恒例のグルメダンジョンにやってきたと思っていたのかフハハハハ貴様が食材ダアアア！

オープニング

●たぶんラサだとおもうここ
「「ヤッターーー！　グルメダンジョンだー！　今日も美味しいご飯が食べ放題だネ☆」」
　一言一句同じことを、リコリス・ウォルハント・ローア （p3p009236）と黎 冰星 （p3p008546）が満面の笑みで言った。
　巨大ボンレスハムから着ぐるみみてーに顔だけ出して言っていた。
「「…………えっ」」
　ヒュッと上から突くようにおとされたのは巨大フォーク。
　ハムと化していた二人はフォークにぐさーっとやられそのままどこかへ連れ去られていった。

　はいというわけでねリコリスハムとビンシンハムを使ったレシピをご紹介していこうと思いますよ。
　まずは手頃な食パンを用意しましょう。普通のものでもいいですが食感を求めるならライ麦パンをオススメしております。ちょっと割高だけど歯ごたえがあって糖質が低いのが魅力のパンですね。
　そんなパンを大体6枚斬りにしましたら、熱したフライパンにバターをひとかけ。充分にのばしたらそこへパンをそっと寝かせるようにおろし焼いていきましょう。できれば耳の内側、それも角っこあたりを指で押さえ丁寧にバターを塗り広げるようなイメージでくーるくーるやってあげるとバターの染み込みがよくなり耳まで食べれるトーストになるので今後やってみね。めんどいならマーガリンを耳のふち引っかけるようまんべんなく塗ってから焼くと同じような状態になるのでオススメです。
　片面をおよそ1分ほど中火焼きましょう。フライパンでパンを焼くとすぐに焦げちゃうので塩梅には注意しましょう。
　そうしたらこんがりしてない方を上にして、ケチャップをパンに塗りましょう。どうせこの後広がるので適当に波線描くイメージでうにゅにゅーっとやって大丈夫です。お好みでマスタードも添えるとよいでしょう。
　そうしたら主役の登場。先ほどとりあげたリコリスハムとビンシンハムをやや厚めにスライスして載せていきます。大胆に敷き詰めるくらいの気持ちで大判に切っておくとよいでしょう。そこへとろけるタイプのチーズを載せ、蓋をしてもう30秒ほど。
　チーズがとろけきったところでできあがり！
　トーストのざくっとした食感とハムの肉厚な食感。その中に広がるチーズの香りが合わさって贅沢なハムチーズトーストとなるでしょう。
　時間のある朝やこれを深夜に見ちゃった人は試してみてね！

「そう、ここは非グルメダンジョン！」
　ジョージ・キングマン （p3p007332）はペンギン形態でクエーっと鳴いた。
「立ち入った者はなんか近い感じの食材に変えられ、美味しいレシピでいい感じに調理されてしまうのだ！」
「「な、なんだって……！？」」
　丸焼き用のでっけー串に縛り付けられたカイト・シャルラハ （p3p000684）とゴリョウ・クートン （p3p002081）が同時に叫んだ。
　この後何が起こるか秒で察したためである。
「これまで美味しい料理を作りに作り続けてきたグルメアスリートであるわしらが、よもや料理される側になってしまうとは……」
　御子神・天狐 （p3p009798）もうどんをあのこねこねして伸ばす棒みたいなやつに背中をぐりぐりされながら感慨深く唸っていた。
「だが安心してほしい」
　スッと手（ヒレ？）をかざすジョージ。
「美味しい料理になればなるほど高得点がつき、合計得点を越えることでこのダンジョンを攻略することができるのだ。そしてなんか不思議なことに痛みとかそういうのはなく、終わるとむしろ気分はスッキリしているくらいだという」
「「なんと！？」」
　同時に叫ぶゴリョウとカイト。
「今まで料理にされそうになって焦ったことはあったけど、まさか率先して料理される機会が訪れるとは……」
「全くだぜ。ぶっはははは！　こいつぁ是が非でも美味い料理にしてもらわねえとな！」
　食材と化したグルメアスリートたちは、キラッと目を光らせた。
「さあ、おあがり！」

