PandoraPartyProject

シナリオ詳細

倒して食べよう、でっかい貝と巨大魚

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

 海洋の、とあるリゾート島。
 どういうわけか巨大なタコやイカが、近海から湧いて出る島である。
 色々と危険なのだが、出るたびにイレギュラーズ達に倒して貰っているので事なきを得ていた。
 現在では、そうして倒したタコやイカを使った料理が名物になっており、しかも、イレギュラーズ達の戦闘が一種のショーとして観光客には楽しまれている。
 そんな島で、少し前に依頼で訪れた熾煇(p3p010425)は、お供のリトルワイバーンと一緒にタコイカ料理に舌鼓を打っていた。
「美味いな! 美味いな! ワイバーンも、もっと食え!」
 熾煇に勧められ、嬉しそうな鳴き声をあげながら一緒に食べるリトルワイバーン。
 熾煇はギフトで仔竜の姿になっているので、愛嬌のある竜のお食事シーンに見える。
 なぜ熾煇がタコイカ料理を食べているかといえば、それを映像に撮るためだ。
「かわいいわよー。そのまま食べてて」
 依頼人のリリスが褒めるように言いながら追加のタコイカ料理を持って来る。
 少し離れた場所では、依頼人であるニコラが、熾煇とリトルワイバーンの映像を撮っていた。
 何故そんなことをしているかといえば、映画撮影のためだ。
 少し前、島で暴れる巨大タコとイカとイレギュラーズの戦いを撮ってB級映画として公開していたのだが、それがプチヒット。
 続編も検討されているが、その中で、熾煇とリトルワイバーンの食事シーンが一部の層に受けたので、それ用の映像を撮ることも理由として島に呼んでいる。
 次々出されるタコイカ料理を堪能すると――
「美味かったぞー!」
 満腹になった熾煇は、リトルワイバーンと一緒に食休み。
 そこに、依頼人であるヴァンが声を掛けた。
「船の準備が出来ました」
 それは熾煇が島に呼ばれた、本命の依頼だ。
「分かったぞ。腹ごなしに行くぞ、ワイバーン」
 鳴き声を上げ、熾煇と一緒に船に向かうリトルワイバーン。
 リリスたち依頼人も一緒になって、船で沖合に出ることになった。

 そんなことになっているのは、近海の海洋調査の下準備のためだ。
 島では、元々危険度の高い野生動物が出ることがあったが、特に最近では巨大なタコやイカが出て危ないということで、状況把握のために調査をするつもりなのだ。
 それをする切っ掛けは――

「前にタコとイカ倒して貰った時、参加して貰ったイレギュラーズの子に、海洋調査を提案されたのよ。近い内に本格的にするつもりだけど、その前の下調べね」

 ということらしい。
 すぐに始めないのは、色々と理由もある。

「場合によっては水中での戦闘になるかもしれませんし、水中でも陸上のように動き回れる魔法を掛けるための下準備で時間がかかるんです。触媒やら色々と集めないといけませんから」

