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シナリオ詳細

<デジールの呼び声>楽園の影、切り払う

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<デジールの呼び声>楽園の影、切り払う
 海洋王国に属する地上の楽園『シレンツィオリゾート』。
 しかしかの楽園は、深海魔及び虚滅種が度々襲来し、楽園との華やかなる栄光の影は、その影を落としつつある。
 だが……そんな脅威の影はイレギュラーズ達が調査する事により、深海魔は悪神ダガヌにより生み出された怪物である事と、代々『竜宮』の乙姫がその封印を担っていた事が判明。
 その封印を行うが為、悪神ダガヌを攻撃し、消耗した所で玉匣により再度封印し、未来永劫の完全封印を行う準備を整えていた。
 しかし……その作戦を決行しようとした直前に、ローレットに伝わりし緊伝。
『何だって……? 竜宮が、また深海魔に襲われただと!?』
 玉匣の鍵を握りし竜宮……先の襲撃の際に残された『深海魔の種』が発芽する事で、外からではなく、内側から深海魔が奇襲を仕掛けたのである。
 勿論竜宮の者達は、その様な事態に混乱を極めている……その事態を鎮めるには、竜宮に転移できる力を持つイレギュラーズ達の力が必要。
 しかしながら、竜宮の奇襲と共に天浮の里にも勃発する動き、更には悪神ダガヌをも同時に対峙しなければならない。
 三箇所の地で同時に勃発する事件……一つでも欠ければ、全てが水泡に帰してしまう事であろう。
 今迄の準備を無に帰すわけには行かない、その覚悟と共にイレギュラーズ達は手を分けるのであった。


「……という訳だ。一気に事態が進んでいる。だが、動けるのは皆しかいねぇ……ってな訳だ」
 と、『黒猫の』ショウ(p3n00005)は皆を見渡す。
 転移能力を持つイレギュラーズ達……3つの作戦を同時並行で進めねばならないが故に、集められた君たちに掛かる重圧は重い。
 だが、やらねば深海魔及び虚滅種の勢いは更に加速することだろう……だからこその正念場。
「今ここに集まって貰ったお前達には、ダガヌ海域に存在するインス島に向かって貰いたい。このインス島には、大量の深海魔やら狂王種やらが我が物顔で跋扈してる様だ。更には彼等に手を貸す様に【海乱鬼衆・濁悪海軍】達もまた、武器を手に襲撃を仕掛けてこよう……という訳さ」
「正直、奴らは今迄も多数の船を沈め、喰らいつくしてきた悪食な悪魔と言えるだろう。奴らを倒さなければ、ダガヌ海域だけでなく、その周辺海域にも被害が出てくる可能性が高い……という訳で、奴らの根城を叩いてきて欲しい……宜しく頼むぜ?」
 とショウは、イレギュラーズ達の肩を励ますかの如く、叩くのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 『シレンツィオリゾート』を取り巻く事件も、とうとう終盤戦といった所です。
 今回の作戦は三箇所で同時勃発する作戦ですが、皆様には地味ながらも大切なインス島の脅威退治を御願いします。

 ●成功条件
  立ちはだかる多くの敵(深海魔、虚滅種、海軍)を全て討伐する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  ダガヌ海域に浮かぶ『インス島』が舞台となります。
  島に向かう際に立ちはだかる『海軍』と、島の海上・海底に潜む深海魔・虚滅種を退治する、という2つのフェーズが含まれます。
  勿論ダガヌ海域に息つく間の海軍との戦闘で負けてしまえば、深海魔・虚滅種らを倒す事も出来ませんので、どちらの戦闘も油断なさらないように御願いします。

 ●討伐目標
  ・一陣:ダガヌ海域にて立ちはだかる『海乱鬼衆・濁悪海軍』:25人
    ダグラに率いられた勢力の一つで、海乱鬼衆の中においても特に凶悪・凶暴・残忍な集団です。
    彼等は海賊船を駆り、インス島に近づこうとする者を排除しようと動きます。
    戦闘能力はそこまで高く無いものの、数の暴力で決して先を通さない様に蠢きます。
    尚、性格自体も悪い奴らばかりなので、仲間を蔑ろにして自分だけ助かろう……という行動も取る様です。

  ・二陣:海を回遊する巨大白鯨型深海魔『メリディアン』:2匹
    巨大な体躯を持つ深海魔です。
    高いHPとAP、更には魔法の力を持ち、周りの水を固めて槍のようにして貫くが如く放ったり、ジグザグに曲がっていく青白いビームを放ったり、
    更にはそのビームを乱射で拡散させる事で雨のように空から降り注がせたり……と、攻防万能な攻撃が可能です。
    更にこれらの魔法攻撃には、感電や麻痺、呪いなどの痛いBSを付与してきます。
 
