PandoraPartyProject

シナリオ詳細

再現性アーカム:フレッシュ・モデル

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●1920年※※月※※日、アーカム
 駒形切妻屋根が列を為し、素晴らしき景観を孕んでいる再現性アーカム。美味しいアイスクリームやチョコレート、チーズスフレなどが人気の再現性アーカム。好いところでは在るのだが、成程、再現性東京、再現性倫敦と同じく、仄暗い一面も持っているのだろう。たとえば『火葬ではなく埋葬が主流』と謂うのも問題視すべき点のひとつか。
 ここ再現性アーカムでは如何してか死者が出易い。何故かと頸を傾げて調べれば不明な面が多量に漏れてくるだろう。兎にも角にも不審死が多いのだ。曰く、椅子に座ったまま恐怖に晒され心臓が止まっただとか、本を捲ったら急激に老化し息を引き取ったとか――それ故に、まるで墓場の出血大サービス、臭いを殺すのにも一苦労であった。
 そんな中再現性アーカムで流行しているのは犯罪者による墓荒らしであった。埋葬の際に高価な代物を埋める故人が多く、そうなるのは必然的と考えられた。奇妙なアミュレットなどは喉から手が出るほど人気だろう。
 しかし、時々奇妙な事があるのだ。
 ――棺の主人は何処に消えた?

●食肉処理場地下
 ぐちゃぐちゃとした臓物――筆が散らかっている。やぶれたカンバスはおそらくボツか。凹々とした額がうんうんと唸っている。
「せんせーが課題を出してくれたんだ」
 ひどく真っ赤な目玉をぐるぐると回し、小柄な少女は愉しそうに君達を迎えた。少女の名は赤城ゆい、今回の依頼人の一人だ。
「せんせーがね、貴様にはリアリティが不足している、クリームの色が赤では勿体ない、なんてゆーからさ。じゃあ何色がいいのって返したのよ。そーしたらグールかなんかを描いてこいってさ。それじゃツマラナイから私思ったのよ。そうだ! プディングを食べる人間さんを募集しようって。そしたら――」
 君達は赤城の隣、緑色の髪をしたメイドに目をやるだろう。彼女が二人目の依頼人、襞々もつで在る。肚をぐぅぐぅ鳴らしているが、もしや……。
「そんで私がモデルになるってワケですね。いやぁ最近新鮮なのばっかりで腐りかけ食してなかったんですよ。アーカムの墓場なら好い感じのありそうですしね」
 つまり、君達はこれからアーカムの墓場に足を運び『誰にも見つからず』死体を持ち去ってこいとの依頼だ。
「折角だからグールも招待したくない? せんせー、最後の晩餐が好きだとか謂ってたから。あと食べたいって人いたら参加してもいーよ。モデルさんは多い方が好いからね」
「お腹が空いてきましたよ!!!」

NMコメント

 にゃあらです。
 1920年代の幽霊譚に墓荒らしは欠かせませんね。
 このシナリオは基本的に『PC一人での描写』を予定しています。

●再現性アメリカ1920、マサチューセッツ州、アーカム
 何者かが創り上げた『街』です。
 1920年代としてはいますが様々な『時代』が混ざっています。
 アナタの思ったアーカムこそがアーカムなのです。

●目標
 近隣住民に見つからずに『死体』を回収する。

●オプション
 墓場を棲家とするグール、彼等を食事に誘う

●墓場
 埋葬地です。
 死体安置所も近くにあります。
 昼は一般人、夜には警備員がいるでしょう。

●人物
 赤城ゆい
 とある人物を「せんせー」と呼んでいる少女。
 再現性東京で彼女を『見た事がある』かもしれません。
 赤色が好きな芸術家です。
 今回は『せんせーに課題を貰った』のでアーカムに来ました。

 襞々もつ
 肉が大好きな人間種です。
 おにくが食べれると聞いてすっ飛んできました。

 グール
 喰屍鬼、死体を喰らう化け物。
 ですが理性を保てている個体のようです。
 食事に誘われたら頷いてくれます。
 だって安全な場所で美味い死体、誰だって食べたいもの。

