PandoraPartyProject

シナリオ詳細

閉め切ったフロアで触手と対峙する簡単なお仕事

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●どうせ今回も練達のせい
「ついに! ついに完成したのじゃ……! 我らの野望、ひいては全人類の夢が!!」
 時刻は深夜二時を少しばかり回った頃。
 薄暗がりの研究室で蛍光グリーンに泡立つ謎の液体の入ったフラスコを前に、白衣に身を包んだ老人が満足げに頷いていた。博士の名前は茂部植株(もぶ しょくしゅ)。名前の通り植物に関した研究を行っておりこう見えてもなかなかすごい人物である(らしい)。

 さて、そんな彼は長年行っていた研究の成果を前に満面の笑みを浮かべていた。鼻歌を歌いながら備え付けのプランターから瑞々しい緑色の葉をつけた植物を取り出す。フラスコを傾けポトリポトリと慎重に液体を葉の上に落としていくと淡い燐光を纏った葉が徐々に成長していった。

「もう少し、もう少しじゃ……焦るな、焦ってはいけない……」
 頬刷りしたくなるような沸き上がる愛おしさを何とか堪え、作業に没頭していると突如としてガサッと音がした。
「うん……?」
 ゆっくりと視線を動かし、植株は自身の左手を見た。其処には黒光りする特大サイズのアレが無邪気に植株の手をお散歩している所だった。

「んぎゃあ!?」

 思わず思い切り手を振り払うと共に、盛大に葉へと降りかかる蛍光グリーン。キラキラネオン色に輝く丸い雫はこんな状況でなければ一種のアート作品の様に見えたかもしれない。
「はわ……はわわわ……」
 可愛らしく健気に成長していた植物は急激に浴びせかけられた液体に制御を失った様に猛スピードで姿形を変えていく。腰を抜かしていた植株だがはっと我に返り前のめりになりながらも扉を開き慌てて外から鍵をかける。そのまま通りすがった警備員に声を掛けられた植株は息も絶え絶えに叫んだ。

「重大な事故が起きたんじゃ! 今すぐこのフロアを閉め切ってくれい!!」
 

●閉め切ったフロアで触手と対峙する簡単なお仕事
「やぁ、よく来てくれたね」
 とあるビルの屋上で風にコートを靡かせたリーディア・ノイ・ヴォルク(p3p008298)はあなた方を振り返った。月明りに照らされたリーディアは親指で隣のビルを指す。
「あのビルは一棟丸々研究所になっているんだが、今回事故が起きてしまったようでね……アレ、見えるかい?」
 指先を追うようにじっと目を凝らすと巨大な塊が動いている。緑色でところどころ葉の様な物をくっつけていて辛うじて元が植物であったことがわかった。
「アレが今回の標的(ターゲット)だよ。実験の最中に事故で薬品が植物にかかってしまってああなったらしい。先ほどから観察を続けていたんだけれど時折体の一部を変形させて触手の様な物を出している様だ」

 ……触手?

 此処まで真面目にリーディアの話に耳を傾けていたあなた方だがやけに触手というワードが引っ掛かった。なんだか嫌な予感がする、背中にぞわ……と悪寒が走るのを止められない。
「あんなものが外に出たら間違いなくパニックだ。
 それに一般人に危害を加えないとも限らないからね、アレが外に出ないように討伐してくれ。君達が突入次第すぐにフロアは閉め切るから早々逃げられることは無いだろう」
 
 淡々と告げるリーディアに「今閉め切るって言った?」と誰かが零した。
 こっくり頷いたリーディアは蒼褪めるあなた方を無視して話を続ける。

「もともと植物を急成長させる研究で……なんだったかな、ああそう触手を自在に操れればきっと人類の役に立つだろうと仰っていたね。
 確かに植物はものによっては人も支えられる強度や太さを持つし、災害救助にも使えそうな立派な研究だと思うよ」
 リーディアはにこやかに話すがあなた方は直感した。絶対そんな立派な理由じゃない。
 絶対欲に塗れてるタイプの奴、ときどきあるもん。そういう依頼。
 今からでも破棄できないかなあと遠い目をしたあなた方を横目にリーディアは持ち込んだバッグから何やらタブレットの様なものを取り出した。電源を入れ操作するリーディアにそれはなにかとあなた方は問いかける。
 