 とのこと。水中戦が得意でなくても、地上と同じに戦えるようにするため、手間がかかるらしい。
 なので準備が整う前に、水中に潜らなくてもできる範囲の、船上調査をするつもりなのだ。
 その護衛として、映画撮影の件もあり、熾煇が呼ばれていた。
「あの浮き輪の所に、餌の貝があるんだな?」
 船で沖合を進む中、熾煇が、まだ遠くにある浮き輪を見て尋ねると、リリスが応えた。
「ええ。砂浜から離れた場所で試さないと、お客さんが危険だし。巧く食いついてくれると良いんだけど――」
 などと言っていると、にゅるりとタコ足が浮き輪に巻き付き、巨大なタコが海中から姿を現す。
「おー、出て来たぞ」
 まだ離れた場所なので、余裕を持って熾煇が見ていると、貝をバリバリ食っていくタコ。
 そんなお食事中のタコだったが、突如襲われる。
「でっかい貝が体当たりしたぞ!」
 熾煇の言う通り、海中から飛んで来た巨大な、はまぐりっぽい貝がタコに激突。
 ぶっ飛ばされたタコが態勢を整える前に貝殻の口を開き、こぶし大の貝が無数に飛び出しタコにぶつかる。
 そこで怯んだ所に、でっかい貝は高圧水流をレーザーのように放ち、タコ足を細切れにした。
 痛みのためか、あるいは驚いたのか、距離を取るタコ。
 そこに、今度は巨大魚が飛び掛かった。
「おー、翼があるぞあの魚」
「トビウオみたいですね。サメより大きいですけど」
 感心したように見ている熾煇に、説明するヴァン。
「乾燥させると良い出汁が取れるんですよ。あの大きさだと干すのが大変そうですが」
「気にするところ、そこなの?」
 地味にツッコミを入れるリリス。
 などと話している間に、空中を飛び回る巨大トビウオは、翼にも見えるヒレでタコを切り刻むと、最後に体当たり。
 バラバラにすると、それをもしゃもしゃ食べる。その横では、でっかい貝が水面に浮かびながら、切り刻んだタコの破片を、貝殻から管のような物を出しごくんと飲み込んでいた。
「なにあれ?」
「貝と魚では?」
「大きさ可怪しいでしょ!」
 ヴァンにツッコミを入れるリリス。
「だいたい、なんであの魚も貝も飛んでるのよ?」
「魔力か魔法の影響受けて飛べるようになってるみたいですね」
「怪しすぎる……何か元凶っぽい物があるんじゃない?」
「どうでしょう? 深海魔とか、そういうのが最近出没してるみたいですし、そういうのに改造されたとか?」
「分からないけど……とにかく本格的に調査した方が良いわね。あと、お客さんが来る航路に出没されたらまずいから、とりあえずそっちを先に見て回って――」
「あっ」
「なに!?」
「貝と魚が、こっち来ます」
 ヴァンの言う通り、人間が走るぐらいの速度で飛んでくる、でっかい貝とトビウオ。
「逃げるわよ!」
 全力で船を動かし逃げるが、近付いて来るので――
「やっつけてやるぞ!」
 熾煇が魔力を伴う咆哮を放ち、水中に撃ち落とす。そこに――
「餌を投げて気を逸らして!」
 リリスに言われ、餌袋を投げるヴァン。
 すると、でっかい貝とトビウオは、そちらに飛んでいく。
 その隙に浜辺に逃げ切ったリリスは言った。
「色々と本格的に調査とかする前に、まずはさっきの貝と魚をどうにかしましょ」
「餌で誘き寄せることが出来そうですから、また前みたいに倒して貰う依頼出しましょう」
「そうね……というわけだから、もし良かったら、手を貸してちょうだい」
「分かったぞ」
 熾煇は応え、真似するように鳴く、リトルワイバーンだった。

 てなことがあり、ローレットに依頼が出されました。
 内容は、バカでっかい貝とトビウオの討伐。
 餌で浜辺に誘き寄せるので、倒して欲しいとのことでした。
 倒した後は、美味しく食べるつもりのようです。
 依頼内容を確認したイレギュラーズ達は、バカでっかい貝とトビウオを退治するため、島に訪れるのでした。

