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シナリオ詳細

冬っていえばスキーだよねって話

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●雪上を征くもの
 雪の積もった山の上を、何かが滑るように走っている。
 とんでもない速さだ……雪上をこんな速度で。いや、待ってほしい。
 走っていない。滑っている。滑るように走っているのではなく、本当に滑っている。
 しかもこいつ、人ではない。形は人に似ているが、その造形は雑な人形のような木製の代物。
 そう、覇竜に存在するモンスター「木人」である……!
 しかし集まって修行をするのが常のはずの木人がこんなところで何をしているのか?
 その答えは、その姿にこそあると言えるだろう。
 奴等が上から下へと滑るその瞬間、足が変形し長い2枚の板のようなものになっているのだ。
 これは……まさか、スキー?
 どういう事情でこうなっているのかは分からないがこの木人たち、スキー修行をしているのだ。
 まあ雪の上を移動するには良いのかもしれないが……それにしてもなんとも2度見してしまいそうな光景である。
 まさか覇竜でモンスターがスキーをしているとは、誰にも思い浮かばないだろう。
 しかし、それにしても……だ。
 木人が使うとも思えないような設備がところどころにある、ような……?

●木人を排除せよ
「というわけで、今日はその辺にいた眼鏡の人を捕まえてみたよ!」
「どうも。その辺の眼鏡とはキラリと一味違う極上プランをお届けする眼鏡です」
 どういう技術なのだろうか、眼鏡をタイミング良くキラリと光らせる『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)に『鉄心竜』黒鉄・奏音(p3n000248)が「うわ、光った!」と驚き後退る。
「さて、本日は何やら仕事の御依頼というお話でしたが」
「あ、光る眼鏡の説明はないんだ」
 眼鏡が光るのは出来る男の特権であるかもしれない、さておいて。
 今回の依頼の肝は……木人と呼ばれるモンスターの排除である。
 そもそも木人とは覇竜に「生える」モンスターであり、多数集まって「木人道場」と呼ばれる群生地を形成し、修行をするというおかしな生態のモンスターだ。
 独自の武術を習得し「師範」レベルまで極めると旅に出る習性を持っているのだが……どうも今回現れた木人の集団、スキーの練習をしているようなのである。
 何故かは不明だ。不明だが……色が白樺の木のように白いので、冬用の木人なのかもしれない。
 何はともあれ雪上移動に適した能力を得たその木人……実はその場所、覇竜で冬場に雪遊びが行われる場所なのである。
 スキーなるスポーツの情報が輸入された時、冬になると雪がどっさり積もるこの岩山にスキー場が整備された……のだが。
 なんだかんだ危険なので奏音のような危険上等の弾丸娘みたいなのしか来ない場所になっていたのだ。
 しかし、スキーとは冬の風物詩の1つ。奏音はそれなりに気に入って使っていたのだが……いつの間にか冬になると木人が何処からともなくやってくるようになってしまったのだ。これでは遊ぶことなど出来やしない。
「というわけで、スキー場を取り戻さないと!」
「イレギュラーズ スキージャンプペア ラージヒル……そういうことですね」
「え、ごめん分かんない」
 ジャンプ競技はまだ覇竜には導入されていないらしい……!

GMコメント

はい、というわけでスキーです。
木人をやっつけてスキーしましょう。
道具はフリアノンで借りれますが、自分のを持ってる方は持ち込んでもいいです。
現場はなだらかな初級~中級者向けの雪の積もった岩山ですが、飛びたい人用にそれっぽい場所もあります。
迷子防止にしっかりと柵を立てているので、何処かに迷い込む心配はありません。
戦いとスキーのプレイングの割合ですが、スキー多めで大丈夫です。だって与太シナリオですから。

なお今回、奏音が同行しています。

●モンスター(木人は木で作った雑な人形みたいな外見です)
・木人×20
滑る時に足がスキー板みたいになります。パラレルターンが出来る程度には習熟してるっぽいです。
なおどういう技か、下から上に滑るのも自由自在です。
攻撃方法はスキーストックのような棒でエネルギー波を放つように攻撃する近距離~中距離の刺突「エネルギースタブ」です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 冬っていえばスキーだよねって話完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年01月24日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
ヴィリス(p3p009671)
黒靴のバレリーヌ
ユーフォニー(p3p010323)
誰かと手をつなぐための温度
ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)
指切りげんまん
レイン・レイン(p3p010586)
玉響
セシル・アーネット(p3p010940)
雪花の星剣
アルル(p3p010943)
夢の綿菓子

サポートNPC一覧(1人)

黒鉄・奏音(p3n000248)
鉄心竜

リプレイ

●木人をガッしよう
「うわぁー! スキー場! 久しぶりだー! こういう所に来ると何だか嬉しくなるね!」
 『夢の わた菓子』アルル(p3p010943)が本当に嬉しそうにそう叫ぶ。
「木人っていうのを倒さなきゃいけないんだっけ? うわぁーやられたーって倒れてくれるなら、いっぱい倒しちゃお! 私の歌を聞けーー!」
 残念ながら木人は喋らないし倒れ方に面白みもないが、アルルの歌声が響く。
「木人さんが悪いことをするなら、仕方ありません……!」
 『あたたかな欠片』ニル(p3p009185)のフルルーンブラスターが木人を破壊する。
(楽しく遊ぶ場所でっていうのが問題なのですよね。木人さんもスキーがしたいだけならマナーを守ってみんなで滑れたら、それが一番な気がします。場所を分けたり、時間を分けたり、何かできたらいいのですけど……)
 しかし、どうやら木人たちにはその気は一切ないようだ。
 そう、このスキー場を占拠している木人は縄張りを荒らす者としてニルたちを敵認定していた。
 当然、インストラクターなどしてくれるはずもない……木人だしね。
「ひゃ! ニルの方に向かって、上がってくるのです!?」
 ニルへと物理法則を無視して滑ってくる木人を『黒靴のバレリーヌ』ヴィリス(p3p009671)が蹴り飛ばす。
「木人? ガッと蹴り飛ばせば問題ないでしょう? スキーの前にいい準備運動になりそうだわ。身体を存分に温めましょう」
 暖める、と聞いて反応したのは『たくさん燃えた』ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)だ。
「クシュン! う〜寒い寒い……。白い雪原に色白の私というのは大変映えますし、きっと絵画のような組み合わせかと思いますが
尻尾あたりがもうヒエヒエのカチンコチンでございますよ……。こんなことなら竜覇Ⅱ(氷)にしておけば良かったです。まあ、せっかくなので私も「うぃんたーすぽーつ」を楽しむといたしましょう! とりあえず木人ですが……片っ端から燃やして暖を取ろうと思います。白樺の樹皮はよく燃えると聞いた事がありますし〜」
「ヴィルメイズは木人でキャンプファイヤーするの? ちょっと可哀想だけど、半分燃やして……もう半分はスキーのインストラクターさんに出来ないかなぁ? 私、ちょっと交渉してくる! 木人さーん! 私の話を聞いあー!」
 木人のエネルギースタブを受けたアルルが転がっていくが、『特異運命座標』セシル・アーネット(p3p010940)がソニックエッジを放ちながらフォローに入る。
「マーシー! すごいよ! この木とても勢い良くわれるよ!」
 そんなことを叫びながら、セシルはソリで滑る。
「雪の上なら任せてください! 僕はトナカイのマーシーとソリを持ってますから、どんな雪の上でもすいすいです! うーん! わくわくするなぁ! あ、えっと。このまま木人を先に倒さないといけないんだっけ?」
「その通りです。気負う必要はありません。木人は適当にガッとやりましょう。スキー場なら追突事故などは日常茶飯事ですしね。修行ならバックカントリーがお薦めですよ木人の皆さん」
 『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)の一撃が木人を破壊し、『玉響』レイン・レイン(p3p010586)が小さく呟く。
「陸のスポーツ……難しそう……スキーのやり方は本で少し読んできたけど……あの木人って言う生き物より、僕の方が確実に下手だと思う……」
「気にしてはいけません。彼等はプロですからね」
 寛治にそう励まされながら、レインは木人を見つめ攻撃する。
「あの木人……どうやって動いてるんだろう……関節……無さそうなのに……意外と柔らかいのかな……? 少し、触ってみたいかも……」
 初めて木人を見る反応としては、実に初々しい。そして『ドラネコ配達便の恩返し』ユーフォニー(p3p010323)は……こちらもまた、やる気満々だ。
「木人さんも冬バージョンですねっ。ふむふむ、今年はスキージャンプ……! やったことないですけど勢いと気合いで大体のことは何とかなるって、この一年で学びました! つまり楽しんだもの勝ちですね♪」
 そう気合を入れると、ユーフォニーは木人たちを見据える。
「奏音さん、木人さん、スキーで競争しましょう!」
「え、ボクも!?」
「勿論です! マリシャスユアハートで木人さんを引きつけつつ、自機動力付与……さあっ、行きますよ……!」
 これは戦いでもあり修行でもあるとユーフォニーは思っている。
 けれど、とにかく速く楽しく綺麗に滑るのが目標だ。
「パラレルターン? あまりわかりませんがたぶん勢いで何とかなりますよね!」
 ジャンプできそうな段差や雪溜まりがあれば迷わずジャンプ、アクロバットを使って回転と捻りを入れて着地。
 鍛え上げた身体と楽しむ精神、そして何より突っ込むことを躊躇わない度胸のなせる技だ。
「風を切る感覚って楽しいですね……! 目指せこのまま一着です!」
 願いの弓を構え彩波揺籃の万華鏡を発動すれば、木人たちが消し飛んでいくのが見える。
「わー……ちょっと会わないうちに、じーちゃんに似てきたかなー……」
 そんな奏音の台詞は誉め言葉だろう、たぶん。きっと。メイビー。

