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シナリオ詳細

<咬首六天>天空温泉アーカーシュの湯

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●温浴施設に潜むもの
 天空の島アーカーシュ。
 未だその全てを解明しきったわけではないその巨大な浮遊島には、1つの建物がある。
 神殿じみた威容を誇るソレは間違いなく未発見の建物の1つだろう。
 しかし、それはどうやら神殿ではないようだ。
 一歩中に入れば広いロビーのような場所。カウンターや長い時の果てに朽ちた棚、そして食堂らしき場所もある。
 何かの娯楽施設、なのだろうか?
 更に奥に向かえばそこには広い……しかし水の張っていない湯舟があることが分かる。
 この場所がかつて温浴施設であったことは、そういった知識がある者であればすぐに理解できるだろう。
 かつては古代人たちが、此処にたくさん通っていたのだろう。
 しかし、今はどうやら招かれざる客がこの場所を占拠しているようであった。
 そう、それはゴーレムのような何か。
 ゆっくりと、ゆっくりと建物の中を巡回するように歩く、天衝種の姿。
 奴等がいる限り、この場所が再起動することはないだろう……!

●人工温泉という贅沢
「サウナがあるなら温泉もあるじゃない? というわけで探してみたんじゃが……どうやらあるようなんじゃよなあ、温泉!」
 『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)は集まった面々の前で地図を広げる。
 アーカーシュのおよそ西方にあるその神殿のような施設は、どうやら古代の温浴施設であったらしい。
 そう、温泉である。
 ……だが、此処で敏いものは1つの疑問に行き当たるだろう。
 そもそも温泉とは、地中から湧き出るものだが……アーカーシュが如何に大きいと言えど、温泉などあるものだろうか?
 その疑問は正しい。しかし、源泉がなくとも温泉を用意することは出来る。
「その温泉はな……どうやら人工温泉のようなんじゃ」
 人工温泉。つまり天然ではない、人の手の加わった温泉である。
 ならば天然温泉より格が落ちるかといえば、そうではない。
 人工温泉の作り方は色々あるが、その中でも一番面白いのが薬効のある石を使った温泉である。
 様々な石を使用し、その石の持つ薬効をお湯に与え温泉としての性能を与えるものだ。
 このシステムは、比較的イレギュラーズにも受け入れやすいものだろう。
 そして、このアーカーシュの人工温泉に使用されているものは……どうやら「ケイローム」と呼ばれる天然石であるようだ。
 大理石のように白くツルリとした巨大なケイローム石を磨き上げた浴槽には腰痛、神経痛、肩こり、冷え性、リウマチ、疲労回復、美肌といった効能があり、それがお湯を張ることで温泉としての効能になるのである。
 男湯、女湯でそれぞれケイローム石を使った大きな湯舟があるが、ケイローム自体が珍しい石なので、これほど立派な石は地上では見つからないだろう。
 ならば是非入ってみたいところだが……どうやらこの施設、今現在天衝種に占拠されているようなのだ。
 これを倒さねば、温浴施設は再稼働できない。ならば、さっさと行って倒すしかない……!

GMコメント

天空温泉アーカーシュの湯。
素敵な人工温泉ですが、天衝種を倒して再稼働させましょう!
壊れたゴーレムが施設内部に放置されているので、修理すれば精霊たちも事件が解決したと気付き戻ってくるでしょう。
そうしたら温泉を楽しめます!
今回は温泉のほうを主体にプレイングをかけても大丈夫です。
なお、何らかの事情によりどちらにも入れない方には家族風呂もございます。

●出てくる敵
・マッドゴーレム×4
天衝種「マッドアーマー」がほぼ完璧にゴーレムの機能を模したもの。
とはいえ戦闘用ゴーレムを模したわけではないので、格闘攻撃と広範囲への電撃が武装です。
ただし、模したゴーレムよりもマッドアーマーが元である分強くなっています。

●特殊ドロップ『闘争信望』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
 闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
 https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <咬首六天>天空温泉アーカーシュの湯完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年01月06日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
優しい白子猫
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
ニャンタル・ポルタ(p3p010190)
ナチュラルボーン食いしん坊!
綾辻・愛奈(p3p010320)
綺羅星の守護者
雑賀 千代(p3p010694)
立派な姫騎士