  ・二陣:海神の気を纏いし小型の亜竜の幻影虚滅種:20体
    小さめの体躯(100cm程度)をした、亜竜の幻影です。
    虚滅種(ホロウクレスト)であり、海嘯という強力な波の渦を形成し、立ちはだかる敵を薙ぎ払おうとします。
    この攻撃には麻痺の能力と、凍結系列のBSが織り交ぜられています。
    又、その口元には鋭い牙が供えられており、噛みついたりする事で出血効果+自身の体力回復という力を持っています。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <デジールの呼び声>楽園の影、切り払う完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年10月08日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)
片翼の守護者
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
型破 命(p3p009483)
金剛不壊の華
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
刻見 雲雀(p3p010272)
最果てに至る邪眼

リプレイ

●幾重の悪意
 海洋王国に属する地上の楽園『シレンツィオリゾート』。
 煌びやかなエンターテインメントを提供するかの国は、華やかなる栄光を誇っていた。
 だが……そんな国の周りに起きるは深海魔や虚滅種の出現……更にはそれを平定する竜宮という存在。
 竜宮を巡り様々な事件が起きたものの、イレギュラーズ達の活躍によって、それらは一時の平穏を取り戻しつつある。
 ……だが、そんな平穏を妨げる事件。
 悪神ダガヌを退治しようと軍勢を整えていた所に、突如発生した竜宮への襲撃事件と、天浮の里へと勃発する事件。
 更にはダガヌ海域の周りには大量に深海魔や狂王種、濁悪海軍らが次々と姿を表す。
「やれやれ……やたら数が多いね。それだけ敵が活発化になっているという事だけど」
 そう肩を竦めるのは、『最果てに至る邪眼』刻見 雲雀(p3p010272)。
 それに『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)と『紅獣』ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)夫妻。
「全くね。リヴァイアサン案件も終わって落ちついたかと思えばまた大変だねぇ……」
「そうだな。多少落ちついたかと思えば……まぁ、こう忙しくなるんだよな?」
「そうそう。新種もぽんぽん発見されてるし、面倒な事で」
「本当だ。敵意のない発見なら歓迎なんだけどな……どうやらそうもいかないらしい」
 溜息を吐く二人に『金剛不壊の華』型破 命(p3p009483)も。
「そうだな。なんつーかよ、多すぎねえか? こっちは八人だぞ? いや、まぁ……神使なんだから、何とかしろと言われたらそれまでなんだけどよぉ……!」
 命の言う通り、今回相手にする相手は濁悪海軍に深海魔、虚滅種の混成。
 第一海軍を倒さなければ、舞台であるインス島自体に辿り着く事すらも出来ないワケで……。
「しかし、濁悪海軍か……連中とは一度やりあった事があるんだが……今回の様に、魔物と共同行動を取るほどに落ちぶれたとはな……まぁ、それならそれで遠慮は要らないだろうが」
「そうね。奴らを倒しておかないと、落ちついても居られないわ。竜宮の事件もそうだけど、永遠の封印なんてありえないしね。それは深緑を見た私からは、当然の帰結よ。だから封印は平和同様、次世代に引き継ぎ続ける必要がある。私達がすべきは、その物語を作ることよ……『神がそれを望まれる』のだから」
 手を合わせ祈りを捧げる『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)に、『威風戦柱』マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)と、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)と雲雀も。
「そうだな。ま、封印はあくまでも一時凌ぎ。定期的なメンテナンスと引き継ぎで維持しつつ、技術と世代交代で確実に滅するための時間稼ぎをするものだからな……それはそれとして、押しつけられた側はたまったもんじゃないがな」
「そうだね。竜宮を守るため、何としてもインス島に辿り着きたい。立ちはだかる敵は、全て倒して島に向かうぞ!」
「ああ。俺たちが思って居るよりも勢いが凄まじいだけに、今のうちに打てる手は打って置かないとな。取り返しがつかなくなってしまっては、誰も報われない……それだけは避けなきゃいけないからね」」
 気合いを入れるイレギュラーズ……そうしていると、周りの海域が急激に悪化し、揺れ始める。
「っ……捕まってろ!」
 揺れに対し、操舵輪をカウンターで当てながらその荒れた海を進んで行くイズマ。
 数時間……そんな荒れた海を越えていくと……水平線の先に見え始めるインス島。
 更にその周りを多くの海賊船達が陣を構え、イレギュラーズ達を通すまいと立ちはだかっている。
「奴ら……俺達を待ち構えてやがる。強行突破しないとな」
 エーレンの言葉にルナール、ルーキスが。
「そうだな。面倒事はさっさと終わらせるに限るし、俺もやれる事をやるとしよう」
「うん。まぁ私ノやることは徹頭徹尾変わらない。ダメージディーラーらしく、嫌がらせに徹しましょう」
 そう頷きあい、そして命も。
「くそっ……これも依頼だ、やるしかねぇよなぁ! 覚悟は万端だ、んじゃあ行こうぜぇ!」
 と威勢良く声を上げながら、イレギュラーズ達の船はインス島を取り囲む濁悪海軍に向けて航路を取った。

