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シナリオ詳細

<総軍鏖殺>郷の牙穿つ為に

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<総軍鏖殺>郷の牙穿つ為に
 新皇帝『バルナバス・スティージレッド』。
 彼の突如の就任により、鉄帝国は弱肉強食、力こそ全ての世界へと変わり、多くの一般人達は、否応なしにその略奪の中に身を置く事となる。
 そして国は。
「う、うわぁぁ……!!」
「に、逃げろぉぉお……!」
 鉄帝国南部に住まいし、戦う力を持たない一般人達は悲鳴を上げて逃げ惑う……そして、そんな者達の背後からは。
『オラオラぁ! 逃げろ、叫べ! まぁ、逃げてもどこまでも追いかけてやるがよぉ!! へへへ!』
 血気盛んな力自慢の盗賊上がりの者達は、取りあえず目に付く村や町を襲撃し、何から何までを奪い去ろうとしている。
 いや、盗賊達だけでなく、何処から出てきたかも判らない様な魔物もその混乱に乗じて暴れ回るような、そんな状態。
 混乱に陥った状況下では最早、それがおかしな事である……などと冷静に判断出来るような奴は居ない。
 そして苦しむのはいつも、戦う力を持たない一般人が大多数。
「うう……やだよぉ……怖いよぅ……」
「そうね……怖いわよね。でも……でも大丈夫。きっと……あのお空の人達が、助けてくれる筈……だから、頑張りましょう……」
 身を隠した少女に、母親は空を見上げる。
 空には浮かびし島「浮遊島アーカーシュ」。
 先日のイレギュラーズ達との共同戦線の報は地上にも伝わっており、彼等がこの事態を変えてくれるのではないか、という期待の眼差しは混乱が深まると共に、次第に強くなっていた。


「……という訳で、だ。あの頭の悪い新皇帝に一泡吹かせようってな奴らがこうして集まってくれた様だが……そんなお前達に依頼ってな訳だ」
 と、九頭竜 友哉は集まった君達に対して振り返る。
 何処かピリッ、とした雰囲気が漂う中、彼はフッ、と僅かに表情を崩し。
「そんなに緊張しなくて良いさ……依頼といっても、罪人殺しだ」
 殺しという言葉……勿論今迄に努めてきた仕事は様々なものを倒してきた訳で、やる事に違いは無い、そして。
「皆も知っての通り、鉄帝国は今や大混乱だ。よくわからん新皇帝の勅命だかでつけあがった奴らが我が物顔で町や村に襲撃を仕掛けている訳だ」
「そして混乱に陥った市民……特にこのアーカーシュのある鉄帝国南部に居る市民達は、ここ、アーカーシュに出入りする俺達のような奴らに助けて欲しい……ってな話がちらほらと聞こえているのさ」
「幸い、この辺りの地上に住む住人達は、皆のこの地での活躍も知った上で、どうにかして助けてきて欲しい……という話でな。ま、その期待に今の内は添うようにしておこう、ってな訳だ。こういう事を進めていけば、いつかはあの新皇帝とかいう奴に一泡吹かせられるかもしれんしな?」
 ハハハ、と笑う友哉……だがその瞳は笑っていない。
 その内なる強い意志、そして、声無き市民達の、強い羨望。
 それを感じ取りながら、イレギュラーズ達は地上へと赴くのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の舞台となるのは鉄帝国南部、浮遊島アーカーシュの近くの『何の罪も無い』街になります。

 ●成功条件
  鉄帝国南部で暴れ回る暴徒や魔物達を退治する事です。
  生き残らせる必要は有りません……全て殺して頂いて構いません。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●特殊ドロップ『闘争信望』
  当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
  闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
  https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

 ●周りの状況
  鉄帝国南部の街が舞台です。
  今回は一つの街だけが舞台ではなく、暴徒・魔物が暴れる街や村に次々と向かい、倒す事が目的となります。
  アーカーシュの機動力を活かすことで、少し離れた街や村でも早急に転戦する事が可能です。
  又、町や村には逃げ遅れた一般人やらがいます。
  彼等を救出し、アーカーシュに連れてきて安全確保する事も可能であれば行うように御願いします。