●さあ、滑ろう!
「では、木人もいなくなった所で、ゲレンデ貸し切りといきましょうか」
 そんな寛治の宣言に全員が歓声をあげる。
 すでに温まっている者もいるが、むしろ此処からが本番なのだ。
「フフフ、美しい私にはスキーよりもっと相応しいものがあるのですよ、デデーン」
 ヴィルメイズもスノーボードを取り出すと、早速滑る準備を開始していた。
「異国の方に聞いた「はーふぱいぷ」をやってみたかったのですが、さすがにそんな場所は無さそうですので、その辺り普通に滑っておきましょうかね〜」
 そんな楽しげな声も響く中、寛治はソレを見つけていた。
「と、ちょうどいい所にジャンブ台の代わりになりそうな崖がありますね」
 寛治が見据えるのは、丁度ジャンプ競技に使えそうな場所だ。
 ジャンプ競技は非常に繊細なものだが、寛治の見る限りしっかりとその条件に合っている。
「奏音さん、実はスキーには飛距離や飛型の美しさを競う、ジャンプ競技というものがあるのですよ」
「へえ、飛ぶの?」
「ええ、飛びます。細かい規定がありますが、此処ではそういうのは省きましょう」
 単純に飛ぶだけなら、細かいルールは無用というものだ。
「よく知られているのはジャンパーが一人で飛ぶ競技ですが、前後に並んだ二人が同じ板で飛ぶ「スキージャンプ・ペア」という競技もあるのだとか。私もやったことはありませんが、何事も経験です」
 そう、それこそが今回の寛治の目標。だからこそ、目をつけたのはヴィリスだ。
「というわけでヴィリスさん。私とペアを組んでいただけませんか?貴女はこのシャンツェでもプリマになれる。私はそのお手伝いがしたいのです」
「ええ、いいわよ。とは言ったもののスキーって私初めてなのよね。スケートならこの剣靴もあるしできると思うのだけれど……まぁそんなに変わらないでしょう! 新田さんもヘルプしてくれるなら……やればできるわ!」
「お任せください」
 それで、決まり。ヴィリスは早速準備を始めていく。
「2人とも頑張れー!」
 アルルの声援が響く中、ヴィリスは寛治と打ち合わせを進めていく。
(新田さんが言うにはスキーにもジャンプがあるらしいし私の腕の見せ所ね! 飛ぶのは脚だけれど。ペアになって板に乗るって話だったけど。私はリフトされる方だから前かしら? なんかいい感じに板と剣靴は固定しましょう。最悪板にぶっ刺すわ)
 そんなことを考えていたヴィリスではあるが、そこは流石に寛治。すでに手配済である。
「では参りましょう。自分はバックジャンパーで、ヴィリスさんはフロントジャンパー。繰り出す技は「プリマドンナ」。ご覧あれ!」
 そうして始まった2人のジャンプは覇竜では初であるし、練達のテレビでも中々見られないようなものだった。
 注目を集めてからのアクロバットとステージ技術でジャンプの飛距離と飛型点を高めていくのも忘れない。
 テイクオフ後、最も高い位置でフロントジャンパーをバックジャンパーが持ち上げる。
 さながらアイスダンスにおいて、男性が片手で女性を高々と持ち上げるリフトのように。
(私もこのまま空中で姿勢維持!)
 ヴィリスの脚は高く、微動だにせずアラベスクのポーズ。上に投げられればそのまま身体を捻り回って魅せるつもりだ。
 やっぱり回らないと物足りないわよね、と言わんばかりに。
 そしてそれは寛治も承知していた。
(フロントジャンパーが板から離れる分、バックジャンパーが板をV字に開いた体勢を維持する事が肝要。そう、今の私は白鳥の水かき。水面の下で必死にプリマを支える役割なのです)