リプレイ

●温泉に行こう
「神殿みたいな立派な建物……こんなところに温泉があるのですね。ニルは豊穣や再現性東京の温泉しか行ったことがないですがケイローム石……すごい石なのですね。天空温泉アーカーシュの湯……ふふ、みんなでわいわい浸かりたい感じのする名前なのです」
「大きな温泉、しかも温泉だけじゃなくて食事をするところまであるなんてすごいね! 使ってる石材でお湯に薬効がついてそうなのも面白いね。浮遊島なアーカーシュならではの工夫って感じなのかな。それを実感するためにも、天衝種を倒して施設を取り戻さないとね!」
 『陽だまりに佇んで』ニル(p3p009185)と『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)が、楽しそうに言い合う。
 天空温泉アーカーシュの湯。いわゆる人工温泉ではあるが、似たような技術は練達でも見ることが出来る。
 今ニルが言ったように再現性東京でも薬効のある石を使った温泉は存在している。
 しかしそうした手法自体は何処にあってもおかしくはない……つまり、そういうことだろう。
 そして、それを中心に活かすような造りにしたということなのだろう。建物全体が頑丈な石で作られ、まるで神殿のような建物になっている。しかしよく見れば神殿などではなく、大衆向けの温浴施設であることは見て取れる。
「ここの温泉はご丁寧にも性別不明にも優しい仕様らしいな。ありがたいことだ。となればゴーレム相手にウダウダしてる訳にはいかないだろう。さっさと処理してその温泉の効能とやらの恩恵を受けるとするかね」
 『隠者』回言 世界(p3p007315)の言う通り、此処には家族風呂……いわゆる貸切風呂の類もある。なんらかの事情で個人で入りたい者にも優しい仕様だ。
「アーカーシュの温泉……楽しみ。みゃー。再稼働の為にも……天衝種、全部倒すよ!」
「未曽有の寒さに震える鉄帝で温泉とは……ずいぶんタイムリーだな」
 『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)に『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)もそう頷く。
「交通手段の問題があるから利用できる人間は限られるかもしれないが……できることならアーカーシュ内のみならず鉄帝じゅうに開放してほしいものだな。まずはその第一歩だ。大掃除と洒落込もうじゃないか」
「うむ! この温浴施設を再稼働させ、冬の寒さ対策の一環としようではないか! その為には邪魔立てするマッドゴーレム……いや、元はと言えばマッドアーマーを撃破せねばな!」
 『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)が気合を入れれば『つまさきに光芒』綾辻・愛奈(p3p010320)も「そうですね」と声をあげる。
「けれど、よかった……ここにはトンチキを押し付けてくる漢字みたいな方とかのぼせビーム魔人とかは居ないのですね……しかし天衝種ですか。あまり相手取ったことはありませんが、この個体はゴーレムの模倣なのですね」
 過去に愛奈に何があったのか……なんか随分ファンキーな相手と戦闘経験があるようだが、さておいて。
「サウナも素敵でしたが温泉もあるなんて……アーカーシュ素敵すぎでは? 人工温泉であろうと快適にお湯を楽しめるのならそれは天然物にも勝る温泉なんです! さっさと天衝種を倒して温泉に浸かりましょう!」
 『立派な姫騎士』雑賀 千代(p3p010694)が声をあげれば、全員が同意する。この場所にいる天衝種。それを倒さなければ機能を取り戻せないのだから当然だ。
「でも、マッドゴーレムがいるってことは……天衝種の新種がどんどん運ばれてきてるんだろうか。それともその場でコピーするのかな?」
「さて、な。その辺りもいずれ解明できるだろうが……」
 世界はアクセルにそう答えながら、前方へと視線を向ける。
 そこには侵入者を撃退するべくやってきたマッドゴーレムの姿がある……!
「奴等はゴーレムを模してるけどゴーレムじゃない……なら遠慮なんていらない。温泉楽しむ為に、切り刻んで残骸も掃除する……!」
 祝音が声をあげ、糸切傀儡を発動させる。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。――ここは身も心も清める場所だ。泥はお呼びでないぞ」
 素早く踏み込んだエーレンの鳴神抜刀流・太刀之事始『一閃』が炸裂し、アクセルの神気閃光がマッドゴーレムを撃ち抜く。
 そして……ニルの発動させたオルド・クロニクルが保護結界を展開させる。
「おっきなおっきなケイローム石、割れたりなんかしたら大変です」
「うむ、助かる! ではサクッといくぞい! この一撃をお見舞いするのじゃ!」
 ニャンタルの黒顎魔王がマッドゴーレムの1体にトドメを刺し、愛奈がアンジュ・デシュを放つ。
「どんな戦場であれ、私に出来るのはこれぐらいでしょう。さあ、ただの石くれにしてやりましょう」
「全ては速やかに温泉に入る為に! アーカーシュの湯が! 私を! 待っている!!」
 白烏と八咫烏の二丁の狙撃銃を構えた千代もプラチナムインベルタを放ちテンションも段々と高くなっていく。
 本人曰く温泉中毒者であるからだろうか……かつてない程の気合の入れ様を見せている。
「この調子なら然程時間もかからんか」
 世界も攻撃に回り界呪・四象を発動させ……予想通りに然程の時間もかからないうちにマッドゴーレムたちは全滅する。
 となれば、あとは温泉機能の修復と温泉だけだ。

