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シナリオ詳細

<竜想エリタージュ>タコvsイカvsイレギュラーズ、晩夏公開!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

 八月の終わり。
 晩夏が近付くとはいえ、まだまだ暑い。
 外に出るのも嫌になる季節だが、場所によっては例外的な所もある。

 海洋の、とあるリゾート島。
 眩い太陽の元、綺麗な砂浜で海水浴。
 お腹が減れば、バーベキュー。
 海の家で名物の蛸料理を楽しんでも良いだろう。
 暑さが過ぎれば、年中冷たい氷結洞窟でゆったり休み、カクテルを楽しむことも出来る。
 イレギュラーズ達の助けも借り賑わいを見せるリゾート島では、観光客が夏の暑さを楽しんでいた。

 とはいえ、それは夏の時期の話。
 それを過ぎれば客足は遠のき、冬になれば見る影もない。
 より大きなレジャー地であれば、ホテルやカジノを目玉に客を呼び寄せることも出来るが、そこまでの余裕はない。
 なので、小さなことをコツコツ積み上げるしかないのだ。
 その手伝いを、ムエン・∞・ゲペラー(p3p010372)はしていた。
「試作品作ってみた。味を試して欲しい」
 海の家で、ムエンは手製のパイをテーブルに置く。
 焼き立てなので香ばしく、良い匂いが広がった。
「美味しそうね。いただくわ」
 依頼人のリリスとヴァンが試食。
 パリッとした食感のあとに、とろりと甘い餡の美味しさが味わえる。
「美味しいわ。いけるわね」
「島の外で作ることも考えて、ジャムにした物を材料にして貰いましたが、良いですね」
 好評なのでムエンは満足そうに少し頬を緩めると、自分もパイを一切れ食べた。

 少し前、リゾート地で大蛸狩りの依頼を受けたムエンだが、その時の縁で、夏以降の島の外貨稼ぎ開発を手伝っている。
 島で栽培される南国フルーツで作られたジャムを使ったレシピを考案していた。

「梨のパイの方が得意なんだが、これも悪くない」
 パイを食べ終わると、ムエンは言った。
「それにしても、これで島の外貨稼ぎが出来るのか?」
「これだけじゃ足らないわね」
「なので別の方法も考えています」
 話をしていると、初老の男が近付いて来て話に加わる。
「おーい、用意出来たぞ」
 練達の科学者であるニコラが、カメラを持っていた。
「何をする気だ?」
 ムエンが尋ねると、リリス達が説明してくれる。
「島を舞台に映画を撮ろうと思ってるの」
「観光客が来ない時期に、撮影場所として使えないかと思ってるんです」
 島の宣伝も兼ね、低予算で作れるB級映画を連発して小銭を稼ごうという算段らしい。
「儂は、竜宮幣ってのを調査しに来ただけなんじゃがな」
 そう言うとニコラは、手の平サイズの機械を取り出して言った。
「わざわざ探知機も作ったんじゃが」

 ぴこーん!

 突然、機械から音が響く。
「え? なに?」
「爆発するんですか?」
「せんわ。竜宮幣の反応が近付いて来たんで鳴っとるんじゃ」
 そう言ってニコラは浜辺に出て、ムエン達も後に続く。すると――

 ざっばーん!

