PandoraPartyProject

シナリオ詳細

亡骸を継ぐ系譜

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 海洋が一角。オルウィン島では遥か以前より造船事業に優れていた。
 港には数多くの船が立ち並び、倉庫の方では新たなる船を製造中なのだろうか――常に絶え間なく工事の音が鳴り響ている程だ。かつての大号令の折にも、ここで製造された船が数多く出撃したという。

「そして――だからこそと言うべきかな。この島の海域にはガレオンタートルが訪れる」
「ガレオンタートル? 船みたいな名前ね」
「ああ。実際に船に基づく逸話があってな……奴は廃船の類を甲羅代わりとするんだ」

 同時。島より大海原を眺めているのはジョージ・キングマン(p3p007332)にコルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)だ――この海の先に『ガレオンタートル』なる存在がいるのだと、ジョージは語らう。
 それは難破船や、座礁船。廃船の漁礁などに住み着き、その船を甲羅代わりにする大亀型の魔物だ。
 新規に作り上げた新鮮な――と言っていいのか分からないが――
 とにかく新し気な船には興味がなく既に朽ちかけている船を好むという。
 やがて大亀はガレオン船級のサイズにまで成長。
 その巨大さが故にこそガレオンタートルと名付けられているのだ。彼らは数年に一度、産卵の為にオルウィン島付近の海域に存在する、難破船などが大量に沈んでいる海域……通称『船の墓場』にやってくるのだという。
「聞いた事があるぜ! たしか甲羅の材料に選ばれた船……ってかその残骸はよー新しい船の材料になるんだろ? なんかより頑丈で、より使いやすい素材に変質するって話だぜ!」
「ははー、ガレオンタートルが取り込むと、なんらかの影響があるのですかね。成程。だからこそ……島の方々はガレオンタートルを狙う様な話をされている訳です」
 そして重要な事としてワモン・C・デルモンテ(p3p007195)が述べたように、大亀の甲羅に選ばれた船体は、新たなる造船の為の希少材料となるのだ。

 『大船亀の岩殻(ガレオン・タートル・ブロック(ロックシェル))』

 そうとも呼称される、年月をかけて変質した船体に生じたソレを求めて島の……特に造船に携わる者達は目の色を変える。今年はどんな風に狩猟しようかね――などと。
 和気藹々な様子の言が日車・迅(p3p007500)の耳にも届くほどに。
「この雰囲気……言うなれば狩りってよりお祭り、かねぇ。
 大亀相手にどれだけやれるか、島の腕自慢連中はこぞって競ってるってとこか」
「さっきから賑やかな声が聞こえてくるもんねぇ。時期が近付いて逸ってるんかしら」
 然らば十夜 縁(p3p000099)に蜻蛉(p3p002599)も辺りを窺えば街の者らはまるで、催事の始まりを待ちわびているかのようだ――
 ガレオンタートルの素材はオルウィン島の者達にとって恵み足り得る代物なのだろう。
 此処での成果が今後の売り上げに、ひいては島の者達の生活にも影響するのだから。
 ……いやそればかりか、なんでも連中の肉は美味でもあるとか――? 数多の船を甲羅に組み込んでも尚耐えうる肉質は類を見ない程の弾力と味わいが秘められているそうで。
「ほうほう飯としても上質なのか。そりゃあ見過ごせねぇな――!」
「生態に影響が出ない範囲であれば多少駆ってもしても大丈夫そうですね」
「おおよ。ただ、狙うのはどうやら大型船級の大きさを持つ奴だけらしいな。
 小型船級は子供な事もあるんだってよ。そこだけは気を付けとくか」
 そして――そんな話があらばゴリョウ・クートン(p3p002081)は見過ごせぬ! 祭りに参戦しようかと橋場・ステラ(p3p008617)と言を交わすものだ。
 外からの飛び入りも大歓迎。ガレオンタートル狩りには多くの者が参戦するという。
 己こそが最も成果を得る事が出来るのだと……
 ……ただし注意事項として小さい個体。小型船同様程度は禁猟対象だ。
 彼らの未来を奪う事が目的ではない。
 ただほんの少し恩恵を頂くだけなのだから。
「ぉおい! もうすぐ来るぞ――! ガレオンタートルの群れだ――!!」
「おっと。もうそんな時間かよ? さっさと準備を整えるぜ――!」
「なんだかレースみたいな雰囲気もあるわねぇ。ま、折角だから楽しませてもらいましょうか」
 と、その時。港の方から島民らしき者の声が響き渡る。
 同時に鳴り響く太鼓の音色もあらば誰しもの耳に届こうか――
 件のガレオンタートルがもう近くまで来ている様だ。
 然らば港からは船を出す動きで活発化するものであり、ワモンやコルネリアも準備を整えんとする。狙うはガレオンタートルの甲羅部分。もののついでに肉も頂ければ、後で陸地にて豪勢なりし食事も取れるだろうか。
 あぁ。今日も海洋の海原には……燦燦とした陽光が降り注いでいた。