 ●討伐目標
  ・新皇帝の勅令により奪う事に味を占めた暴徒達
    新皇帝の後ろ盾があるから、と最早自制する事無く暴れ回っている馬鹿者達です。
    武器もバラバラ(剣、槍などをもつのもいれば、その拳一つで暴れてる奴も)です。
    余り頭は良くない様ですが、体力だけはとても高い奴らでかなりしぶといので、ご注意下さい。
    ちなみに弱い奴がいれば、そいつを優先的に殺そうとする卑怯な一面も持って居るのでご注意下さい。

  ・天衝種『ヘァズ・フィラン』
    天衝種の魔物で、鴉と鶏の合いの子のような姿形はしているものの、その性格はとても獰猛です。
    肉食の様で、暴徒達が殺した人々を喰らうのが生きるのに楽だ、と考えて居る様で暴徒達と一緒に行動しています。
    勿論暴徒達が死人となれば、そいつらを啄むのも躊躇ありません。
    当然鴉なので空を飛行しますし、反応・機動力、EXAに優れた者達です。
    又、その牙には強い毒が含まれている様です。
    この毒は解除不可の毒ですが、5ターンで解除されます。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <総軍鏖殺>郷の牙穿つ為に完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年10月20日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ウォリア(p3p001789)
生命に焦がれて
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
冬越 弾正(p3p007105)
終音
フリークライ(p3p008595)
水月花の墓守
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
トール=アシェンプテル(p3p010816)
ココロズ・プリンス

リプレイ

●救い求むる者
 新皇帝『バルナバス』の就任により、解放された罪人達が多数暴れ回る鉄帝国。
 既に自治は崩壊してしまい、罪人達は傍若無人に暴れ回り、目に付いた街や村を襲撃……何から何まで奪い去ろうとしていた。
 そんな暴徒の罪人達によって苦しめられている鉄帝国南部の人々は……空に浮かぶ浮遊島アーカーシュに救いを求める。
「……全く。このゴロツキ連中は……」
 深く溜息を吐く『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)。
 そんな彼の言葉に『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)も。
「ええ。この鉄帝国の様々な所で、解放された罪人達が次々と事件を起こしているようですね……力こそ全てという理念自体は理解出来ますが、だからといって戦う力を持たない市民の方々を略奪していい理由にはなりません」
「ああ。友哉は新皇帝に一泡吹かせたいからとか言っていたが……俺達が人を助けるのに理由がいるのか? 目の前で人が魔物に襲われているんだからな。『力なき正義は無力なり、正義なき力は暴力なり』、と……別にこの言葉が真理とは思えないが、暴力だけでは何の解決にもならないしな」
 ジェイクとオリーブの会話の通り、人々が救いの手を求めているのであれば……救わないという選択肢はない。
「全くだ。奴らが念頭に掲げる『弱肉強食』……笑わせる。ならば、奴らも奪われる覚悟が出来て居るのだろうな?」
 『戮神・第四席』ウォリア(p3p001789)が侮蔑するかの如く言葉を紡ぐと、それに『残秋』冬越 弾正(p3p007105)も。
「そうだな。罪なき命はイーゼラー様に捧げるものだ。その命を刈りとるまでは、守る事もまた信徒としての努め。一人でも多くを救わねばなるまい!」
「はは。確かにそうだな。醜き愚物に罰を、天に冀う命に救いを。神として応えるに、何の戸惑いがあろうものか。殺すべきを殺し、救うべきを救うがのみだ」
 辛辣な言葉の中には、市民達を救いたいという思いがにじみ出る。
 更に言えば、アーカーシュ派に所属していない仲間達もが、今回の依頼に手を貸してくれている。
 勿論、アーカーシュに所属しているからといって、アーカーシュに利をもたらしたい……というだけではない。
「ま、私は確かにアーカーシュ派に所属しているけど、正直鉄帝の政治事情には興味が無いんだよね。ただアーカーシュの調査がしたいからだけなんだ。でも……こういう仕事とならば、喜んで参加させて貰うけどね」
「そうなんだね。ボクは違う派閥なんだよねー。とは言え件の勅命で好き勝手やってる輩に対応するって話しならば、ボクも協力は惜しまないよ。ほら、ボクたちにしてみれば、今の鉄帝の混乱を収めてくれるのなら、正直なところどこでも良いからね? Haha……」
 『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)の言葉に『咎狩り』ラムダ・アイリス(p3p008609)が苦笑。
 それに『女装バレは死活問題』トール=アシェンプテル(p3p010816)は。
「……そんな事を言ってしまって、大丈夫なのでしょうか……?」
 不安そうに声を掛けると、アイリスはあっ、と驚いた表情を浮かべた後。
「ごめんごめん。これはあくまでもボクの信念だから、ボクの派閥の皆には内緒だよ? 彼等には、彼等なりの信念? があるだろうし、それを否定する事も無いしね」
「解りました……私も事を荒立てる気はありませんし、内緒にしておきますね」
 頷くトール、そして弾正は。。
(「……そうだったな。罪なき人が傷つく姿をじっと見ていられる程、オレは冷酷にはなりきれない。救いを求めて手を伸ばされれば掴むまでのことだ」)
 と内心に納得させつつ。
「何にせよ、俺達がやるべき事はシンプルだ。暴徒と魔物共を全て討ち倒す事……罪を重ねし罪人達を送り返すだけだ」
「うん、そうだね。やるからには、キッチリ仕事はこなしてみせるとも。というわけで……二版に分かれて事を進めるとしよう」
 弾正とゼフィラの言葉に、『水月花の墓守』フリークライ(p3p008595)は。
「ン。到着後 総員 速ヤカニ 一帯敵 相当。安全地帯確保」
「ああ、そうだな。救助の方は俺達の方が担当する。陣地構築の方は宜しく頼むな?」
「ワカッタ」
 ジェイクの言葉に頷くフリークライ……そしてイレギュラーズ達は、アーカーシュから眼下の街村を監視するのであった。

