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シナリオ詳細

<竜想エリタージュ>可愛い女の子「えっ、君そういうの好きなんだ。ふーん」

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●死闘! 深怪魔VSイレギュラーズ!
 ~これまでのあらすじ~
 突如シレンツィオ・ビーチに現れた深怪魔、トンビルパン! トンビルバンはシレンツィオ・ビーチの人々を無差別に襲い、大切なものを奪っていく!
 大切なもの――そう、それは、人が生きる上で重要なもの。大切な、大切な、心に秘めた宝物である!
 それを奪われた人々は、やがて笑顔を失うだろう。花は枯れ、鳥は歌う事を止めるだろう。そんな恐ろしい事を見過ごすことはできない!
 そんなわけで、ムサシ・セルブライト (p3p010126)を始めとしたイレギュラーズ、そして休暇でシレンツィオを訪れていたムサシの友達、ルナリア・スターライトと長門、ついでにマール・ディーネーが事件の解決に当たった!(ルナリアと長門はともかく、マールは戦闘能力ゼロなので、後ろから応援しているぞ!)
 激しい戦いが繰り広げられる! イレギュラーズ達の攻撃が飛び交い、深怪魔の攻撃の応酬が続く! 永遠に続くかに思われ戦いは、しかし突然終焉を迎える――。

「トーーーンビルビルビル(笑い声)! やるではないかイレギュラーズよ!」
「トンビルパン! いい加減観念するであります!」
 ムサシが叫び、
「そうだ! もう逃がさないぞ!」
 イレギュラーズの仲間も叫ぶ! しかし、トンビルパンは余裕の表情を隠さない!
「ビルビルビルビル(鳴き声)! 愚かなイレギュラーズよ、この程度で我を追い詰めたつもりか!
 喰らえ、トンビルビーム!」
 ピカァッ、とトンビルパンが光る! 目くらましか!? 思わず身構えるイレギュラーズ達!
 だが、光がすっかり収まったとに、自分たちがダメージを受けた痕跡はなかった! 一体どういうことか!?
「ビルビルビルビル(笑い声)、今、貴様の大切なものを奪ってやったぞぉ……」
「なにっ!?」
 ムサシが叫ぶ。慌てて懐をまさぐるが、しかし何かが奪われた様子はない。
 レーザーブレード。リボルバーガン。身分証明書……手持ちのものが奪われた様子は一切なく、
「自分以外の仲間達が……!?」
 と、仲間達を振り返ってみるが、
「いえ、特に何かが奪われた様子は……?」
 と、小首をかしげるばかりである。
「愚か者め! これを見るが良い!」
 ばっ、と何かを取り出す、トンビルパン! おお、その手には、なんと!
「週刊Sheriff・グラビア特集号……これが貴様の欲望か――!」
 ムサシの宝物のグラビア雑誌が!!!!
「オッゴアッ!!」
 思わず吹き出すムサシ!
「えっ、ちょっと待って……?」
 ルナリアが手をあげた。
「それ、見せてもらっても……?」
「ビルビルビルビル(笑い声)! もちろん」
「あ、じゃあ本艦も!」
「あたしも!」
 と、長門とマールがぴょこぴょこと歩いていく。三人娘がグラビアを受け取ると、早速目を通し始めた。
「……なにこれ、宇宙保安官のコスプレした女の子じゃない……!」
「保安官? ああ、このぴっちりしたスーツの?」
「スペーススーツですね! 宇宙活動用のボディスーツです!!」
「……無駄に胸が大きいわね。どのページもそう」
「成程、胸が大きい子が好きなんだね、ムサシさん!」
「しかも保安官のコスプレ好きですね!!! これはあれですか、同僚の女の子をそういう目で見ていたわけですか宇宙保安官!!!」
「うっごあ」
 ムサシが血を吐いて倒れた。
「さ、最低よムサシ……あなた、こう言うの好きだったのね……!」
 ルナリアが顔を真っ赤にして言うのへ、長門とマールは「ほへー」という感じの声をあげた。
「男の子ってこういうのが好きなのですね!!!」
「ふーん、そうなんだねー」
「怒られるのも嫌ですが、なんかこう、暖かい目で見らえるのもキツイ!!!」
 ムサシが身もだえる!
「ビルビルビル(鳴き声)、どうだ、恐ろしいか……宝物を奪われ、それを縁のある人に見られるのは……!」
「地味に嫌すぎる……」
 イレギュラーズの一人が声をあげた。そう、地味に嫌なのだ。具体的に言うと、APがゴリゴリ削られるくらいに地味に嫌。
「この恐ろしい攻撃を受けながら、我と戦えるか、イレギュラーズ!」
 トンビルパンがそういうのへ、マールが目を輝かせた。
「えっ、他の人の宝物も見られるの!? 気になる!」
「はい! 本艦も気になります!!!!」
 長門がうんうんと頷いた。
「そうね、こうなったらローレットの持ち物検査よ!!」
 ルナリアが顔を真っ赤にして、わーっていった。
 ああ、恐ろしい! このままでは、この三人娘に、大切な宝物を見られて「へー、キミってこういうのが好きなんだ……」って言われてしまう!
 さぁ、イレギュラーズ達よ! 大切な宝物を守りながら、トンビルパンを倒すのだ!

GMコメント

 お世話になっております。洗井・ふーん、キミってこういうのが好きなんだ・落雲です。
 ふーん、キミってこういうのが好きなんだ……。

●成功条件
 トンビルパンを倒す。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●状況
 シレンツィオに突如現れた深怪魔・トンビルパン。彼は突如としてシレンツィオ・ビーチで暴れ始めました。
 さっそく止めに入ったイレギュラーズ達。しかしトンビルパンは、突如としてトンビルビームを放ちます! するとどうでしょう、皆さんの大切なものが奪われてしまったではないですか!
 この大切なものというのは、そう、シリアスなものではなく、知り合いの人みせたら「ふーん、キミってこういうのが好きなんだ……」って言われるタイプの宝物です!! 黒歴史とか、ちょっとエッチなほんとか、そういうのです!
 君もマールちゃんとかいたいけな長門ちゃんとかツンデレのルナリアちゃんに「ふーん、キミってこういうのが好きなんだ……」って言われたいよね。僕は言われたい。
 このシナリオは、キミってこういうのが好きなんだ……って言われるためのシナリオです。隠しておきたい大切な宝物を、女の子たちに見られて「ふーん、キミってこういうのが好きなんだ……」って言われることでしか摂取出来ない栄養があります。
 でも、PCであるキャラは言われたくないはずです! というわけで、大切なものを奪われる前に倒しましょう。
 プレイングでは、大切なものの内容を記しましょう。奪われてしまったばあい、三人娘にまじまじと見られて感想を述べられた後「ふーん、キミってこういうのが好きなんだ……」って言われます。そうなると、APがごりっと減って、毎ターンAPがゴリゴリ減り続けます。大変ですね。頑張ってください。
 ちなみにムサシくんはOPでグラビア雑誌を見られていますが、もう一度チャンスをあげましょう。もう一つ宝物をプレイングに記載してください。
 みなさん、宝物を頑張って守ってください。あらゆる手段で! 護ってください! まぁ、多分全員「ふーん、キミってこういうのが好きなんだ……」って言われますが……頑張ってください!!!

