PandoraPartyProject

シナリオ詳細

巨大クラゲ襲来!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●海洋のクラゲの季節?
 ネオ・フロンティア海洋王国(通称:海洋)は大陸東の諸島に拠点を構え、絶望の青と隣接する国家。
 この国で突出すべきは、他国にはない航海技術。
 海では現在、近海では漁業が行われ、行商人があちらこちらの島へと荷物を運搬している。
 また、遠方には新たな遠洋彼方を目指し、冒険者航海団が頻繁に海へと出ている。
 ――海には、まだまだ可能性がある。
 海洋の人々はそんな考えを抱き、船を出す。
 だが、海には様々な障害がある。
 例えば、海でやりたい放題に振る舞う海賊達。
 自分達の思うままに海を行く船を略奪する彼らは、海洋の国家にも目をつけられており、取り締まり、あるいは討伐の対象ともなっている。
 そして、海にはモンスターも出現する。
 この無辜なる混沌で自然発生したものなのか、はたまた、この地へと呼び出された存在なのかは分からぬが、人に害なす存在であれば、見過ごすわけにもいかない。
 海洋の人々は、現状各地へと人材を派遣して事件を解決しているというローレット、イレギュラーズ達に目をつけ、モンスターの討伐を依頼するのである。

 ローレット内では、にこやかな顔で『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)がイレギュラーズの来訪を待っていた。
「皆さん、お疲れ様なのです!」
 あちらこちらへと情報を求めて動き回っているユリーカの方がお疲れなのではと思えなくもないが、それを感じさせぬ彼女の気遣いは非常に微笑ましい物がある。
 もっとも、その依頼内容は全くもって微笑ましくはないのだが……。
 今回は、海洋からの依頼。
 依頼者は国からだと思われるが、民間を通しての依頼らしい。
「海洋の沖に、大きなクラゲが現れたのです」
 海に浮かぶ全長5mほどもある巨大クラゲはなんでも、近くを通りかかる船舶を嫌がっているらしく、片っ端から触手を振るったり、電気ショックを浴びせたりしてくるのだとか。
 波に乗って気ままに動くクラゲのこと、どこにいるかもわからぬクラゲにはどうしても対処が遅れ、船を攻撃されてしまうと船長や乗組員も頭を痛めているらしい。
「その討伐をお願いしたいのですが、そのまま海で……船の上から戦うことになると思うのです」
 相手のスキルは、基本的に中距離。
 全く近づかないということもないが、船の上からなら近接攻撃でもギリギリ、至近距離はまず届かないと見てよい。
 ギリギリで近づく為に飛行、水中行動を行いつつの戦いも悪くはないが、敵は船を優先して狙う可能性が高い。
「うまく敵の気を引かねば、この討伐の為に用意してくれた船を破壊されて依頼主からの評価が悪くなってしまうのですよ」
 できるなら船を護りつつ、巨大クラゲも討伐してしまいたい。
 状況は以上とのこと。
 参加を決めたイレギュラーズ達が出発の準備を整えると、ユリーカが小さく手を振って。
「皆さんの健闘をお祈りしているのです」
 にこやかに笑う彼女に見送られ、イレギュラーズ達は海洋に向かって発つのだった。

GMコメント


イレギュラーズの皆様、こんにちは。
GMのなちゅいと申します。

●目的
巨大クラゲの討伐。

●敵……巨大クラゲ×1体
全長5mほどある巨大クラゲです。
非常に柔らかい体を持ち、
体に生えている触手はかなり遠くまで伸びるようです。
どうやら、海を往来する船を目の敵にし、沈没させようと襲ってくるようです。

以下のスキルを使用します。
・触手突き……物中貫・ブレイク
・電気ショック……神中範・痺れ
・触手締め付け……物中扇・乱れ

●状況
 海洋の港で乗組員数名と共に、依頼主の抑えた船で巨大クラゲに接近し、基本的には船上でそのまま戦うことになります。
 船のダメージ蓄積はクラゲの攻撃によって増えていきます。
 半壊程度なら問題ありませんが、100%になると船が沈没し、巨大クラゲを討伐しても評価が大きく下がります。

 戦闘では、船上からだと至近距離攻撃が届かない場合があります。
 また、戦闘の間、巨大クラゲは皆様が乗船する船にもダメージを与えてきます。
 飛行、水中行動のスキルは有効ですが、敵は基本的に船を優先して狙うこともお忘れなきよう願います。

