シナリオ詳細
カタスト・クレイタの不愉快な感染パーティ
オープニング
●それは静かに語りかけた
「いいかい、君達は不自由だ。騎士として生き、そして死ぬ。家系に縛られ、主君に縛られ、そして天義という国に縛られる。雁字搦めの人生には色恋の自由すらあやしいものだ」
その日、彼は唐突に『その男』に話しかけられた。たまたま、いつもは行かない酒場に向かい。たまたま、その日は非番であり。そしてたまたま、彼はなにかに飢えていた。
何に、なのかは覚えていない。満たされない気持ちがあったのかもしれない。家族に不満はなかったはずだ。ただただ単純に、なにか不満を口にした……ような気がする。
その男がどうして自分を騎士だと見抜いたのかは――ああ、簡単な話である。騎士階級であり、領主の護衛にあたる家系の騎士達は常日頃から家紋の彫られたブローチを身に着けているからだ。
それに、町中での帯剣が許されているのも。
それはいい、そこまではいい。
問題は、その男が一言目から「当たり前のことだよ」と言わんばかりに不自由という言葉を振りかざして自分を諫めるでもなく話しかけてきたこと。やや顔を顰めた彼の顔など見なかったかのように、愉快そうに男は話を続ける。
「ああ、すまない。雁字搦めでも指は動くのだったね。その範囲内で満足できるなら僕が口出しをする道理もないかな?」
「手の届かぬ位置へ無理やり手を伸ばそうとするのを人は強欲というのだ。『冠位強欲』を跳ね除けたこの国で自由と我欲を綯い交ぜにして語る痴れ者がまだ居たとは驚きだったな」
その愚かしく回る口を閉じろと諫めるより、その素首を切り落としたほうが幾分か早かろう。騎士は腰に吊った剣に手をかけ、殺意を露わにする。だが男は怯まなかった。むしろ、なおも饒舌になっていく。
「図星なのかな? 目や態度で不満を匂わせておいて、騎士でございと誇りを言い訳にする。騎士ともあろう者が場末の酒場で安酒を飲む姿は人々の模範には遠い気がするね。欲に溺れろとは言わないけど、己の不自由さを認めないまま不満を溜め込む姿に、皆が憧れる騎士道とやらはあるのかな?」
「――私の騎士道を貴殿が語れるとは到底思えぬが。他人の不平を引き出すばかりで、自身の腹を見せぬような姿で何を」
「ああ、うん。僕は君のなかに暴力性? のようなものを感じている。僕は君が『革命』以前にどのような振る舞いをしていたのか知っている。今更賢しらに『抑圧された正義』を振りかざすお仲間に不満があるんだろう? ないのかい? 困ったなあ……」
男はにやりと笑いながら、男の肩に手をおいた。ちくり、という鋭い痛みと、それ以上に酷い違和感が全身を駆け抜けるのは、騎士の身に耐え難い苦痛とそれ以上の開放感を与えていくように感じられ。
「君は昔も今も『殺したがり』さ。最初からいままで、屹度、昔のことなどなかったかのように正義を名乗ってナタを振るってきた領主に不満があったはずだ。不満がないわけがない。同じ欲求を抱えたから君は従っていた。そうじゃなくなったけど家柄と国家に縛られていた。……もういいんじゃないか?」
お大事に。
男はそういって席を立つと、扉に向かっていく。こんな大胆な会話をしていて、酒場で聞き耳を立てるものばかりだったのだろうかと目を向けた彼は、しかしその認識が誤りだったと知る。
既に周囲の人間は。
変貌しつつある自分と、変貌させられる自分と、阿鼻叫喚の状況を。
「貴殿の、名はなんという。その素首今ここで」
「やめておいた方がいい。君も皆も、もう僕には何も出来ない。……ああでも、僕の名前だったっけ? 高らかに広めておくれよ。『破滅を創る者』の名を」
そして閉じられた扉は外側からワイヤーで締め上げられ、中で何が起きたかは定かではない。だが。
●それは騒々しく始まった
天義領地、ヒスティラ。天義における冠位強欲との決戦以前の歴史を紐解けば、正義の名のもとに騎士達が辣腕を振るったその地も今は昔。
今は抑制された正義のもと、大衆は無用な不正義のナタを振り下ろされない状況に胸をなでおろしていた。
ただそれだけ。それは翻って、執政側に対して非常な抑圧とストレスを生んでいたことを、幸福な大衆は知らなかった。
それに、セフィロトが目をつけぬはずがない。『幸せな天義』という幻想のもとに手をつないで歩いていれば、落伍するものが出るだろうに。
だから、領主の屋敷に人の心を失い何者かの操り人形になった者たちが現れたのも必然なるかな。
ローレット・イレギュラーズが急行し、各階へと駆けつけた時点ですでに状況はのっぴきならないところに来ていた。
そして、正門から堂々と歩いてくる壮年の騎士の姿には、居並ぶ騎士達が息を呑んだ。
ヒスティラの平穏にこの者ありと朗々と名の通る、ノード・ダ・モーレの若き日の姿がそこにはあったのだから。
- カタスト・クレイタの不愉快な感染パーティ完了
- GM名ふみの
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年07月07日 22時06分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●“予兆”
(聴こえる、ノイズが。破滅の予兆が。けたたましく、複雑に絡み合った“音”が――何が起きている?)