●サンプルプレイング
「クソ、なんだって俺が墓暴きなんか」
 依頼は依頼なのでスペクター、アノニマスなどを駆使して掘り返す
 好い感じの死体を見つけたら袋に埋めて撤収するとしよう
 もしもバレそうになったら不殺でやりすごす
「あ、アンタ等がグールか、餌場を荒らしてすまねぇな。代わりといっちゃなんだが『一緒に食事』しねぇか? 安全な場所で美味い死体だ、如何する」

●注意事項
 この依頼は『悪属性依頼』です。
 成功した場合、『練達』における名声がマイナスされます。
 また、このシナリオはカジュアルなので必ず成功します。

  • 再現性アーカム:フレッシュ・モデル完了
  • NM名にゃあら
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年08月30日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談10日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

極楽院 ことほぎ(p3p002087)
悪しき魔女
ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)
あいの為に
ウィルド=アルス=アーヴィン(p3p009380)
微笑みに悪を忍ばせ
クー・クティノス・ツァラレーヴ(p3p010187)
悪夢の断片

リプレイ

 取り替え仔に訓練しなくてはならない。
 ある種の美しさを孕んだ教育、地下、病巣を造っている。
 ――我が仔を如何にして齧るべきなのか。
 母はひどく悩んだ末に脳味噌をすくった。

●首吊り死体
 『悪しき魔女』極楽院 ことほぎ(p3p002087)、紫煙を遊ばせつつ墓穴へと片足を突っ込む。噂話を噂話で片付けてはいけない。
 ぎぃぎぃと意地悪な魔弾が生命を盗んでいく、繰り返される魂への冒涜は、成程、このシナリオに相応しい。並べられた悪名の群れがギュイと啼いていた。
 碑は比較的新しいものだった、鮮度を第一に思惟する屍喰らいは新参者だと、古参どもに罵られる事があるのだと『事前知識』で教えられていた。それ即ち人間社会も怪物社会も似たようなものと謂えるに等しいか。兎にも角にもカッコ良さげに書いたならばグレイブディガー、スコップか何かを担いで意気揚々、ズレ、忍び足で何者かを殺すが如く――嗚呼、副収入万歳だ。書類仕事の片手間に糞がつくほど汚い戯れをひとつ、警備員の巡回ルート、物の配置とか足跡でわかったりしないだろうか。供えられていたゼリーはビニールつきで柔らかい、そう、臭くないなら喰えるだろう……?
 ぐるりと黄金色を回したならば、あーあ、出遭っちまった。偶然と謂うべきか運命と謂うべきか、叫ばれる前に封じていく――ギリギリと締め付けた男の泡吹きは如何だ、なんとも楽しそうに天蓋を仰いでいた――発いた墓にでも埋めて終おうか、これぞ悪人流一石二鳥。ん? ぬぞりと貌を晒したのは護謨質の輪郭――。
 これ、運んでくれねぇか。オレの友達がパーティをするって謂うんでな、アンタもどうだい? 力ない肉の塊をずぃ、と押し付ける。食屍鬼と称された怪物がぐずりと頷いてくれた。そんじゃまあとは『友達』んとこまでえんやこら……。