GMコメント

おはようございます。もしくはこんばんは。春夏秋冬と申します。
今回は、アフターアクションでいただいた内容を元に作った物になります。

そして、以下詳細になります。

●成功条件

バカでっかい貝とトビウオを討伐する。

●戦場

砂浜で戦うことになります。
砂浜なので、少しだけ足場を取られますが、戦闘に支障があるほどではありません。
戦闘の際に、邪魔になる障害物などはありません。

●敵

餌で浜辺に誘き寄せた所で戦うことになります。

でっかい貝×1

ハマグリっぽい見た目の貝です。数メートルの大きさがあります。攻撃手段は、

小貝アタック 物近範

貝殻の口を開け、そこから通常の大きさのハマグリを複数飛ばしてきます。

飛んで来たハマグリは後で獲って食べれます。

ウォータージェット 物中貫

貝殻の口を開けて放ってきます。

体当たり 物遠単

飛んできます。

でっかいトビウオ×1

数メートル以上の大きさのトビウオです。宙に浮かびつつ、飛んできます。

体当たり 物遠単 威力・大

噛み付き 物遠単 威力・中

ヒレカッター 物遠単 威力・小

デカいだけの魚なので、複雑な攻撃は出来ません。

●流れ

今回の流れは、

1 現地到着。
2 依頼人達が砂浜に貝とトビウオを誘き寄せる。
3 倒す。
4 食べたり遊んだり自由。

という流れになっています。

●NPC

リリス&ヴァン

依頼人です。

必要な物があれば用意してくれます。

とりあえず、倒したあとに焼く用意とかしてます。

他にも何かあれば用意してくれます。

●情報精度

このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。

説明は以上になります。

それでは、少しでも楽しんでいただけるよう、判定にリプレイに頑張ります。

  • 倒して食べよう、でっかい貝と巨大魚完了
  • GM名春夏秋冬
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年10月01日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
志屍 志(p3p000416)
天下無双のくノ一
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
十夜 蜻蛉(p3p002599)
暁月夜
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
熾煇(p3p010425)
紲家のペット枠
陰房・一嘉(p3p010848)
特異運命座標

リプレイ

(でかいタコイカの次はでかいトビウオとハマグリときたか)
 現地で依頼内容の詳細を聞き、何度か島で依頼をこなしたことのある『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)は内心で呟いた。
(……このあたりの海域の生態系が狂っちまってねぇか、本気で心配になるねぇ)
 その表情を見て、依頼人のリリスは言った。
「近い内に近海を調べる予定よ。何事も無ければいいんだけど」
「そうだといいねぇ。まぁ、取りあえず今日の所は、でかいトビウオとハマグリをどうにかするよ」
 縁の言葉に礼を返すリリス。
 そのやりとりを聞いていた『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)が軽く尋ねる。
「巨大海洋生物が発生する理由、推測は出来ているんですか?」
 これにヴァンが応える。
「魔力の影響で巨大化する可能性はあります」
「それって人為的な物ってことですか?」
「その可能性もありますが、魔力だまりみたいな自然現象の可能性もありますね」
「魔力だまりとかあれば自然発生することもあるんですか? なんですかそれこわい」
 ちょっと考えて続けて言った。
「リゾート地の近くにその類の怪獣がいるとなれば問題でしょう――変なB級映画ファンが来そうな気もしますが、高級路線リゾートには合いませんか」
「それもありね」
「閑散期の呼び込みに使えそうです」
 商売気が強くたくましい依頼人。