●立ちはだかる、壁
『……オウオゥ、どうやら来た様だぜぇ……! さぁ、殺戮を始めるとしようかぁ!!』
 と、イレギュラーズ達の船の接近に対し、何処か嬉しそうに声を上げる濁悪海軍。
 インス島を守るかの如く立ちはだかる彼等は、様々な方向から近づいてくるイレギュラーズの船に勝ちどきを上げている。
 そんな敵陣の船に接近しつつ、イーリンは。
「さぁ……一芝居うちましょうか」
 と呟くと共に、食料樽の前で手を合わせ、神に祈る様な仕草をする。
 そして、イズマが操作する船は、はっきりと海軍の船の視界に入る。
 ……食料樽を乗せた小型船……更に甲板で祈る、か弱そうなシスター服に身を包み、震えている様に見える乗組員。
 少しばかりちぐはぐな感じもするが、海軍達はというと。
『がはははっ! なんだぁ! こんな荒れた海で自殺でもしようとしてるのかぁ?』
『もったいねーなぁ! まぁ、自殺してーんならあえて殺してやろうじゃねぇかよぉ!』
 そう笑いながら、スピードを更に上げる敵船……対しイズマは船を回頭させる。
『逃げようってのかぁ! ははは、そんなことさせねーぜぇ!!』
 と、声高らか海軍は笑いながら、船を追尾し始める……だが、敵船の方が当然スピードは速く、段々と追いつかれていく……
『逃がさねぇぜぇ!!』
 血気盛んな彼等から逃げられない所で、イズマは再度船を旋回。
『展開だぁ!!』
 叫び、流石に真っ正面からの衝突を避けようとする海軍……とは言え船横同士がぶつかり、強い衝撃が両船を襲う。
 振り落とされない様に船縁に捕まり、衝突の衝撃を耐える……そして。
「俺達は、力尽くで押し通ってやる! 止めたければかかってこい!!」
 とイズマが叫ぶと共に、敵陣の怒りを惹き立てる。
『あぁん!? ふざけた事言ってんじゃねぇ!!』
『命知らずな奴らだなぁ! まぁ、ぶっころしてやらぁ!!』
 血気盛んな男達は、武器を手に戦意を高める。
 そして、彼等が船に乗り込んで来ようとする瞬間。
「さて、と……お手伝いよろしくルナール先生」
「ああ、解った」
 ルーキスの言葉に頷くルナール……そしてルーキスは先陣切って後方から混沌たる泥の一閃を叩き込む。
 攻撃を喰らった彼等がキレながら船を乗り越えて来ようとするが、壁の如く命とルナールの二人が。
 己れ達の船には絶対に通さん。魔物共に手を貸した不浄な奴らにはな」
「ああ……それにお前達、数の暴力でやればどうにでもなるとでも思って居るだろう? 数の暴力が、敵側だけの専売特許っていう訳じゃない。うちのルーキスとかな?」
 そんな二人の言葉に、海軍共はうっせぇ、と聞く耳を持つ事は無い。
 そして、そんな彼等に向けてイーリンが。
「……取りあえず最初の内は、足止めさせて貰うわよ」
 と魔眼を光らせ、一番先頭に立つ海軍を足止めし、邪魔になる。
『くそっ、邪魔だっ!』
 別の仲間が足蹴にしながら前へ前へと進み出て、立ち塞がる命とルナールに総攻撃。
 流石にそれら攻撃にかなりのダメージを喰らうのだが、その攻撃を確実に回復するメーヴィン。
『ちっ……巫山戯た真似しやがって!』
 と苛つく彼等に、敢えてメーヴィンは。
「しかし……君達はなんで深海魔達の利する事をするのかよくわからんな……まぁなんにせよ排除するだけよ」
 と蔑むように吐き捨てていく。
 ……そして二刻目、三刻目……時が経過する間も、絶対に自船へと通さない様に進めていく。
 と……そうしている間に。
「さぁ、逆波。不届き者を懲らしめに行こう」
「そうだな……さぁ、この一発をくらわせれば、大穴開くよ」
 いつの間にか、水中に身を隠していたエーレンと雲雀。
 近づいて来た敵船へ、雲雀の妖精が穴を開けるべく工作し、更に対城技の一閃をエーレンが叩き込む事で、大きな穴をぶち開ける。
 ……当然船は大きな衝撃に揺れると共に、船体は段々と沈み始める。
『な、何っ!? 船が、沈むっ!?』
 と、突然の事に慌てる敵陣。
「これで良し……戻るぞ」
 そしてエーレンは雲雀と共に、衝突方向とは逆に這わせていたロープをすぐさま上り、仲間達の戦列に復帰。
「さぁ、君たちの船の船底には大きな穴が空いたよ? もう後は沈むだけ……沈み行く船に呑まれて行きな」
 そんな雲雀の言葉に、罵詈雑言を上げる海軍。
 沈み行く船からどうにか逃げようと、仲間を犠牲にしてでも助かろうとする海軍達。