●温泉に入ろう
「皆さんがゴーレムとかの修理している間に私は猛る思いを込めて裁縫で温泉タオルとか縫ってますね!」
 千代が腕が幾つにも見える勢いでタオルを縫っているのを余所に、精霊たちがそこかしこからヌッと顔を出してくる。
 マッドゴーレムたちが消えたのを察したのだろう。となれば、あとは腕の見せ所とニャンタルが気合を入れる。
「よし、ゴーレムや施設の修理じゃ。短期集中猛勉強の成果を見せる時じゃの!」
 いつの間にかつけている瓶底眼鏡に必勝ハチマキは、猛勉強の証なのだろうか。練達では一部の受験生に与えられるスペシャルアイテムであると伝えられているとかいないとか。
「これで精霊たちも戻ってきたし、温泉施設が正常に動くだろうし、整備や保全もしてくれるなら万々歳だね」
「うむうむ。これがこうで……こうなってああなって……こうじゃ!」
 言いながらも、アクセルと共に的確にゴーレムたちの修理をしていく。
 まずはゴーレム達を修理スキルで修理し、次にゴーレム達に指示を出しつつ施設の修理改修をしていくつもりだ。
 勿論、皆の要望を存分に取り入れた物を作る様にも指示を出すことを予定している。
「うむうむ。此処を解放した者の特権じゃな!」
 ではニャンタル自身の要望はどうなのか? それは明確なビジョンがどうもあるようだ。
「我はそうじゃなぁ……食事処は勿論必要じゃが、何かこう、オブジェ的なもんとかよくあるじゃろ? あんなのを作ってみたいのう」
 修理したゴーレムには余っている……恐らく補修用なのだろうケイローム石を持って来て貰い、触ると悪い所が何となく良くなる様な仏像を作ってみることにしていた。
「此処で武器にセットした改造スキルの出番じゃな!」
 気分はチェーンソーで氷像作る人の如く。
「此処で作る銅像のモチーフはあくまで抽象的な生き物じゃ。実物モチーフは魂が吸い取られるからの! 危険危険!」
「ニャンタル、どうせケイローム石でオブジェを作るのであれば、再利用可能な温泉の素として売り出すのはどうだ?」
「む、なるほどのう」
 エーレンのアイデアにニャンタルも頷く。ヒノキの珠を入れてヒノキ風呂気分……というのはよくある話だが、人工温泉として効能のある石のオブジェがあれば人工温泉として機能するかもしれない。
「マッサージができる設備があるといいのだが、できそうかな? 今の鉄帝の国は過酷だからこそ、ここに来ればそれらを一時でも忘れて癒される。そんな時間を提供できればきっと民も元気になれるのではないだろうか」
「どうかの?」
 直したばかりのゴーレムにニャンタルが聞けば、ゴーレムは高速で振動し始める。俺がマッサージ施設だとでも言いたいのだろうか。
 その辺りの諸々はニャンタルの頑張り次第だが、病気や怪我の快癒などを願うための銅像や木像などが温泉地にある例もあるため、ニャンタルやエーレンの目論見は非常に「当たり」であると言えるだろう。
 そしてニルも遺物調律師として修理のお手伝いをしていた。
「施設自体が古くなってるみたいなのでロビーのお掃除や朽ちた家具をどけたり、新しいものを作ったりも必要でしょうか……食堂や、お風呂あがりに横になったりできる休憩所。みんながわいわいできる場所になりますように。みんなが癒やされる場所になりますように。おまじないも込めて、がんばりましょう。そうそう、神絵やプロデュースでより過ごしやすくなるよう考えて……」