●命拾う島
 そしてイレギュラーズ達が降り立つのは、鉄帝国南部の『カルラ』村。
 極々普通の村であり、特段目立つ事も無い村……村の人々は、最近周囲の村で起きている略奪事件を効いては居るものの、それ以上何か出来るという訳もなく、ただただその日の生活を続けるがのみ。
 ……そんな村に近づく不穏な影の集団。
 空の陽射しがまだまだ瞬く時だが、最早彼等は隠れるような事は無く。
『ククク……それじゃぁ次はあの村にしてやるとするかねぇ……!』
『ああ。襲われるだなんておもってねーああいう奴らの方が、襲いやすいしなぁ……! ほら、お前らもそう思うだろぉ?』
『グルゥゥ……!!』
 ゴロツキ……いや、暴徒連中の言葉に、その頭上でグルグルと回転しながら獰猛な唸り声を上げている天衝種。
 ……そして彼等が村に向けて距離を段々と詰めていくのを認めたイレギュラーズ達が。
「あいつら、早速ターゲットを定めたみたいだぜ……皆、急ぐぞ!」
 とジェイクがそう仲間達を促すと共に、次々とアーカーシュから村に向けて移動。
 空からと地上から……近くに迫っていたアーカーシュからの方が少し早く到達する事が出来る。
 そして、イレギュラーズ達は周りの村人達に声高らかに。
「皆! 今ここに、暴徒の連中達が近づいて来ている! 急いで家の中等に避難しろ!」
「ああ! 絶対にこの村は俺達が護る。だから、落ちついてくれ! 落ちついて避難をしてくれ!」
 ウォリアと弾正は、多少強い口調で言い放つことで、周りの村人達を促す。
 そして村人達が避難している間に、ジェイクが村の四方に駆けながら安全地帯を作る為に陣地を構築して回る。
 更にはトールが住民の救いを求める声を鋭く察知し、その人達の元に急いで駆けつけて、住民達を救出しつつ避難場所へと誘導していく。
 ……そんな村人救助に動く四人のイレギュラーズ達に対し、ゼフィラ、オリーブ、フリークライ、アイリスの四人は暴徒連中が迫り来る方角に移動し、そこにジェイクと同様安全地帯を築く。
「これで……いいだろう。さぁ、後は奴らが来るのを待ち構えるだけだな!」
「ええ……彼等を絶対に、この村に一歩も踏み入れさせません」
 ゼフィラの言葉に静かに頷くオリーブ、そしてズシン、ズシンとその巨体を、まるで防壁の如く立ち塞がるフリークライ。
『っ……何だ、あれ?』
『わっかんねぇ……でもよぉ、俺達恐るるに足らず、ってな! ガンガン行ってやろうぜぇ!!』
 慎重な男もいるが、新皇帝の『力こそ全て』という言葉にとても気が大きくなっているのが大多数。
 フリークライの巨体が見えたとしても、最早彼等を止めるに至らず……そして一気阿世の勢いで、彼等は村へと攻め込んで行く。
 そんな敵の先陣の一撃……フリークライがどっしりと構えて、全ての攻撃を受け止める。
 その身に少なからずの傷がつくものの、フリックは声色一つ変えず。
「ン。大丈夫。フリック、不朽不倒 大樹 如シ」
 そう仲間達に声を掛ける。
 そして、ビクともしないフリークライの身体に、先手の一撃を加えた暴徒連中は。
『何、だとっ!?』
 流石に驚愕の表情を浮かべてしまう。
 ……だが、敵が戸惑っている最中に、フリックの後ろから次々と姿を表し、対峙する。
『くそったれがぁ!! ぜーってえ殺してやらぁ!!』
 そう逆上気味に声を上げると、それに呼応するかの如く空から天衝種の群れが奇声を上げて急降下し、鋭い牙で突刺してくる。
 流石のその攻撃は生身の身体には中々に痛い一撃……己が身を蝕む毒が、ジリジリと痛みを強める。
「っ……これは中々効く毒だねぇ。でも……これ位じゃ、私達を止める事なんてできないよ!」