 海へ進む道を、祝福するかの様に――

GMコメント

 リクエストありがとうございます!!
 ガレオンタートル狩猟……開始です!

●依頼達成条件
・ガレオンタートルに……挑めッ!(※ただし大型船サイズ以上のみ)
・倒すだけでなく、ある程度甲羅の素材『大船亀の岩殻(ガレオン・タートル・ブロック(ロックシェル))』を入手する事。

 両方を達成してください。

●フィールド
 海洋東部に存在するオルウィン島より程近い海域です。
 時刻は昼で、天候は穏やかです。其処には『船の墓場』とも言われる、難破船、座礁船、廃船の類が(海流によって)流れ着く地が存在しています――普段は此処でサルベージ業を営む業者もいたりするのだとか。

 しかし今の時期は後述するガレオンタートルの群れが、産卵の為に訪れようとしています。

●ガレオンタートル×たくさん(※狙うのは大型船級のみ!)
 一言で述べると『巨大な亀』です。
 大人になるとガレオン船級のサイズに成る事から名付けられたとか。彼らは難破船や、座礁船。廃船の漁礁などに住み着いて、その船を甲羅代わりにする習性を持ちます。
 この『甲羅』に選ばれた船体は、やがて年月を経ると新たな船の材料になる程の代物に変質するのだとか――
 その為、オルウィン島の漁師たちは大亀らの産卵場所として選ばれる『船の墓場』は荒らさないようにしています。むしろ時々廃船を沈めて漁礁としていて、彼らを歓迎している程です。

 ともあれ! 今回の主目的はガレオンタートルの狩猟です!
 特に狙うのは甲羅の木材部分――
 コレをどれだけ回収できるかで毎年漁師は競っている様です。

 ガレオンタートルは小さい個体(小型船級)もやってきますので結構な数がいます、が。
 狙うのは大型船級の巨大な個体だけと定められています。
 明らかにサイズ違いの目立つ個体が一体いますので、見間違う事はないでしょう――

●戦闘能力
 ガレオンタートルは生半可な攻撃では身じろぎしない程の堅牢さがあります。もしかするとちょっとお肉貰っても気付いてないかも……しかし流石に狩りの攻撃が本格化すれば、奴も次第に激しい抵抗をしてくるでしょう。

 ほぼ全ての攻撃に【飛】があります。
 巨体を活かした突撃や身震い、薙ぎ払いはソレだけで巨大な衝撃を発生させます。また、ボディプレスとも言うべき……全身で押しつぶすように倒れ込んでくる事も。
 これは凄まじい威力を秘めており、下手をすれば乗っている船などに大きな被害が生じて船が動かなくなる可能性がありますのでお気を付けください。(※小型船などの類を持ち込んでいても、アイテムロストする訳ではないのでご安心ください)

 また、稀に巨大な口で【咬み付き】を行ってくる事があります。
 これもマトモに受けると激しい被害を受けますのでご注意を!