 そんなニルの考えを実現するように修理されたゴーレムたちも動いていき……祝音もテキパキと動いていた。
「温泉……ゴーレムの修理も勿論必須だけど一部の棚とかは崩れちゃってるかな。後で作り直すとしても……踏んで怪我しないように、軽くお掃除はしておきたいな。お掃除、お掃除……猫さんの手を貸すみたいにお掃除。みゃー」
 そして……エーレンも個人的な理由で他人に肌を晒すわけにはいかなからと環境整備に回っていた。
 仲間の精霊疎通などで温泉内の修理にメドが立ったら、モード・スレイプニルで得た運搬性能と馬車で必要な資材などを素早く運ぶ役割を買って出たのだ。
「食堂の修理ができたら材料も運び入れて、皆のリクエストに応じて料理の腕を振るうとするか。入浴後の一時をより良いものにする手伝いというわけだ」
 幸いにもかつて冷蔵庫として使われていたであろう「フリーザ」も見つかっている。
「冷蔵庫に相当するものは欠かせないからな。コイツが見つかったのは幸いだった。牛乳なりコーヒー牛乳なりフルーツ牛乳なり、湯上りにはマストだ……ちなみに普段の食堂は調理ゴーレム的なのがいたのかな」
 探してみれば隅っこにゴーレムが落ちていたのでニャンタルたちに知らせに行くが……そうして水精霊や火精霊たちにより綺麗になった湯船に湯が張られれば、いよいよ温泉タイムである。
 世界は家族風呂に行き、念のため水着とバスタオルで肩から下はしっかりガードしながら入っていた。
「……これだと女みてぇだな。まあいいけどさ」
 鍵も内側からかけてある。何も問題はなく、世界は温泉を楽しみ始めて。
 男湯では、アクセルが思いっきり身体を伸ばしていた。
「疲労回復に効くのはいいなあ。今は冬だし、肩こりとか冷え性に効くのも嬉しいね!」
 ニルも肩まで浸かってほっこりしながら、身体を休めていく。
 目の前に浮いているお盆に載ったお酒をちびちびいただくのも、中々にオツなものだ。
「とってもとっても「おいしい」です」
 ほふぅ、と息を吐きだせば湯気がゆらりと揺れて。
「天空の温泉……ここから眺める空は、とても近いのでしょうね。星空が近い温泉っていうのは、とても素敵だと思うのです……寒い寒い冬がくるのでしょう。ここでみんながあたたまれますように」
 そんな中、祝音も持ってきたシャンプー等で髪と体を洗ってから自分にかけ湯をして、そっと温泉に入る。
「あったかくて、気持ちいい…みゃー……」
 体の芯まであったまる人工温泉は、とても効く。
「ぬくぬくなお風呂に入るの、大好き。皆も、精霊さん達やゴーレム達も……本当にありがとう……」
 言いながら祝音は「昔も沢山の人や精霊さんが入ってたのかな……?」などと考える。
「近くに宿泊施設を作って温泉旅館とか、どうかな……でも精霊さん達が大変になるなら普通の温泉でいいのかも」
 安全確保の問題などもあるが、そういうものも楽しいかもしれない。
 そして女湯では、こちらも楽しんでいるようであった。
「さ。温泉です温泉。私は入りますよ。入り倒しますよ。流石に水着着用の上ですが。私は温泉を楽しみに来たのです。なんならお盆に徳利とお猪口持ってきますよ私は」
 というか愛奈は実際手に持っているが、温泉でちょっと一杯は今日働いた者の特権であるだろう。
「身体によい、心地よいお湯に包まれて一杯……ああ。これは至高です。自宅の湯舟では到底できない贅沢ですね……」
 一部の者を除けば、自宅に広々とした温泉大浴場を持つ者は居ないだろう。