「この手の手段はセフィロトという組織の得意分野と聞きますが……組織だった行動とは思えない、とでも言いましょうか。テロリズムが目的であるならば、もっと大々的に感染させる手段はいくらでもあったはず」
『破滅を滅ぼす者』R.R.(p3p000021)の脳裏に、ひたひたと忍び寄る音がある。破滅を意図する何かが蠢動する音。人の心をざわめかせる音が、彼の脳裏を撫で付ける。そんな彼の懸念を言語化するかのように、『友人/死神』フロイント ハイン(p3p010570)が起こりうる未来へと疑念を呈す。天義において少なからず起きている事件、その黒幕と思しき組織が手引したにしてはどうにも、雑だ。なにか別の意図が絡んでいるのではないか、と朧げながらに想ったのだ。
「また薬か。世の中には多様な生物がいるってのに、人間を潰して対人間に特化する手管には反吐が出る」
「変なのに寄生されているというか……創り換えられてる? 統制もとれているね……どうやら此処の領主は厄介そうなのに目を付けられたといったところかな?」
「セフィロト、っていう連中が相手だとしたら、領主は革新派だったんだろう」
『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)の吐き捨てるような言葉を聞きつつ、『咎狩り』ラムダ・アイリス(p3p008609)は感染兵の状況を観察する。厄介さでいえば命に限度がない、死にそうで死なない点が最悪だが、そんな連中を統制できる『何者か』がいることが更に厄介だ。イズマはこのような事件に立ち会っているが、やはり胸に去来するのは『苦手な相手だ』という感情。政治的な闘争も、それに伴う一般人の被害規模も。彼にとっては非常に心が荒むものであろう。
「ああ、練達の映画でみましたねえああいうの。余裕のある時なら生け捕りを試みる事もできましたが――今回はお互い、運がなかったようです」
(襲ってきているのはみんな人“だった”もの。助ける方法は見つかってないし、探す時間もない………起き上がって来ないよう完全に倒すしか……。
悔しい、こんなことになった原因がどこかにいるはずなのに……!)
『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)と『うそつき』リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)は状況と対処が間違ってさえ居なければ、彼らを助ける手立てがあったのではないか、と思考を巡らせた。二人は善性に基づいたものの見方をする側の人間だから、そう思うのだろう。どこまでも手遅れにしか見えないが、それもひとつの考え方だと言えるだろう。運がなかったのだ、最初から。
「……首を切っても死なねえ、心臓貫いても死なねえと来たか。まるで自分自身を見てるようで心底嫌だね。周りからこう見られてると思うと吐き気がする」
「また面倒なものが出てきたな。ならば一体たりとも侵入させるわけにはいかんな」
「一体たりとも、は無理だろうけどな。肩の力抜けよ、考えすぎて前のめりになってんぞ」
『絶塊』百合草 瑠々(p3p010340)にとって、死なない、死ににくい敵というのはそれだけで不快感を増長させる。紙一重で命の浪費を免れる彼女と、死という概念をそもそも遠ざけ続けた呪いのような個体群を一緒にするな、というならまあその通りだ。『含牙戴角』イルマ・クリムヒルト・リヒテンベルガー(p3p010125)は意気軒昂であるが、状況はあまりに進みすぎており、また、敵は彼女の想定よりも「だいぶ」凶悪だ。
「いずれにせよ、眼前に現れる敵を撃ち抜き、それがもたらさんとする災禍を止めるのみ。侵入は許したとしても、領主に手を出させなければいい」
「元は人間、彼らも被害者であることに同情は禁じ得ませんが……」
「人間同士で害を与えあう……それがある意味この国らしさであっても、こんな状況を続けていてはいけない」
R.R.とイズマの言葉の語気の強さは、ハインの躊躇をも吹き飛ばす力強さに満ちていた。此処で止めるという強い意志。そして、R.R.にとっての懸念を文字通り吹き飛ばすための意志。
「私は3階に向かいます。皆さん、無理のなきよう」
「ウチらは入り口を固める。あちこちに散らばって入ってくるから、随時連絡は欠かさないように、だな」