 などと話している間に準備は整い、まずは海に餌を撒く。
 湧いて出るデッカいトビウオとハマグリ。
 それを見て、思わず感想を漏らすイレギュラーズ。

「わあ、でっかいねー。これも新しい観光資源になるのかな」
 余裕のある様子で言うのは、『若木』寒櫻院・史之(p3p002233)。
「どっちも食べるとおいしいんだよねー」
 敵というより食材として見てる。とはいえ――
(おっともう戦闘後に思いを馳せちゃったよ。がんばらないと)
 戦闘慣れしているので油断は無い。
 史之のように戦い慣れている者が多いこともあり余裕のある者が多かった。
 そんな中、空から撒き餌を手伝っているのは、『紲家のペット枠』熾煇(p3p010425)。
「うぉー! でっけー!! 近くで見るとすっげーでけー!」
 ギフトで仔竜の姿になったまま、リトルワイバーンの背に乗り飛行しながら撒き餌をして誘き寄せる。
「先に魚の、トビウオってのから誘き寄せるんだよな?」
 熾煇の言葉に応えるようにリトルワイバーンが鳴き、返すように熾煇は言った。
「ワイバーンも早く食べたいか?」
 応じるように鳴き声が上がる。
「よし、早く捌いて食べような!」
 気合を入れるように餌を撒き、どんどん近づいてくる。それを見て――
「本当にこの辺、巨大生物が多いな……海の中は一体どうなってるんだ?」
 懸念するように呟くのは、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)。
「原因が無いか後で調査するみたいだけど……でもまずはこのトビウオと貝をキッチリ狩って美味しく頂こうか!」
 イズマも戦い慣れしていることもあり、油断はせず余裕を持って戦いの準備に入る。
 熟練の戦士としての貫禄を見せる仲間の様子に、『特異運命座標』陰房・一嘉(p3p010848)は一層気を引き締める。
(下手に前に出て戦うより、先輩方の立ち回りに合わせていった方が良さそうだ)
 自身の功名より仲間との連携を強く意識する。
(積極的に前に出て戦いつつ、攻撃を受けたらすぐに下がった方が良いな。オレに回復を回すより、先輩方に優先して回した方が戦果は出るだろう)
 少しでも戦闘を有利にするべくイメージを組み上げていた。 
 そうしている間に、トビウオとハマグリは浜辺に上がって来る。
 異様な大きさのそれを間近で見て、『曙の花』蜻蛉(p3p002599)は胸中で呟く。
(色んな海の生き物を見てきたけど、相変わらず……大きゅうて皆元気やこと)
 蜻蛉はウォーカーなので、こちらの世界の埒外の生き物を興味深げに見ている。
(水がなくても生きてるんはどうして?)
 常識外れではあるが、それぐらいのことは多々ある世界なので、既に慣れている蜻蛉は気持ちを切り替える。
(こうして出会うてしもたのも、ご縁。大人しゅう成敗されて貰いましょ)
 戦闘体勢へと移る。
 トビウオとハマグリは砂浜に上陸し、あとは戦うだけ。
 その状態で、『侠骨の拳』亘理 義弘(p3p000398)は口火を切るように一歩前に出る。
(そちらの領域を荒らしたのはこちらかもしれねえが、人間も黙って食われ放題とはいかねえ)
 仁義を通すように前に出て、臨戦態勢を取る様に拳を握る。
(生活もかかってるんだ。存分にやらせて貰う)
「それじゃ、始めるか」
 義弘の言葉に応えるように皆も前に出て、戦闘は始まった。

●食材を討ち取ろう
 最初に動いたのは、瑠璃。
(この位置なら、引き付けても大丈夫ですね)
 回避に動いても依頼人や周辺施設に影響が出ない位置取りをすると、巨大トビウオに向け戦いの鼓動を響かせる。
 トビウオは思いっきり反応。
 いきなりトップスピードでぶつかって来る。猛スピードであったが――
(動きが読み易いですね)
 直線的すぎる動きなので危なげなく回避。
 砂浜にトビウオは突っ込み砂柱が上がる。
(威力は凄いですけど、避ければどうということは無いですね)
 積極的にトビウオを引き付けながら、攻撃を全て回避しハマグリから引き離す。
 あるていど離した所で攻勢に転じ、刃を振るう。
 瞬時に踏み込むと斬り裂き、即座に離れ追撃の刃を放つ。
 ヒット&アウェイで翻弄するようにトビウオを刻んでいった。

 瑠璃がトビウオを引き付けてくれるのに合わせ、仲間も参戦。
 混戦にならないよう、史之が巨大ハマグリの抑えに入る。

(さて、吸い物のためにも、頑張ろう)
 史之が一直線にハマグリへと向かうと、ハマグリは貝殻を開き水レーザーを噴射。
 それを史之は、物理攻撃を遮断する魔力障壁を展開し受け止めた。
 攻撃が効かずハマグリは後退しようとしたが、すでに史之は接敵している。
「遅いよ」
 刃を振るい、その動きに連動して放たれた次元を消滅させる斬撃が、貝殻の一部を削り取った。
(削った個所なら普通に攻撃が通りそうだけど――もっと追いつめてからでないと無理か)
 まだ戦闘は序盤。
 ハマグリは牽制するように、元気に空中を飛び回っている。
(周囲に被害を出さないよう、引き離すか)
 史之は引き付けを意識してハマグリを誘導。
 誘導されたハマグリは、近付くと危険と思ったのか距離を取って貝殻を開き、拳大のハマグリを飛ばしてくる。その攻撃に――
(折角だから、こっちに引き付けて)
 ブルーシートが後方に敷かれた場所にハマグリを誘導。
 それはイズマが考案し、リリス達が敷いておいてくれた物。
「ほら、攻撃してきなよ」
 距離を見定め挑発するように動くと、ハマグリは怒ったように小貝を何度も発射した。