 海に水柱が勢い良く2つ上がる。
 水しぶきが晴れると、そこから現れたのは――

「キシャー!」
「グギャー!」

 バカでっけぇタコとイカだった。
「前に倒したのより大きい」
 興味深げに見詰めるムエン。
「近付いて来てないか?」
「拙いわね」
「お客さんに避難して貰いましょう」
 万が一のことを考え避難させる。
 ムエンも手伝ったあと、リリス達とタコとイカを見に行く。
 するとタコとイカは、お互い殴り合い大暴れ。
 しばらく続けたあと、水中に消えていった。
「あそこまで大きいの見たことないわね」
「イカもいましたね」
 リリス達が話していると、竜宮幣の探知機を見ていたニコラが言った。
「さっきのタコとイカから竜宮幣の反応があったぞ」
「それって、竜宮幣を飲み込んだからああなったってこと?」
「さぁ、知らん。影響受けとるかは別として、飲み込んどるのは確かじゃな。取り出すために誘き寄せて倒すか?」
「お客さんの安全のためにも、ローレットに依頼して倒して貰いましょう」
 ニコラとヴァンが話していると、リリスが提案する。
「だったら、その時の映像を撮って、映画に使っちゃいましょ。テキトーに切り貼りして、でっち上げる感じで」
「良いですね」
「B級感が出るようにしたい所じゃな」
 盛り上がるリリス達。そして――
「というわけで、さっきのタコとイカを倒して貰う依頼をローレットに出そうと思うの。もし良かったら、依頼を受けてくれる?」
「考えておく」
 とりあえず留保するムエン。

 てなことがあり、ローレットに依頼が出されました。
 内容は、竜宮幣を飲み込んでいるらしいバカでっかいタコとイカの討伐。
 戦闘は映像として撮らせて貰って、あとでB級映画にするそうです。
 倒したタコとイカから竜宮幣を取り出す予定とのことですが、それは依頼を引き受けてくれたイレギュラーズ達に引き渡すとも言われました。
 そうした条件を確認したイレギュラーズ達は、タコとイカを退治するため、島に訪れるのでした。

GMコメント

おはようございます。もしくはこんばんは。春夏秋冬と申します。
今回は、アフターアクションでいただいた内容を元に作った物になります。

そして、以下詳細になります。

●成功条件

バカでっかいタコとイカの討伐。

●バカでっかいタコとイカ

胴体だけで5m以上ある、バカでっかいタコとイカです。

書いていただいたプランのノリで、5mよりでっかくなったりします。
書いていただいたプランのノリで、火を吹いたり冷凍ビームを出したり、フライングタコになったりドリルイカになったりします。
書いていただいたプランのノリで、ツインヘッドタコになったり、サイボーグイカマシンになったりします。
書いていただいたプランのノリで、その時不思議なことが起った! とかになるかもしれません。
その他、書いていただいたプランの内容によって、何か起こったり起らなかったりするかもしれません。

竜宮幣を飲み込んでいるようですが、その影響があるかは謎です。

プランのノリが、普通の真面目な戦闘だった場合のタコとイカは、そこそこ強いかな? ぐらいです。

●戦場

砂浜で戦うことになります。
砂浜なので、少しだけ足場を取られますが、戦闘に支障があるほどではありません。
戦闘の際に、邪魔になる障害物などはありません。

タコの好物の貝で誘き寄せた所にイカが来襲し、殴り合っている所に、戦闘で加わることになります。

少し離れた場所で、NPC達が、皆さんの勇姿を撮っています。

●流れ

今回の流れは基本、

1 現地に到着。
2 早朝、誘き寄せられたタコとイカと戦闘し倒す。

になっています。

それ以外に、タコ達と戦う前日に早く来て、B級映画の制作に参加したりするのも自由ですし、戦闘後に、リゾート地で遊んで帰ること自由です。

バカでっかいタコとイカを倒せさえすればオッケーです。

●依頼人

リリス&ヴァン&ニコラ

戦闘時、B級映画のため撮影しています。

何か必要な物があれば用意してくれます。

●特殊ルール『竜宮の波紋・改』

 この海域では乙姫メーア・ディーネ―の力をうけ、PCは戦闘力を向上させることができ、水中では呼吸が可能になります。水中行動スキルを持っている場合更に有利になります。
 竜宮城の聖防具に近い水着姿にのみ適用していましたが、竜宮幣が一定数集まったことでどんな服装でも加護を得ることができるようになりました。

●特殊ドロップ『竜宮幣』

当シナリオでは参加者全員にアイテム『竜宮幣』がドロップします。
竜宮幣を使用すると当シリーズ内で使える携行品アイテムと交換できます。
https://rev1.reversion.jp/page/dragtip_yasasigyaru