「ああ、依頼主に頼まれたんだよ。『あのフロアには監視カメラが4つある。今後このようなことが起きぬ様に内部の映像をチェックし終わったらデータを送ってほしいとね。タブレットと連携していてリアルタイムで内部の様子が確認できるんだ」
 私がしっかり見ているから安心してくれ。リーディアはトドメを刺す。

 神様、此処が地獄ですか。
 誰かが呟いた言葉に異を唱える者は居なかった。 

NMコメント

 初めましての方は初めまして、そうでない方は今回もよろしくお願いします。
 丁度頭の悪いシナリオ出したかったのですが触手談義で盛り上がったのでシナリオ出しました。
 今回は練達を舞台にしたお話です。

★Attention please!★
 このシナリオはOP,コメントからわかるように与太であり触手に絡まれるシナリオです。
 PPP倫に反しない程度のセンシティブ描写やキャラ崩壊を招く可能性があります。ご了承ください。
 男女ともにウェルカムです。
●目標
・触手生物(仮)の討伐 
 
●戦場
 時刻は深夜。しかしフロアは灯りが灯されており視界は良好です。
 実験器具や薬品を詰め込んだ実験棚に机が何台かおかれています。
 一般的な研究室や理科室をっ想像してもらえれば大丈夫です。
 あなた方がたは全員突入した後、外から窓や出入り口を完全に封鎖された状態で戦闘になります。「一人だけ隣のビルの屋上に残って無事です><」なんて認めません参加したからには覚悟決めてもろて。
 後よかれと思って監視カメラを部屋の四隅に置いておきました。

●敵
・触手生物(仮)の討伐 
 植株の証言・観察していたリーディアの報告により以下の情報が判明しています。

・個体としては一体。
・自在に触手を伸ばして獲物を捕らえようとしてくる。
・ぬめった粘液を分泌しており、強烈な甘い香りがして意識がぼんやりとする。
・機動力はほぼ皆無だが、やたら頑丈。
・傷を負っても暫くすると修復している。

●備考
 茂部植株(もぶ しょくしゅ)
 今回の依頼主です。植物研究者としてはなかなかの人物ですが、過去にとある日本画家の春画を見てから触手と人の絡みの美しさにほれ込んでしまい、人体に怪我を負わせず柔らかく優しく時に激しく絡む触手の研究(植物由来でお肌にも優しい)を長年続けていました。
 結果としてどえらいモン創り出しました。
 リーディアには「植物の成長速度を速め、触手を自在にあやつり人の役に立たせる」とちょっといい感じに誤魔化して伝えていました。ちゃっかり今回の事件のビデオを欲しがっています。

 OPに出てくるリーディアは隣のビルで忠実に任務を遂行しています。
 ええ、提供されたタブレットで内部をチェックしています。安心ですね!
 何も行動しなければ撮影されたデータは植株へと渡されることになるでしょう。
 戦闘には参加しませんし基本的にリプレイにもあんまり出てきません。

●サンプルプレイング
 嫌です帰してください触手なんかいやですーー!
 しかも撮影されてるなんて絶対だめですーー! こうなったら被害に遭う前にさっさと倒しちゃいますよ!!
 あっ、まってちっか、まって、そこはだめえええええ!
 
 こんな感じです。それでは逝ってらっしゃい。

  • 閉め切ったフロアで触手と対峙する簡単なお仕事完了
  • NM名
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年09月22日 21時50分
  • 参加人数6/6人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
高槻 夕子(p3p007252)
クノイチジェイケイ
鈴鳴 詩音(p3p008729)
白鬼村の娘
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
花でいっぱいの

リプレイ


 蛍光灯が点滅するフロアにイレギュラーズ達は送り込まれた。退路は既に断たれてはいる。

「ま、相手は一体だけで動けないんでしょ、よゆーよ。よゆー」
 『クノイチジェイケイ』高槻 夕子(p3p007252)はドヤ顔をかましていた。
「あーしがザコ触手なんかに負けるわけないんだから」
「触手……? 前にこっそり覗いたえっちな本で見たような……これ、男にも襲ってくるの…? しかも撮影されるなんてやだよ!?」
 『炎の守護者』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)だって年頃の男の子。人並み程度にえっちなことに興味はあるが、自身はそうなりたくない。
「……武装形態になればえっちなことにはならないはず」
 チャロロもフラグを立てている隣で頭を抱えているのは『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)である。元の世界でも触手にいい思い出は無いのによりによって依頼で引き当てるとは。
「……今日は厄日か何かなんだろうか」
 哀愁漂わせるゲオルグに『眠らぬ者』ニル(p3p009185)が大丈夫ですよと声を掛けた。
「ニルは、服がとけちゃうスライムとか、森で繁殖しているびやく? の触手とか、みたことがあります」
「待ってくれ森でそんなものが繁殖しているのか?」
「ええと、だから……服が溶けないのは、はずかしくなくていいことだと思います!」
 純真な笑顔が眩しく、ゲオルグは目を逸らす。
「服がとけちゃうのは、恥ずかしいこと、ですもんね?」
 くっと首を傾げたニルに「……そうだな」とゲオルグは目を逸らしたまま答えた。
「どうして参加したのか分からないけど、結果が見えてる気がする」
 『白鬼村の娘』鈴鳴 詩音(p3p008729)は衝撃的な内容に記憶が飛んだ。依頼に参加した理由があった筈なのに全く思い出せない。どうして。
 だが絶対ろくでもないことになる気がする。こういう時の自分の勘は当たるのだ。悲哀を隠すことも無い詩音に対してカメラに向かってぶんぶん手を振る白い二頭身が一人。

「v( ‘ᾥ三 ‘ᾥ’ 三ᾥ’ )v」

 正しく言えば形容しがたい顔をした二頭身が一人。
「イエェェェイ! お師匠、見てるぅ~!?」
 『お師匠が良い』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)は大好きなお師匠、リーディアに褒めてもらおうと必死である。
「相手は動く植物なんでしょ? 大丈夫大丈夫! 今から強くて獰猛でカッコいいボクの勇姿を見せてあげるよ!」
 リコリスもフラグをしっかりと立て、くるりと廻って一回転。
 びしっと指さした先には触手がうごうご。