 敵戦力の分断に成功。
 ここからそれぞれ分担し攻撃していく。

「焼き魚にするぞー!」
 応えるように鳴くリトルワイバーンと共に、熾煇はトビウオに突撃。
 気付いたトビウオは突っ込んでくるが、いちいち狙いをつけてから攻撃してくるので読み易い。
 熾煇は回避するとカウンター。
 炎魔纏う爪で焼き切る。
 すると焼き魚の美味しそうな匂いが漂う。
「美味そうだな! 食べさせろ!」
 食欲が刺激され、思わずつまみ食いしたくなるが、トビウオは多少焼かれたぐらいでは平気に飛び回るので食べる隙がない。なので――
「早くやっつけて食べるぞ!」
 応えるように鳴くリトルワイバーンと共に、攻勢を強める熾煇。

 そこに縁も加わる。

「それにしてもでかいねぇ。一体何食ったらここまで立派に育つんだい?」
 呆れ混じりに呟きながら戦闘を開始する。
(引き付けてくれてる間に、下拵えしますかね)
 縁は、瑠璃が中心になってトビウオの引き付けをしてくれている間に、周囲の気を読み掌握する。
(――ここだ)
 掌握した気をトビウオに侵透させると、暴走させ内側から引き裂き無数の傷を作った。
 血を流しながら空中でびちびちと跳ねるトビウオ。
 ダメージを受けている様子だが、動きが鈍った様子は無い。
(元気だねぇ。その活きの良さは、生かしたままにしときたいね)
 後で皆が食べることを考え、冷気を操る。
 トビウオの周囲を冷気で包むと、一気に凝縮。
 表面を所々凍らせるほどの威力を叩きつけた。

 それでも平気に動くトビウオ。
 びゅんびゅん飛び回る様子を見て、蜻蛉は思わず呟く。

「さすがにこれだけ大きいと、ぶつかられただけでもかなり痛そうやわ。なんて、感心しとる場合やないし」
 蜻蛉は戦闘に集中し、仲間の援護を中心に動く。
 トビウオの攻撃直後の隙を逃さず、傷付いた仲間に近寄ると膝をつき手を砂浜につける。
 同時に響く、水面に一滴の雫が落ちる音。
 すると足元に月の光が浮かび上がり、周囲の仲間を癒してくれた。
 お蔭で無傷に近いほど皆は回復する。
「いつでも回復するから、安心してな」
 言葉通り、皆の援護を続けてくれる蜻蛉。

 回復してくれることもあり、積極的に前に出て戦う義弘と一嘉。

「悪いが、先に行かせて貰うぜ」
「分かった。こっちが合わせる」
 より戦い慣れした義弘が、先んじて前に出る。
(魚の攻撃は全て遠距離だ、依頼人や施設を狙って攻撃されるのは面白くねぇ。接近戦で潰す)
 まっすぐにトビウオに向かって突撃。
 それに反応し、トビウオは体当たりして来るが―― 
「上等だ」
 義弘は剛腕に力を込め、飛んで来たトビウオを掴み取り持ち上げると、砂浜に勢い良く叩きつける。
 砂柱が上がるほどの勢いで叩きつけられたトビウオは、そこから跳ねて再度体当たり。
 それを義弘は腕を交差させ受け止めると、逃がすことなく両腕で押し潰すように拘束。
 肉を押し潰しながら、蛇の牙のように指を食いこませ魔力を浸透。
 浸透した魔力は毒となり、トビウオを侵した。
(後で食うこと考えたら味に影響するかもしれねぇが、まずは浜の安全を確保してこそだ、割り切るしかねぇ)
 少しでも早く仕留めることを第一に攻撃していく。
 一連の動きを学び取る様に、一嘉は見ていた。
(大したもんだな)
 義弘だけでなく、他の仲間も、戦いに慣れ動きが洗練されている。
(いつかはオレも同じように……だが今は、出来ることをするだけだ)
 義弘が再びトビウオを砂浜に叩きつけ、トビウオの動きが止まった瞬間を逃さず一嘉は飛び出す。
 不意を突くように、トビウオの頭上目掛け飛び、全力を叩き込んでいく。
(一撃で倒す必要はない。動きを止めることに集中する)
 狙いは、翼のようなヒレ。
 間合いに飛び込むと、前鰭の付け根を狙って渾身の斬撃。
 両断には至らずとも、確実に切り裂く。
 暴れるトビウオ。
 しかしひるまず連続で斬撃。
 幾らか傷を受けるも、動きが鈍るほど切り裂いた所で、一端後退した。

