PandoraPartyProject

シナリオ詳細

はーい(脳内でも構わないので)2人組作ってぇ(イチャコラしろぉ~)

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●疲れてるときに栄養の供給って必要っすよね
「うーん……どうしようか」
 冷房の効いた学校の職員室で、一人頭を抱えている若い女性教師が一人。
 担当科目は体育だろうか、色気があるというには程遠い黒色のジャージの袖をまくり、うんうんと唸っている。
「若さって武器っていうけど時折それっていい具合に使われるんだよなぁ。ほら、今だってそうじゃん、模擬授業お前若いんだからやれよって。はぁ……どうしろってのよったく。」
 大きくため息を吐いて職員室の時計を見てみれば、時計の時間は午後9時を指している。残業開始から3時間、いまだに模擬授業の学習指導案がまとまることはない。
「あー……しかもさ、これ外部の人間招いて子供たちと関わらせながらの授業だよ? なんでわざわざ外部の人間招いちゃたかなぁ内部で完結しとけよ。そりゃ……二人組作って、ていうのはなかな難し……いや、待てよ」
 疲れた彼女の脳内に、ピコン、と何かがひらめく音が鳴る。
 どちらかというと疲れているが故の警報なのかもしれないが。
「二人組作らせるならさぁ……カップリングでもいいじゃん。折角ならそのお客様にもノリノリで楽しんでもらえるかもしれないじゃん。よしこれでいこう。私は疲れてるからそういうの見たい」
 ひらめきというよりも匙を投げているというほうが正しいか。
 うひょぉっ、というとち狂った声をあげながら、彼女は指導案を書き上げていく。
 ……なお、この指導案、いわゆる上の人に見せたのかどうかは別問題である。

●大丈夫大丈夫、何とかなるって
「今回は学校の先生からの依頼だよ」
 カストルはにそう言うと、イレギュラーズの方に向き直る。その手には例の学習指導案が。
「学習指導の目標としては『人と人との愛を育むためのコミュニケーションをとろうとすることができるようになる』ってあるけど……ちょっとその中身が特殊でね。もはやこれ指導案を作った先生の趣味に近いんだけどさ」
 ──きっと疲れてたんだよ、仕方ないね。
 微妙な蔑みと憐みの両方が混ざったような表情で苦笑いを浮かべ、とかく依頼するイレギュラーズたちに言い訳するように、カストルは話を進める。
「ほ、ほら、こういうのって『道徳』の授業も兼ねてるっていうでしょ? 今回はきっとそういうことさ。まして、いわゆる副教科って言われる体育の授業だし、そういうの組み込みやすかったんだと思うよ? 折角だから、そうやって皆で進行を深めるなり、自分が良いと思うことをプレゼンするなりすれば良いんじゃないかな……うん、今回は誰も悪くない。強いて言うならこの指導案を作った先生が良くない」
 カストルには珍しく、その視線はどこか別の所に逸らされていた。

NMコメント

おはようございますこんにちはこんばんは。水野弥生です。
とりあえず尊みのあるカップリングがみたい。
脳内設定でもいいから、ね?
それで救われる命ってあると思うんだよどうだろう?

ということで、シナリオの概要説明です

●舞台は?
 現代の学校によくある体育館みたいな施設です。
 なぜ体育館にしたかって?
「二人組作って~」は基本体育の時に発せられる言葉だからです。

●目標
 自分の理想のカップリングを作ってプレゼン(あわよくば小芝居)しよう。

●できること
 2人組を作るにあたって、以下の選択肢があります
 ・PC同士で2人組を作る
 ・脳内で2人組を作る→先生にプレゼンになります
 ・先生に2人組の相手になってもらう→先生はノリノリでやってくれます

●ちなみに
 ・異性同士だろうが同性同士だろうがカップリングの種別は問いません

●お願い
 ・今回、PC同士で組む場合は一行目に誰と組むかの宣言をお願いします

●サンプルプレイング(今回はAさんとBさんで仮定します)
 A
「Bさんと組むよ。Bさんは私の幼馴染なんだけど……今はそれ以上の気持ちがあるの。」
 B
「Aさんの様子、ちょっと変な気がする。少し体調が悪いのかな……? え、嘘……そういうこと……?!(驚きながら少し赤面する)」

●というわけで
 PC同士の関係性でもよし、関係者同士の関係性でもよし、脳内の即興でもよし。
 皆様の理想のカップリングをお待ちしております(真剣なまなざし)

  • はーい(脳内でも構わないので)2人組作ってぇ(イチャコラしろぉ~)完了
  • NM名水野弥生
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年07月24日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
武器商人(p3p001107)
闇之雲
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