●味方戦力
・現地の漁師×多数
 狩場では現地の漁師たちも狩りに参加しています。島の腕自慢達が集っていて、彼らも自前の船を用いてガレオンタートルへの攻撃を始めるようです。
 味方と言うか、敵対しない勢力と言った感じです。
 彼らもいるのでイレギュラーズだけが狙われる、と言う事は無いでしょう。

●その他備考
 地元の漁師達が『小型船』相当の船を貸し出してくれるようです。その為、小型船や類する様なアイテムが無くても大丈夫ですが、イレギュラーズの皆さんが独自に持ち込んでもOKです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 亡骸を継ぐ系譜完了
  • GM名茶零四
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年09月09日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
蜻蛉(p3p002599)
曙の花
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
日車・迅(p3p007500)
疾風迅狼
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤

リプレイ


 『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)は眺めるものだ――眼前。これほどかとまでに存在感を露わにしているガレオンタートルを……いや、ホントに……これほどの巨大さとは……
「オルウィン島の船の話は知り合いの漁師連中もよくしていたが……成程ねぇ、こいつは確かに他じゃ造れねぇな。話題にもなる訳だぜ――とはいえ、想像よりもちっとばかし……骨は折れそうだがね」
「何を食べたら、こんなに大きゅうなれるんやろか?
 相応の餌っちゅうか……食料が必要になりそな気がするんやけどなぁ……」
「生態系の不思議ってヤツよねぇ……ほんとどうなってんのかは気になる所だけど。
 ――ま。アタシは仕事をこなすだけだわ。
 ちまちま目を凝らして探す手間が無いのは、マシだと思う事にしましょ!」
「ああ、一気に寄せるぞ。一度近寄れば、後は一気に攻め上がっていくのみだ」
 思わず、縁だけのみならず『暁月夜』蜻蛉(p3p002599)や『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)もそれぞれ、ガレオンタートルに対する率直な感想を零してしまうものである。
 もう見れば見る程、近付けば近付くほど――デカい。
 ……それは、相応に長い時を生きてきたが故かと蜻蛉は思えばこそ。
 失礼のない様に挑まなければならないと定めるものだ。
 故にこそ――一気にイレギュラーズ達が動き出す。まずとにかくガレオンタートルの動きが本格化する前にと、『絶海』ジョージ・キングマン(p3p007332)が全速力で小型船を空より導く。周囲を俯瞰する様に観察する彼が適時指示をだしているのだ――
 さすればコルネリアは仕事の時間だとばかりに、咥えていたタバコを指で弾いて狙い定める。
 狙いが効きやすいのは良い事だ。
 堅くて重くて丈夫そうなのは――考えない事にするが!
「一狩りいこうぜ! トータルハンターズ! ふっふー!
 オイラ達の出番だー! オラオラ、行くぜ――!! 遅れるなよ――!!」
「ぶははははッ! 新しい食材の予感ってやつだなぁ――武者震いならぬ料理人震いがするぜ!」
 コルネリアの射撃が始まると同時――その動きに呼応したのは『生イカが好き』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)に『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)だ。それぞれ(理由は違いそうだが)士気は高く、ガレオンタートルの巨大さにも一切臆していない――いやむしろ闘志が湧き出しているかのようだ!
 ワモンはお得意のアザラシガトリングスプラッシュモォォォォドッ! でタートルの甲羅から素材をはぎ取らんとし、ゴリョウも海へと飛び込み迅速に死角から近づけば、甲羅に取りついて――跳躍。
 そのまま素早く駆けあがっていく。いや、むしろその様は登攀と言うべきか……!
「狙うは大物一点……あぁアレが話にあった個体ですか! お肉が楽しみですね!」
「間違える心配がなさそうなのは安心すべきでしょうか――行きましょう!」
 更に立て続けに『覇竜剣』橋場・ステラ(p3p008617)や『疾風迅狼』日車・迅(p3p007500)も続くものだ。飛翔するステラは、天より亀を眺めつつ……はたしてどこから『狩って』いこうかと思案を巡らせるものだ――わぁわぁホントにデカすぎるんですが、どこから手を付ければいいと! さりとて迅もまた飛行しつつ一気に甲羅へと飛び乗る。
 えぇいこんなもの、兎にも角にも片っ端から破壊していかねば始まらない。
 一に全力。二に全力。三四に(素材の)確保で、五に全力!
「さぁ、全て終わればゴリョウ殿の美味しいご飯が……待ってますよ!」
「ぶはは! まぁ捕らぬ狸の皮算用とはならねぇように……気張ってくかぁ!」
 あぁ無事に終われば楽しみもあるのだからと。
 大物に挑む高揚感。果てに在りし胃袋の悦をも目指して――往くのであった。