 しかしながら、イレギュラーズ達は決して彼等を通す事はない……そして。
『くそっ……てめぇら、てめぇらなんて、やつらに食われちまえばいいんだっ!!』
 と、強い怨恨の言葉を吐きながら、沈む船から逃れる事も出来ずに海の藻屑と消えて。
「これで良し……後はインス島に急ぎましょう」
 イーリンの言葉に皆頷き、船はインス島へと接近していく。
 しかし、インス島まで後もう少しといった所で……。
『……ウォォォォン』
 海底から響きわたる、甲高い鳴き声。
 その鳴き声と共に、海面がグググ、と盛り上がる。
 急ぎ舵を取り、それに巻き込まれないように展開すると……その海面に現れたのは、巨大な体躯を持つ白鯨と、その周りを飛び回る、亜竜の群れ。
「続け様に現れた様ね……油断せずに行くわよ」
 とイーリンが仲間達に呼びかけると共に、どの方角から来ても良い様に展開するイレギュラーズ。
 そしてルーキスは。
「いやぁ、中々に凄いながめだね」
 と軽く笑いつつ、数を減らすべく、さっさと浮上たる泥を展開。
 対しての敵、深海魔と虚滅種の集団はその攻撃を喰らいつつも、鯨は己が周りの水を氷の如く固めると、その巨躯を上下に動かす事で並みに乗せて槍の如く一閃を放つ。
 それに対し亜竜達は、波の渦を幾つも己が周りに生み出して、イレギュラーズ達に放出。
 その二つの攻撃は流れる様な動きで放たれ、イレギュラーズ達の船を巻き込みつつ、渦がイレギュラーズ達に襲い掛かる。
 しかし、そんな敵の猛襲を毅然として立ち塞がるのはルナールと命。
 瞬く間に二人の体力は大きく削られていく……だが、決して倒れる事は無い。
 二人の命を預からんと、メーヴィンは常に二人を回復する。
「感謝!」
 と、命が軽く頭を下げると、メーヴィンは。
「問題無い。すまないがっこちらで手一杯になりそうだ。彼等の始末は、皆に任せるよ」
 と仲間達へ声を掛ける。
 そして、それにルナールが。
「ああ……こういう時は、器用貧乏さに拍車がかかっていて良かったかも、と思えてしまうな……」
「ふふ、そうね。まぁ……盾になってくれるから、私達が安心して戦えるのだから。頼むわよ」
 ルーキスが微笑むと、ルナールはこくりと頷く。
 そして、イレギュラーズ達が動く。
 イーリンとイズマ二人は、船を駆けて、白鯨の『メリディアン』に向けて飛びかかる。
 白鯨はウォォン、とまたも唸り超えを上げながら攻勢に動こうとする。
 しかしそれに、イーリンは。
「私の目を見て、私の声を聞いて、私を……わたしと、躍れ……!」
 メリディアン単体に向けて、抑える為に魔眼を放つ。
 そしてもう一匹はイズマが立ち回り惹きつける事で、二体のメリディアンは二人で完全にブロック。
 残る亜竜の虚滅種に向けて、エーレンと命の二人は。
「二人が惹きつけてくれている間に、一体ずつ確実に仕留めて行くとするか」
 と、命はなるべく多くを巻き込むように漆黒の月を輝かせ、エーレンは機動力を活かした太刀筋で、一体ずつ確実に切り刻む。
 そう一体ずつ確実に仕留める一方で、ルーキス、雲雀の二人は多数をターゲットに収める。
 雲雀が、小妖精達の総攻撃を嗾けることで、総じての体力を削り取ると。
「ま、数で攻め立ててきても手は抜かないよ」
 と軽い笑顔を浮かべながら、彼方からの呼び声にて纏めて歩みを制御。
 動きが制限された所へ、次の刻のエーレンと命の強力な一閃を叩き込んでいく。
 ……メリディアンの妨害を完全に惹きつけてくれているからこそ、虚滅種達の討伐に集中。
 時間はかかるものの、数の多い虚滅種達は確実に数を減らしていく……そして数十刻。
 虚滅種全てが崩れ去ると、メーヴィンが。
「こっちはもう大丈夫だ! 戻ってこい!」
 そう叫ぶと、イーリンとイズマは、惹きつけて居たメリディアンを仲間達の方へと運ぶ。
「さぁ……後は貴方達だけ。俺達はインス島に辿り着かなければならないんだ。立ち塞がるのなら、仕留めるが迄だよ」
 雲雀の宣告……だが、深海魔は易々と通す訳は無い。
「まぁ、ここで退くような奴らではないだろう……さぁ、全て、仕留めるとしようか」
「そうね……これにて幕引きよ」
 エーレンの言葉に静かにイーリンが頷き……そしてイレギュラーズ達は、巨躯の白鯨を刃に討ち倒していった。