瑠璃は3階を目指し、執務室周辺の防備を固める構えだ。すでに侵入している面々を撃退しつつ、執務室に突撃するメンツを蹴散らし。瑠々を含む残りの大多数は入り口に布陣し、ノードを含む通常の感染兵を正面から打ち砕く構えである。
イズマは使い魔を放ち周辺警戒に回すが、現時点では不審な点は見られなかった。
……夜気に紛れ、周辺の木々に留まる鳥が多いのは気になるところでは在るが。
●
「来な、ただの死に難い人間なんてウチらの敵じゃないんだよ」
「一人ひとりでバラけて俺達を突破する気か? 甘く見られたものだな」
瑠々とイズマの、己を狙えとばかりの挑発。ローレット・イレギュラーズにとっては『当たり前』の、しかし荒事など『死ぬまで無縁だった』者達にとっては覿面に通用するそれは、両者に迫る者を軸とした戦闘を可能にする。R.R.はイズマの眼前目掛け弾丸で次々と打ち抜き、感染兵の動きを鈍らせる。もとより何割かはイズマの挑発に足を止め聞き入っていたが、それでも動くというならイルマの放った自走型爆弾が吹き飛ばすまで。
「こんなものか。思考する能のない兵隊など策を講じればさして強敵でもない」
「……そうでしょうか? 確かに正面から多数が向かってきていますが、動きは緩慢でなく、散らばって行動する程度の連携が取れる、数に任せただけの敵ならまだしも、不死性を持つあたりで対策は限定される。……と、なると。今この行動が陽動である可能性も考えられます。何よりこの兵達は……『誰か』を仲介して意思疎通を図っています」
他愛なしとため息をついたイルマに、ハインは疑問を投げかける。おそらく既に、ハインは感染兵達の情報を解析しようとしている。ありていなゾンビ映画ならまだ動きが緩慢だったろうが、それにしたって速い。一般人の成れの果てだから性能は疑問が残るが、さりとて無思慮で突っ込んできてはいない。あちこちから屋敷に入ろうとしている。これを、遠く離れたところから多数相手に伝える技術があろうか?
「かなり足止めできてるけど、数が多いよ! このままだと突破されるかも」
「思ったんだけど、確実に殺す必要はないのかもしれないね」
感染兵の数は圧倒的多数。あわよくば、人垣を利用して攻め入られる可能性もある。その焦りを覚え、攻めに全力を振るリュコスに、ラムダはしかし冷静に返した。殺さずの技術で動きを止めれば、少なくとも正門にたどり着くための道が死にかけの感染兵で埋められるのではないか。
(こういう時に限って解析できないのが惜しい……けどハインさんの言う通りなら)
「指揮系統に『ハブ』がいるなら、間違いなくそれはノードさんだ! 彼を通すか近づければ厄介だぞ!」
自身の能力が届かぬことに口惜しさを感じたラムダが口にしようとした推測を、イズマが先んじて口にする。中継するなにがしか。そんなものを弱卒に任せるはずがない。
(そうだ。この手段が『奴』の手口なら、徹底して顔を出さず『名』を出すはず。なら)
「貴殿のような若き俊英に『厄介』呼ばわりされるとは、私の人生も捨てたものではなかったようだ。……だが領主と私は同じ罪を背負った咎人。今更正道を語ろうにも遅きに失したアレに大手を振らせるわけにはいかない」
「アンタのような『象徴』が領主を殺せばたいそう周囲は驚くだろうな。旗振り役としても申し訳ない。黒幕はどこにいる、ノード」
この事件を糸引く何者か。R.R.の思考をかき乱す相手の影を見た時、その男は抜き身の件を握り、現れた。
●
「ここは私達が死守します。領主さん、くれぐれも執務室を開けないように」
「……外の話は薄々聞いている。君達の素性を聞く気はない。残念だ」
瑠璃が短時間で防衛の準備を整える音を耳にしつつ、領主はひどく冷静に言葉を返す。死と隣合わせの状況でよくも、といえるが、だからこそ革命の後の天義に於いて領主として再興を支えてきたのだろう。
「ツイ、ツイタ……」
「コワス、コワス、コロス……」
頭部から歪な花を咲かせた感染者と、それに伴う普通の感染者。あわせて4~5体か。瑠璃は漂ってくる花粉に顔をしかめつつも、なんとか『やり過ごす』。窓から執務室までは十分に距離がある。陣地を壊すまでに倒せよう。
「……が、ここは通すつもりはないぞ」
一瞬の逡巡を見越したように前進する感染兵(花)を、しかし横を駆けて押し留めた影があった。イルマである。全身に負った傷は他者によるものだけではない。そして、立っていられる数でもない。何かのきっかけで、咄嗟に3階まで駆け上がってきた証拠だ。傷を度外視で。汎ゆる想定ないし推論が裏目に出たなら、最後にできるのは身を削る事。仲間達の行動を見て、出た答えだったのだろう。