●エネミーデータ
 深怪魔・トンビルパン ×1
  トンビルビームを放って、相手の大切なものを奪う深怪魔です。
  あまり強敵とは言えません。最低限の戦闘プレイングだけ書いて、後は宝物を見られた時のリアクションとかを書いておいた方が、楽しいと思います。

●(あるいみ)敵
 長門
 ルナリア・スターライト
 マール・ディーネー
  あなたのお宝品評会三人娘です。奪われたあなたのお宝をまじまじと見た後、しっかり感想を述べてくれます。
  三人娘に感想を述べられると、恥ずかしさのあまりAPがごりっと減ります。そのまま毎ターン、APがゴリゴリ減り続けます。
  「ふーん、キミってこういうのが好きなんだ……」って言いますが、皆さんを嫌ったり軽蔑したりはしないです。好奇心と興味が旺盛なだけなので。


 以上となります。
 それでは、皆さんの宝物を、お待ちしております!

  • <竜想エリタージュ>可愛い女の子「えっ、君そういうの好きなんだ。ふーん」完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年09月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
ウルリカ(p3p007777)
高速機動の戦乙女
鏡禍・A・水月(p3p008354)
鏡花の盾
ノア=サス=ネクリム(p3p009625)
春色の砲撃
ムサシ・セルブライト(p3p010126)
宇宙の保安官
※参加確定済み※
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
タナトス・ディーラー
ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)
指切りげんまん
水天宮 妙見子(p3p010644)
ともに最期まで

リプレイ

●これまでのあらすじ
『えっ、君そういうのが好きなんだ。ふーん』
 『宇宙の保安官』ムサシ・セルブライト(p3p010126)は死んだ。バトルスーツ(笑)

●さらなるぎせい
「うおおおおおっ! まだ死んでないッッッッ!!」
 がばぁっ、とムサシが起き上がる。
「トーンビルビルビルビル(笑い声)! それだけの痴態を晒してまだ起き上がるとはな……!」
「はあ。これが保安官の趣味ですよ。
 人には色々な趣味があるというから、大丈夫だと思うですよ」
 にっこりと優しく笑う『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)。
「しかし、危険な相手であることは事実。これ以上被害が広がる前に、どかんとやっつけるですよ!」
 ブランシュの言葉に、仲間達は頷く!
「意志持つ集団がそれなりの数になると末端に妙な個体が産まれるとは聞きましたが、トンビルパンもその類なのでしょうか?」
 そう言って小首をかしげる、ウルリカ(p3p007777)。
「所で、トンビルパンにも、宝物はあるのでしょうか?」
 ウルリカが言う。トンビルパンは笑った!
「ビールビルビル! それはほら、オチって事で」
「なるほど、確かに」
 ぽん、とウルリカが手を叩く。
「で、次はどんなのが出てくるのかしら」
 ルナリアが目を光らせた。
「大丈夫です!!! まさか宇宙保安官よりやべーブツが出てくることはないでしょう!!!」
 と、長門。これも多分フラグである。
「えへへ、あたしも気になって来ちゃったから、たのしみ」
 マールちゃんは頭マールちゃんなのでにこにこである。
「いけないな、これは。多分全員問答無用で暴かれる奴だ」
 『若木』寒櫻院・史之(p3p002233)がそういう。しかし、とびしっとルナリア達を指さすや、
「そこのそういうの好きなんだガールズ!
 見下される喜びを俺は知っている……あれはいいものだ。
 が!
 それをきみらみたいな(見た目上)ジャリガキにされてもちっともうれしくないんだよ!
 俺の! 好みは! 熟女! なの!」
 どん、と効果音付きでそういうのへ、ルナリアが困った顔をした。
「ガキって……いや、熟女になら見下されてもいいの……?」
「これが性癖! さぁ、トンビルビームを喰らえ!」
 びーっ、とトンビルパンがトンビルビームを放つ! 次の瞬間! トンビルパンの手の中に、写真集が現れた!
「えっと、なになに……? 『王室盛典目録』……?」
 そう、史之の宝物――それは、王室盛典目録、こと、イザベラ女王陛下写真集だ!
「ふっ……確かに、イザベラ女王陛下は俺の推しだが、なにか?」
 平然とした表情で、史之が言う。
「化粧の似合う熟れきった女が好きですがなにか?
 先週もイザベラ派オンリーイベントに行ってきましたがなにか?
 だてに銅報奨がイザベラ派バッジの形してませんがなにか?」
「むー、あまりダメージを負っていませんね!!!」
 長門が言う。そう、史之はこれで平常運転なのだ!!!
「そうね……そんなに危険なものでも……あら?」
 ルナリアが、何かに気づいた。
「何か挟んである。写真?」
「男の人――のかっこしてるけど、女の人だね」
「おやおや? 此方の方は!?」
 長門が尋ねるのへ、史之が、うっ、とした顔をして……それから顔を赤らめて、言った。
「……嫁」
「おやおや!? 熟女が!! お好きなのでは!?」
 長門が目をキラキラさせながら言うのへ、史之が、がう、と吠えた。
「いや、その。
 何事にも例外はあってだな……。
 その子は別枠なの! 返して!
 俺は断じてロリじゃない! ただちょっとその子が年下なだけ!
 そりゃ俺が熟女好きなのも
 もとはと言えばその子への想いをこじらせたのが原因だけど!」
「ふーん、ほんとはこう言う子が好きなんだね!」
 マールちゃんがにっこりと笑う。史之が轟沈した。