 と威風堂々とゼフィラが叫びつつ、そのまま素早さを活かし弾幕を張り巡らせて空の敵を撃ち抜く。
 続き、オリーブも鉛の奏射を撃ち貫き、空を翔る天衝種達の羽根を傷付けて行く。
 躱すのもいれば命中し、態勢を崩し一旦地上に落下するのも……だが、すぐに再飛翔し、明らかにイレギュラーズに対する怒りを顕わにして鳴き叫ぶ。
 そんな敵の鳴き声に、暴徒連中はちょっと驚いた表情を浮かべつつ。
『こいつら……強い、のか!?』
『ぐぐぐぐ……き、気にしちゃならねえ! いけ、どんどんいくんだ!』
 冷静に戦況を分析する事無く、暴徒連中は更に攻撃の勢いを強める。
 しかしその攻撃、フリークライは。
「ン。エネルギー補給、任セテ」
 ト、己の回復に集中する事で壁を継続し、その後ろからアイリスは体力の具合を見た上で的確に。
「咎人達に情状酌量の余地なし、可及的速やかに処すとしようか……言い訳は聞かないよ?」
 ふふっ、と不敵な笑みを浮かべると共に、堕天の輝きを放ち、総じての動きを制限しながら更に彼等を破壊する魔砲を撃ち抜いていく。
 そう、村の一番外で迎撃している最中も、村人達を避難させていき……ほぼ全員を避難完了。
「良し……それじゃ俺達も加勢に行くぞ!」
 そうジェイクが叫びながら仲間達を招集し、仲間達が戦っている所へと急行。
 そして数刻の後……避難させていた四人も合流すると、暴徒達は驚いた表情を浮かべて。
『何だって……こいつらだけじゃねえのかよっ!!』
『くそが……でも、こっちの方が数が多いんだ。負ける訳がねぇんだ!』
 舌打ちし威勢良いものの、イレギュラーズ達の勢いに呑まれて一歩、二歩ジリジリ下がる。
 ……しかし下がろうとする彼等に向けて、ウォリアは。
「逃げるのか? そう簡単に逃げられると思うな!」
 そんなウォリアの威風堂々たる言葉に、暴徒連中の足が止まる。
「ははっ! どうした? お前達の求める食べ物とか飲み物は、村の中にあるぜ? 俺達を倒せばそれらにありつけるって言うのに……みすみす諦めちまうってぇのか?」
「そうだな……まぁ、このまま倒れれば、頭上の奴らに食われちまう運命だ。俺達に倒されるか、そいつらに食われるか……ま、行き着く先は同じだろうがな?」
 ジェイクと弾正の言葉の通り……敵の頭上にいる天衝種達は、『死体を食えれば何でも良い』訳で。
 勿論今迄も、幾つもの村を襲い死人の骸を喰らわせていた……だからこそ、それが我が身となれば、襲い来る恐怖は一気に倍増。
『うう……し、死んでたまるかってんだ!』
 そう、最後の抵抗をするかの如く、暴徒連中は徒党を組み、イレギュラーズ一人、集中攻撃をする事でどうにか倒そうと努力。
 天衝種達は……一応それを助けるかの如く、鋭い牙で刺突を繰り返してダメージと毒を重ねていく。
 ……しかし、決して倒れぬ様フリークライとトールの二人が、敵のダメージを分散させていく。
 そして、イレギュラーズ達により、村に足を踏み入れる事無く倒れし暴徒達。
 死した骸を啄む天衝種達……仲間達が食われるという元凶を目の当たりにした暴徒連中は、声にならない悲鳴を上げる。
「ん。弱肉強食、だったかな。キミ達自身が獣の理屈を掲げた以上、文字通り餌になる事に文句はあるまい?」
 とゼフィラは不敵な笑みを浮かべて挑発。
 とはいえその挑発を聞く暇もなく、仲間が啄まれての恐怖を感じた隙をついて、全ての暴徒達を一通り討ち倒していき、最後に天衝種達を撃退。
「……ふぅ。これでこの街は、もう大丈夫……でしょうか?」