• 恒例のグルメダンジョンにやってきたと思っていたのかフハハハハ貴様が食材ダアアア！完了
• GM名黒筆墨汁
• 種別リクエスト
• 難易度-
• 冒険終了日時2023年01月27日 22時05分
• 参加人数6/6人
• 相談7日
• 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました！　リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧（6人）

リプレイ

●『有翼の捕食者』カイト・シャルラハ（p3p000684）の非グルメダンジョン
　とりさん3〇クッキング（ﾃﾚﾚｯﾃｯﾃｯﾃｯﾃのBGMでゆっくりレコードプレーヤーの上で回るカイト人形をご想像ください。瞳キラッキラ）

　今日はカイトの丸焼き、ロティサリーカイトチキンを作っていこうと思います。
　まずご用意する食材がこちらになります。はいカイト。
「俺は俺のままでも完璧な食材だからな！」
　テーブルの上にきをつけの姿勢で横たわってるのにすごい堂々としていますね。
　活きの良い食材です。加えてあのなに調味料とか香草とかワインとかそういうあのあれ、あれです。適当に冷蔵庫とかから出してください。
「鳥ってのは全身が美味しい所だらけ！　全身フル活用のローストチキンを堪能だ！」
　だまれぃ！
　早速調理をしていきます。まずカイトさんの全身の羽根をむしります。
　綺麗な赤い羽根ですがたまに炎を上げながら弾丸みたいに飛んでくるので絶対に全て取り外しましょう。
　というわけで全てむしったカイトさんがこちら。
「自慢の羽根が毟られスースー」
　寒いのかテーブルの上で体育座りをしていますね。
　早速専用のソースに浸けましょう。困ったら安い焼き肉のタレにでも浸けるとお手軽でいいですよ。
　これで一晩放置したものがこちら。
「ちゃぷちゃぷ」
　そうしたら最後に縛ってオーブンへと放り込みます。
　焼き色をつけて緋色になったら完成です。

　ローストカイトチキンは手を加える要素が分かりやすくて工夫もしやすい料理ですね。
　ポイントは浸ける時のソース。一から作るととても手間がかかってしまいますが、市販のタレに少し手を加えるだけでもかなり満足のいく家庭料理にできるのでお試し下さい。
　つけだれにレモンを突っ込むといきなり変わるので試してみたいかたは是非どうぞ。
「でっかい鳥をまるごと頂くってロマンだよな。肉！肉！肉！絶対満足するよな！あとまるごとだから鳥すべてを愛し尽くしてる感じするよな！」
　ええいだまれ！　皿に盛り付けてやる！
　今回はシンプルな味付けで焼き上げましたので、ディップソースで味のバリエーションを出して行こうと思います。
　まず梅ポン酢、サルサソース、マスタード＆マヨネーズ。ご家庭にバーベキューソースがあればそちらもお試し下さい。
「ローストチキンっていうとシャイネンナハトを思い出すよな。
　リリーと一緒に大きなローストチキン食べたっけ。ロゼ色のワインも添えて。
　ちっちゃいリリーにとってはかなりデカかっただろうな。今俺の前にあるチキンぐらいに感じるんだろうな？」
　フッと笑った丸焼きが甘い空想を語っていますね。
「リリーの口元についたソースを指でとって舐めてな。特別な味がしたぜ。甘みはリリーがいたからだな？」
　既に甘い味がついているようなのでさっそくいただきましょう。