●さらなる被害者
「やはり、とんでもないダメージを負うようですね……!」
 『守護者』水月・鏡禍(p3p008354)が、くっ、と呻きながら言った。
「ですが、この描写ペース……八人を濃密に描写するのは難しいと見ました! つまり、誰かを盾にすれば生き残れる可能性があります!」
 ざわ、とイレギュラーズ達の間に衝撃が走った! そう、このペースで八人の性癖を濃密に足掻くのは難しい……! ならば!
「ムサシさんは一回やったのですから、二回目も大したダメージを受けないはずです! ムサシさんを盾にしましょう!」
「酷くないでありますか!?」
 ムサシがぎゃぁ、と吠える。が! そんなことを考えるわるいこには、トンビルビームが飛んでいくぞ! トンビルビームが鏡禍へと直撃する!!
「あっ、しまったっ!」
 鏡禍が叫ぶ! が、もう遅い! トンビルパンの手には、そう、『恋人に似た赤髪ポニーテールの女の子がちょっとへっちな目に遭っちゃう同人誌(複数冊)』が!!!
「ビルビルビル! 取った!!!」
「確保ッ!」
 ルナリアが、ばっ、と取り上げる。そのまま中身を確認して――顔を真っ赤にした!
「だっ――だめよ! ダメよこういうの! 成人指定じゃない!」
「成人指定!? という事は、マール様は見てはダメですね!!!」
「えー、あたしだってその、色々……見てたり見なかったりするもん!!」
 きゃあきゃあ、と騒ぐ女性陣。鏡禍がぎゃあ、と顔を真っ赤にする!
「違うんです、それは彼女とお付き合いする前に買ったもので、甘々なシチュエーションが好きだとか! 触手に襲われてるのが好きだとか! そういうのでは! 断じて! ないので!!!」
「で、でもこれとかすごいじゃない! しょ、触手……こういうの、銀河辺境惑星の原生生物で見たことあるわ!
 へ、へー、こ、こう言う事するんだ、あの原生生物……」
「いや、ルナリアさん!? フィクションと現実をごっちゃにしてはいけませんよ!?」
 ムサシがツッこむ。ルナリアは耳まで真っ赤にしつつ、
「む、ムサシもこういうの……好きなわけ!?」
「何で自分に飛び火を!?」
「それはいいのですが、やっぱりイチャイチャしちゃいのですね!! 恋人様と!!!」
 二人のわちゃわちゃを無視しつつ、長門が鏡禍へとそういう。鏡禍は、うう、と恥ずかしげに唸ると、
「そ……そうですよ! で、でもあの子には秘密にしてくださいよ! こんなの持ってるって知られたらそっぽ向かれてしまいますよぉ~~~」
「えーと、捨てる、っていうのはなしなのですか!?」
「捨てる? できるわけないじゃないですか! だってほら、このページのキャラクターが彼女そっくりすぎて捨てるなんてひどいことできるわけないんですよ!!!」
 熱弁を振るう鏡禍。マールが、「うんうん、推しって奴だよねー。わかるわかる」と頷く中、トンビルパンとイレギュラーズ達の戦いは続いていく。
「ビールビルビル! ならば次はお前だ、ブランシュ――!」
 そして、ブランシュにトンビルビームが突き刺さり――。

