽が出てしまう所だった……お嬢様判定から零れてしまう!
「けほっけほっ、こぉら、喉を狙っちゃいけませんよ? 後でオヤツもあげますから、ね? あっ!」
「フッ。腕からするりと抜けるとは、流石猫ちゃんは液体の名に恥じません事ね……! ですがここから先は絶対に通しま――はぅ! ち、近くで見ると更にラブリー! ラブリーですわ! 猫吸いさせて下さいませっ。猫吸い!」
「ン、ニャアアア~~オ!!」
「ぎにゃ!! て、的確に! 的確に喉仏を――べにゃ!!」
刹那。アルテミアの腕から逃げ出したぷちちゃん、をアンナ様が待ち構える! ――が。猫吸いの誘惑に目が眩まれたアンナ様の一瞬の隙をついて、お猫様の喉仏ブロー(左・右の二連撃)が決まりました――!
馬鹿な。ゴブリンらを圧倒した体格:精悍なお嬢様を有する個性溢れるわたくし達が……遅れを取ってしまう!!?
「そうは行きませんわ! おぷち様~またたびですわよ~! お家に帰りましょうね!」
「怖くない、怖くない。ほうらぷちちゃん、好物も沢山ありますからね~ですから喉を狙うのはおやめくださいね。おやめくださ……ちょ、だから、あの、そこはまずい、そこの骨はまずいですわよ~!」
しかしそうは参りません! 蒼きお嬢様ルー子! 骸骨お嬢様スケ子が立ちはだかる!
ルー子様の持参したまたたびが足を止めさせ、その隙に捕獲――ッ! あ。抵抗する! 喉仏アタック! ぐえー!
それでも頑張る。コヒナタやフロラ、ゼフィラと復活したちゃろ子様も参戦し。
遂に――出口を目指せる時が来たのだ。
「ふぅ、ふぅ……やたら疲れたわね……でももう何もないでしょう。
さぁ帰りましょうか――んっ!?」
そして、アルテミアが出口を見据えた――正にその瞬間。
おゴブ様の残党だ! ナイフ携えた個体がアルテミアを裂く――!
それは躱しえた。服の布一枚の差で、だ。
「ふふ、そんな攻撃はもう当たりませ……ん?
~~~ッ! な、なにしてくれるのよこのヘン、タイッ!!」
「あっ、ダメですわよアルテミア様! お戻りになるまでが依頼――
わああああ私の服もどうして狙って来て――!?」
然らば。絶妙にその一撃はボタンを抉っていた。
胸の『圧力』を抑えていた箇所を――だ。直後に生じるのは肌の露出――
……であれば。思わずアルテミアの言動は粗暴になるもの、か。
思わずちゃろ子様が止めんとするが、もう遅い。むしろ彼? 彼女? も襲われて。
最後の最後に大爆発――!
ああ、デスワデスノヨ迷宮が大爆発で、崩壊する!
デスワーッ!!
誰も彼もが吹っ飛ばされる中。フロラの断末魔も同時に――響いていたとか。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
デスワーッ!! ありがとうございました!
GMコメント
●依頼達成条件
猫の『ぷちちゃん』の救出!
●フィールド
・『デスワデスノヨ迷宮』
洞窟状の、至って普通の迷宮です。外観上は。
しかしこの迷宮には不思議な加護? 呪い? が張り巡らされている様で――お嬢様言語以外を用いると、突如として自身の周囲で爆発が生じます!! 乱暴な言葉を使ったりしたら爆発力が上昇します!!
お嬢様言葉ってなに? ってなるかもしれませんが、私も分かりません。
とりあえず『~ですわ、~ですのよ』などを使っていたら安全な気がしますが、しかし突如として『心がお嬢様ではないッ!』と迷宮が判断してくるかもしれません。理不尽です。爆発で死なないように気を付けてくださいね!
●敵戦力
・ゴブリン×たくさん
洞窟に何故か生息しているゴブリン達です。
弱いです。弱いですが数は多いので、連中の攻撃が沢山放たれる事などはあり、ややうざいかもしれません――でも気を付けてくださいね。お嬢様は『いてぇ!!』とか言わないですよね。『ぶっ殺すぞ!』とか言わないですよね。
お嬢様の気持ちになりながらゴブリンを押しのけていくのですわ!
ちなみになんでこいつらが爆発しないかは不明です……ガウガウ喋っているのですが……
はっ。まさかこいつら、歴戦のお嬢様言語使いだというのか……!?
●救出対象
・猫の『ぷちちゃん』
ある貴族の飼っている猫ちゃん様です。なぜかこんなダンジョンに迷い込んでしまったのだとか……きっと奥にまで入り込んじゃってると思います。
とても毛並みがよく、まんまると毛玉の様です。
得意技は猫パンチ。的確にほっぺをペチペチしてきます。
が、時々やたら正確に喉仏にブローを叩き込んでくる事があります。こわい。
●情報精度
この依頼の情報精度はAですわよ。
お嬢様言葉以外を使うと確実に爆発しますわよ。宜しいですわね?
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