●漆黒の中に
 そして、濁悪海軍と深海魔、そして虚滅種の集団を倒し切ったイレギュラーズ達は、インス島に接岸。
 勿論インス島、、喧騒と剣戟の音が鳴り響き始めており……他の仲間達も、どうやら上陸した様だ。
「はーい、お疲れ様。取りあえず私達の周りに居る輩はみんな倒れた様だね?」
「そうだな……しかし、毎度難儀な事だ……」
 そうルーキスの言葉に、深い溜息を吐くルナール。
 そんな疲れた雰囲気を見せるルナールににっこり笑みを浮かべながらルーキスが。
「ふふ。カバーありがとね、ルナール」
 と微笑みかけると、ルナールはほんの僅かに笑みを浮かべながら。
「内、カバーと言ってもいつも通りだよ。ルーキスもお疲れ様だ」
 と頷く。
 そんな二人の会話を聞きつつ、イーリンは。
「さて、と……深海魔と虚滅種達はいいとして、あの濁悪海軍……何処から来てたのかしらね?」
 と小首を傾げる。
 それにメーヴィン、エーレンが。
「確かにそうだな……まぁ、人である事をもう諦めたような輩だったから、そういう事なんてもう何にも考えて無かった……とかなのか?」
「かもしれないな。まぁ言葉は介する能力は残っていたが、ああいう奴らに手を貸すのならば、最早人でないのとほぼ同等だ。まぁ……このインス島への攻略作戦が実行されているんだ。大多数は倒した事は間違いないだろうさ」
「確かに、ね……後は、確りとインス島に残る敵を駆逐し、悪神ダガヌを倒すまでの事。過ぎた事はもう気にしても仕方ないわ」
 冷たく、ばっさりと切り捨てるメーヴィン……そしてイズマも。
「そうだな。俺達はこの程度で力尽きたりはしない。粘り強く戦って勝利をつかみ取り、進み続けるんだ!」
 拳を強く握りしめて、強く強く心を奮い立たせるイズマ。
 そして雲雀と命も。
「ああ、そうだね……中々に厳しい戦いであろうから、俺達がしっかりとこの場を切り拓かないとね」
「そうだな! よし、ここから先には、絶対に敵は通さない……己れに出来る仕事を、しっかりとこなさせて貰おう!」
 そう……一度は倒した怪物達は、まだまだインス島の様々な所にいるだろう。
 彼等が作戦遂行の邪魔をしてくるのは間違い無い……だからこそ、今ここで、確実に仕留めて行かなければなるまい。
「そうだな……良し。まだまだ気は抜かずに、確実に仕留めて行くとしよう」
 とのエーレンの言葉に皆も頷き、そしてイレギュラーズ達はインス島を勇猛果敢に立ち回るのであった。

成否

成功

MVP

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女

状態異常

なし

あとがき

どうにかインス島上陸……皆様お疲れ様でした!
海軍の者達は、どうして魔物達に手を貸したのかは解らずじまいではありますが……まぁ、彼等が厚生する事は無かったでしょう。
ちなみに、敵船を沈める、とは正直思ってませんでした……。

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