●情報精度

このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

今回の情報制度はBになっていますが、コメディ的なノリで進めることも可能であるシナリオなので、そうなっています。

ただ極端に公序良俗に反するものは不可に成りますのでご了承ください。

説明は以上になります。

それでは、少しでも楽しんでいただけるよう、判定にリプレイに頑張ります。

  • <竜想エリタージュ>タコvsイカvsイレギュラーズ、晩夏公開!完了
  • GM名春夏秋冬
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年09月07日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
泳げベーク君
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
ムエン・∞・ゲペラー(p3p010372)
焔王祈
熾煇(p3p010425)
紲家のペット枠

リプレイ

「映画の撮影って初めてです。よろしくお願いしますっ」
 撮影協力のため早めに来ていた、『万華鏡のように綺麗な』ユーフォニー(p3p010323)は元気好く挨拶。
 これに依頼人達は応える。
「よろしくね」
「B級映画の感じでお願いします」
「B級感……?」
(きっと頑張ればいいんですよね)
 前向きなユーフォニー。
 彼女と同じく早めに来ていた『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)も話に加わる。
「B級映画か……」
 スキルやギフトも含めて手伝うつもりのイズマは、ユーフォニーと一緒に細かい所を詰め、依頼人は可能な限り応えると言った。その際――
「飲み込んどる竜宮幣の影響か、いつもと違うことになるかもしれんの」
「なんでそうなるのかは謎ですが」
 謎なので細かいことは気にしない方が良さそうだ。

 用意している間に、他のイレギュラーズ達も来たので依頼人が説明。

(竜宮幣集めに町おこしの映画撮影、両方並行しようとするとはさすが……よし)
「そういうことなら喜んで協力しよう」
 話を聞いて、『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)は意気込む。
 一方、『解放の焔』ムエン・∞・ゲペラー(p3p010372)は呆れ気味であった。
(タコの次は巨大イカに巨大タコときた。いい加減リゾート開発よりも近辺の海洋調査を……と思ったが、出来ないのが実情か。ハァ……また軟体生物と戦う羽目になるとは)
 それでいて、B級映画撮影もしないといけない。
(呑気なものだなぁ……まったく)
 とはいえ依頼なので手を抜く気はない。

 準備を終わらせ待っているとタコとイカが現れた。

「キシャー!」
「ゴギャー!」
 何故か鳴きながら戦う2体。
 それを見て『生イカが好き』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)が興奮したように言った。
「お、タコとイカが戦い始めたようだぜ!」
 敵というより食材として見てる。
「くっ! どっちも全身から美味そうなにおいと見た目をしてやがるぜぇ。腹がなるってもんだな!」
 これを聞いて依頼人のリリスが聞いた。
「食べるなら、どんな料理が良いかしら?」
「だんぜん生だぜ!」
 海豹のディープシーなので、味の基準は海豹である。
「分かったわ。準備しておくわね」
 これを聞いた『鉄帝うどん品評会2022『金賞』受賞』御子神・天狐(p3p009798)も話に加わる。
「倒したあと食材にするなら手伝うぞ」
「なら、うどんのトッピングにして貰っても良いかしら? 差し入れてくれたうどん、美味しかったもの」
「任せるのじゃ!」
 引き受けてくれたので必要な物の準備をするリリス。
 その間も殴り合うタコとイカ。
 怪獣バトルのような戦いを見て、『紲家のペット枠』熾煇(p3p010425)は、はしゃぐように声を上げる。
「タコとイカー!! でっけーな! 生きてるぞ生きてるぞ!! 海の中じゃないのに、立って戦ってるぞ!? なんでだ?」
 ギフトで仔竜の姿になっている熾煇に、リリスが尋ねる。
「倒したら料理するけど、その子も食べれるかしら?」
「ワイバーンも食べたいか?」
 熾煇が訊くと、リトルワイバーンは応じるように鼻先を当てる。
「食べたいんだな! 俺も食べたい!」
 ワイバーンと一緒にタコとイカを見ながら熾煇は言った。
「焼いても良いけど、新鮮だから生でも美味そうだ!!」
「分かったわ。用意しておくわね」
 笑顔で応えるリリス。
 その間も戦っているタコとイカを見て、『不屈の障壁』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)は言った。
「いやぁ、ははは。大きなタコとイカですねぇ……食いでがありそうです」
 するとリリスが言った。
「頼りにしてるわ」
 ふと気付いたというように続ける。
「甘くて良い匂い。たい焼きみたいね」
 これにベークは、見た目がたい焼きになるギフトの説明をした。するとリリスは――
「あら、それなら大きくなったりも出来るのかしら?」
「……あ、いえ、僕は巨大化しませんよ? そもそもたいやきでもありません。……本当ですよ?」