●情報確度
 A。想定外の事態(オープニングとこの補足情報に記されていない事)は絶対に起きません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • 巨大クラゲ襲来!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年09月11日 21時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
焔宮 鳴(p3p000246)
救世の炎
ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
Lumière Stellaire
マナ・ニール(p3p000350)
まほろばは隣に
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
ティスル ティル(p3p006151)
銀すずめ
パーシャ・トラフキン(p3p006384)
召剣士

リプレイ

●巨大な敵影を目の当たりにして
 海洋の港を訪れたイレギュラーズ一行。
 彼らがここにやってきた目的は……。
「今回は、大きなクラゲを討伐しに参ります……」
 ふんわりとした印象を抱かせる小柄な少女、『まほろばを求めて』マナ・ニール(p3p000350)が小さく告げる。
「この大きな海に、クラゲさんはいるんですね」
 それを受けて、下ろした青い長髪を二つ結びにした『召剣士』パーシャ・トラフキン(p3p006384)は両手をグーにして。
「私、頑張ります!」
 初めての乗船と、クラゲ討伐に意気込みをみせるパーシャだ。
「クラゲってのは、のんびり海を漂うのが好きな連中だからなぁ」
 大人の渋さを漂わせる海種、『本心は水の底』十夜 縁(p3p000099)が今回の相手についてそう語る。
 おそらく、船舶によって余計な波や音を立てられるのを嫌がっているのだろうと縁は考えていた。
「だが、海洋で問題を起こされちゃ、おっさんとしても困るのさ」
 縁には彼なりに思う事があって、この巨大クラゲ討伐に参加したのだろう。
 意気込みを見せるメンバーのそばでは、『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)が今回の船の乗組員達と交流をはかり、今日の海の高さや船の速度について尋ねていく。
 さらに、乗組員達に武勇伝を語ってもらうことで、彼らのテンションを高めたイーリンはウインクしてこう問いかける。
「クラゲ釣りよ、スマートにいきましょう。それとも、できない?」
「司書さんの頼みとあらば、やらねぇわけにはいかねぇなぁ!!」
 焚き付けられていると理解しながらも、乗組員達もまた大声で気合を入れるのだった。

 出港した船は沖へと進み、程なく乗船したメンバーはそれを垣間見ることとなる。
「っ、大きい……」
「明らかに大きくなりすぎている……なんで?」
 敵の出現の知らせを受け、甲板前方遠くに見えたそれにパーシャは唖然としてしまう。
 帆立貝のディープシーである『蒼海守護』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)も、自分の認識とは大きく異なるそのクラゲに戸惑いを隠せない。
「そろそろクラゲも出る時期だよね、とは思ったけども。……いくらなんでも大き過ぎない?」
「うん。さっさと倒さないとマズイやつだよね、あれ」
 半透明なクラゲは全長5mほどもあり、小型船ならあっさり沈めることが出来そうだ。紫の長い髪と翼を持つ『たとえ街なか空のなか』ティスル ティル(p3p006151)も、その存在の脅威を目視で実感する。
「クラゲって、こんなに大きくなるの……?」
 徐々に近づいてくる巨大クラゲに、イーリンも目を丸くしてしまう。
 まだかなり距離が開いていても、海面から大きく突き出した傘や、人間を軽々と締め上げられるほどに太い触手が確認できること自体異様だ。
「とっても大きいクラゲさんなの! 凄いの!」
 ふわふわもふもふな黄金色の耳と尻尾を持つ狐の獣種の少女、『緋焔纏う幼狐』焔宮 鳴(p3p000246)は大はしゃぎするが、乗組員が船を護るべく動いているのを見ればそういうわけにもいかずに。
「でも、クラゲさんに船を攻撃されるのは、皆が困っちゃうのー」
(このままじゃいけない。わたしが海を守るんだ)
 声を荒げる鳴に、ココロは強く前方の巨大クラゲ討伐を誓う。
「ちょっと触ってみたいかも……っと、気を引き締めましょうか――やるわよ」
 イーリンがやや本音を漏らしかけながらも仲間達へと一言告げると、皆臨戦態勢へと入って。
「ローレットのお仕事として、鳴達がやっつけちゃうの!」
「が、頑張り……ます……」
 マナリアクターコアを手にした鳴は、周囲の魔力を集めて術式を展開しようと動く。マナも魔力の水瓶アクアリウスを持ち、大きく息を吸い込む。
 巨大クラゲは明らかにこの船に気付き、近づいて来ている。
「縄張りを荒らされる事に、怒る気持ちはわかるのだが……」
 厳つい筋骨隆々な中年男性、『辻ヒーラー』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)もそれを察して。
「だからと言って、船が沈没させられるのを黙って見ているわけにはいかんな」
 魔力を湛えた指輪「蒼穹」、「蒼月」に魔力を集中させつつ、ゲオルグは前方のクラゲへと言い放つ。
 一方で迫る巨大クラゲに恐怖を覚え、手を震わせるパーシャだったが。
 ――けど、誰かの助けになるのなら。私は、私の為すべきことを。
 意を決し、彼女は手にした杖を振る。
「お願い──召剣、ウルサ・マヨル!」
 自身の周りに双剣を呼び出したパーシャは、仲間と共に巨大クラゲの討伐を開始するのだった。