リプレイ

●授業です
 授業当日。純粋無垢な目をした生徒たちと満面の笑みで体育館で待ち構えている女性教師の前に、イレギュラーズ達が現れた。
「今日は、「人との愛を育むためのコミュニケーション」の授業です。いいですね? 今回は特別講師をお招きしました。」
 そう紹介する彼女の横で『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)は今回の依頼に要領を得ていない様子。
「理想のカップリングなんて言われても、ピンと来ないっスね……。どっちかが片思いして二人組になったのを機にもう一人がそれに感づいて、とか。そーんな漫画の世界じゃねぇんスから」
 言っていることは正論なのだが、やることはやるしかない。そんな彼の肩をポンと叩いたのは『闇之雲』武器商人(p3p001107)。
 隠れた目元から完全に読み取ることはできないが、うっすらと上がった口角と微笑んですらいるように聞こえる声色はいつも通りといったところか。
「日向の旦那、これはお芝居だ。気楽にいこうじゃないか」
「だな……とりあえずそれっぽく芝居して見せればいいんだろ。それっぽく」
 そんな「同僚としての2人」がいれば、「夫婦としての2人」がいる。
 『若木』寒櫻院・史之(p3p002233)と、彼に甘えるように腕を組んでいる『しろがねのほむら』冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)。
「カップリングっていうかもう既に結婚しているのだけれど……ここにいていいのかな?」
「良いんだよ、しーちゃんと僕が一緒にいれば、ね?」
 ……ん? この段階でもう完成されてませんかね?
「ということで、皆様方、宜しくお願いしますね! ええと、まずは……日向さんと武器商人さんから」
 生徒たちから向けられる小芝居への視線が、どこか痛く感じられた。

●秘密の関係
「え……わざわざここまでする必要あったんスか?」
 大仰な照明演出にため息をつく葵にニコリと武器商人笑いかける。
「まぁ……ひとまず当初の打ち合わせ通りに」
「へいへい」
 大きく息を吸い込んで、葵のモノローグから小芝居が始まる。。
「オレは大学のそこそこ大きなサークルで社会勉強ついでに、仲間と楽しく日々を過ごしている普通の大学生っス」
 視線を向られた武器商人は武器商人で口元に人差し指で「しーっ」とジェスチャーをして口角を更に釣上げた。
「時々顔を出してくる先生には、どうも他とは違う別の感情を抱いてる自覚はある。あの長髪にミステリアスな雰囲気に、どっか惹かれてたのかしんねぇ」
 そう台詞を吐きながら葵は武器商人に近づいていき、二人はそっと手を繋いで指を絡める。そこで、台詞が武器商人にバトンタッチされる。
「葵は……うん、時々顔を出すサークルの生徒の中でも特に引かれるものがあってね……。ただ、我(アタシ)たちは教員と生徒。そういう関係はダメ」
 そうは言いながらもどこかその顔は本当に嬉しそうに思えてしまう。念のため言っておくがあくまでフィクションである。
 武器商人の視線に合わせ、再度葵が口を開いた。
「わざと居残るフリして先生と二人きりになってはしょーもねぇ話に花を咲かしたり、休みの日は周囲を気にしながら手を繋いで出かけもしてるっス」
「でも、出かけるときにはこっそりと。それでも嬉しいものは嬉しいからね、葵?」
「……っ、先生……」
「ほら。先生と呼んでは周囲にバレてしまうよ、葵?」
 葵がさらに少しぎゅっと武器商人の手を握ると武器商人は悪戯っぽく笑いながら、耳元で葵に囁く。
「あーそうっスね、んじゃ……今日はどこへ連れてってくれるんスか?紫月」
 一瞬、武器商人の嫌そうな声が漏れてくる。小芝居の要素があるため容認はしているものの、その呼び方は避けてほしいらしい。
 それは目の前の葵にはうっすら伝わっていて。
(紫月呼びはこれ一回だけにしとくか……)
 一瞬照明が暗転したのをきっかけに、二人は絡めた指を離す。再度照明が点灯したときには葵にスポットが当たっていた。
「あとはまぁ……飲み会で他の女子と仲良くなる事はあるにはあるんスけど、それでも先生に抱いてる感情とまでは行かなくて、やっぱ先生から目を離せねぇんスよ」
 そのくるりと上手側に振り返った視線のその先には、楽しそうやら少し寂しそうやらという空気感を纏った武器商人。
「やっぱりほら……大手を振って付き合えるコの方がいいかな、って……」
「あぁ、もう」
 そういうと葵は武器商人を抱き寄せて、その愛を囁く。
「そういう心配しちゃう嫉妬深い先生もかわいいっスけど……心配しなくても、オレが特別視してるのはアンタだけっスよ」
 一度2人は舞台から吐けて再度下手から入ってくる。場面が変わって家の中、ということらしい。
「たまには葵を家に招きたいんだよ。ほら、葵、お食べ」
 ちょっとした軽食を取り出して、床に座っている葵に差し出して自身も腰を下ろす。
 いただきますと手を合わせて葵はそれを口に運んだかと思うと、幸せそうな顔をして武器商人に寄り掛かった。
「先生の作ってくれるメシ、ホント美味しいんスよ。今度弁当作ってほしいなぁ、なんて」
「いいとも。葵が望むならいくらでも、ね」
 寄り掛かってくる葵を抱きとめて、額にそっと口づけをして頭を撫でる。
 葵が悪くない、と満更でもない顔をしたその時。
 