●『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン（p3p002081）の非グルメダンジョン
「俺の食材は豚肉だ！　もはや言うまでもねぇな！」
　プールの飛び込み台。それもめっちゃたかーい所から飛び込む用の、あのなんていうの、板？（飛び板って言うらしいね）の上にビキニパンツ一丁で立つゴリョウがいた。
「俺のお勧め料理一品目はァァァァァァ！？」
　両目をぎゅっと閉じ口もきゅっと閉じることで顔のパーツをめっちゃ中央に寄せると、ドラムロールを充分に待ってからカッと両目含め顔中を開いた。
「豚汁だァ！」
　セェイといって飛び込み台からジャンプするゴリョウ。
　空中で三回転をかけてから美しいフォームで巨大な寸胴鍋にダイブすると、ステレオタイプのラーメン屋みたく腕組みながらゆーっくり浮かび上がってきた。
「豚汁は蛋白質（豚肉＆味噌）、炭水化物（芋）、ビタミン（野菜）の揃った完全食だ！
　汁物なので水分も取れ、温かいので熱も取れる！
　味付けや食材を変えることで洋風、中華風、エスニック風と様々なバリエーションにもなり飽きもねぇ！
　ご飯のお供に味噌汁はお約束だが、豚汁ならば最早一膳といっても過言じゃねぇぜ！」
　実際の所豚汁のハードルは低く、大手牛丼チェーン店でも普通に出てくるしすぐに味や食感を想像できるだろう。要は具だくさん味噌汁である。
　が、そこで止めてしまうのは勿体ない。ゴリョウの言うとおり豚汁には無限の可能性が存在するのだ。
　まず単純にチゲ鍋風にする。味噌とキムチの相性は元々良く味わいも刺激的だ。
　具の工夫で言えばもつ煮込みにすることで満腹感を増すことができ、スペアリブを大胆に投入することでインパクトを増すことも可能。
　『言われて見れば』的な所で言えばバターコーンという手もある。
　有名な豚汁専門店を例に挙げるなら、上質な豚肉と大きく柔らかな豆腐を具材としたそれにはまぶすように刻んだ長ネギが添えられる。味わいの深さもさることながら、豆腐が砕けることによって変化する味わいによって飽きずに食べ進めることができるだろう。なんといっても欠かせないのは豚汁とごはんの相性である。
　これで終わりかと見せかけて――。
「そして二品目は豚カツだ！」
　再び飛び込み台に上ったゴリョウ（衣纏い済み）が今度は垂直なフォームで煮えたぎる油鍋へとダイブ。
「一度目は低めの温度で中までゆっくり火を通し、二度目に高温で揚げると、肉は柔らかく、衣はサクッ仕上がるぜ！
　唐揚げも美味しく仕上がるんで参考にしてくれ！」
　言いたいこと一行で全部言われた！
「豚カツ単品でも美味いんだが、最強はやはりカツ丼だろう！
　カラッと揚げた豚カツにまろやかな半熟卵と甘辛い出汁、そしてホッカホカのごはん！
　何で揚げたカツをわざわざその触感を犠牲にする覚悟で卵とじにしようとしたんだ！天才か！？」
　言いたいことまた全部言われた！
　さあ君もカツ丼と豚汁という魅惑の定食に飛び込もう！

●『絶海』ジョージ・キングマン（p3p007332）の非グルメダンジョン
「俺は……」
　完全な暗闇に、スポットライトが落ちている。カツンという、革靴が木目の床を叩く音だけがした。
　黒いロングコートを羽織り、黒髪をやや豪快に後ろへなでつけた男。そのシルエットはコウテイペンギンを思わせ、またその印象は真実であった。
　つい先ほどまでは。
「俺は、ルーム貝だ」
　眼鏡を外したジョージはたちまちルーム貝となった。
　言ってる意味わかんねーと思うし、ここまで丁寧に描写しといて書いてる本人だって意味がわかんねーと思っているので是非一緒についてきてもらいたい。
　ルーム貝。別名ムラサキ貝とはその名前から想像出来るとおり紫色の身をもつ二枚貝の一種であり、潮間帯の露出した海岸に生息する。日本では主に広島、宮城、愛知といった地方で生産され詳しい者にはピンとくる通りカキ養殖の盛んな地域でその副産物としても生産されるという。
　多くが養殖ものであり、そのため砂抜きのイメージが薄い貝でもあるだろう。
　経常的な特徴として鳥のくちばしのような長細さをもち、他の二枚貝と同じようにワイン蒸しやパエリアの具などに用いられる。
　ルーム貝となったジョージが貝殻ぱくぱくさせながら言うには……。
「ムール貝なら、アクアパッツァだな。主役は魚になるが、貝もまた美味い」
　だそうである。
　彼は鯛一尾がまるごとフライパンの上で他の材料と一緒に煮込まれる光景を眺めながら、遠い過去に想いをはせた。
「先代ボスの得意料理だったな。まかないに良く作ってくれた物だ。
　具材となる魚はその日採れたものを使い、海水とパセリ、ニンニク、唐辛子を入れて、香りを出す。
　一匹の魚だったこともあれば、市場で雑魚を集めて出しを取ったことも合った。
　魚を焼くこともあるが、ボスは煮込む方を好んだな。
　そちらの方が手早いと言っていたか」
　アクアパッツァとして日本でポピュラーなのはやはりフライパンで魚を焼いた後両尾して蒸し煮にするというものだ。ジョージは懐かしい味を目指す。
　思い描かれるのはファミリーの陽気な笑い声。
　香り立つ匂い。貝の開く音。合唱する腹の虫。
「食材になるとするなら、俺はあの貝のようになりたい……」
　共に煮込まれながら、ジョージは蕩けるような声で望郷のため息をついた。