●巨大クラゲ討伐作戦開始
 イレギュラーズ達の乗る船に近づいてくる巨大クラゲ。
「始まるよ……、司書さん」
 照準にまで近づいたのを確認し、ココロは司書……イーリンへと一言告げ、召喚した浄化の鎧を彼女に纏わせてから、海へと飛び込んでいく。
 半数余りのメンバーは船上に留まって戦う形だが、飛行種のティスルは翼を羽ばたかせて低空飛行していた。
「そういえば……、私、海の上で戦うの初めてだっけか」
 高く飛びすぎないよう注意し、ティスルは仲間の作戦を見守ることになる。
 同じく、縁もまた相手の出方を含め、戦況をじっと見ていた。
(……できれば、おっさんが水に入らねぇといけなくなる前に片付いてくれると有難いんだがねぇ)
 戦略眼を使って巨大クラゲを観察しながら、彼は密かに願う。
 さて、イーリン主導で当たる今回の作戦方針。
 まずは、敵が近づいてくるまでの間に、ひたすら遠距離攻撃で相手の体力を削る。
 イーリンは巨大クラゲが自身のスキルの射程に入ったことを確認し、虹色の軌跡を残す小さなリリカルスターを飛ばして相手へと叩きつけて行く。
「クラゲさんにも、思うことはあるのかもしれないけど」
 触手を広げて近づいてくる巨大クラゲを、鳴は捕捉して。
「ヒトの近くに寄ってきちゃって迷惑をかけちゃうなら、対処するしか無いのっ……」
 集中した彼女はクラゲの周囲に不吉なささやきを響かせ、相手を惑わせる。
 パーシャも遠くの敵目掛け、双剣を操りながら「カースド・シューター」で相手を撃ち抜く。
「私達の都合で悪いが、討伐させてもらうとしよう」
 素早く迫ってくるクラゲへ、ゲオルグも船の端に位置して蒼白く輝く光の花弁を魔力によって生み出す。
 それらはクラゲへと迫り、鋭い刃となって主に触手を切り裂いていく。
 注意を引き付けられないかと考えたゲオルグだが、自分達が船の上から放つ以上、よほどの攻撃でなければ敵は個別でメンバーを狙わず、船全体を目の敵としてしまうようだ。
 状況的に攻撃が難しいマナはヒーラーとして、回復に専念する。
 序盤は仲間もほとんど傷ついていないこともあり、マナは声援を送ることで仲間の気力、魔力といった行動力の回復へと当たっていた。
「悪いけど、壊れてもらうから」
 海で泳いで移動するココロは仲間が船から落とされていないかと確認し、落ちてしまったメンバーを助ける役割を担う。
 現状大丈夫と判断すれば、彼女は近づくクラゲに応戦し、無数の見えない糸を放ってクラゲの体を傷つけていく。
 ただ、その距離は敵が最も攻撃を得意とする間合い。
 巨大クラゲも広範囲に電気ショックを発し、ココロに痺れを与えようとする。
 痺れたからといって、すぐに溺れるわけではない。
 できるならうまく相手の気を引きつつ、自分に攻撃を引き付けたいとココロは考えていた。
 さて、敵の接近を見て、イーリンは再度リリカルスターで相手の気を引こうとする。
 巨大クラゲが彼女に強く注意を払ったなら、本格的な作戦の開始だ。
「速力と相対距離を維持! さあワルツの時間よ!」
 後は船とクラゲの距離を一定に保ちながら、全力で攻撃を繰り返すだけ。
 イーリンが引き付け、船が逃げ、クラゲが船を追う。なるほど、1、2、3のワルツのようにも思える。
 彼女にこの作戦を頼まれた乗組員達も言葉を交わしながら、イレギュラーズ達が程よく攻撃できるようにと位置を調整してくれていた。