「先生! 先生の性別はどっちなんですか!」

 興奮した女教師から空気の読めない歓喜。それにも動じず、武器商人はゆったりとした所作で葵に尋ねる。
「え? 我(アタシ)の性別? ……どっちがいい?」
「人を好きになるのに性別なんていらねぇっつの」

 ふっと笑って、照明が暗転したところで終了。盛大な拍手の中、2人の小芝居は幕を閉じる。
「あークッソ疲れた、精神的にしんどいわコレ!」
 舞台裏で、葵がぼやく声が聞こえた。

●夫婦
 さて、バトンタッチして史之と睦月の番。
「えーと、はじめまして皆さん。俺は寒櫻院・史之、冬宮の姫、睦月の従者であり夫です。以上、おわり」
「えー、しーちゃん、それはないよぉ」
「だよなぁー……えーと照れるな、人前でカンちゃんのことを話すのは。あっ、カンちゃんっていうのは睦月のことね」
 睦月も幸せそうに笑って史之の腕を組みながら名乗る。
「はじめましてこんにちは。僕の名前は寒櫻院・睦月、冬宮の者です。今日は、いーっぱい大好きなしーちゃんへの愛を語っちゃおうと思いますっ」
 2人か漂う幸せそうな雰囲気。しかし、そこに至るにはハードルがあったことも事実で。
「僕としーちゃんの馴れ初めは、元の世界にいた頃に遡ります。冬宮の神社で主人と従者として引き合わされて以来の仲です。ようは幼馴染ですね。あの時しーちゃんは6つ、僕は3つでした。でも鮮明に覚えています。きっと僕の自我はあの時を境に始まったのだと思います。」
「そう。俺とカンちゃんは同じ世界から召喚されてきたんだ。元居た世界はふたりの身分差が激しくてこんな風に結婚までこぎつけることなんて絶対無理だった」
 観衆が固唾を飲む。結ばれることなどなかったはずの2人が結ばれるラブストーリーは実体験のであっても一つの映画を見ているような錯覚になるのだろう。
「しーちゃんは僕の遊び相手であり、世話役であり、なんでも言う事を聞いてくれる親友で、初恋の人です。だけどそう思っていたのは僕の方だけだったと、つらい思いをした時期もありました」
「カンちゃん……」
「良いんだよ。今僕はとっても幸せだから」
 今は幸せになるまでの軌跡を、睦月は真剣に生徒たちに伝える。
「実は、 僕はずっと性別不明でした。運命の人と出会った時に性別が決まる、そんな体だったんです。なのにしーちゃんへ恋し続けていたのに体は変わらなくて、本当に悲しかった……。だけど素直に愛を口にしたら、晴れて女の身になれたんです。うれしかった。皆さんも大好きな人には惜しまずにその思いを伝えてあげてくださいね」
 ぎゅう、と史之の腕を愛おしそうに抱きしめる睦月の頭を、彼は優しく撫でて前を向く。
「混沌へ呼ばれてある意味ラッキーだったのかな。それからも随分回り道したから、そのぶん幸せにしたいと思ってるよ。それに最近は依頼の都合で寂しい思いをさせてるしね。今日は好きなだけ甘えていいよ、カンちゃん」
「えっ、に甘えていいの? じゃあだっこして……えへへ、あったかいね。とっても幸せ。しーちゃんと結婚できてよかった」
 早速来たか、と睦月を抱き寄せる史之と彼の胸に顔をうずめる睦月の真面目に語り終えてからの甘えんぼタイムが始まる。
 こういうハグだけでも頑張ろうと思えてくるんだよね、と彼自身も幸せそうな中で、睦月はもう一つ甘える。
「あとね、あとね、ちゅうもして。」
 人前ではちょっと、と言いつつ拒否権はないしなぁと満更でもない顔で、史之は睦月の頬に小さくキスをした。
「これでいい?俺のご主人様」
「えー一回だけ?つまんない」
 口を家鴨のようにとがらせて拗ねる睦月に、今度は額にねと額にも口づけをする睦月。
「もっとしてほしいな。もっとずっとひっついてたい。一番近くにいたいな」
「うーん……」
 口にはしないけど、と史之は睦月の耳元囁く。
「あとでふたりきりになったら、もっとすごいことしてあげるから……それまで我慢。ね、睦月」
 もっとすごいこと、という言葉に、一気に睦月は舞い上がる。その顔はとても真っ赤で。
「え、しーちゃん、それって。さ、さすがに恥ずかしいよ」
「あはは、カンちゃん茹蛸みたいで可愛い」
「むぅ……からかってる?」
「え、からかってないよお。本音だよ」
 柔和な声色の中に、「夫」が見えた睦月は、恥ずかしそうに、でも幸せそうに囁き返した。
「恥ずかしいけど……うん、楽しみにしてる」
 体育館内も幸せな空気に包まれたところで、終了のチャイムが鳴った。
 この後2人が家に帰ってより甘えんぼタイムを楽しんだのは、言うまでもない。

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM