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シナリオ詳細

ジャイアントゴールデンコロコロするあのあれ、あれのやつ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●出すと言ったからには出す!
「聖なる騎士たちよ。祈るのです」
 牧師のような、白と金に彩られた僧服を纏った男が手を合わせた。
「我々は神を信じ、この身を戦いに投じます。勝利のためにあらゆる努力をし、それを怠る魔のものたちを罰します。この生命が神とともにあらんことを」
 瞑目。
 騎士たちは剣を抜き、柄に刻まれた聖なるシンボルに口づけをした。
「総員――神の名の下に、かの異物を葬るのだ!」
 重なる応の声。鎧を纏うものたちが剣を翳し杖を振り上げ勇敢に立ち向かうは――。
 黄金かつ巨大なコロコロであった!
「ぐああああああああああ!」
「ジモーンがコロコロされたぞ! ひきはがせ!」
「今助けてや――ぐあああああああああ!」
「トラータもコロコロされたぞオイ!」
「幻想の金色のやつは化け物か……!」
「かこめかこめ! 数でせめればコロコロとて――ぎゃあああああああ!」
「リーダー! リーダーまでもコロコロされた! 俺が盾になるから今のうちに逃げるんだ。押すなよ、絶対押――うわあああああああああ!」
「リューヘーーーーーーイ!」

●神の名の下になんでも真面目にこなすのが天義のいいところ
「ボクが呼ばれた理由がちょっとだけわかったのです」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が絨毯を柄の長いコロコロで掃除していた。
 コロコロっていうのはあの、なんていうんだろ、先端がコロコロしててべたべたしてるからネコちゃんの毛とかとれて便利なあの、なに、あれだよあれ!
「春と夏の間に幻想ではころころがよく出るじゃないですか。天義にも品種の違うコロコロが出るらしいんですけど、出る季節が違ってちょうど今なんだそうです」
 出るじゃないですかーって言われてもピンと来ない混沌アウトサイダーの皆様のために解説すると、コロコロっていうのはセミみたいなもんだよ。
 草原をコロコロがころころしてるとあー夏だなーって思うもので、俳句の季語にも使われているんだよ。
 ――コロコロや、はがれ粘着、うち時雨。
 マツオ千手観音がうたった有名な俳句ですね。
 えっなにユリーカが今ころころしてるのとは違うのかって? ハハッ、おかしなこと言うなあ。
「幻想のコロコロもそうですけど、天義のゴールデンコロコロも山羊とかロバとか食べちゃうんだそうです。教科書とかで知ってますよね、表面のコロコロでコロコロするとぺたーってなってストレッチパワー的なものを吸われちゃうんですよ」
 はっはそんな常識を今更……! みたいな顔で手を叩くユリーカ。
「天義のひとは毎年欠かさず出勤してコロコロを追い払ってるんですけど、今年はちょっと数が多くって、追い払うのを手伝ってほしいそうなのです」
 毛まみれになったコロコロの表面のシートを上手にぴーっとはがしていい気分になったところでミシン目を切り離そうとするも勢い余ってびりーってやっちゃってもう台無しだよっていう……顔をして振り返るユリーカ。
「コロコロは幻想のと違って金色をしてて見つけやすいはずなのです。よろしくおねがいします! なのです!」
 ミシン目から外れた腹いせにはがしたシートをくしゃくしゃにしてゴミ箱にぽいってやるも微妙に残った粘着面が指先にくっついて飛ばす暫くえいえいってやるんだけど思うようにとばないどころかゴミ箱の横にくっついてため息つきながら取りに行く……顔をして、グッと拳を握るユリーカであった。

GMコメント

 私はもう二本天義天義したシナリオを書いた。厳密にはもっと書いた。
 なのでそろそろ、こういうのが出てもいい頃だ!