 ガレオンタートルにあらゆる角度から攻撃が始まる――さすれば危機を感じた小型は逃げるものだが、それは問題ない。イレギュラーズを含め狙いは初めから……大型一点狙いなのだから。むしろ離れてくれた方が都合がいい。
「さてさて……これだけデカイと、殴りがいがあるな。
 一撃や二撃打ち込んだ程度で崩れぬだろう。
 ……この大海はやはり広いものだ。斯様な程の存在が生まれようとは、な」
「さすがにこれだけ大きいと、ちょっとしたお山みたいやこと! 見上げてしまうわ。
 上からの景色は、さぞええ事なんやろねぇ」
 同時。ジョージや蜻蛉は目標へと向かう――
 役割を終えた船が沈み、また生まれ変わる場所と聞いていたが。その象徴たるガレオンタートルは改めて見据えれば……その威容さ、海に生きる者としては感慨深いものだ。最早この存在は敵だの味方だのといった枠で捉えられるモノではないのかもしれぬ――と。
 故にこそ彼は一切の手を抜かず撃を紡ぐ。
 幸いにしてどこでも狙う事が出来る様な場所に溢れているのだ。岩殻を剥がす為に叩き込むは、大波を模すかの様な怒涛の格闘術。止まらず叩き込んでいく波は衝撃波となりて往け、ば。蜻蛉は隙を見て零れ落ちる件の素材を、素早く回収していくものである。
 そして余力あらば自らも攻撃に参画。
 花弁の形を模した毒の魔石を投じれば――亀を蝕む一手と成りて。
「ふっふー、オイラ達にかかればガレオンタートルなんざちょちょいのちょいだぜー!
 目指すは優勝だー! オラオラオラオラ――! 逃しゃしないぜ――!!」
「岩殻が落ちまーす! 崩落に巻き込まれぬ様、お気を付けて!」
 続けてワモンの射撃が更に襲いかかりて、亀の外壁を次々に剥がさんとする――されば迅も解体作業に励むものだが、周囲へ注意の言を齎す事も忘れぬ。削った岩殻が下に落ちれば回収の好機であるが……下手に直撃すれば負傷する可能性もあるのだから。
「根元からざっくりと行けそうですね……! 皆様も、思いっきり砕いてみてください!
 ……いや、素材って粉々になっても大丈夫なのかは知りませんが……
 まぁ大丈夫でしょう! ええ――信じる事がなにより大事だと、拙は信じます!!」
 そしてステラも軽く周囲を観察しながら手近な所から砕いていくもの。