●闇
 人間の「腕」ってありますよね……あの関節……人形館で見た時ですね。
 あの「関節」がヒザのところで組んでいる「肘」……あれ……初めて見た時……なんていうか……その……ダメなんですが……フフ…… 収集……しちゃいましてね……
 「肘」のとこだけ切り抜いてしばらく……部屋にかざってました。あなたのも……切り抜きたい……。


「ハッ!? なんか闇が深すぎて意識を失っていたッ!?」
 トンビルパンがふと意識をとりもどす。なんか深い闇を見てしまった気がするが、もう何も思い出せない。
「えーと、まぁ、いいや……次は誰が宝物を晒すのかなぁ!? 『ONIGIRI』ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)お前だーーーッ!!」
 トンビルパンのトンビルビームが、ヴィルメイズに突き刺さる――だが、ヴィルメイズは涼しい顔をしていた!
「ああ〜盗られてしまいました、まあ別に私は気にしないので構いません。恥ずかしいところなど何もございませんので、お好きになさってください」
 トンビルパンが困惑する。
「えっ、そうなの? そういうのに快感を覚えるタイプ?」
「よくわかりませんが、私の愛に恥ずべきところなどはありません。ささ、どうぞどうぞ」
 と、ヴィルメイズがつつ、と近寄るや、宝物のページをめくる。ページ、と言った。そう、それは図鑑であった。具体的に言うと、蛇の図鑑。
「52ページから繁殖シーンの図がございましょう?何度も見ているのでページ数を覚えているのですよ。
 フフ、蛇は私の最愛の父(関係者イラスト参照)に似ておりますから……美しいし、艶かしいので見ているとドキドキしますね?
 この図を眺めながら、私と愛する父上が(自主規制)で情熱的に(自主規制)だったら良いなと思いを馳せるわけです。
 禁断の愛も、空想の世界なら実を結びますし誰にも迷惑をかけない……素晴らしいでしょう?」
「え、その」
 トンビルパンが目をそらした。ヴィルメイズが笑った。
「目をそらしてはいけません」
「あ、はい」
 トンビルパンが視線を戻した。ヴィルメイズがゆっくりと図鑑のページを指さす。
「この暴力的なトゲトゲの(自主規制)が父上にも……と想像するとあぁ〜心がぴょんぴょんいたします(恍惚)
 蛇の交尾をご存じですか? 体を絡め合い、からめとり……時に数日間も繋がり続けるのです。ああ、そうそう、ここですこの連続写真。見てください。みなさい。いいですか、この情熱的な、交尾――ええ、これが、私と、父上であったらなと」
「へー! ふーん! キミってこういうの好きなんだ!!!」
 トンビルパンが、ばちん、と図鑑を閉じた。このままでは、深淵の世界に連れて行かれそうだった。
「ありがとうございます! とても参考になりました!!」
「いえ。所でこちらに、別の図鑑が」
「あ、それは別のシナリオでお願いしますはい! というすきをついて『メタルカオス・ライダー』ノア=サス=ネクリム(p3p009625)! おまえにトンビルビーム!」
「えっ!?」
 ここにきて、完全に油断していたノアにトンビルビームが突き刺さる。油断というか、隙というか。あまりにも深い世界に皆引きずり込まりかけて抵抗していたというか。とにかく油断していたノアのお宝が、日の下にさらされる!!
「これは……日記か!? えーと、む! えーと、今日のバストサイズ、きゅうじゅう」
「返せっ、返しなさい!!」
 べちん、とシンプルにビンタをするノア!!
「いたーっ!!」
 トンビルパンがひっくり返る!