 風の噂に聞いたゴールデンコロコロが天義に発生しているようです。
 まあ季節のものなので今更誰も驚いてないんですが……天候の影響、かなあ……今年はちょっと多く発生してるみたいなので、追い払いっていうか退治をお願いされました。
 あと画面を見てるひとは『コロコロってあのコロコロだよね? 野生のコロコロと工業製品のコロコロがあるの? それ公式設定なの? 知らないの私だけ?』と思ってるかも知れませんが、多分大体の人が同じ気持ちです。実は私もチョット思ってます。
 なので、混沌の常識を知らないウォーカーさんたちに『えっそちらの世界のコロコロって野生に生息してないんだ。養殖? SFぅー』とか言ってあげてPPPの世界にどっぷりつかりましょう。

●ジャイアントゴールデンコロコロ
 天義のひっじょーによく整えられた牧草地を群れでがーっと進んでいます。
 牧草地を走ってるところからも分かるとおり粉とか水とかぶっかけても案外平気です。
 大きさは大体横幅2メートルくらいで金色です。
 正確な数はかぞえてないんで分からないですが、ユリーカは両手の指を全部折り曲げてからしばらく悩んで『いっぱい!』て言ってました。
 ゆーても野生動物なんでみんなでわちゃわちゃしてれば充分倒せるカンジです。気楽にいきましょう。
 いや天義の人たちみたいに死ぬほど真面目に挑んでもいいですが、どうなるかはOPで見せた通りだよ?

 でもって、お約束というか何というか、ここでは巨大な『スーパージャイアントゴールデンコロコロ』が現われます。
 PCたちは知らされてないし現地で初めて知った、みたいなテイでプレイングを書くとドタバタ感をお楽しみ頂けてお勧めです。
 こいつは横幅20メートルくらいはあるとんでもねーコロコロです。

【アドリブ度(コロコロ)】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございますが今回に関しては割と容赦なくアドリブしていく予定です。プレイングをコロコロしていきます。
 それでもプレイングをコロコロされるの嫌だよっていう方やアレルギーの方とかいらっしゃると思うんで、そういう方は『アドリブNG』とプレイングに書いて置いてください。そこだけよけてコロコロします。

  • ジャイアントゴールデンコロコロするあのあれ、あれのやつ!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年08月19日 21時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

鏡・胡蝶(p3p000010)
夢幻泡影
フェスタ・カーニバル(p3p000545)
エブリデイ・フェスティバル
ミア・レイフィールド(p3p001321)
しまっちゃう猫ちゃん
アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
無限円舞
ラデリ・マグノリア(p3p001706)
再び描き出す物語
ワーブ・シートン(p3p001966)
とんでも田舎系灰色熊
メルナ(p3p002292)
太陽は墜ちた
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に