 作戦は順調に動き始めた……ように見えた。
 ただ、巨大クラゲも思い通りにはならぬと言わんばかりに、ここから底力を見せ付けるのである。

●追いかけっこしながら狙い撃ち!
 うまく巨大クラゲを引き付けていると感じた、海を僅かに浮遊するように翼を羽ばたかせるティスル。
「何か、手伝えることないかな?」
 援護の為にと彼女は激しく肉薄し、狂熱的なダンスで相手の運命をも変えてしまおうとする。
 巨大クラゲは初撃こそイーリンに気を取られていたが、かなり抵抗力も高いらしい。
 我に返った後は本格的に船の攻撃をと、長く触手を伸ばして船を締め付けてくる。
 気合を入れて攻撃を続けていた鳴だったが、そのタイミングで船から振り下ろされてしまう。
「がぼぉ!?」
 空を飛ぶティスルもまた巻き込まれ、海へと転落してしまっていた。パーシャが双剣を助けに向かわせるが、うまく捕ませることは難しい。
 作戦として、仲間の回収については、細かく定めてはいない。
 ココロが急いで仲間の助けに当たろうと動いていたが、敵は船と纏めて電気ショックを発してイレギュラーズ達の体を焼き払おうとしてくる。
 これにはマナも取り急ぎ治癒の為にと、ハイ・ヒールを使って治癒に当たっていく。
 ゲオルグも仲間が痺れや態勢の崩れを感じて癒しの光を発して仲間を包み、正常な状態に戻そうと動いていた。
 危険を感じたパーシャは青い衝撃波を双剣から発し、巨大クラゲの体を突き飛ばそうとするが、なにせ抵抗力も高い相手。
 どっしりと安定したクラゲの大きな体は、なかなか動いてはくれない。
 これには、静観していた縁も黙ってはおれず。
「正直気は進まねぇが……仕方ねぇ、腹括るとするかね」
 旗色が悪くなってきたことを察した縁は止む無く、海へと飛び込む。
 彼は敵の触手に触れぬよう気をつけながら、クラゲの傘を目指して泳いでいくのである。