 動きが止まるトビウオ。
 その敵を逃さず、イズマが全力を放つ。

(この位置なら、両方狙える)
 イズマは、トビウオとハマグリが一直線に重なる射線に移動。
 トビウオは一嘉がヒレを切り裂いてくれたお蔭で動きが鈍く、ハマグリは史之が距離を取って押さえてくれているので絶好の狙い目。
(どうせなら、美味しくなるように)
 願いを込めながら、全闘気を収束した光の斬撃を放つ。
 光の斬撃はトビウオとハマグリを貫き、ダメージを与えると共に美味しくさせた。
 連続攻撃を食らい、トビウオの動きが鈍っている。
 イズマは距離を詰めると、一嘉が先に付けてくれていたヒレの傷目掛け、残像が生じるほどの速さで連続斬撃。
 ヒレを切り飛ばし、完全に飛行能力を奪う。
 まな板の鯉ならぬトビウオ状態にした所で、皆が一斉攻撃し倒し切った。
「トビウオは仕留めたよ! ハマグリに集中しよう!」

 イズマの言葉に応え、皆はハマグリに攻撃していく。
 殻が硬いこともありしぶとく、傷を与えて来ることもあったが――

「傷は、うちが治すから心配せんといて」
 蜻蛉が回復に専念してくれるので、ダメージコントロールが出来ている。
 それを防ごうとハマグリは攻撃して来るが――
「させねぇよ」
 縁が守りに入りカバー。
「ありがとうね」
 蜻蛉は礼を言うと、さらに回復を加速させる。
「これでスキル、安心して使えますよって。あともう少し……頑張りましょ!」
 体力だけでなく魔力すら回復させ、戦力を危なげなく維持した。
 この時点で勝利は確実。なので――
「もっと貝、吐き出させるぞ!」
 熾煇が乗り気なのと同じで、皆は出来る限り小貝を吐き出させて倒そうとする。
 打ち止めになるほど続けたあと、一斉攻撃で倒すのだった。

