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シナリオ詳細

【Child's Heart】少年少女の楽園

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●祝福の×××
こぽり。泡の音が立って、青白い液体に満たされたカプセルの中にいる少年が目を開ける。
それを認識したかの様に液体は引いていき、カプセルが開く。
少年が数回目をぱちぱちと瞬きして、きょろきょろと辺りを見渡せば。
「生誕おめでとう。あなたに神々の祝福がありますように」
車椅子に座った長いブロンドヘアの中性的でゴシックな見た目の子供が目を合わせて言の葉をかけた。

「今日は何して遊ぼっか?」
「うーん…あ、そーだ!新しくできたパン屋さんに行かない?」
「わたしは魔法の練習がしたい!」
「お人形ごっこ!」
「お洋服が欲しい!」
「絵本の読み合いは?お絵かきでもいいよ!」
「森で誰が一番大きなスライムを捕まえられるか勝負はどー?」
綺麗な街並みの中央らしき広場の噴水前に少年少女が集まって、口々にやりたい事を話し合う。
そこにぼくも!と混ざり合う者も居れば、通り過ぎていく者もいる。
街は賑やかで人通りも多く、沢山のお店が並んでいる。
ただ一点、【おかしな事】を除けば…

今日もこの世界の一日が始まる。
子供達【だけ】の愉快で楽しい世界が。

●永遠の楽園へ!
「やぁ、来てくれて感謝するよ」
双子の境界案内人の片割れであるカストルが、特異運命座標達を歓迎する。
「今回の異世界…ああ、そうだ【Child's Heart】とでも言おうかな。この異世界を探索して欲しいんだ。凶悪な怪物がいるとかじゃなくて、とても平和で穏やかな世界なんだ…けれど」
カストルはそう言いながら、ふふっと笑みをこぼす。
「行ってみればきっと驚くよ、着いてからお楽しみ…なんて、我ながらとっても分かりやすい名前をつけたものだけど」
曰く、その異世界は幻想のような建物や建築物の街並みが広がっており、文明もまるで幻想みたいに中世のようななかなかの発展具合だが技術は発達しきっていないらしく、異世界を襲う邪悪な存在等もおらず、モンスターや動物達もとても温厚で人を襲ったりはしないとの事。
軽く異世界の事を一点【住人の事】を除いて説明し終えれば、何か中身の入った小袋を特異運命座標達に渡してカストルは愉快そうに送り出す。
「存分に楽しんできてね?」

NMコメント

初めまして。九々と書いて”くく”と読みます。
今回はとある異世界を自由に遊んで楽しんでもらえたらと思います。
少年少女の楽園【Child's Heart】へようこそ。

●世界説明
幻想のような中世ヨーロッパ風の街並みが広がる街を中心とした世界です。
文明や科学技術の発展も幻想レベルです。
街の外は草原、湖、森と自然が広がっています。
この世界には子供しかおらず、大人が存在していません。
モンスターや動物は居ますが、全て温厚で人を襲う事はありません。

●目標
この【Child's Heart】の世界を楽しむ事。
お店を回ったり、子供達と遊んだり、森に行ったり…等々楽しんでください。

●主な場所
・お店
様々なお店がありますが、店員は全て子供です。
カストルに渡された小袋の中に入っていたこの世界の通貨で沢山お買い物ができます。
食べ物や服、小物と色々あります。

・広場
広いです。
噴水や遊具があったりします。

・外
森、湖、草原など。
モンスターや動物がいますが全て温厚で襲ってきません。

・病院?
広場の奥にある、まるでこの世界の中心とも言える大きな病院のような建物です。
地下があるようですが地下への扉には鍵がかかっています。

●特殊ルール
この世界ではPCは135cm以下の少年少女になります。
性別不明、なしは少年か少女か、あるいは性別不明やなしのままかをプレイングに記載してください。
異形であってもこの世界では普通の人の少年少女の姿になります。

  • 【Child's Heart】少年少女の楽園完了
  • NM名九々
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年11月25日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛
フロイント ハイン(p3p010570)
謳う死神

リプレイ

●幼日を塗り替えて

目を開けば、皆驚いただろう
特に顕著だったのは、まるで”神社の神職のような衣服に6歳頃の姿”の『若木』寒櫻院・史之(p3p002233)
「…あれ?なんで俺こんな姿に?」
己の身に起きた変異と服装の変化に戸惑いながらも、共に来た幼馴染へと目を向ける

『しろがねのほむら』冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)は十二単のように多くの着物を重ねた服装。
うまく動けない、身体を縛るような重さが彼女を襲う
「あれれ、どうして僕”神子だった頃の格好”をしているの?」

「って、カンちゃんまで!」
慌てて史之は睦月へと駆け寄った
「あれ、しーちゃん縮んでる?あれあれ?僕も?」
心優しい彼は鏡を取り出して顔を写してくれる
息を呑む。出会ったあの時の姿だから