 だからだろうか、愛奈は存分に癒されているようだった。
「稼働に必要な人手とかは……ああ、精霊さんが」
 そう、精霊パワーで加温も循環消毒もバッチリだ。
「すみません、ありがとうございます。貴方達のおかげで皆癒されています。恐らくアーカーシュはここの所で急激に人口が戻ってきたこともありますから、精霊さんも驚くかもしれませんし。普段からこうやって感謝は伝えたいですね」
 言いながら愛奈は温泉に肩までつかり、ぼーっと考える。
「空行く温泉で湯治……という名目にすれば、アーカーシュの皆さんも外貨獲得のチャンスになりそうなものです。最も今は鉄帝全体が大変な目に合っていますから……負傷兵の皆さんに人気が出そうです……もっと平和になって、皆が幸せに湯を楽しめる世界を作らねばなりませんね」
 ちょっと酔っているようではあるが……素晴らしい心意気ではあるだろう。
 そんな愛奈から少し離れた場所では、お盆に載ったサイダーがぷかぷか浮いている。
「いざ入浴! あああああああ!!! すっごい気持ちぃぃぃぃ!!! し、幸せぇぇぇ!!!」
 どうやら全力で癒されている千代のものであるようだ。しかし声も全力である。
「これ効能は何でしょうか!? 少なくとも肩こりはありますよね? だって私、今肩こりしてませんもん!」
 豊かな胸(本人申告)が浮いているが、お風呂あるあるだ。
「でもこれで月見酒ならぬ天空酒って乙なものですね! 私、未成年なのでサイダー飲みますけど! ああ、贅沢です! こんな幸せあっていいんでしょうか!」
 さて、そんなところにニャンタルがやってきて温泉にしっかりと浸かる。
「ふぃー、極楽極楽ぅ……うぬ? 愛奈……千代……お主ら……『ボンッ!!』ではないか!! 此処はお約束のお触りタイムの始まりじゃー!」
「あ、たまたまやってきた水精霊さんが!」
「ぐあー!」
 スパーン、とニャンタルが轢かれて湯船にダイブするが、さておいて。
「……何やらニャンタルの断末魔が聞こえたような」
 まあ死んでないだろうが、などと言いながら一足早く家族風呂から出てきた世界がエーレンが腕を振るう食堂で「いつものことだしな」と頷く。
「風呂上りは当然(甘い)牛乳だな。フルーツ、コーヒー、いちご……何でもいいぞ」
「ほら、冷やしてある」
「ああ、ありがとう。あとは温泉まんじゅうも欲しいよな。まああれは本当は温泉に入る前に食べるといいらしいがそれはそれ。こっちも多分無いような気がするのでポケットから、と。欲しそうな奴がいたら分けてやるか。ニャンタルとか結構食べるの好きそうだし」
 おかしな白衣のポケットから温泉饅頭を取り出しながら、世界はフルーツ牛乳を飲む。
 甘いミックス果汁の味のする牛乳は、とっても甘くて。お風呂上がりのこの瞬間にしか味わえない、至福の味であった。

成否

成功

MVP

ニル(p3p009185)
願い紡ぎ

状態異常

なし

あとがき

ちなみに人工温泉、都心などのちょっとホスピタリティにこだわりのあるビジネスホテルの大浴場などで採用されていたりします。
科学的にどうなのかは天野よく分かんないのですが、人類の知恵って素敵ですよね。

●運営による追記
 本シナリオの結果により、<六天覇道>独立島アーカーシュの技術力が+10されました!

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