リプレイ

●コロコロを最初買ったときはあんなにドキドキしたのに今では安い替えコロを探す日々。あの頃のときめきはどこへ行文字数
「どーゆーことだよォォォォ!」
 真っ赤なバニーガールが両手を大地に突いた。
 バニーさん姿の『運を齎す者』天之空・ミーナ(p3p005003)だった。
「ふっざけんなよ! 何で二回目があるんだよ! しかもゴールデンってこいつは貴族かっつーんだよ!!」
 頭のウサ耳的カチューシャを上下にぶんぶん振って叫ぶミーナ。
 すごい余計なこと言うけど、バニーガールは『年中発情期ですよ』というメッセージとして知られている。ミーナ先輩が発情期なのかどうかはしらない。装備してる『しおまうばにー』はそういう意図じゃない筈。はずだけど同人誌作っても怒られない?
「誰にでもいる因縁の敵がコロコロ……なんなのかしら。神の試練?」
 『カースドデストラクション』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)が斜め上の空をぼんやり眺めていた。
 大地では野原を駆け回るゴールデンコロコロの元気な姿が。
 天義マンはなんでも真面目にこなすいい子たちらしく、ド広い牧場もめっちゃ丁寧に整地されている。まあ今はコロコロ大繁殖地帯なわけですけど。
「いえ、依頼に貴賤はないわ。私なら真面目にやれるはず」
 さすがアンナ天義の子。水晶の剣を垂直に構え、祈るように目を閉じた。
 思い返すは幼いころ、兄たちが挑んだ黄金のコロコロ。あと出すって言って本当に出しやがったぼくじゅう。
「こうして相対する事になったのは何の因果かわからないけれど、これを打倒してこそ私はあの日のお兄様に並んだと言えるでしょう! そして傍には守るべき幼い私の代わりに……ミアさんがいる」
「にゃ?」
 地に置いた鞄からあれこれ出して『どれにしようかな』ってしてた『しまっちゃう猫ちゃん』ミア・レイフィールド(p3p001321)が振り返った。
 白い耳がぴこぴこ動く。
 今日は天使みたいな白い義翼も背負っているのでぱたぱた動く。やったぜ。
「コロコロ……。家畜を弱らせる害獣、なの。ミアの実家、ラサでも、出たことある……にゃ」
 ゆるすまじ、と言いながら重火器のパーツを鞄から一個ずつ出してはぱきぱき組み立てていくミア。
 ……などと、思い出に浸っている人々をよそに、『夢幻泡影』鏡・胡蝶(p3p000010)は大地を駆け回るゴールデンコロコロたちをどんよりした目で見ていた。
「初めて見るんだけど。……その、これは……なに?」
「あのコロコロ生きてるんだ。ってゆーか生き物って!」
 『エブリデイ・フェスティバル』フェスタ・カーニバル(p3p000545)が頭を抱えてうあーってなっていた。
「流石は異世界だねー。まだまだビックリする事がたくさん! 落とすかな、素材落とすかな!」
「そざい……?」
 またこの子は異次元の単語を、みたいな顔で振り返る胡蝶。
「『金転転の粘着膜』とかおとすかな」
「仮に落とすとして……欲しいの?」
 子供がセミの抜け殻集めたがるようなもんなのかな、という一応の納得を試みる胡蝶だった。
 『とんでも田舎系灰色熊』ワーブ・シートン(p3p001966)がのっしのっし歩いてくる。
「それにしてもぉ、よく分かんないものがぁ、動き回っているんですねぇ……おいら達の世界だとぉ、そんなぁ、人工物じみたものはぁ、存在しないんですけどねぇ。コロコロ? なんて言うかぁ、おいらよりは小さいんだよねぇ。まぁ、何とかしないとですよねぇ」
 実におっとりした様子だ。
 胡蝶視点だと『喋る熊』も大概どうかしているが、よその世界の原理にあらがってもしかたない。
 そんな中で『兄の影を纏う者』メルナ(p3p002292)がずっとわたわたしていた。
「(わ、わぁ……実際に見てみても困惑しか深まらない……。コロコロ、なんだよね、アレ。いやその、確かに金ぴか以外コロコロな見た目なんだけど……でかすぎるし動物を食べるって一体……)」
 暫く観察していると、野生のタヌキ的動物をコロコロがぺにょってくっつけたまま転がっていった。
 くっついたタヌキは暫くもだもだしていたが次第にだらーんとしはじめ、暫くコロコロしたコロコロは表面のシート(?)ごとタヌキをぺいってして捨てた。どうやらタヌキは生きてるっぽいが、目が完全に死んでいた。気力的な何かを食べているようだ。
「ええ……」
 なんなのあの物体は、という困惑を飲み込めないままとりあえず剣を手に取るメルナ。
 その横で、『信風の』ラデリ・マグノリア(p3p001706)がモノクルの位置を直して言った。
「……ああ、ここにも出るのか、アレ。正直、あまり関わりたいヤツではないんだが……家庭菜園持ちにとっては天敵だ。コロコロコロリも年々効かなくなっているしね。野生のコロコロにも耐性がつくんだろう」
「ええ……」
 なにアブラムシ退治みたいなテンションで話しているのこの人、という顔で振り返るメルナ。
 脳内で家庭菜園のミニトマトがコロコロに蹂躙されていく様を想像して顔を曇らせた。
「では……相手は任せた」
 メルナの肩を軽く叩くラデリ。
「えっ」
 こちらに気づいて一斉に振り返る(?)ゴールデンコロコロ。
「えっ」
 スムーズな後ろ歩きで離れていくラデリ。
 一斉にコロコロ迫ってくるコロコロの群れ。
「えーっ!」
 異世界人のほうが困惑する。混沌ってーのはそういう所である。