 ぴこーん♪

「え、なんです今の音」
「フラグが立った音じゃないかの」
「謎ですけど」
 説明になってない説明をする依頼人のニコラとヴァン。

 それはそれとして戦うことになった。

●B級映画撮影
 今回は敵を倒すことに加え映画撮影の協力が前提。
 なので映える演出を第一に戦闘を進めていく。

(見映えを良くするなら――)
 ムエンは魔剣を砂浜に突き刺すと、魔剣に宿る夢焔を激しく燃やす。
 吹き上がる炎は不死鳥を形作り、渦巻くように周囲を飛ぶ。
 同時にムエンを中心に、同心円状に炎が広がり焔のステージが発生。
 それは、このステージの中で戦わなければ生き残れない、と感じさせるような雰囲気を醸し出した。
 本来、夢焔は命を燃やすと決意した時に使うものなのだが――
(楽しいから別にいいか)
 そう思えるのは、昔に比べ彼女が成長している証かもしれない。
(さて、まずは――)
 魔剣を携えイカに近付き動物疎通を試みる。
『一緒に戦う』
 単純な意思疎通しか無理だが、今回は成功。
 ムエンがタコを引き付けている間に、イカがタコを殴りつけ締め上げる。
 そこにムエンは2体まとめて爆発を叩き込んだ。
「騙して悪いがここはリゾート地だ。荒らすのであれば何であろうと許す気はないぞ」
 容赦なく攻撃を叩き込む。

 怒り狂ったように暴れるタコとイカ。
 その暴れっぷりを見て天狐は思わず呟いた。
「突然時空とか亜空とか切断したりしないじゃろな、この海産物共」

 ぴこーん♪

 フラグが立った音と共に、タコとイカが触腕を振り回し謎のビームを飛ばす。
 するとビームは周囲を囲み何か怪しげな空間になる。
 それを見て依頼人達が説明口調で言った。

「B級映画時空になったんじゃないかのぅ」
「なにそれ」
「不思議なことが起る空間じゃないですかね? 謎ですけど」
 謎なので深く考えてはいけない。

 なのでノリ良く戦う天狐。

「とりあえずド派手に海産物を倒せば良いのじゃな!」
 燃費は無視して自身を最大限に強化すると、大量のミニペリオンの群れを召喚。
 タコとイカを吹っ飛ばす勢いでぶち当てた。
 すると長い白髭とターバンを巻いたデッケェ初老の褐色男性がタコとイカの頭上に現れ言った。
「美味しくなったぞい」
 言うだけ言うと消えた。