「( ;ᾥ; )」

「ヌメヌメの触手だなんて聞いてないよ~!」
 依頼内容斜め読みだったリコリスの叫びが開戦の合図になった。


「さっさと終わらせるし!」
 床を蹴り軽やかに触手へ一直線へ向かう夕子だったが、漂ってくる匂いに身体の力が抜けた。
(やん、何この香り。力が抜けちゃう……)
 動きが鈍る夕子の脚に触手が伸ばされ絡みつく。夕子は咄嗟に苦無で触手を突き刺そうとしたが、粘液を纏っているせいで刃先が滑りうまく刺さらない。存外力は強く、腕に絡んだ夕子の豊満な肉体を宙へと持ち上げた。
「こ、こんな事であーしをどうにかできると思わないでね! すぐに復活してアンタを……え?」
 強がる夕子を無視して触手がミニスカートの下の柔肌へ伸ばされる。
「服の間に入ってくるなぁ! ぬめぬめして気持ち悪い!」
「卑劣な!」
 既に退路はない。示された選択肢は奴を倒すか、奴に辱められるか。
 コートの内側から二挺拳銃を取り出しゲオルグは照準を夕子を嬲る触手に合わせる。弾丸は残酷な音を奏で、些か拘束は緩んだように思えた。隙を見逃さず足に力を込め一瞬で触手に近づき強烈な一撃を叩き込む。しかし生み出された意地なのかそれでも夕子を離す様子は見受けられない。
「あ、そこ、そんなところまで、しょくしゅがぬねぬめ這いまわるたび、あーしのちからぬけっちゃぅ……退治しないといけないのに、敵なのに、力抜けてぬねぬめにまけちゃうのぉ!」
 呂律が回っていない上に瞳孔がハートになっている夕子を見てマズイと思ったゲオルグは徐にサングラスを外し、ネクタイを緩めた。
「私を屈服させられるというのなら……来い!」
 イケオジのネクタイを緩める操作には強い誘惑作用があるとされているのは一般的に知られている所だが、触手も例にもれなかったらしい。またの名を盛大な自爆というので良い子の皆は真似してはいけない。
 伸ばされた触手がシャツの裾を捲り上げ、鍛え上げられたゲオルグの肉体が露出する。曝された肌を慈しむように撫で上げ、傷跡になり皮膚の薄いところを舌先で舐るようにゆっくり上下するとびくりとゲオルグの身体が跳ねた。
「う、くっ……傷跡をなぞるのはっ……そこは、皮膚が薄い、からっ……んっ……」
 しつこく責め立てる触手にぼんやりと思考に靄がかかる。油断すればこの悦楽に身を委ねてしまいそうになった。
「い、いつも通りにききき切り刻んでた…やっぱりムリィィ!」
 詩音は愛刀を構えたが頬をぬめった触手で撫でられ、悲鳴を上げた。
「ひいっ!? やだやだ…こ、来ないでっ……!」
 刃を振りかざすも生理的嫌悪感と恐怖から太刀筋が鈍る。一刻も早く脱出せねば官能小説みたいなことになってしまう。そもそも撮影って何ですかそういう欲求満たす為ですかそうですか帰してください今すぐに!!
 潜り抜けた触手が詩音のばるんっと弾む双丘の間を通り無防備な脇を擽った。
「こ……こないで、やだ……くすぐらないでよ……!」
 ぬちゅと湿り気を帯びた水音と誰にも開いたことのない身体が好き勝手弄りまわされる感覚にいやいやと首を振るが、反応に気をよくしたのか触手は更にスピードを速めてくる。
「この甘い匂い、ほんとにっ、無理……っ! だっ、だれかなんとかしてぇ……!」
「お、オイラが相手だぞ!!」
 ワーッ! となりながらも指の間からちらって覗いていたチャロロだが助けてと言われたら頑張るしかない。彼は正義感に満ち溢れているので。
「でも植物に何を言えば……えーと、人を襲うなんて許せない! かかってこい!」
 ありきたりでもいいじゃない。ヒーローだもの。
 これは抜かねば不作法と触手がチャロロへ伸ばされる。燃えるような赤に触手に緑が絡みつく。
「ああっ、技の途中を狙うなんて卑怯だぞ! わっ!? 鎧の隙間に……!」
 衝撃からチャロロを護るための武装もわずかな隙間から触手を捻じ込まれては敵わない。
「ひゃ、そこだめ……武装解除されちゃう……」
 的確にチャロロの弱いところを愛でる触手に、意識がぼんやりとしてきてくすぐったいような気持ちいいような。やめてほしいような、やめてほしくないような。ああ、うまく力が入らない。
「ひゃあ、そんなとこ入っちゃだめだよ……っ」
 しかも捕まった乙女たちの痴態がチャロロの目を釘付けにする。見てはいけないとわかっているけれど身体は正直で、丸みを帯びた女性らしいラインに粘液で貼り付いた生地から透けて見える肌にごくりと喉が鳴った。
(やばい、よけいえっちな気持ちになっちゃう……)
「みなさんがつかまっちゃいました……!」
 戦闘で建物に影響が出ないようにと保護結界をかけていたニルだがあちこちで響き始めた甘い声に触手に向き直った。みんな顔が赤いし苦しそうだ。みんなが与えたダメージもだんだん回復速度の方が上回ってきている気がする。
「この至近距離なら少しは効くでしょうか……?」
 両手に身体中を巡る魔力を集中させ、叩き付ける。並の耐久力なら一撃で消し炭になりそうな威力の魔力の塊が触手に叩き付けられさすがの触手も動きを止めた。
「まだです!」
 全てを飲み込む汚泥を触手の足部へと投げつける。動きが鈍った触手生物に今がチャンスとニルが脚を踏み出したその時、びりっと布が破ける音がした。
「あ、あれ……?」
 何故かシャツが破れた。鎖骨のコアが艶やかな煌きを放つ。
「あっ、えっ?」
 思わずコアを隠そう手を上げたが、隠すことは許さないとばかりに触手に細い腕が絡めとられてしまった。頭の上で腕を拘束され持ち上げられ身動きできないニルの華奢な腰をねっとりと触手が先端で擽る。ぞわりと背中に甘い痺れの様な物が走り、あっと小さな声がニルからあがった。
「ひゃ、そんなとこ、触らないで……うう……べたべたぬめぬめ、きもちわるいのです」
 持ってきた練達製のシャボンスプレーでの効果を上書きしていくように何度も何度も身体の上を触手が這いずり回る。甘い匂いの所為で何も考えられなくなっている。
(なんだかぽやぽやするのです……みなさまも……たいへんなこと、に……なんとかしなきゃ)
「んぅ、ニルはおいしく……ないです、よ……?」

