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シナリオ詳細

再現性アーカム:ユゴスの招集

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●1920年※※月※※日、アーカム
 アーカム――其処はとある旅人が郷愁の内に創り上げた、模造の街。旅人で在れば、確かに1920年代のアメリカに似ていると頷くのだろうか。しかし、これ等はひとりの作家が後世にまで伝えてきたフィクションそのものだ。アイスクリームやチーズスフレを味わえたとしてもその甘さは202X年に等しい。
 兎にも角にも、常の如くに並んでいる駒形切妻屋根を素通りし裏路地へと這入っていったならばロマン・ティックからかけ離れた腐れ陰影に中てられるのだろう。臭気を描写するならば、ああ、何年も死肉を貪り喰ってきた化け物の如くか。だから新鮮な脳味噌が必要なんだよ――と、誰かさんの悪態が這い寄ってきた。
 Nyuhahahahaha!!!
 結論を謂ってしまえば、君、理想郷を創る為には傷ついていない方が好いんだよ。故にこそ君達に依頼してるんじゃないか。
 ブゥゥン、ブゥーーーン。何処かで聞いた事のあるような、デジャヴ、ノイズが耳朶奥へと浸透して往く。何も這入っていない、ソケットを添えていた円筒が何者かの五感を揃えていた。彼女曰く、臓物だって肉と同じなんだよ。だったら、収めてしまうのが手っ取り早い。では――如何するのかって?
 甲殻類はスペクターなのさ、おっと、菌類の間違いだったかい?

●レンガ造りの倉庫
 イレギュラーズが呼び出されたのは誰も使っていないと『される』レンガ造りの倉庫だった。埃の積もっている床をざらざらと歩いていると白衣を着た女が君達に声を掛けた。おかしい、何故に足跡がついていないのか――そんな事は如何だって良いじゃないか!
「つまり、余計な事に首を突っ込まない方が良いってわけさ。取り敢えずの自己紹介を。私はウェスト、クレイジー・ウェストなんて仲間内では呼ばれているけどまあそんな雑談は置いといて早速仕事の話だ。最近実験ついでに『ある生物』との取り引きを行っていてね。簡単に謂うと『人類の為の研究』ってやつさ。そんでね、君達には『新鮮な人間を出来る限り攫ってきてほしい』んだよ。可能なら老若男女たっぷりね。Nyuhahahahaha!!!」
 にまにまと嗤う女はどかりと『円筒のようなもの』を見せてきた。上の蓋を開けてみると如何謂うワケか、ゾクリと背筋が凍るような――。
「理想郷を作るにはある程度の犠牲がつきものって感じよ。あ、聞きたい? 聞きたいのね。察しの通り、この中に『生きている脳味噌』を入れたいのよ。つーわけでアンタ等、聞いちゃったから逃げられないわよ? 頑張って。Nyuhahahahahahahahaha!!!」

NMコメント

 にゃあらです。
 脳味噌ちょうだい。
 このシナリオは基本的に『PC一人での描写』を予定しています。

●現性アメリカ1920、マサチューセッツ州、アーカム
 何者かが創り上げた『街』です。
 1920年代としてはいますが様々な『時代』が混ざっています。
 アナタの思ったアーカムこそがアーカムなのです。

●目標
 一人『ひとつ』人間を『生きたまま』攫ってくる。

●オプション
 出来る限り老若男女で揃えておく。

●場所
 病院、民家、大学、その他。
 アナタが思う場所に『人間』はたくさんいます。

●人物
 マッド・クレイジー・ウェスト
 かつて死体蘇生を試みたと噂されている人物です。
 今回は『とある生物』の協力者として依頼してきました。

●サンプルプレイング
「聞きたくねえってのに勝手に話しやがってあの女」
 人一人攫うのにどれだけ苦労するってのか知らねぇらしい
 兎に角、非戦を活かして行動するのが正解だな
 最終手段として不殺スキルも持っていこうか
 死体袋を運搬に使うのも好いな
「それでとある生物ってのが気になるんだが……」

●注意事項
 この依頼は『悪属性依頼』です。
 成功した場合『練達』における名声がマイナスされます。
 このシナリオはカジュアルなので必ず成功します

  • 再現性アーカム:ユゴスの招集完了
  • NM名にゃあら
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年09月10日 22時05分
  • 参加人数6/6人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

極楽院 ことほぎ(p3p002087)
悪しき魔女
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
サイモン レクター(p3p006329)
パイセン
クシュリオーネ・メーベルナッハ(p3p008256)
血風妃
古野 萌乃(p3p008297)
名状し難い軟泥状のもの
ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)
あいの為に