「なにあれ?」
「うどんの神さまみたいです」

 リリスとヴァンが合いの手を入れる間も天狐が切れの良い動きで戦っていると、空に文字が浮かび上がる。

\この夏、最高の冒険が君を待つ!/

 それを見て、撮影しているヴァンが声を掛ける。
「ここで何か一言」
 無茶ぶりに応える天狐。
「イカの馬鹿野郎!」
 宣伝用の映像が取れた。

 そんなこんなで戦っていると、ワモンも参戦。

「タコVSイカVSオイラ達! まさに世紀の一戦だな!」
 ワモンはタコに狙いをつけると、銃弾の雨嵐。
 出鱈目に放たれた無数の弾丸がタコの周囲で跳ねまわり次々穿っていく。
 痛打を食らわせた所で連続攻撃。
「うおおー! やるぜやるぜー!」
 荒れ狂うガトリング弾丸の嵐。
 映えする画像が取れた所で、イカも巻き込むように弾丸のおかわり。
「ピギャー!」
 食らったイカが触腕で殴り掛かるが――
「蹴散らしてやるぜー!」
 アザラシパワーに全身を包みながら水平に錐揉み回転して突進。
 イカの触腕を千切り飛ばした。勇姿であったが――
「しまった! 必殺技は止めにしておきたかったのに!」
 残念がりながらも、機会を狙うワモン。そんな彼に――
「あとで継ぎ接ぎしてクライマックスに使わせて貰いますね」
 撮影しているヴァンが返した。

 映えする戦いを皆は続けていく。

「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ!」
 エーレンが大見得を切る様に声を響かせる。
 それに合せ響く粋なBGMと、映えるエフェクト。
 イズマとユーフォニーが効果担当をしてくれているので、2人が合せ易いよう動きを大きく取りながら声を響かせる。
「俺の剣技を味わっていけ。その代わりお前自体を味わわせてもらうぞ!」
 タコに向け突進準備。
 ぐっと腰を落とした瞬間、ユーフォニーが紫電のエフェクトで演出。
 演出に合わせ、エーレンは吶喊。
 タコに肉薄すると、無数の触腕の連撃を躱しながら反撃する。
 動きに合わせイズマが迫力ある音を響かせ臨場感をアップ。
 最高潮に高まった瞬間、エーレンを囲むように触腕が放たれ――
(ここが一番の魅せ場!)
 全力の俊速抜刀。
 タコの触腕を切り飛ばし懐に入ると、再びの抜刀。
 一閃の煌めきで斬り裂くと傷口に突き刺し、電撃を流した。
 合わせてイズマとユーフォニーが音とエフェクトで演出。
 映える画が撮れた。

 効果的な画と音が撮れていくが、それはイズマとユーフォニーの尽力が大きい。
 2人は演出しながら戦っていく。

「接近戦の画を撮りに行くから、演出を頼むよ」
「任せて下さい!」
 早めに来て依頼人と打ち合わせしていた2人は、迫力のある画を撮るため協力していく。
 最初に前に出るのはイズマ。
 カメラを身体に固定し戦闘中の録画を試みる。
 まずは混戦状態のタコとイカに近付き、魅了の魔力を振り撒く。
 するとタコとイカが良いとこを見せようとするかのようにお互い激しく殴り合う。
「三つ巴の状況は利用しないとな?」
 タコとイカを誘導した所で攻撃。
 その度にユーフォニーの協力で、派手なエフェクトがきらめく。
 合せてイズマは、ギフトを使い効果音を響かせる。
 派手なアクションシーンが撮れていく。
 そこにタコとイカが、正気に返ったのか、イズマに襲い掛かった。
 映えを意識してイズマは受け止めるとカウンター。
「ぐっ……なかなかやるな。だが負けるものか!」
 終焉の帳を思わせる紫色の衝撃波を叩きつけ動きを止めた所で――
「最初はお前からだ、タコ!」
 高熱纏う斬撃を叩きつけると、タコの触腕の一本が爆散した。
 苛烈な連続攻撃を叩き込むと一端後退。
 ユーフォニーの演出に協力する。
「今度は俺が演出するから、派手に戦って」
「はい! それじゃ行きます!」
 勇気を纏って、ユーフォニーはタコとイカに突進。
「ためらいには、勇気を!」
 決め台詞と共に明るい音楽をイズマが流し、それに合わせキラキラエフェクト。
 同時に幻影を作り出すと、なぜかユーフォニーの姿と重なり魔法少女の見た目に変身。
「覚悟しなさいタコイカさん!」
 決めポーズをとると背後で爆発演出。
 するとタコとイカが一斉に襲い掛かってくる。
 ユーフォニーは引き付けながら、傷付いた仲間の回復に動く。
(これはエンターテイメント、必殺技は終盤ですっ)
 撮影され易い位置まで移動すると、本格的に戦っていく。
 何度か攻撃した所で、ピンチを演出。
「うぅっ、こんなにしぶといなんて……」
 怯みつつ守る意志を魅せていく。
「この島は、絶対、守るんです……! お願い係長、力を貸してっ!」
 呼び掛けると、盛り上がる効果音とエフェクト発生。
 ドラネコとドラネコ型軽量ドローン・AIMIAが寄り添うように近付く。
「リーちゃんとエーちゃんも一緒に戦ってくれるの……?」
 感動したように息を飲むと、何故か虹色オーラに包まれるユーフォニー。
「……っ! みんなの想いがひとつになって――これが! 私たちの必殺技!!」
 万色を伴う輝きを撃ち放つ。
「カラフル! ミラクル! マジカルカレイドスコープ!!!」
 輝きがタコとイカに突き刺さると大爆発。
 お伴のリーちゃんとエーちゃんと一緒に決めポーズをして、映える画を撮った。
 すると唐突に、空にドラネコが浮かび上がり――
「タコもイカも美味しくなったにゃ」
 教えてくれた。