●料理しよう
「どれだけ多く獲れるか競争だ!」
 リトルワイバーンと一緒に、熾煇は普通サイズのハマグリを集める。
 ブルーシートが敷かれている所に飛ばしてくれたので集めやすい。
「これ、上手く利用できれば潮干狩りがやれそうだよな。巨大貝への対応がちょっと大変だが」
 イズマの言葉に――
「好いわね」
「養殖という手も」
 乗り気なリリスとヴァン。
 するとハマグリを回収していた縁も提案。
「せっかく撮影するんなら調理のシーンも撮ってみるのはどうだ? B級映画もいいが、美味い飯の映像も立派な宣材になると思わねぇかい?」
「宣伝映像として撮ってみるかの」
 乗り気でカメラの用意するニコラ。
 普通サイズのハマグリ拾いをしている間に、巨大ハマグリは大きな網に乗せ焼いている。
「口を開けてきましたね」
 火加減見を見ていた瑠璃は、すかさず包丁を差し込んで貝柱を切り離す。
「これでひっくり返ることもないでしょう。上の貝殻は切り離して――
 器代わりにして、貝のの身から出てきた汁を鍋に見立て、切った野菜とトビウオを煮込むつもりだ。
(新鮮な切り身はお刺身にするとして、練達のスーパーで醤油とワサビを買っておいて本当に良かった)
 食べるのが今から楽しみな瑠璃に、一嘉が頼む。
「その貝柱、貰えないだろうか? 一口大に刻めばアヒージョに出来て美味いと思う」
 快く渡す瑠璃。
 礼を言って一嘉は受け取ると、豪快に刻みアヒージョの準備。
 終わると次はトビウオに向かう。
 そちらはイズマが捌いてくれていた。
「本当に巨大だな!?」
 捌いても捌いても終わらない。
 鱗や羽、内蔵を取り除き――
「切り分けた物は好きに持っていって」
 調理は後回しにして、皆に持っていって貰う。
「それじゃ、ありがたく」
 一嘉は一抱えはある切り身を貰い次々調理。
「これだけ大きいと刺身、塩焼き、フライ、南蛮漬け……幾らでも作れるな。蛤? とも組み合わせてアクアパッツアも作るか」
 持って来ていた十全式調理道具一式を駆使し、時間の許す限り作っていく。
 そうしてイズマは皆に切り身を分け終えると、自分の料理作り。
「トビウオとハマグリに夏野菜を加えて――」
 彩り鮮やかなアクアパッツアを作る。
「見た目も好いわね」
 料理を見たリリスは褒めると、島のリゾート料理メニューとして加える事となった。
 同じように、史之も作る。
「トビウオはすりみにしてつみれやかまぼこ。レタスやにんじんのグラッセや粉ふきいもなんかを持ち込んでフィッシュハンバーグにしちゃうのもいいかも。あとは、はまぐりはやっぱり吸い物! 最後におしょうゆをちょいと垂らして――」
 美味しく作っていると、リリスとヴァンが寄ってくる。
 以前、史之が考案した料理が島の名物になっていることもあり、新作は無いか訊くと――
「ラーメンにしても美味しいんだよね、いい出汁がとれるから」
 史之の考案で塩ラーメンが作られることになった。
 その話の中で、史之は尋ねる。
「リリスさん、ヴァンさん、今回の獲物も保存できるの?」
 可能なので、潮干狩り用に浜辺へ埋められた。
 皆が美味しい料理を作る中、蜻蛉はリリスとヴァンに手伝って貰って美味しく作る。
「お刺身に、浜焼き。お醤油垂らして――ええ匂いやわ」
 腹が鳴りそうな好い匂いが漂う。
「お鍋もして――味噌も用意して、お味噌汁に」
 良い出汁が出てるので匂いだけでも美味しそう。
 味を見るために少し食べてみると、やはり美味い。
「タコさんを食べてるだけあって、身もしっかりしとるし美味しいわ♪」
 料理は次々出来、食べるのが楽しみ。
 とはいえ魚介の類が食べられない縁は、ひとりのんびり砂浜の散歩に向かおうとし、リリスが声を掛ける。
「氷結洞窟のバーにお酒と摘まめる物用意してるから行ってみて」
「そうか。それじゃありがたく」
 礼を言う縁。
 それを聞いていた義弘がリリスに訊いた。
「酒、用意して貰えるのか?」
「ええ。これなんてどう?」
「お、好いね」
 瓶ビールを貰うと喉越しを楽しむ。
「仕事の後のビールは格別だな。こりゃもっと美味く飲むためにも、美味いもん作るか」
 骨や頭を使って出汁を取ると、味噌汁や海鮮鍋を作り、合間にハマグリを焼き口が開いた所で醤油をたらし――
「美味い! いけるな!」
 ビールを片手に料理に舌鼓。
 その頃には皆の料理も出来終わり、みんなで食べる。
「美味いな! 美味いな!」
 熾煇が十人前は食べるのを筆頭に、皆も美味しくどんどん食べる。
 それでも料理は沢山なので、観光客も加わり海鮮パーティ。
 島の盛り上げにも一役買ったイレギュラーズ達だった。

成否

成功

MVP

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結

状態異常

なし

あとがき

皆さま、お疲れ様でした!

皆さまのお蔭で、島の近海に湧き出る謎な巨大生物の脅威がひとつ取り除かれました。
また、皆さまが美味しく料理を作ってくれたお蔭で、島には新たなメニューが出来、美味しく食べている様子を映像として撮ることで、宣伝になり観光客が増えたようです。
皆さまのお蔭で、島はさらに賑わいました。

それでは、最後に重ねまして。
皆さま、お疲れ様でした。ご参加、ありがとうございました!

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