●行方知れずの神
 ゲコ、と墓地を棲家としていた蛙が自分勝手に爆発していた。周囲に撒き散らかされた体液が『あいの為に』ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)の鼻腔を擽っている。そんな雰囲気の街並みだと、アーカム、初対面で息を詰まらせた。陰鬱……? いや、そんな二文字で表現出来るほど、ジメジメ、生温くない。背中にこびりついた不快感は、そうとも、名状し難い蠢動だろうか。落とした視線の先々で無数の小さな虫が嘲笑しているのだと、初めて知った時のような――気の所為かもしれませんが。神意と伝説に塗れた普段通りの眼球の傍ら、とてもとても美しいと謂うのに。
 折角美味しいスイーツが売られているのだ、お仕事前にちょっとだけ齧るのも悪くはない。もしくは『今回の設定』として土産物を持っていく『てい』とする事も可能だろうか。アイスクリームは先に食べないと溶けてしまう。それならチョコレート、チーズスフレのお持ち帰りだ。大好きですよ……深夜に食べる背徳感と謂ったらたまらない。えっ? 注意する事? 心が痛む……倫理的な問題?? まさか、そんな簡単な事も解らないのか。合間のおやつ前には手を洗いましょう――冗談です、流石にそこまでイカれてはいませんよ。
 誰かさんとのお喋りを愉しみながら敬虔で優しいシスターを騙る。今日はお祈りの為にひとりで来たのです。祈りを捧げる際には『ひとり』が良いのだと神様がおっしゃっています。それとも、ええ、アナタはお布施をしてくださいますか……。スラムに居た頃を想いつつも奥へ奥へ、まるで野犬の如く。副葬品は私のポケットで良いですか?
 途中、警備員に遭いはしたが『夜のお相手が出来た』と喜んで消えていった。そんな些細なやり取りは彼方にやって、ざくざくと、毒虫に塗れた棺を掘っていく。琥珀色の瓶をずるりと手にすると妙な気配――それこど最初に覚えた、湿気と蟾蜍の鳴き声のような。おや、付いてきますか? おこぼれにあずかるつもりなら、作業を手伝ってくださいね。根こそぎにいただいた価値あるものと腐りかけのレア・ステーキ、したたる蠅の糞を友として警鐘、掻き分けて宴へ……。

●餅をちぎり、喰い、癒される
 十年ほど前の自分を思い出しながら『アーカム』の名を反芻する、果たして『このような』街など在っただろうか。夜妖に蝕まれたのか或いは別の何かに奪い取られたのか、もしくは最初から存在しなかったのか。そう、つまり、突然生えてきても不思議ではない雰囲気なのだ。東京、倫敦、その他とは毛色の違った、旧々しく感じてしまう美しさ。この街のモデルとなった地球のアーカムとはどんな場所だったのか。気になりますねえ。まるで初めて豪華な食事の席に坐した子供達のように、『微笑みに悪を忍ばせ』ウィルド=アルス=アーヴィン(p3p009380)、燦々、眼窩を光らせてみた……。
 大鴉の絶叫にでも脳味噌を傾けてしまえば『最早ない』のだと生命の渦が嘆いていた。流れから自らを遮断して凡庸と化し、ひたひたと、墓場の深とした心地に埋もれていく。いやはや、昔は実験やら裏工作やらで墓荒らしをしていたものですがねえ……まさか死体を『喰う』為に墓を荒らすとは、しかも、それで『生きている』と聞く。どこぞのお偉いさん方にも煎じて飲ませてやりたいものだ。そういえば依頼人はあの時いたお嬢さんじゃなかったか? ま、自分に理解できない文化を無理に理解する必要はありませんが――がらがらと引き摺っていたオマエに、つんと、常ならざる臭い……。
 そちらのグールさんもいかがです。ミート・パイに添えるべきはホイップ・クリームなのだと何処かの誰かさんが囁いていた、その通りに提供してくれるならば、成程、ご一緒するのは絶対的だろう。あちらにご同輩がいらっしゃるようですし? お食事でもすれば良いんじゃないですかね――そうして奇妙な行群は始まり懐にはアミュレット。
 野犬が呪うと謂うのならば、ブラックドッグが嗤うのならば、是非とも、面白い。元より人の恨みなど幾らでも買っている身の上ですが……呪われた経験はないものでね。
 滑り込んだネジレモノがみりみりと松果体を弄んでいた。