●『誰が何と言おうと赤ちゃん』黎 冰星（p3p008546）の非グルメダンジョン
「僕はブリ……僕はブリ……僕はブリ……」
　鰤の着ぐるみのごとく顔出し穴から白い顔を覗かせた冰星もとい鰤星（ブリシン）は、その徐々に雑なタッチになっていく顔で自らに問いかけるかのように声を発する。
「ブリになるために生まれてきた。
　今この瞬間、脂たっぷりのブリとして美味しく食べられるために生を授かったのだ。
　今や食用以外の用途も手広く展開され、その見栄えからスマホカバーをデコるのにも向いている大好評のあのブリです」
　最後に『美味しく食べろよ』とだけ告げると、遥か天空に振りかざされる包丁を見た。
　鋭く研がれた包丁の刃だけが、鰤星をつめたく見つめていた。

「僕みたいな美味しそうなブリを食べ逃すバカいないと思うけど念のため忠告しといてやるよ。この時期が最も旬ですよ」
　死んだと思ったじゃん？　違うんだなこれが。
「刺身だけでさ、醤油つけてわさびもつけて食うのも美味しいよね。
　それもいいんだけどさ、話長くなるけどまだ聞いてて。
　お茶漬けあるやん、白米の上にブリの刺身をのせるのよ。
　で、上からアツアツのお茶かけんのよ。
　ビンシン的オススメです、よろしく」
　既に活き作りのお刺身となった鰤星がキランと目を光らせる。
　その刺身は言わずもがなとばかりに米の上に乗り、熱い茶が注がれた。ほうじ茶である。

「あとね、ごめんねまだ話続くんだけど聞いて。ブリしゃぶ鍋って言葉、聞いたことない？　大根の浅漬と梅干しだけで出汁をとった鍋にブリの刺し身をしゃぶしゃぶして大根の浅漬と一緒に……食べる！　これですよ　これがシンプルにして至高ですよ。ヨダレ出てきた？　胃液分泌してる？　自分の胃酸が胃を溶かし始め――」
　このあとも活き作り鰤星は皿の上でブリトークを延々やり続けたのであった。

●『狩ったら喰らう』リコリス・ウォルハント・ローア（p3p009236）の非グルメダンジョン
「ボクの( ‘ᾥ’ )をおたべ」
　お皿の上に、一個の( ‘ᾥ’ )饅頭が乗っていた。
　( ‘ᾥ’ )饅頭ってなんだよって初見の人は思うかも知れないけど、たぶん人類の9割以上が思ってることだから怖がらなくていいんだよ？
「ボクはリコリス！
　強くて獰猛な肉食獣！　……のはずだったんだけど、なんでー！？
　なんでボク食肉にされてるの！？
　むきーっ！もうヤケだ！こうなったらとことん美味しい食材になって、逆にダンジョンを飲み込んでやる！」
　自分専用のナレーションを一通りもきゅもきゅ喋った後、そっと木のナイフによって切り込みを入れられた。
　よくお高い和菓子屋さんで出てくるようなあの木の板みたいなやつ。あれをスッと白い生地に通すと、もちもちとした生地の内側から餡子が顔を出した。
「中身は手に取った者の好みによってつぶあんとこしあんのどちらかに変化するよっ！
　今までのお料理の邪魔をしない控えめな甘さの、尾を引かない後味の逸品！」
　自信満々に述べるリコリスの言うとおり、( ‘ᾥ’ )饅頭には粒あんとこしあんがある。今はこしあんである。季節や気まぐれによっては白あんや栗あんになることもあるだろう。
　お供として最も愛されるのはやはり緑茶。それも熱い茶である。
「つぶあんとこしあん、きのことたけのこ、きつねとたぬき、大判焼きと今川焼きエトセトラ、この世にはどちらか一方を選択したことにより生じる悲しき戦争で満ちている。
　いかにシェフが腕を振るったフルコース料理であろうと、だべている最中に外野から口を出されるだけで最悪の味付けとなってしまうのだ」
　悲しみを帯びた( ‘ᾥ’ )顔で語るリコリス。
　だがその( ‘ᾥ’ )顔には確かな決意があった。
「ボクはその悲しみの連鎖を断ち切るべく「誰にも邪魔されず、誰の邪魔をすることもなく好きなのを食べればいいじゃん！」を体現するッ！！」
　おたべ！　と力強く見つめる( ‘ᾥ’ )顔には、自信が満ちあふれていた。