「そ……そうよ! 日記! 日記よ! ちょっと前までギフトで胸の大きさが激しく変動してたから、その日はどれくらい大きくなったかこっそり記録してたやつなのに!! あと胸、重たいんだからね!」
「わかるー、胸重たいよねー?」
 『宙より堕つる娘』水天宮 妙見子(p3p010644)がなんか乗ってきた。ノアがぷんぷんと怒りながら頷く。
「そう! いっつも男って、胸が大きい方がいいとか胸が大きい方がいいとか! ムサシさんもそうなんでしょ! 胸のおっきいのがいいって、そんなのばっかり!!」
「何で自分に飛び火するんでありますか!?」
「確かに……ムサシさんだって男の子だから、そういうの好きだってわかるけど……ムサシさん、胸ばっかり見ないで!!」
 ノアが顔を真っ赤にしてそういうのへ、ルナリアが顔を真っ赤にして叫んだ!
「ムサシ、貴方……!?」
「いや、違、違うんでありますよ! 助けてトンビルパン!!」
「あ、はい! 女性の深淵に踏み込んだらイケナイ……えーと、じゃあ、くらえ水天宮 妙見子! トンビルビーム!」
 びびび、と妙見子にトンビルビームが突き刺さる。「あ~~」と気の抜けた声を上げながら、妙見子が言った。
「あ~、それは私の黒髪ポニテで顔のいい男女が描かれた素敵な写真集が~~~~!!」
 よよよ、と泣いて見せる妙見子。が、ブランシュが「へっ」って言いながら、ばしん、と妙見子から何かを奪い取った。
「ママがそんなもんで満足するわけがねーですよ!! オラァ! これが、真の宝物だ!!」
 ばしっ、とブランシュが地面にたたきつけたそれは、先月号の、『世界の混沌艦艇』雑誌だ!
「あ、待って。それはいけません!!! いやマジで!!!!
 あぁ~~~~~!!! わ、私がなんか灰色の戦闘艦艇に欲情することがばれてしまう~~~!!!」
 ガンガンと地面に頭を叩きつける妙見子! そんな妙見子へ、そっ、と長門が近寄った。
「分かりますよ……!」
「長門様……?」
「良いですよね艦艇……本艦は宇宙戦艦ですが、それはそれとして艦艇の良さは分かります……!」
「長門様……!」
「あちらで語り合いましょう……ナックルラインのスケベさを……!」
「長門様……!」
 そう言いながら、二人が砂浜のベンチに座る。そのまま、雑誌を開いて、
「ちなみにこのおふねちゃんは姉妹艦がいまして……見分け方は排気穴の数なんですけど……」
「なるほど、混沌の艦艇も素敵ですね!!」
 楽しいオタクトークに花を咲かせ始めた。幸せな空間であった。
「いや戦闘中ッ!!」
 ムサシが吠えた! そう、戦闘中なのだ!
「ビールビルビル! 皆ほどほどにやる気(AP)が減ってきただろう。宝物をまだ晒していないのは――お前だーーッ!」
 トンビルビームが、ウルリカへと突き刺さる。「おや」と無表情で呟くウルリカから、トンビルパンが奪い取った宝物は――。
「あ、小説だ」
 と、マールちゃんが言う。ぴょい、とトンビルパンの手から奪い取ってみれば、それは『星の砂』というタイトルの小説だった。
「あらすじ……生まれたばかりの人造人間の女の子が、勇敢な勇者の少年とあって、愛を育むお話……? へー、面白そう!」
 ぴょこぴょことマールのうさ耳が揺れると、ウルリカがほんのりと頬に手を当てた。ちなみに、ちょっとエッチな小説で、挿絵はR-15くらいのものだ!
「少し頬が熱……く?」
 ウルリカが言うのへ、マールがぴょこぴょこと歩み寄った。
「ねね、これ、どういうお話なの? どんなところが好き? おしえて、教えて?」