●コラジン、ヴェール、黄昏色
 ―――♪――、――♪
 励みたまえと語った後に『悪夢の断片』クー・クティノス・ツァラレーヴ(p3p010187)はぼんやりと、もしくはハッキリとヴェールの裏側を蠢かせた。既知であり未知たる街、再現性アーカムの並びに魅入られ、或いは整えられ、ジメりとした清々しい愚かな生命の坩堝にのめり込む。ああ、きっと、遊んだらさぞかし『良い音』がするのだろう。それとも地図上から失せたのは悪魔憑きの仕業か。おっと。契約以上の手出しは控えるとも、断片は断片らしくアザトホートと啼く。まず必要なのは情報だろうか。やあやあ、男達、ちょっといいかい? 葬式の予定や志望者情報が欲しいんだが――それなら最近変死した男が運ばれるのを見たぜ。なんでも葬式はやらずにそのまま埋めるとか何とか。見るのもおぞましいって話だぜ――じゃあ掘ってきてくれるかい? 我も同行しよう。何? 嫌だ? それなら……そう、真っ赤な眼球は如何かな……それを謂うなら旦那、真っ赤に濡れた心臓だぜ。よろしい、目的は知らない方が身の為だ。生きたまま臓腑を貪られたい人間はいない……この辺りにも居るらしいじゃないか、なあ?
 ダッシュと音符が囁く中で働け、働けとモルディギアンの奴隷が如くに。昼か夜か或いは狭間か、梟の鳴き声を耳元に角灯を掲げていこう。男どものせっせこを見届けたならばド派手にやってしまおうか。助けて、救けて、怖いよと幼子の真似をしてみたり、離れたところをちょっとだけドカン。警備員の混乱が伽藍な頭蓋めいてちょっとだけ楽しい――どうやら男達は『安置所』の鍵を開けたようだ。それじゃあとっととオサラバするのが吉。まだ土が柔らかいな? ついでにこっちも拝借してしまおう。
 山羊の準備は上々だ、ダーク・ヤングの戯言でお菓子を与える。
 ――おい、アンタ。オレの餌場で何してくれてんだ。
 ――♪――♪――ああ、そういう事かい。それなら『のらない』ワケにはいかねぇな。ちょっとだけ時間をくれ、ここらの群れを全員『呼んでくる』からな。後悔すんじゃねぇぞ。頭はしっかり人間しているご様子だ、これなら商談相手としてもやっていける……。

●食事する食屍鬼
 不自然な月明かりを頼りに真っ赤な絵具が宙を舞った、蝋燭の火がとける虚での奇声がなんとも相応に思えて仕方がない。
 結局のところ悉くが自分中心で回転しているのだ。誰しもが空気を抜く事だけを記憶している――肺臓が旨いんだよ。
 シスターが祈りを終えると、ぎぃぎぃ、ぎゃあぎゃあ、獣の歓喜が一斉に広がった。膨張するかのような腐敗臭に魔犬の遠吠えが重なる。まず最初に手を合わせたのはメイド姿の依頼主だった。嗚呼、愈々、マナーの『ま』の字もない饗宴が幕を開けようとしている。そんで、一応『料理した』モンはあるのか。ええ、其方は皆さんで食べていただいて結構。いえいえ、私は遠慮しておきますよ。そんじゃあ味見すんのはオレだけか。べろりと舌にのせてみたならばトロけるような眩暈――監獄で貪る臭いメシのような。
 ♪――神を慰めでもしているのか、心地良いフルートの音色が反響して往く。骨の髄まで残さないのだと化け物どもの咽喉、胃袋が潤っていく。こぼれ、床に落ちた肉片は這いつくばり、もごもごとやるのが実に楽しい――絵画は出来上がりましたか?
 饗宴の幕は下り護謨質の群れが棲家へと消える頃、イレギュラーズは囲むようにして『それ』を鑑賞していた。大きなカンバスに称えられたリアルの馥郁、全員がゴクリと唾をのんでしまったのは雰囲気に呑まれた所為に違いない。
 ――食事する食屍鬼。
 奇しくも『有名な作家』の描いた『それ』と同じタイトル。
 ――せんせーもきっと喜んでくれる、そんな、グロテスクな一枚。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

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