●コロコロは手軽だが手軽さを求めるあまり各部屋一個ずつ買った上どこにあるか分からず更に買ってしまい気づいたら家がコロコロ屋敷になるこれってトリビアに文字数
「ふうむ……」
 ラデリは革の鞄から複数の試験管状の瓶を取り出した。瓶側面の歪みとカラフルな内容液、そして内側でぽこぽこと呼吸するように回る花や草が、ラデリの狐顔を歪んでうつす。
 トランプカードでも選ぶような手つきで瓶を一本抜き取ると、親指でコルクの蓋を抜き放った。
 内容液が一瞬にして気化し、酸に焼けるがごとく黒色の花弁が宙に消える。
 かわりに生み出された黒い霧が、コロコロたちの群れへと悪意をもつかのごとくまとわりついてむしばんだ。
「ペィーッ!」
 奇妙な悲鳴を上げてぱたぱたと倒れていくコロコロたち。
「一応、生き物なのね……」
 胡蝶はラフなワイシャツの上に革ベルトを装着し、バックホルスターに鍔無しの黒い刀を固定していた。
 その柄に手をかけ、コロコロの群れめがけて走り出す。
 体勢を前傾させながら加速。脳のクロック周波数を上げて更に加速。
 三つ並んで突っ込んでくるコロコロを跳躍で回避すると、草の上で斜めに前転。コンパクトに前後反転をかけると、腰の刀を抜き放った。
 柄(?)の部分が切断され、『ペィー』といいながら力尽きるコロコロ。
「コロコロの泣き声ってペイーなの……?」
「さぁ……?」
 ワーブが自分の毛皮をひたっすらコロコロしていくコロコロをはぎ取ってはつぶしはぎ取ってはつぶしを繰り返している。
「おいらより小さいんですよぅ。まぁ、こういうのはぁ、この部分が壊れそうかなぁ?」
 とかいって柄(?)の部分をへし折っていくワープ。
 たまに手とか毛とかをローラーの……なに、こう、柄との間? みたいな所に挟んでめっちゃ痛そうだったりしたけど、大体力業でへし折っていた。
 まあ野生の子コロコロなんてのは外敵が少ないもんだから、力を入れたらいきますよぽきっと。
 そんな彼らの横を駆け抜けていくフェスタ。
「わー! 来てる来てる!」
 振り返れば奴がいる。奴っていうかコロコロの群れがいる。今からあいつを殴りに行こうか的な猛ダッシュ(伝わる年代ハードルを上げる試み)で走るフェスタ。
 向かいからは同じくメルナが猛ダッシュで走ってきていた。
「ふぇ、フェスタちゃん!」
「せーのでいこっ、せーので!」
「「せーの!」」
 二人は真正面から衝突――と見せかけてすれ違いつつ手を繋ぎ、90度カーブの後横っ飛びにかわすというなんかアクション映画みたいなことをした。
 なぜかジャンプして一斉にとびかかろうとしたコロコロたちが狙いをうしなって空中で激突。
「「ペィー!?」」
 とかいってお互いくっついたり慌ててシートをぺいってしたりとごちゃごちゃしていた。
「いまだー!」
「なんかごめーん!」
 盾をナックルガードみたくしてがしがし殴りまくるフェスタと、剣を振り上げては落とし振り上げては落としを繰り返すメルナ。
 なんかプラスチック製品をめっちゃ壊してるような手応えがあった。
 親とかに怒られそうな手応えである。
 なるほどそういうのもあるのか、という顔で見ていたミーナ。
 だが彼女には勝算があった。
 フッフッフと不敵に笑いながら『死爪ブラッディロア(声に出したい日本語)』を構えた。
「私は前回の戦いでこいつらの弱点が分かっている。こいつらは……遠距離攻撃がない!」
 ドンっていう効果音と共に顔アップになるミーナ。
「つまりひたすら飛翔斬で引き打ちを続ければ……!」
 スンッていう寂しい音で空振りする『死爪ブラッディロア(声に出したい日本語)』。右上に浮かぶ巨大な『!?』。
「ハンマー、したんだった……」
 (ー▽ー)みたいな顔で脳内ヒーリングミュージックに逃げようとするミーナ……に、無数のゴールデンコロコロがぺいぺいいいながら飛びかかった。
「ちっくしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぅ!」
 『死爪ブラッディロア(カタールみたいな武器くれって言って作らせたやつ)』をひたすら振り回すミーナなのでした。