リプレイ

●ロッカー・ベイビー
 人類は鮮度が命なのだと貌の知らない化け物の群れが、クスクス、少女の真似事をしていた。たいへん真っ当な依頼なのだと『悪しき魔女』極楽院 ことほぎ(p3p002087)は咀嚼していたのだが、いや、人攫いな時点で正直、マトモとは言えない。確かに、正気で在る事に変わりはないのだが、兎も角として。生きたままっつーのが若干面倒臭ェ。だからと言って手を抜くワケにも異かず魔女の腕を揮わなければならない。狙うべきは真実にマッサラな、白紙の脳味噌だろう。足を運んだ先には病院もしくは産院、つまりオマエが定めたのは新しい生命つきの鯨だ。子持ちシシャモとはまったく縁起の良い話だと思わないか? 一人で二人分のシナプス。
 傷のついていない代物こそが取り替え仔には相応しいと何処かのお友達が吼えていたのだ。あの時の滋味をぼんやりと想起しつつ眼を開いていく。ぽっこりとした下腹部女を観察して膨れを庇っていたのならビンゴだ。ゲーム・スタートとして忍び足で後をつける。
 其処はオマエのテリトリーだと謂うのに、エモノはふらふらと暗渠にぐらつく。すみません、道をお伺いしたいのですが――この悪党、詐欺師、静電気孕みめ。慣れた様子で完璧な『善良そうな女』ごっこ、最早、動く事のない魔の瞳。
 道に迷ってしまって。目的地に着くまで、私についてきていただきたいのです。わずかなハテナも赦さない言の葉での誘導、妊婦はふらふらと何処かへと導かれてしまう。しかし、流石に目と鼻の先が倉庫となれば催眠もじくり、解けるだろう。
 ぐじゅり、籠められた紫煙に中てられて、頭蓋の内が傷んでいく。いやホントウ不殺って便利な? なあ、胎を狙ってもイイんだぜ? ガキ、死なせたくねーだろ? 本性を晒してしまった方が、実は楽で好いのかもしれない。それでは目的地まで直行だ、縛るなり摘出するなり、白衣様のご自由にどうぞ、なんて――。

●ミード
 連続殺人鬼にご挨拶してからあの子の言の葉、思い出話で脳裡を満たす。つらつらと、色々思惟を垂れ流してみたら、なんとまあ極悪な人類なのだろうか。魔物と違って人間相手はいろいろと面倒が多くて困るよ。誰かさんにヤメテと謂われたアハアハ笑いがひどく漏れる、まるでフニャフニャになったソフト・クリームのコーン部分だ。口先を持っていったところで手の甲にこぼれてしまっては意味などない。兎にも角にも賭場を探そう。それこそ、世間から半殺しにでもされた連中や、腐った鱗の臭いのする連中、眼球が露出してたまらない連中の溜まり場へ――やあ、ヤッパリ存在するんじゃあないか。運に見放されて、妻に出て、イカレタ雰囲気のヤシ酒キメテルご老体だ。もう蟲毒にだって参加出来ない孤独っぷりだ。隣いい? 醜くてまずそうな獲物曰く、こんなとこで何やってんだ、余所モンが――観光できたのさ。この街は閉鎖的でいけないね。あなたくらいは俺を歓迎してくれる――? ハッ、この街がアーカムかインスマスかなんざどうだって良いのさ。余所モン、瓶だ、シングル、ダブルじゃ酔えるモンも酔えねぇぜ……。
 猫の目の『若木』寒櫻院・史之(p3p002233)がじゃぶじゃぶと、安いも高いも関係なく注いでいく。値段なんて気にしないで、全部俺のおごりだから。好きなだけ飲んで好きなだけ飲ませたなら愈々鯨に呑まれる番だ。大丈夫? 大丈夫じゃないね、お爺さん。連れ出したならちょっとした暗渠でお友達の儀式――抉るように殴ったなら、はい、お仕事半分終わりお疲れ様。あとはお連れするだけだね、脳味噌ちょうだいって、理想郷……。
 彼の家はあっちだと親切なご隣人が教えてくれた。ヤグサハ、初めての街! 如何にも地理が解せなくて困っていたんだ有難う。駒形切妻屋根を遠回りしつつ河を沿っていく。ミスカトニックを眺めるくらい良いじゃないか、依頼はしっかり熟したんだし楽しんだって問題ないだろ? えっ? 老人の脳味噌? 円筒遊戯なんて今更、どうでもいいよ。
 最期に浴びるほど飲んで気持ち良くなったんだ、きっと幸せだったろうよ。俺はあの子以外、世話するつもりがないんだ――ホルマリンの代わりにしてやってくれ。
 酩酊した黄金色の……。