 ただリフトするだけでなく、テレマーク直前に一度ヴィリスを上に投げ、その華麗なターンをきめたヴィリスの着地と同時にキャッチが綺麗にきまる。
 そうしてテレマークを決めたら寛治がヴィリスの背を押して加速させ、その華麗なる滑走を余韻として観客たちに印象付けていく。
 これは寛治のアシストだけではなく、ヴィリスの度胸や元々の技あってのものでもある。
 足場がなくとも寄りかかるものがなくとも自らの身体を十全にコントロールできてこそのプリマドンナよ! ジャンプは新田さんに任せておけば問題ないわ。ペアに大事な物は信頼。私の支えは全て委ねましょう……とはヴィリスの言葉だが、それを見事に達成したと言えるだろう。
 最後は押された勢いのままに滑りながら、ヴィリスはカーテシーをする。
 いつでも最後は礼で終わらないといけない……それがヴィリスの矜持だ。仲間たちの拍手を受けながら、ヴィリスは最高の演技を出来たと確信する。
「これは最高得点をもらったわ!」
「完璧に決まったと思うのですが……よく考えたらジャンプ競技って、審査員がいないと成立しませんよね」
「え?いないの? 審査員。うそでしょ……」
「ボクは凄く良かったと思うよ!」
「ええ、ありがと」
 奏音に花マルだね! と言われてヴィリスは笑みを浮かべて、寛治がうんうんと頷く。
「良いのです。競技として点数が記録されなくとも、記憶に残るなら」
「魅せるだけっていうのも悪くはないのだけれどやっぱり数字も気になるのよね……でも皆の拍手があるからオッケーにしておきましょう。ふふ、雪上でも私は変わらずにプリマドンナを名乗ってみせるわ。どう? 綺麗だったかしら?」
 それは、仲間たちの満面の笑顔が語っていただろう。
「今のアクロバティックに高く飛んだ演技は……!」
 そして、ヴィルメイズも拍手をしながらも寛治とヴィリスの素晴らしいコンビネーションに驚愕していた。
「グググ、確かに素晴らしかった! それは疑いようもありません! けど、なんだか少し悔しくなってきました……この美の化身たる私が戦わずして負けるなんて、許されません! いざ尋常に勝負っ……!!」
 そうしてヴィルメイズも飛び始める。
「運動神経良さげな非戦(アクロバット)もございますので美しく華麗に決めてみせますよっ!」
 その執念は素晴らしいものだ。美もスポーツも執念。きっと納得いく領域に辿り着くはずだ。
「確かに今のは素晴らしかったです!」
 ユーフォニーも、改めてガッツが注入されたようだった。
「登ると結構高くて少し怖いかもです……傾斜もなかなか急で…さすがに失敗したら無事では済まなさそうなので、新田さんやヴィリスさんのジャンプを先に見せてもらいましたけど。見た感じのコツは……ふむふむ……なるほどです」
 ヴィルメイズが飛ぶのも参考にしながら、ユーフォニーはイメージしていく。
「……たぶん、きっと絶対跳べます! 思い切りが大事、でも楽しんで。せーのっ……ジャーーーンプ!!!」
 スパーン、とユーフォニーが発射されて。ぼすっと新雪に無事に埋まった横で、レインもスキーの練習をしていた。
 そう、レインの今日の目標は滑れるようになることだ。
「本で読んだ体の形をイメージして……最初は、少しの斜面の所から……」
 まず、登るのが大変ではある。練達のスキー場と違ってリフトなどないのだから当然ではあるのだが。
「少し上がっても、気を抜くとズルズル後ろに下がって行っちゃう……僕はもうダメだ……心折れそう……」
「頑張ってください、レインさん!」
「がんばる……」
 ずぼっと復活したユーフォニーの応援を受けながらも、レインはスキー板とストックを使い登っていく。