 コロコロにコロコロされてぺいぺいされる仲間たちを見て、ミアが軽く震えていた。
 ワープとかラデリに至ってはあちこち毛色がうすーくなってきてるし。
 コロコロを好むネコもいれば嫌うネコもいる。ミアは嫌うほう。
 このままではミアの毛皮(?)もコロコロされてしまう。手に入れたばかりの羽根もむしられてしまう。
 ハッとして振り向くと、アンナが大まじめな顔で身構えていた。
「天義がまた私の大切な物を奪い取ろうとするのなら……全霊を持って止めてみせるわ!」
 たぶん天義関係ないと思うけど、大まじめに言ってるのでツッコミづらい。
「ミアさん、私の後ろに!」
「にゃ……」
 その時ミアの頭上に何かが浮かんだ。
 天使の羽根と輪っかをつけた白いドレスのミアだった。
『わたしはミア天使にゃ。ひとを盾にしてはいけないの。一緒に戦う、にゃ♪』
 その横に別のなにかが浮かんだ。全身顔まで黒タイツのしらない人だった。
『俺は犯人。アンナを盾にすればノーダメージでシナリオをクリアできるはず。リザルトで美味しいところを持って行こうぜ』
 両方を見比べてうーんと唸っていると。
 黒いキャミソール姿のミアが妖艶な笑みを浮かべて現われた。
『わたしは小悪魔ミア。この際アンナおねーちゃんを誘惑するにゃ♪』
「アンナおねーちゃん!」
 服の裾をつかむミア。
 鞄から取り出した目薬を高速で目に落とすと、瞬き二回で振り返った。
「おねーちゃん……ミア怖い、の。守って……にゃ」
「MAKASETE!」
 目におっきな☆を浮かべたアンナがガッツポーズをとった。頭上の天使ミアと小悪魔ミアと犯人が同時にガッツポーズした。
 ミアさんの毛皮はわたしがまもると言って突撃していくアンナ。
「守るべきもののため私は戦――ああああああああああああああ!!」
 このあとアンナはめっちゃコロコロされた。(ミアは羽根をぱたぱたやって空に逃げた)