●追いかけっこの末に
 序盤こそうまくイーリンの作戦は展開していたが、中盤はクラゲの独壇場といった形で戦いが展開する。
 船を狙う敵は乗船するメンバーも纏めて触手で締め付け、電気ショックを浴びせかけてきていた。
 ココロによって海から助け出されていた鳴だったが、更なるクラゲの触手攻撃によって気を失いかけてしまう。
 それでも、鳴は自らの運命に抗ってみせて。
「倒すまで全力全開、いっぱい頑張るのー!」
 彼女は気合で奮戦し、気力が続く限り術式を発動させていた。
 敵に接近して攻撃していたティスルも巻き込まれてしまい、2度ほど海へと落下してしまう。
 心配したココロが近づいて助け出すと、ティスルは自らの運命を変えて気を強く持っていたようだ。
「なはは、迷惑かけちゃったね。……ごめん」
 彼女は水を振り払いつつ、再度飛び上がって攻撃を再開していたようだ。
 依然厳しい状況は続くが、乗組員達もうまく被害を避けようとイーリンの指示で距離を保とうと動いてくれている。
 イーリンの指示がなければ、船はさらに被害が大きくなって沈没していたかもしれないとマナは考える。
 彼女が甲板にふと視線を移せば、船への損壊には乗組員達が当たってくれている。
「皆様が最高の火力を出し続けられるよう、私も全力でサポートに……」
 ならばとマナは仲間達の回復に専念し、練達の治癒魔術を使って仲間の体力を大幅な回復へと当たっていく。
 船から落ちるメンバーもいる中、なんとか落下せずに済んでいたゲオルグ。
 体力回復はマナに任せ、ゲオルグは触手が及ぼす不浄を治すことに重点を置いて仲間が万全に戦えるようにと癒しの光を放ち続ける。
 そんな中、危険を顧みずに敵の体の上に乗っていた縁。
 触手での攻撃が全くこないというわけでもないので安全ではないが、それでも彼は傘の上から拳の一撃を叩き込み、相手の体に衝撃波を打ち込む。
 相手がうまく怯んでくれたなら、後はイーリンがうまくやってくれる。
 再度、リリカルスターを叩きつけられた巨大クラゲは、明らかに彼女を狙って直接触手で叩こうと近づいてくる。
 そのタイミング、イーリンは海へと落下してしまったが、後はまた追いかけっこと遠距離攻撃攻めの再開だ。
「見えた――あそこを狙って!」
 イーリンが指し示すは、傘と触手のつなぎ目。
 そこを攻撃すれば相手の速力はもちろんのこと、触手の動きも鈍るし、傘の動きも推進力に変えづらくなるはずだ。
 パーシャは近づいた巨大クラゲに触手攻撃を受けてしまうイーリンを見て、体力維持の為にと緑の柔らかな輝きで癒しへと当たっていく。
「すぐに正気に戻ってしまうはず。その前に……」
 船の乗組員達は急いで、距離を取ろうとしてくれている。
 その間に、仲間が海へと落下していないことを確認したココロは敵の真横へと位置し、見えない糸でイーリンが告げた相手の体中央部分を切り刻む。
 ゲオルグも回復の合間を見て、術式で光の花弁を発動させ、同じく触手の根元を狙って切り裂いていた。
 マナは攻撃する仲間達の健闘を、回復に回りながらただ祈り続ける。
 特に、危険な場所にいるティスルや縁。
 ただ、敵がイーリンに気を取られている間は彼らも比較的安心して攻撃に臨むことができる。
 ティスルはビートを刻むように加速し、蹴撃を叩き込んでいく。
 2度も海に落下していた彼女だが、それでも敵の周囲を飛び回りがてら、効果的な場所から蹴り込んで巨大クラゲを弱らせていた。
 そして、傘の上に乗っていた縁も敵から振り落とされぬよう気をつけながら、憎悪の爪牙を持って巨大クラゲを圧倒し、相手の傘ごとその巨躯を蹂躙していく。
「恨むんなら、ここに流れ着いちまった自分の運の悪さを恨んでくれや」
 触手に苛まれかけていたイーリンは、敵の触手の動きが止まったことに気付く。
 縁の攻撃がトドメとなり、海に沈み始めた巨大クラゲ。
 海へと着水する形となったイーリンは、ココロに助け出されて。
「無理は承知だけど、流石にきついわ」
 作戦の成功も実感する彼女だったが、それでも苦笑いせずにいられなかったのだった。

●海に沈んだクラゲに祈りを
 船の被害は軽微なもの。全く被害がなかったわけではなかったが、乗組員達の力で補修が可能なレベルで、航行には全く支障ないとのことだ。
 イレギュラーズ達は皆、船上に戻り、海に浸かった者には乗組員達がバスタオルを差し出してくれた。
「皆さん、お疲れさまでした。ウルサ・マヨル。今回もありがとう」
 仲間を気遣うパーシャは浮遊する双剣にも声をかけると、2本の剣はその声に応じてふっと風に溶けて消えていく。
 傍では、マナが沈んだクラゲを見下ろして。
「クラゲさん……ごめんなさい……」
 マナの様子に共感したパーシャもクラゲが可哀想だと感じるものの、これでよかったのだと割り切りも見せる。
「でもこれで、誰かの笑顔が守れるなら」
「海の底でゆっくり眠れ。……今度は誰も邪魔しねぇからよ」
 パーシャの言葉に応じ、船上に戻った縁も運のなかったクラゲを憐れんで、鎮魂の言葉を捧げていた。
 ギフトによって、ふわふわ羊のジークを呼び出していたゲオルグも一頻りもふもふして癒された後、海面を見つめる。
「何だかんだ私達の都合で、命を奪った事に変わりはないのだからな」
 ――どうか安らかに眠れますように。
 ゲオルグもまた、仲間と共にクラゲの冥福を祈るのだった。

成否

成功

MVP

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女

状態異常

焔宮 鳴(p3p000246)[重傷]
救世の炎

あとがき

なちゅいです。巨大クラゲ討伐お疲れ様でした。
作戦の舵取り、実行にと
忙しなく動いていただいた貴方にMVPを。

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