「ど、どうしよう……ボクもあんな風になっちゃうの!?」
 仲間たちが触手の餌食になり、リコリスはじりじりと後退した。
 至近距離では自慢の射撃の腕も役に立たない。適正距離に移動せんとしたリコリスの背後から忍び寄る触手が一本。
「し、しまっ!?」
 この後自分に待ち受ける衝撃に備えてリコリスは目を閉じる。お師匠お願い見ないで!
 ずろりとした質感が顔を撫で、次は身体に……。
「……?」
 不思議なくらいなにもされない。向こうではひっきりなしにハートマークが乱舞しまくっているのになんか自分だけぽつんと取り残されている。すっとリコリスは手鏡を取り出した。

( °ᾥ,)

「イヤーーッ!」
 ぷりちーなお顔が失敗した福笑いみたいになっているではないか!
「触手にイタズラされて顔が文字化けしちゃったよ~! こんな顔お師匠に見せられないよーっ! やだぁ~!!」
 顔が文字化け、おそらく後にも先にも彼女の口からしか出てこないであろう迷言である。
「だいたいなんでボクだけ無視なのさ!?」
 勿論好き放題されたくはないけど、なんか腹が立つ。きーっと触手に対して威嚇するも「はいはい」と言わんばかりにざっつに顔を再度撫でられる。
「( ‘ウᾥ縲?)やぁ~~ん顔がめちゃめちゃになっちゃったよ~!
 (縲ᾥ?蟾ヲョ)お師匠~~っ!お師匠~~~っ!」
 説明しよう! 何故リコリスだけえっちな目に遭っていないかというと!
 彼女は白い二頭身のリコリスChangだからである!!
 触手の方も「これは違うな……」って認識したんだと思う。知らんけど。
「やだぁ~っ! 『ᾥ』は大事なパーツなの~っ!」
 しかしこのリコリスの威嚇により触手の注意が他の五名から逸らされ拘束が緩んだ。
 床に落ちた衝撃で我に返ったイレギュラーズの猛攻により、とうとう標的は斃れることになった。


「はぁ、はぁ……偉い目にあったな」
 ゲオルグの呟きに一同は頷いた。死闘を制したイレギュラーズ達は隣のビルへ急ぐ。撮影データをリーディアが依頼主に送る予定だからだ。
「リーディアさんまだいるといいけど……」
 リーディアさんだって男の人だ。えっちな気分になっていないかな。笑っているかも。幸い感情探知にリーディアは引っ掛かり、一同は反応を示す屋上へたどり着いた。

「お疲れ様、大変だったね」
 リーディアがにこりと微笑んだ。データに問題ないかチェックしていた所だったらしい。

『あーしが触手にいろんなところぬめぬめにされてこんな顔してるところ、カメラに記録されてるぅ、恥ずかしいのにぃ、見られてるぅ。やら、見にゃいでぇ。ゆーこのこんな姿見にゃいでぇぇ、撮らないでぇ。もうだめぇ、ゆーこしょくしゅに負けちゃう。体中しょくしゅにメチャクチャにされて、カメラにしょくしゅに負けちゃうところ記録されちゃうのぉ。恥ずかしいのにぃ、もう体は抵抗できないよぉ。倒さないといけない相手に屈服して、恥ずかしい姿しながら負けちゃうのぉ! いやなのにぃ、だめなのにぃ、しょくしゅに負けちゃうぅ! ゆーこ、しょくしゅに完全敗北しちゃうぅぅ!』

「イヤーーッ!!」
 数十分前の自分の痴態を流されて夕子の顔に一気に熱が集まった。

「よければ最初から再生するかい? 私は構わないよ」
「ドsか? それ貸して! 記録削除するから!!」
「そうだよーー! お願いだからこんなはずかしい動画破棄してよー!」
 チャロロも泣きつき、リーディアはどうしたものかとタブレットを再度見つめた。

 撮影されたデータの行方は彼のみぞ知る――。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

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