「なつかしい、出会った時そのままの姿だね」
「今でも覚えてるよ、君は6つ、僕は3つ」
重い腕を動かして、彼を指して僕を指す

「これからは一振りの刃となり、お側へ侍ります」

史之は首を垂れ、睦月へと心からの忠誠を誓いなおす
無理やり言わされた言葉ではなく自身の意志で”塗り替える”
「もう、しーちゃんったら」
あの頃の姿なのに、その言葉に込められた心が気持ち良い

さあどこへ行こうか俺だけのご主人さま
手を繋いで、歩き出す
その姿はあまりにも重そうで
坂道はお姫様抱っこで進む
睦月はぴったりぎゅっと、史之へくっついて
あの頃と変わらない
だけど今なら素直に可愛いと思える

「しーちゃん、僕、服がほしい」
「まずはお店で普通の服を買おうか。この格好だと歩きにくいし
子供服を着ているカンちゃん、俺が見てみたいし」
次に続く言葉を遮った

『この格好は閉じ込められていたあの頃を思い出して嫌になるから』

長らく祭具であり続けた睦月を考えれば、きっとそうだから

服屋は沢山の種類の衣服が並んでいる
史之はその中から睦月に一番似合うものを探す

しーちゃんが僕の服を選んでくれる
史之の背を見て、心がぽかぽかする
「これにしよう」
史之が選んだのは白に赤が入ったセーラーカラーのドレス
「うん、かわいいかわいい」
真っ白な靴下に赤いエナメルシューズ
ドレスに合っていて、睦月にも似合っている

しーちゃんの手によって生まれ変わっていく
うれしくってちょっと恥ずかしい
「似合ってる?」
「きれいだね、よく似合ってるよ。ついでだし帽子も買っておく?」
お揃いのセーラー帽を手に取って被せる
とてもかわいらしく思えて
ぎゅっとしてしまう
「似合ってるっていってもらえるとうれしいな」
そう笑い合って、代金を支払って服屋を出た

「さあ、冒険にいこうかカンちゃん」

どこにもいけなかったあの頃の分まで遊ぼう

大きな広場を探検すれば色々あって
「カンちゃんはなにがすき?とことんまで付き合うよ」

睦月は悩みながらまるで遊園地みたいな中から指をさした
「あそこはどう?しーちゃん」
指さす方向を史之が見れば、広場の隅には子供向けの公園がある
「いいね、いこうか」

定番ともいえる遊具の中にこの世界ならではな心優しい象がいる
睦月が象に手を伸ばせば優し気に、鼻で器用に二人を持ち上げて背中に乗せてくれる

「それにしてもこの世界って子供ばかりなんだね」
象の背中から見える光景はほのぼのとしていた

「ずっとずっと夢だったんだ」
心の底からの願いが口に出る
睦月を見て、史之も笑いながら言う
「俺もだよ」

泥だらけになるまで二人は遊んだ
ね、俺のお姫様?
本当にこの世界は魔法にかけられたみたいだね

沢山遊んで、2人は”幼日を塗り替えた”
その幸福の中睦月は考えた

でもなぜ”大人がいない”のでしょうか

●お友達
住まう者も来る者も、全て子供になる世界
中々興味深い。と『友人/死神』フロイント ハイン(p3p010570)は感じていた
「僕は元から容姿は子供のそれなので、あまり影響はなさそうですね」
ハインにとっては些細な事なので、気にせず街を歩く

「あなたのお名前はー?」
「ねーねー、何して遊ぶ?」

広場の噴水前で子供達に声をかけられる
敬語で喋るのを癖にしているが、この場にそぐうとは言い難いと察する

「僕はハインだよ。君達は?」
ずっと砕けた口調で話す
「わたしはハナ!」
「おれはリューイ!」
そうすれば楽し気に迎えてくれる
こういう風に触れ合うのも、悪くはないです
対等な視線で、対等な関係で
そう感じながら、会話する

「ハインは何がしたい?」
ハナと名乗った少女が首を傾げ聞いてくる

「僕、新しいパン屋さんに興味があるな。一緒に行かない?」
「ええ!一緒に行きましょう!」
ハナが微笑んで賛成してくれる
「えー!森でスライム探しは?」
リューイと名乗った少年がハインの腕を掴んで森がある方へと引っ張る
「えっと、パン屋さんに行った後でならいいよ」
「でも他の奴にスライム取られちゃうかもしれないじゃん!」
「リューイったらまた強引に!”ヌル”に言いつけるよ?」
「ヌ、ヌルに!?わかったよ!でもそれだけは勘弁な!」
ハナに怒られたリューイはパッと手を離す
「ごめんねハイン、さぁ一緒に行きましょう!」
子供達はパン屋へと向かっていく
(…ヌル?)