 仲間らの攻撃によって露出した『剥ぎやすい』場所が見えれば、声を出して皆にも共有。同時に己も一撃叩き込んで更に深く抉って行こうか。上手い事行けば、一気に殻を削る事が出来るもので、と。思考を巡らせていれば――大きな水飛沫が立った。
 タートルから崩れ落ちた素材の塊もまた巨大であればこそに。
「とっとっとぉ! やれやれ、兎にも角にも攻撃してりゃ解決……とはいかねぇか!
 地元の漁師連中が巻き込まれねぇとも限らねぇからなぁ。注意だけはしとくか」
 同時。降り注ぐ水飛沫を全身に浴びたゴリョウは、軽く目元を拭いながら視線を滑らせる。周囲に助けを求めている者がいないか――確認をしているのだ。それは彼自身が言った様に、素材となり得る殻が落ちてきた事による被害……もあるが。
 先程から、イレギュラーズや漁師らの攻撃を受け続けているタートルに遂に動きが見え始めてもいる。つまり……奴が攻撃態勢に入らんとしているのだ。
 身じろぎするだけでも激しい衝撃波を伴うのであれば被害がゼロのまま進むとも限らぬから。尤も、問題が無ければ素材の回収もしっかりと行っておこう。
 自らの補助腕で素材を結び固定しつつ、確保の為にあちらこちらへと動き回り。
「ま、抵抗は当然だよな――振り落とされる前に、少しでも削ぎ落とさせてもらうとしようかねぇ」
「足から狙ってくわよ。でかい図体って言っても……それも全部支えられていればこそ。足やら腹を傷つけられて尚、保っていられるかしら、ねぇ!」
 次いで縁は、やはり他の者と同様に破壊の一閃を紡ぎあげる――
 ただ、運びやすいようにそぎ落とす大きさは考えなければならないとも思うものだ……無秩序に破壊だけを行っても、はたしてどうやって持って帰る事かと。ワモンやゴリョウが回収に努めてもいるが、さて。
 一方でコルネリアは亀の態勢を崩すべく足へと狙撃する。
 海に面している――? 知った事か。沈んでいようがアタシの弾丸は外れない。
「どこまで在り続ける事が出来るかしら?」
『――――!』
 されば。遂に痛みの方が無視出来ぬ領域に至りつつあるのか。
 タートルが――大きく動き出した。
 その巨体を持ち上げる様に天へと向ける――それは。
「うぉぉー! 来るぜ来るぜ、ガレオンタートルが潰しに来るぜ――!!」
「さぁてさて。奴さんの抵抗も――ここからが本番かねぇ」
 ただ単純な押しつぶし。されど、ガレオンタートルの特性を最大に活かした攻撃。
 ――強大なる衝撃波が、周囲へと炸裂した。