●ゴールデン・エイジの獣
 夕暮れを歩むヴァンパイアに夜闇を好むヒューマンとは、まったく、真逆ではないのかと『パイセン』サイモン レクター(p3p006329)は愚痴を垂らしていた。やれやれ、人攫いの依頼たぁ、とんだ汚れ仕事が回ってきたもんだな。捕らえ損ねた魚が大きく見えるほどに依頼主さんは趣味がとても良いらしい。まあ、最悪催眠でも脅しでもなんでも『手段を選ばなければ』なんとかなるだろ。自由気儘にイレギュラーズ。ライフを送っていく。そんなノスフェラトゥとやらも悪くはないか。まずはターゲットを探すとすっかね。寝返りをうった子供等の如くにサングラスを弄ぶ、よろしい。どうせ攫うなら『要らないもの』から奪ってしまうのが悦ばしい。文字通り脳味噌をてっぺんから洗浄するのだ。悲しむヤツが居なければWinWinな関係性、アーカム、街も喜ぶだろうさ――善良な市民を巻き込んではならない。
 禁酒法、1920年代、アメリカにて広まったもの。その為か裏社会では密輸密売密造が盛んに行われていた。で、在れば、そういう店のバックにはだいたいマフィアその他が絡んでいるもの、それが相場ってもんだ。そんな社会の屑籠から比較的新品な代物を頂戴する、素敵な提案だろう――誰でもないオマエさんが耳にした悪質な噂、なあ、保安官さん、とっととあの酒場、片付けてくれねぇかな? 任しときなって。
 棚から落ちてきたヤンキーに組み付いた儘、赫々とした眼で覗き込んでやる。ちょっかい掛けてきた強面さんとのお話は上々だ。それでは拉致監禁のお時間としよう。ああ、ついでだから街の掃除屋ごっこと洒落込むのも悪くはない。脳味噌たっぷりなら素晴らしい一石二鳥だ。それじゃ、残業もやっちまうとすっか――任務完了、菓子のオマケは返り討ち風味。

●ジャック・ポット
 プレゼントは老若男女を詰め込んだシリンダーだとドクターは嗤っていた。幾等かの実験を重ねた果てに素敵な素敵なよろしい、趣味。どんなモノが誕生するのかは数時間後の化け物に委ねておいて、アーカム、伝説の巣食うこの街へ、身投げと洒落込むと良い。材料集めの術はきっと『血風妃』クシュリオーネ・メーベルナッハ(p3p008256)の掌の内に存在するのだ。結局のところ月並みこそが釣りをするのに相応しい。瑞々しい果実は如何ですか? 今ならお安くしておきますよ。ひっかけるように一杯、そうしていっぱいどうぞ。厳密なタイプを定めるのはプライベートだけで充分だ。それっぽいお相手さんにご自慢のメロンをおふたつ、無防備な女を装ってしまえ。
 すみません、少しめまいがしてしまって、休める場所はないでしょうか。大丈夫です。きっと殿方のカッコよさにクラクラしてしまったのでしょう。そんな、面白くもない台詞を吐き散らしながらつぅ、と、殿方の素敵なところをつっついてみる。同意は得られたとみてよろしいですね? 此処からは大人のお時間です。おや、殿方、ちょっと早いかもしれません。まずは露骨にならないよう、味見するように……。
 それじゃあお約束しましょうか。ええ、エリアを変えて、誰にも視られないような場所で二人っきりがロマンティックです。それなりを過ごしたなら手を取り合って目的の『ところ』へ。さあ、材料を届けにあがりましたよ♪ よくも騙してくれたな。あら、騙されたと思って『ついてきて』くれたじゃない。縛り付けられた色欲、その末路。
 それにしましても、とある生物とは何者なのでしょう。気に成って気に成って仕方がない。たとえ正気を削る行いだとしても……それはそれで、愉しそうだ。
 TKRy・Ry! 止めておくのだ! 娘!
 聞いて見ればユゴスどもの差し金だろう?
 ――お知り合い? 不在証明を挟んでシナプス、繋げていく。