「さっきもだけど今のなに?」
「グルメ放浪してたドラネコみたいです」

 再び説明口調で間の手を入れるリリスとヴァン。
 二重に美味しくされるイカとタコ。
 その味を確かめるように、熾煇がワイバーンに乗って突進する。

(えーと、イカの手助けをする形でタコを倒して、そのあとイカに襲いかかるんだよな? 逆か?)
 戦闘手順を思い出しながら、熾煇はワイバーンに乗って攻撃。
「まずはタコから!」
 味方に当たらないよう気を付けながら、ドラゴンブレスを思わせる魔力咆哮。
 触腕の一部を貫く。
「この調子で行くぞ!」
 熾煇に応えるようにワイバーンは動き回り、連続して攻撃を叩き込む。
「どーんって撃って、がーってやって、ついでに燃やすぞ!」
 勢いに乗る熾煇は接近戦も挑む。
「このまま吶喊だー!」
 放たれる触腕をワイバーンが掻い潜り肉薄した所で、熾煇は紅焔の魔力を纏わせた爪でタコ足をひとつ斬り飛ばす。
 焼かれてメッチャ好い匂いをさせ宙に跳んだそれをキャッチ、食べてみる。
「美味い!」
 めっちゃ美味かった。
「肉厚で、噛み応えがあるぞ。ワイバーンも齧っとけ」
 焼いた部分も食べると香ばしくて美味い。
 なのでイカにも狙いを定める。
「可哀想だが、うまい飯のためだからきっちり狩るぞ」
 美味しいご飯ゲットのためにも戦う熾煇。
「悪いな、恨むなら美味しそうな自分を恨むんだぞ。ついでに俺達も恨んでくれて構わない。とにかく今は飯を食うんだ」

 皆は派手に戦っていく。
 そんな中、ベークは皆の動きに合わせるようにして戦っていた。

(なんかこう、皆さんはかっこ……よく……とりあえずいろいろと演出の方はなさっているみたいなので、その辺りはもう皆さんにお任せしてしまいましょう)
 演出の邪魔にならないよう気を付けながら、援護をするように動く。
 護りの加護で身を守りつつ、皆が戦い易いようタコとイカの注意を引きつける。
 なので攻撃が向かって来るが、カウンターを意識して戦っていった。
(あんまり派手さとかないんですよね。ほら、しがない鯛ですし)
 皆を引き立てるように動きつつ距離を詰める。
(防御役の手は足りてるみたいですし、頑張って攻撃を当てれば)
 頑張って戦っていると――
「いつでもインパクトのある画が撮れるわよー」
 リリス達が声を掛ける。
(インパクトですか……いえ僕、地味な鯛ですし)
「たい焼きじゃないですよ? 巨大化もできませんしね」
 小さく呟くと――