●コロコロによって居場所を喪ったエチケットブラシは今網戸クリーナーとして注目されているらしい
「ふー、これで一段落だね」
 コロコロというコロコロをべっきべきにしたメルナは、額の汗をぬぐって息をついた。
 フェスタが『わーいこんなにいっぱい』と言ってコロコロがぺいってした金色のシートを集めてほくほくしていたが、何に使うのかは全然わからない。なんか毛まみれだし。
「もうコロコロ退治は終わりだよね。巨大なコロコロでも出てこない限りは……」
 とか言ってたら、どこからともなくズーンという轟音がした。
 手に持っていた水のはいったコップに波紋が走った。
 轟音が三度ほど続いた頃、振り返れば、森から姿を現わした巨大な影……スーパージャイアントゴールデンコロコロがいた。
「も、もっと大きいの出てきた。えっ。あれ倒……せる、の? というか皆巻き込まれちゃう未来しか見えな……わああああこっち来たああああ!?」
 すんごい速さで突っ込んでくる巨大コロコロ。
 必死に走るメルナはやがて追いつかれ、剣を振り回してざっくざくに斬るも即座にコロコロ。暫く『うあー』みたいな声をあげながら草原をコロコロされたのち、巨大なシートとともにぺいってされた。
「やっぱりきやがったぁぁあああ!」
「でかすぎるとおもうんですよぅ!! なんていうかぁ、やばい気しかしないですよぅ! おいらの毛皮が大変なことになりそうなんでぇ、撤収したいんですけどねぇ……まぁ、無理ですよねぇ!」
 ミーナとワーブが必死に殴りかかるも気づいたときにはコロコロに張り付いて草原をコロコロされていた。
 胡蝶はといえば……。
「『無茶しやがって』……てね」
 ワープたちに敬礼を送ってコロコロの進路から外れていた。
「死因が『ジャイアントゴールデンコロコロするあれにコロコロされた』なんて末代までの恥よ」
「そうでなくてもあれは遠慮したいところだ。既にいくらか……」
 ラデリが悲しそうに腕や頬に手を当てた。数の多さゆえか逃げ切れなかったらしく、ラデリもひとしくコロコロされていたようである。
「えっと……」
「なにも言わないでくれ」
「まかせて! レアモンスターは大歓迎だから!」
 フェスタが目をキラキラさせて立ちはだかった。
「『金転転の天芯』とか落とすかな!」
「仮に落とすとして……本当に欲しいの?」
「部屋に飾るのかね?」
 うりゃーと言って突撃したフェスタが秒でコロコロされ、草原をワープやミーナたちと共に転がっていく。
「今日はカッコよくきめようとおもったのにー! こうなればー!」
 フェスタは装備した盾から熱いのと冷たいのを出してコロコロの表面をじゅうじゅうしはじめた。
 しまいには三人まとめてぺいってされたが……。
「あきらめない!」
 フェスタは立ち上がり、盾からしゃきーんと刃を出した。
「私はそろそろ諦めたい」
 気力を喰われすぎたのかミーナがうつ伏せのままのびていた。バニースーツでうつ伏せになった時の良さはピンとかで楽しもう。
 コロコロが最後に向かうのは剣を構えたアンナ。
 アンナは祈るように構えると、目を青白く光らせた。
「予約を忘れたセティアさんから託されたゴリラパワー。そしてペイへの想いであなたを……討つわ!」
 なんか後ろに見えちゃ行けないス○ンドみたいなのが見えた。見えたっていうかゴリラだった。
「あ、アンナおねーちゃん?」
「はい!!!!」
「アンナおねーちゃんだよね?」
「!!!!」
 エクスクラメーションだけで会話してるこの子。
 ミアは何この子恐いっていう顔で距離をとりつつネコの顔みたいな形の爆弾をぽこぽこ投げまくった。
 一方のアンナは剣をこう、なんていうの? 斜めにこう、立てる感じのまま『きませい!』て構えた。
 するとこう、スーパージャイアントゴールデンコロコロがぴゃっとジャンプしてなんていうかこう、刺さる? 感じで? 止まった。
 構えを解かぬまま、アンナは目を閉じる。
「相手が勝手に刺さる。そう……これがゴリラパワー」
「ちがうと思う……にゃ」

 こうしてジャイアントコロコロは無事に退治された。
 だが忘れてはならない。コロコロは毎年やってくるということを。
 幻想と天義に出るんならもうあちこちで出てもおかしないってことを!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 そうは言ったけど全国にバージョン違いが出てきたら絶対途中で飽きるでしょ! これェ!
 ワンスモアって方はこちらの宛先まで。(↓賢者には見える宛先↓)

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