 うひゃぉ~~! と、響いた声はワモンであったろうか。
 周辺の漁師たち含め、多くの者が吹き飛ばされていく――が。
「やるな、ガレオンタートルめ!! だーがオイラは海のヒーロー!
 タートルをどれだけ狩れるかよりも……困ってる人を助けるのが最優先だぜ!」
「あぁ行くぜワモン! 俺達の出番ってヤツだよなぁ!!」
「う、うぉぉ! すまねぇな兄ちゃんたち! 助かるぜ!!」
 ワモンにゴリョウが素早く動く。助けを求める声あらば往くのだとばかりに――跳躍。
 天より堕ちてくるかの如く降り注ぐ岩殻の欠片へとワモンが射撃。破砕させ、その下の水面に落ちていた漁師の一人をゴリョウが救うのだ。直後には安全圏へと運ぶべく、再度に視線をも巡らせるもの。
 そして負傷が在らば――蜻蛉の出番だ。
「流石に一筋縄ではいかんねぇ。でも……だからこそ、此処にいるんよ」
 彼女の治癒術が皆を満たす。
 膝をつき、水面に手を付けば力が刹那に周囲へと広がるのだ。
 まだだ。この程度で終わる筈があろうか。元より大層な亀だとは分かっているのだから!
「迅さん――手をッ!!」
「ステラ殿――助かりますッ!」
 更には、亀の一撃により吹き飛ばされんとしたステラと迅が、互いに手を伸ばす。
 それは再びの反撃が故に。互いの身体を軸に、空中で振り回す形をイメージしながら――キャッチ&リリースだ! 吹き飛ばされ、どこぞの彼方へと消える筈だった運命を覆し、亀へと再び迅を至らせん――!
「すぅぅぅぅいんぐ、ばーい!!」
 高速で引き戻る迅の身体。再びに岩殻へと到達するや否や、彼は撃を振るわん――!
 破砕。破壊。引き剥がし。全てを海へと落としてやろう!
「ワモン殿、蜻蛉殿、運搬よろしくお願いします!」
「オイラに任せろー! ひゃっはー! 取り放題だぜ――!」
「亀さんの甲羅、いただきました! 気ぃ付けて落とさんように運びますよ!」
 然らば即座に声を張り上げるものだ――下にいるワモンや蜻蛉へと届く様に。
 ガレオンタートルが如何に暴れようとも負けぬ。
 引き離されようと必ず戻り。人の力を魅せてやろうか――!
「――全く。これだけの攻撃を成しても尚、大した生命力だ……
 だからこそ大海を行くなら、魂を継いでいく――この島の船が良いともされる訳、か」
 然らばジョージもまた、振り落とされようと最接近し一撃紡ぐものだ。タートルの身じろぎに対し、動きに逆らわず叩き込むは反撃の痛恨打……幾重にも幾重にも重ね続けた撃があらばタートルも弱ってくるもの――と思っていたが。
 それでもガレオンタートルの生命力は未だ煌々とするが如く輝いている。
 ただ巨大なだけではない、という事であろうか。
 長年このオルウィン島で狩りの対象とまでなる訳である――!
「だが。どんなヤツだろうが限界ってのものはあるもんだ」
「そろそろ息切れしてもらいましょうかね。さぁ――ラストスパートと行くわよ!」
 それでも縁やコルネリアは、大山に挑むが如く心境で往くものである。
 縁は振り落とされようとも巧みに泳ぎて再度接近。タートルの身じろぎで波が荒れる――? 知らぬ存ぜぬ。彼に宿りし祝福は斯様な程度など難儀にすらせぬものだ――それよりも一気に収穫を推し進めんと、どこまでも深き一撃を紡ぎ出そう。
 さすればガレオンタートルも更に暴れる。痛みも深層に到達し始めたか。
 脱落し始める漁師も出るものだが――一方でコルネリアはこれを好機と見る。
 他の漁師は今、素材の収穫どころではないだろう、と。
(いくら堅牢だろうがアタシの銃の前では意味無いんだと、知りなさいッ!)
 だから。彼女は引き金を絞り上げる指先を、止めぬ。
 撃つ。放つ。穿つ。木材を撃ち抜き、肉を貫き。
 その動きを――止めてやるのだ!
「――迅、ステラァ! ぶちかましてやんな!」
「はい! 拙らに――お任せあれ、です!」
「これにて……仕舞とさせて頂きましょう!!」
 然らば、タートルが大きく口を開いた。それは痛みを訴えての事であったか。それとも邪魔立てする者らを砕かんとする為に開けた大口であったか。だが、いずれであろうとも構いはせぬ――鈍った動きの最中に開かれた顎部へとステラと迅が迅速に。
 やるかやられるかの勝負の瀬戸際――!
 たった一瞬の機を己が物とし、全霊の一撃を叩き込んでやろう!