 ぴこーん♪

 再度のフラグ発生音。
「え?」
 困惑しているとタコイカが一斉攻撃。
 慌てて避けつつ全力を出そうとした瞬間、躓きこける。
 すると反射的にギフトが発動、たい焼きになると、ぴちぴちしながらイカタコの頭上まで跳ね上がり、何故か巨大化。
 ぴちぴち跳ねながら体当たり。
「うわわっ!」
 痛打を与えたベークは人の姿に戻りつつ、一端距離をとる。
 甘いたい焼きの匂いに包まれるタコとイカ。

 その後一斉に皆で攻撃し、危なげなく倒すイレギュラーズ達であった。

●料理
「さて、ちょちょいと仕上げてしまおうかのう」
 倒したタコとイカを、竜宮幣を取りだすついでに天狐が手早く捌く。
「麺狐亭出張サービスじゃな!」
 串焼き揚げ物海鮮うどん、美味しい料理が出来ていく。
「腹が膨れるまで作るからの!」
 美味しそうな匂いに人だかりが出来ていた。
 料理上手はムエンも同じ。
「タコ料理は島民に任せるとして――」
 ムエンはイカを中心に料理。
 新鮮な内に、まずは刺身とイカそうめん。
 手際好く見た目も美味しそうだ。
 次に取りかかったのはイカ墨パスタ。
「これだけ大きな墨袋なら、存分に作れるな」
 島民だけでなく観光客も食べれるほど作る。
 それだけでなく保存食も。
「余った身は潮風に当てながら天日干しにして、あたりめにでもすれば長持ちするだろう」
 島民が喜び、積極的に手伝った。
 料理を作っている間に島民や観光客が集まり、タコイカパーティが始まる。
「イカ焼きに、タコ焼きもあります!」
 ユーフォニーは手作り料理を振る舞いながら、映画宣伝も手伝う。
「割引券です。公開されたら見に来て下さいね!」
 盛り上げに協力するように、ベークも手伝っていく。
「え? タコ焼きとイカ焼き、どっちが美味しいか、ですか? 鯛です……」
 島民が釣っていた鯛の刺身を振る舞ったりしていた。
 段々と賑やかになり、お祭のようになっていく。
 そこでエーレンは、賑わいに協力していく。
「さあ、いらっしゃいいらっしゃい!」
 目玉はイカ料理。
(炭火で焼いた海鮮の要領で美味いはず)
 雷神で中からじっくり焼き上げたイカ焼きを振る舞う。料理名を聞かれれば――
「イナズマ焼きだ。お代りは幾らでもある。好きなだけ食べてくれ」
 美味しく食べる島民と観光客。
 もちろんそれはレギュラーズも変わらない。
「お楽しみの実食タイムだぜー!」
 食べ易い大きさのイカとタコにかぶりつくワモン。
「うひょー! イカだけじゃなくタコもある幸せ!」
 生以外にも、焼きイカやタコなど色んな料理を楽しむ。
 同じように熾煇も美味しく食べる。
「美味いな! ワイバーンも食べろ!」
 色んな料理を一緒に食べていると、好い画なので食事シーンも撮られた。
 美味しい料理が振る舞われ、中にはさっぱりした物も作られる。
「マリネも作ってみたんだけど、どうかな?」
 イズマは試作のマリネをリリス達に振る舞う。
「レストランのメニューにどう?」
 美味しいので、新たなメニューとして加わった。

 こうしてタコとイカを討伐し、映画作りも成功させ、依頼を完遂するイレギュラーズ達であった。

成否

成功

MVP

ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘

状態異常

なし

あとがき

皆さま、お疲れ様でした!

皆さまのお蔭で、映画はクランクイン。島もリゾート地として、さらに発展しそうです。
皆さまのプランがノリ良く、書いていて楽しいリザルトでした。
また今回のような、B級映画を撮るノリのシナリオも出していきたいと思います。

それでは、最後に重ねまして。
皆さま、お疲れ様でした。ご参加、ありがとうございました!

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