●『鉄帝うどん品評会2022『金賞』受賞』御子神・天狐（p3p009798）の非グルメダンジョン
「生地とは、即ち小宇宙である」
　棒によってこねこねされつつある天狐は両手の十指を組むと床に両肘をつけ、そこへ鼻をのせるような姿勢で鋭い目をした。
「伸ばし、こねて、また伸ばす。
　膨張と収縮を繰り返し旨味を蓄える様は超新星爆発の如く。
　繊維がより深く滑らかに結合していく程、コシの強さや柔らかくも千切れぬ逸品となる。
　それはまさに刀鍛冶、美味の宇宙を叩き仕上げる神の領域。
　素材の絶妙な黄金律配分で生み出される品々は、それ単品でも舌を唸らせるのだと香川の偉い人は言った」
　語るにつれ、天狐は徐々にむにょーんと伸び、白く艶やかな存在へと変わっていく。
「麺の道を極める旅路は遠く険しく果てが無い。
様々な経験を糧にしなければいけないが、全てを得ようとするには人生という制限時間はあまりにも短い。
　であるならば、その経験の『質』を見極め『上質』を選び抜いていくしかあるまい」
　粉をかけ、伸ばし、こねて、また伸ばす。
　これをくり返された天狐は大きな木の板の上でその形状を変化させていく。
　麺棒によって伸ばされる光景は世界が拡張されるさまを思わせ、それがまるくこねられるさまは宇宙の再誕を思わせた。
「そう考えれば『自らが生地となり美味を追求する』という事は正しく『最上質』とも言える究極であり希少な経験なのではないだろうか？
　この貴重な機会を見逃せるだろうか―――――――否」
　丸くこねられた天狐が、カッと目を見開く。どこに目があんのかしらんけど。
「ならば答えは１つ。『地上最強の饂飩生地』となるしかあるまい」

　そうして伸ばされ、刻まれ、茹でられる天狐。
　できあがりはたしかに『饂飩』に他ならないが、その質は饂飩によって千差万別。
　歯をうつような強いコシもあれば、噛まずに飲み込めるほどやさしくゆるいこともある。味わいもまた素材により異なり、茹でる時間や水質によってまた異なる。
　しかしやはり最もウマさを左右するものがあるとすれば、天狐の言うとおり生地であろう。
　シンプルな鰹出汁のつゆとともに出されるひとたまの饂飩。
　至高の、饂飩である。

●気になる評価は！？
　カイトチキンの丸焼き。
　ゴリョウカツ丼と豚汁。
　ジョージルーム貝のアクアパッツァ。
　鰤星の刺身。
　( ‘ᾥ’ )饅頭。
　天狐饂飩。
　テーブルに並んだ料理を前にしたグルメゴーレムたちは、それらを一通り食べ終え……最後にそっと両手を合わせた。
　それは『ごちそうさま』の姿勢でもあり、また『神への祈り』にも見えた。
　採点するまでもない。『超美味』と彼らの背後にでかでかと表示され、ダンジョンの出口へと続く扉が開かれる。
　一流の食材。そして最高の料理となった六人は元の姿を取り戻し、そして扉をくぐる。
　その先には……大きなテーブルと彼らの作り出した料理が人数分並んでいた。
　さあ、美食の時間だ。

成否

成功

ＭＶＰ

なし

状態異常

なし

あとがき

　ごちそうさまでした