「んー……うん、そうだね。村の人達にもう安心だよ、って声を掛けたら急いでアーカーシュに戻るよ。他の町や村にも、同様な奴らがいるだろうし……アーカーシュの機動力を活かして、次々と救っていくよ!」
「あ、はい。解りました!」
 アイリスの言葉にトールは頷き、そしてイレギュラーズ達は村の人達にもう大丈夫だ、と声を掛ける。
 そして……息つく間もなくアーカーシュへと戻ると、再び空からの監視。
 ……空からの広い視界を活かしつつ……今度は襲撃されている村を見つければ、そこへと急行。
『う、うわぁああ……!! な、何だ、あいつらはぁ……!!』
 と悲鳴を上げて逃げ惑う村人達。
 そんな村人達に、ウォリアは。
「イレギュラーズの者だ……お前達を救うべく参上した。傍を離れずに来るのだ。心を乱せば、それが命取りとなる……誰一人死なずに明日を掴む為に、オレについてこい」
 と声を掛けながら、付いてくるように指示……そして逃げた所にトールが敢えて逃げ遅れた村人を装い、這いずる。
 そして……逃げ遅れた村人がいる、と追いついた暴徒連中が。
『ヒヒヒ。どうしたぁ? 逃げようったって、そうはいかねぇぞぉ?』
 ニタリと笑いながら躙り寄ると、トールは。
「ひぃっ……こ、殺さないでぇ! 何でもしますから……命だけは助けてぇッ!!」
 と命乞い。
 その命乞いに、嗜虐欲を刺激された様で暴徒と天衝種達が近づいて来る……が。
「そこまでだぜ!」
 割り込むように、ジェイクが敵陣を地面に縛り付ける魔弾を撃ち放ち、更にウォリアが、強力な乱撃を容赦無く叩きつけて、回避の隙すらも与えずに滅殺。
 一刻で討ち倒された仲間の状況に、恐怖に顔を引きつらせる暴徒連中……そして、その恐怖を感じ取ったのか、天衝種達は甲高い鳴き声を上げて、暴徒達から距離を取る。
「暴徒連中より、天衝種達の方が……知能は回りそうだよな?」
「うん、そうみたいだね……まぁ、暴れる事しか能が無い奴らだから、それもしょうがないよね」
「ああ。何にせよ、一人、一匹たりとも逃す訳にはいかない。見つけた敵は、全部倒す……それだけだ」
 ゼフィラ、アイリス、弾正の会話。
 空高くを飛ぶ天衝種達は、遠距離を狙えるジェイクとオリーブ、弾正の三人が一匹ずつを集中砲火し討ち倒し、一方の暴徒連中はジリジリと追い詰める。
 数刻、天衝種達が先に倒れ、彼等だけが残される。
『何だって!? ……あいつらが、死んだだと!?』
 と、恐怖に顔を引きつらせる。
「……最早貴方達を守る、怪鳥達はいないぞ。勿論、お前達を逃がす気も無いがな」
「うんうん。ま、命乞いをしてみてもいいけど、君達をこのまま放置しておく訳にも行かないしね? ……という訳で、ジャッジメントの時間だよ♪」
 オリーブの言葉に対し、笑いながら刀を振るうアイリス。
 身を竦ませた彼等は躱す事も出来ず……そのまま凶刃に倒れていく。
「第二陣、討伐完了。さて……まだまだ居るだろう。次の場所に向かうとしよう」
 ウォリアの言葉に頷き合い、その後もイレギュラーズ達は幾つもの村を飛び回り、鉄帝国南部で苦しむ村や街の人々を救い続けていくのでった。

成否

成功

MVP

ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼

状態異常

なし

あとがき

アーカーシュ作戦に参加頂き、ありがとうございました!
皆様の文字通り天を翔る活躍に、南部の村・街人達はとても元気付けられたと思います……!

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