『――――!!』

 直後。ガレオンタートルが激しく震える。
 同時に巻き起こるのは――背に張り付いていた岩殻が大量に、弾けるが如く。
 身を軽くするための動きだったのだろうか。更に続けては……ガレオンタートルが海へと潜れば。
「あぁ――底に行くみたいだな」
「お肉も沢山獲れたし……もうこれで十分、やね」
 その動きを縁や蜻蛉は見送るものだ。
 雄大なる海に存在した、大いなる亀へと。蜻蛉は手を合わせ、祈りを捧げながら――


「うぉぉ、やるなイレギュラーズ達、流石だぜ!!」
「みんなお疲れ様だぜー! 大量、大量ー! これなら優勝間違いなしだな!」
「ぶはははっ! って事で、俺にとっちゃここからが本番だな、さぁ料理の時間だ!」
 そして一同は帰路に付く。オルウィン島へと――万雷の拍手を浴びながら。
 彼らの船の後方には、ガレオンタートルより収穫せし数多の素材が山の様に。故にこそワモンは告げるものだ――いっぱい働いた後は、ゴリョウのおっちゃんのトータル料理で打ち上げだぜーと!
「うむ。いい感じの肉質じゃねぇか……こりゃスッポン肉を参考に出来そうだな。
 つー事は、まずは定番の鍋と唐揚げで仕上げてみるかねぇ!
 さぁ皆! 精の付くもん食って、依頼で疲れた身体を癒してくれや!」
「亀肉! あまり食べた事ないのでとても楽しみですね!」
「唐揚げたぁ流石ゴリョウ。分かってるじゃないの」
 然らば即座にゴリョウは調理の用意を始めるものである。鍋に昆布を敷いて湯と日本酒で煮込んだ亀肉を丁寧にアク取りし醤油で味付け……更にはアクセントとして生姜汁を付ける事も忘れない。うむ、良い香りがして来れば迅やコルネリアも実に楽しみな心境へと成るものである……!
「旨味が凝縮したスープは味わい深く滋味深くてなぁ……おおっと。〆は当然コイツ――雑炊だよなぁ! 最後の一滴まで味わうのが、食材に対する礼儀ってもんだぜ。そんで唐揚げはサクッとな。揚げたての内に是非食ってくれや!」
「フッ――あぁ頂こう。唐揚げの肉汁はたまらない……鍋も実に絶品だな。
 こうなれば、此方も相応のモノを出すのが当然だ。酒樽を用意しておいた。
 ――どうかな漁師の方々も。これは皆で味わうべき代物であろう」
「おぉ? 俺達もいいのかい!? じゃあお言葉に甘えさせてもらうぜ!」
 次々と飯を用意していくゴリョウに続いて、ジョージも樽で用意していた酒を出す。
 であれば至高の一時が紡がれるもの――漁師の面々も誘いて、顔を繋いでおこうか。
 ……船は、海洋で無くてはならないもの。
 故にこそ船を造る彼らは海洋を支えている者達とも言えるのだから、と。
「んぐ、んぐ……! 美味しいですね、この亀肉は……!」
「海の恵みに感謝して。ほんなら、いただきます♪」
 そしてステラや蜻蛉も手を合わせてガレオンタートルを食す――
 ……はて。そういえばさんざっぱら攻撃してきたわけだが、お肉は大丈夫なのだろうか? ふと、ステラは斯様な事を想うものだ……斬撃や打撃。のみならず毒を用いた攻撃も行っていた様な……、…………まぁ最悪、拙に毒は聞きません故――!
 酷くてもお腹痛くなるぐらいでなんとかなるでありましょう。多分。多分!
「旨いかい? ……あぁいや、悪いな、俺は食えねぇんだ。
 気にしなさんな。存分に楽しむと良い」
 ――が。祭事の如き食事の中で、縁だけは酒のみを嗜んでいた。
 それは彼が海の幸を食せぬが故である。
 漁師たちから兄ちゃんもと勧められるのだが、やんわりと断りて……
(やれやれ、こういう時魚介の類が食えねぇってのは不便でいけねぇな。
 ……しかし。食えなくなった理由はなんだったか。あぁ……)
 同時。彼は思考を巡らせるものだ。
 そもそも己は何故――魚介の類を受け付けぬのか。
 一拍、二拍。瞼を伏せながら考えれど……さて。とんと思い出せぬ。
 『何か』あった気はするのだが、と。
 ……舌に運ぼうと思わぬのだ。
 まぁ、いいかと。彼は代わりに酒にて誤魔化す。
 例え如何なる理由が潜んでいるのだとしても。酒の旨さだけは――確かなのだからと。

成否

成功

MVP

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク

状態異常

なし

あとがき

 依頼、お疲れさまでしたイレギュラーズ!
 大型存在狩猟クエスト……! とも言うべき一時!
 皆さんのおかげで、オルウィン島には再び大いなる幸が訪れそうです。
 MVPは攻撃や素材の回収、周囲の助けを求める声を探すなど様々行っていた貴方に。
 ありがとうございました!

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