●Oops
 忌々しい連中だ、この宇宙で最も偉大な種族で賢く天才な超頭良いジーニアスな天才科学者、『名状し難い軟泥状のもの』古野 萌乃(p3p008297)を除け者にするとは、まったく腹立たしい連中だ。ハッ、地球人類の親たる我からすれば『サンプルを獲らなければならない』事態に陥っている時点で三流なのだ。そもそも飛べない翼を残したところで何に成ると謂う? 自分で造ってしまった方がリスクも低いだろうにこれだから下等種族はダメなのだ! ああ苛々する、もどかしい! そんなに脳味噌に執着するなら自分に移植すれば良いのだ! ……っと。少々興奮してしまったな、申し訳ない地球人類諸君。それにしても取り乱した我もちょっと可愛いのではないか? いや、ダメだダメだ、ちょっと反乱された程度でぷんすかしてたら二の舞だ。二度あることは三度ある? 五月蠅いオマエはシャッガイか何かか! アザトホートを崇拝するのは莫迦げた輩の戯言だぞ、このアルビノ・ペンギンめ!
 咳払い――さて。アメリカ、1920年代と謂えばやはり禁酒法の時代である。我等の時代からすれば確かに、遥か未来の戯れだがそんな事くらい調べておいた。どっかのイスにでも座っていたらお茶の子さいさいよ。我は天才だからな、ついでに密造するのもワケないって魂胆よ。んー、ニクイ。己の天才的な頭脳がニクイ! これで中毒塗れの人間どもが群がってくるという事だ。TKRy~!!! おびきよせた人類にちょっとだけ睡眠薬でも盛ったら如何かなそれにしても美味そうな匂いだ我も舐めるようにちびちび……?
 ここはどこ??? 我はなに??? 原因はよくわからないが当初の予定通り裏路地にてたくさんの人類脳味噌だ。万歳を三唱しながらまわらない舌を絡ませってひっくと凱旋しよう。ところで先程から凱旋か旋回になっていないか。見える、観えてくる、あの時の玉虫色の記憶が、泥濘に落ちた同胞の悲鳴が……みっしょんこんぷりー!!!!!
 Orororororororo……。
 宇宙船の隅っこに用意しておいたエチケットの出番だ、胃弱生命体。

●Amen
 ローレットと称されたお包みに柔肌、そんな日々を続けていたなら、どれほど臓腑が腐敗するのだろうか。淹れたコーヒーの黒さに粉砂糖と溺れて数分間、『あいの為に』ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)の充血した瞳には冒涜だけが映り込む。ええ、ええ、、前回に引き続き禄でもない地獄の門ですとも。街中に蔓延っていたチーズ・スフレを大胆にも踏み潰してから祈りを捧げる。何もかもがオマエの嘘吐きの証明ではないのか。清楚で敬虔なシスター、聖句をお願い致します。味わい尽くしたAmenの棒読み具合、お好きなお人も多いでしょうしここらでお誘いの言の葉――お若い娘さん、魔王が見えたのなら謂ってご覧なさい。ああ、シスター、私は、神に背くような愛情を抱いてしまいました。そのピストルを返してください――そんな美しい展開など端から赦されやしない。
 糞まみれの路地裏におひとり様として、感覚、宙ぶらりんな儘で人気のない盛り場へ頭。そういう所で叫んでいるお猿さんはきっと私のような女を望んでいるのでしょうけど、今回は家出娘さんとのトリップごっこだ。あら、こんな場所で何をやっているのかしら。やっぱり私と同じで疲れてるようなお貌――おなじものなんですもの、一夜、過ごすのは如何かしら。手繰られた脳味噌のなんと可愛らしい事か、手をお取りに成ってお嬢様。嗚々、ロザリオの妄執、シリンダーへの掻っ攫い……。
 最初の一人は本当にうまくいった、されど、その後、寂しがりやな誰かさんは見つからなかった。あまりスマートではないけれどオツムの悪そうな誰かさんを煽るように連れていきましょう。貴方、ちょっとした儲け話があるんだけど、一緒にやらない? 少しだけ頭を捻れば、搾れば、楽になれますから……。
 相合傘の代わりに電気鋸を側頭へ、悪くはない刃の福音……。

 牙、魔女、余所者。
 女ども、お花畑。
 ――宙。
 ぎちぎちと嗤うような音と共に蟹めいた巨腕が犠牲者を引っ掴んだ。
 ブゥーーーン。
 TKRy・Ry! こんなこともあろうかと!
 ――目隠しの準備は万全であった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

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