 少し自分を奮い立たせて、目的の所まで辿り着けたら、今度は横向きに体勢を変えて。
「……って……もうここで動けない……ぐぐぐ……僕……力……そんなにない、のに……」
 これは別にレインが軟弱というわけではなく雪山の厳しさとも言えるのだが。
「でも、陸のスポーツ……少しでも出来るようになりたい……あまり力を入れなくても、動けたりするのかな……?」
 皆がスキーを楽しんでる姿も参考にしてみようと周囲をレインは見回す。
 寛治やヴィリスは上手すぎるしヴィルメイズはスノボだが、ユーフォニーの動きは参考になりそうだった。
「今日は、皆が僕の師匠……」
 ぐっと集中して、レインは下を見る。
「ここまで来たら、後は下るだけ……なんだけど……最初は真っ直ぐがいいのかな……」
「その調子です!」
 ユーフォニーやニルに応援されながら、取り敢えずレインは、真っ直ぐ行ってみる。
「結構スピード出て……怖い……でも、滑れた……」
 まだまだ初心者ではあるが、成長している。
 なんだかニルが優しい顔をユーフォニーに向けて……安心しているような顔だが、それは何故だろうと思いながらもレインは自信をつけた。
 そしてセシルは、ソリで遊んでいた。
「セシルはソリかぁー!」
「スキーって普段の目の高さだから楽しいんですけどソリって、目線がしただから物凄い勢いで加速するしマーシーのおしりで前が見えないしけっこうスリルがあるんだよー。でも僕とマーシーは一心同体だから安心して任せられるよ」
 アルルと話しながらも、トナカイのマーシーはセシルをジャンプ台へと連れていく。
「あ、ちょっとマーシーそっちはジャンプ台だよお!? って、わわ! マーシー! お前飛べるようになったのぉ!?」
 ジャンプ台に飛び込み飛行するマーシーとセシルは、そのまま着地するが、セシルは興奮しっぱなしだ。
「マーシーいつの間にか飛べるようになってた、すごい! 空飛ぶトナカイなんてまるでサンタさんみたいだ!」
 そんな中、ニルもスキーを楽しんでいた。
「はわわ、スキーってこんな感じでいいのでしょうか。むしろ上手に滑っていく木人さんに教えてもらいたいくらいなのです……みなさまスイスイ滑るのですね。あ、ジャンプまで! とってもとってもかっこいいのです!!」
 言いながらもニルも中々に器用だが、そんなニルにセシルとアルルを乗せたソリが近づいてくる。
「大丈夫ですか? 疲れちゃったなら僕たちと一緒にソリで滑りましょー!」
「セシル様とマーシー様! ソリ、ニルも乗っていいのですか?」
「最初は怖いかもしれませんけど、大丈夫です! 掴まっててくださいね、行きますよー!」
 そうして3人を乗せたソリは、勢いよく進んで……そして、飛行する。
「はわ! ぐんぐん進んでいくのです。振り落とされないようにしっかり捕まって……ひゃ! すごい! お空、飛んじゃうのです? サンタさんみたいなのです!!」
「あはは! 久しぶりに乗ると凄く楽しいねぇ! まだ楽しい気持ちが続いてる。こういうのって魔法みたい」
 ニルもアルルも楽しそうに笑い、その光景を他の面々が下から見上げていた。
 キラキラ楽しい、冬のスポーツ。けれどアイデア次第で夢いっぱい。それを証明するような……そんな、光景だった。

成否

成功

MVP

新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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