飲食系の店が並ぶ3番街の通りの中に”サーシャのパン屋”と看板のある店を見つけた
「ここだよハイン!お友達のサーシャが店長さんなんだ!」
ハナが扉を開けると、カウンターには店長らしき少女がいる
「いらっしゃいませ、あっハナ、それに皆も」
「皆で来たよサーシャ!」
そう呼ばれた少女は微笑みながら皆を迎え入れる

店内でハナとリューイが付き添い
「どのパンが好き?」
「オススメはメロンパンだぜ!」
問われたハインは言い淀む
食べることをほとんどしない。その必要がないハインにとって考えた事はなかった
悩んでいれば、ハナが微笑む
「ハインって、悩んじゃう程どのパンも好きなんだね!」
「イートインスペースがあるから存分にくつろいで」
サーシャが手を向けた先、店内の右側はスペースがありテーブルやイスがある
「パン屋っていうかまるでカフェだよなー!」
「サーシャはパン屋さんの店長になるのが夢だったし、パン屋さんなのよ!」
3人はイートインスペースのイスに座る

ハインが待っていれば2人が色んなパンを買って持ってくる
こうやって誰かと食べて、そうしてお話する機会は大事にしたいと思っている
童心に帰るというほどハインには歴史はないが
まさに”子供らしい”姿を露わに楽しんで

「へえ、パン屋さんってお菓子も売ってるんだ。このラスクってお菓子、美味しいね」
「ハインはラスクが気に入ったのね!なら多めに買って森でも食べましょう!」
そう会話をしてから暫く、3人が席を立ってカウンターへ向かえば既に袋に詰められたラスクが用意されていた
「店内ではお静かにとは言わないけど、これは新しい”お友達”へのプレゼント。今度一緒に遊びましょう」
ハインへ袋を手渡したサーシャに見送られ3人はパン屋を出て森に向かう

森を散策すれば様々な植物やモンスターが居て、穏やかな風が通っていく
「ハイン!こっちにとっても素敵な場所があるの!」
ハナに連れられて行けば、森の中でも絶好のスポットであろう丁度いい広場があった
ハナが可愛らしいピクニックシートを取り出して敷いた
子供なら5人は寝転がれるシートに横になれば、とても心地の良い日差しがさしている
「そういえばリューイは…」
とハインが口を零せば草むらからリューイが飛び出してくる
「ハイン!このスライムとっても手触りがいいんだぜ!」
そういって、黄色いスライムを出してくる
触ってみれば指を優しく包んでくれる
「フワスライムね!ふわふわでクッション代わりにする子が街にも多いの」
ハインが手渡されたフワスライムを枕代わりにすれば、ふわふわとした心地よさが沈む頭を迎える
「うん、これはとっても気持ちいい…」
ハインは寝る必要もない
それでも
”お友達”と一緒に横になるのも、きっと素晴らしい体験になると感じられた

●楽園を歩く者
「ふむ……この世界に入った途端子供の姿になったか」
『隠者』回言 世界(p3p007315)は変化を分析する
どうやら思考の方までは見た目相応にならないらしい
ありがたい
そうなった場合の対抗手段も無くはないが、面倒はできるだけ少ないほうが良いと思考や服については気にしない方向に決めた

街や外を程々に調べて環境や住んでる生物を確認しながら如何にも意味ありげな病院へ向かおう
普段から様々な世界を探索している回言は”楽園を歩く”
いきなり病院を調べるのもありだが、なにより菓子類は豊富なはずだ

わかった事は植物や生物は多種多様である事。
総じて毒や敵対心といった害意はなく温厚であるという事
”外の先は結界が張られているのか出る事が出来ない”という事
調べていればいい時間だ
様々な菓子類を荷物に、夜になる前に病院に向かう

のどかで争いとは無縁そうな世界でもやはり病気なりなんなりはあるのだろう
このような”楽園”で
薬の処方はともかく子供に手術とかができるのか謎だが

院内は白を基調としており、壁には『しずかにまちましょう』と書かれた張り紙等が張られている
待ち合いやカウンターもあり、受付の子供がいる
うろついても何も言われない、というのは助かるがやはりこの世界は異常だ
この病院だけは明らかに”無機質で現代風”だ

受付より先に扉がある
どうやら地下室に繋がっているようだがこの扉だけは鍵がかかっている
少し見ただけだが医者等の職員用の場所以外はほぼ出入り自由の様だが
開ける必要も今は無い、と切り替えて

存在感的にこの病院がなにかしら重要に思える
ならばと

「ここはどういった場所だ?」
ナースらしき少女に声をかける
「ここはヌル先生の病院ですよ?貴方も”ここで産まれた”でしょう?」
きょとんと回言を見る

「…ああ、そうだった。すいません」
ナースの前から立ち去る
不味い
”楽園の常識”に接触したと確信した
他にもいろいろ調べたいが、またここに来ればいいだけだ

「…一先ず帰るとするか」

成否

成功

状態異常

なし

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