「……はい。これはですね。その。人造人間の少女は、最初は感情がないのですが」
 と、砂浜のベンチに座って、楽しくお話を始める。ウルリカにとっても、初めての体験だったような気がした。頬の熱さが、楽しさのそれへと変わっ
「いや戦闘中ッ!!」
 ムサシが吠えた! 戦闘中である!
「ですが、残りのはムサシさんのみなのですよ! というわけで、ムサシさん、二回目をGO!」
「了解! トンビルビーム!!」
 どん、とブランシュに押されたムサシに、トンビルビームがさく裂! 飛び出したのは――手帳だった。分厚い、手帳。ルナリアが、ぱん、とそれを奪い取った。中を見る。写真があった。見た。閉じた。
「ムサシ」
 ルナリアが言った。顔が真っ赤だった。
「はい」
 ムサシが返事をした。
「あなたのプレイングを無視します。戦闘衣装を変えるとか、長門の食事をパンの耳にかえるとか……そういうの」
「あ、はい」
「そのうえで、聞きます。これは、なに」
「えーと」
 ごくり、とムサシはつばを飲み込んだ。
「秘蔵の……先輩からもらった……」
「どの先輩?」
「ほら、宇宙刑事科の、卒業後に地球派遣になった……」
「ああ、ジャバンソンさん? ……ふーーーーーん?」
 じろり、とルナリアが、ムサシを見た。知らず、ムサシが正座していた。項垂れる。汗がだらだらと、垂れていた。
「青春って奴ですね」
 その様子を見ながら、ブランシュはにっこりと笑った。
「所で……トンビルパンの宝物って、何なんです?」
 ブランシュがそういうのへ、トンビルパンは笑った。
「へへ……これでさぁ……」
 そう言って差し出したのは、今までもらった応援のお手紙の山であった。
「これは……ファンレター……?」
「ええ、この仕事やってて、今までもらった、応援の言葉……それが、僕の一番大切な宝物なんですわ……」
「トンビルパン……!」
「へへっ……!」
「トンビルパン……!」
 ブランシュは笑った。そのまま無言で、トンビルパンをぶん殴った。
「いたーーっ!?」
「宝物を出せですよ」
 にっこりと、ブランシュが笑う。
「いや、FL」
「嘘を吐くな」
 ブランシュが笑った。気づけば、周りに他のイレギュラーズ達も、いた。
 ノアが、顔を真っ赤にしながら、言った。
「ほんとは持ってるんでしょう? こう、スライム娘にぬめぬめ飲み込まれるほんとか、ざぁこ♡って煽る感じの表情したシスターのフィギュアとか! そういうのを! 出すの!! 私達も出したんだからさぁ!!」
「ひっ……!」
 トンビルパンが、怯えた表情をした。もはやイレギュラーズ達が、止まることはなかった。それだけのことを、トンビルパンはしてきたのだ。ヒトの宝物を暴く――それはなんと、非道な行いであったのだろう――。
『出せ』
 イレギュラーズ達が、そういって、にじり寄る。
「ぎゃーーーっ!!」
 断末魔の悲鳴が、響き渡った。

 数十秒後、隣のギャルに弄ばれる感じの本と、小悪魔リトルディに弄ばれる感じの本と、スライム娘にぬめぬめ飲み込まれる本と、ざぁこ♡って煽る感じの表情したシスターのフィギュアと共に死んでいるトンビルパンの姿が発見されたのでめでたしめでたし。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

ムサシ・セルブライト(p3p010126)[重傷]
宇宙の保安官

あとがき

 めでたし、めでたし。(大量の性癖グッズと共に屍を晒しながら

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