二人で背負える数かは、不明だ。増える可能性だってあるのだから。
だが、だとしても。彼らが負ける道理はない。
「……!?」
「…………!」
なぜなら、先程まで統率がとれていた感染兵達の動きが目に見えて悪くなったのだから。
「ノード・ダ・モーレ氏とお見受けする。天義の忠実なる騎士の貴公が何故犬の真似を?」
「忠実な騎士とは犬に似る。嗅ぎ分け咆えて噛みつくのが道理だよ。そこに高貴さを求めることが誤りだとおもっている」
「ノードさん、普通じゃないね。何があった? 貴方に正義や騎士道があるなら聞かせてくれ。……それから、貴方をそんな姿にした相手についても」
「さて、どうだったか。貴殿か同志か、我々の『疎通』を邪魔しているようでね。思い出すには手間だ」
「ただ、アンタがの後ろが気になってるだけさ。“吐いても死ぬ”し、“吐かなくても死ぬ”がね」
瑠々とイズマの問いに、若い姿をし(そしてところどころに花を湛える)ノードは流暢に応じる。人間としての情も理性もあるのか、この男は。彼の言葉に従うなら、イズマやリュコスの精神疎通の阻害は効果があったということか。それでも連携を取れた、ということはイズマの語るところの『ハブ』として、彼が直接指揮したということで……。
「嘘が下手だな、ノードさん。『破滅を創る者』とやらと接触したのだろう?」
「……やはりか。やはり貴様の所業か、カタスト・クレイタ――catastrophe creator!!」
イズマの思考傍聴をして『盗み見た』その名を口にして、この場で一番劇的な反応を見せたのは誰あろうR.R.であった。イズマはその反応にびくりと首を巡らせ、ノードは満足げに頷く。
「敵討ちくらいは請け負う気だったけど、なるほど。その体になってから、彼は敵でもなんでもなくなったんだね」
「無論。その物言いは猥雑極まりないが、その言葉には信用できるものがある。私の中の不平を言い当てられ、それを否と返せぬならなおのこと。――別働隊、一を活かし十が散れ! この一瞬を全ての好機と思え!」
「イズマ! 上がれ! イルマと瑠璃じゃよくてトントン、押し切られかねないぞ!」
「……分かってる!」
瑠々の警句に壁を抜けて3階へ急ぐイズマを見送り、ノードは再びイレギュラーズを睥睨する。
「それにしても大層殺した。ああ、本当に惜しいことをするものだ」
「こんなことして楽しいの?」
「『彼』はな」
リュコスの問いを契機に、ノードは銃弾をばら撒き、その身を両断すべく剣を振り上げる。瞬速といえるリュコスを出し抜いての不意打ちは、速度ではなく技倆の産物であろうか。だが、その攻撃は届かない。
「被害者と誤認していました。申し訳ありません。あなただけは、違うようだ。黒幕ともども、仕留めて差し上げましょう」
「やつの名前を聞いた以上、貴様を生かしておくつもりはないぞ、騎士ノード!」
ハインはノードを明確に倒すべき敵と認識した。R.R.は、それが大敵に通ずる者と理解した。『ならばここで倒さねばならぬ』と、両者ならずとも、イレギュラーズの意見が一致した。
故に、戦いは一瞬で終わってしまった。如何に協力な個体も、連携できる他の感染兵がなければ意味がない。そして、3階に送り込んだことで地上の兵を使い潰した。結果は、一瞬の敗北だった。
四肢が引きちぎれ、それを蔓で繋ごうとする先からぼろぼろと崩れていく姿は哀れそのものだった。最後に残された花は、間違いなく人の道理の外にある。そしてその花を、拾い上げる者がいた。
「――酷い殺し方をするものだ。それで世に名を馳せるイレギュラーズかい? まったく、あまりのラブコールに思わず出てきてしまったよ。だろう、R.R.」
「此処で殺せるならとうにそうしてるが……俺はルイン・ルイナである以前に、ローレットの一人でもある。押さえている間に、消えろ」
「つれないなあ、この音色を聞かせたくて仕方なかったのに――」
突如として現れ、R.R.に親しげな視線を送った彼は、しかしラムダの一撃のもとに煙のように消えてしまった。……或いはそれも幻であったのか。
あとに残されたのは、生きて残った領主と、不気味な静寂。そして感染兵諸共に、ついぞその地には。
誰も残されては居なかった。老いも、若きも。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
大変おまたせし、ご迷惑をおかけしました。
また、何かあった折に。
GMコメント
私が設定委託の関係者書くのもアレなんですが、セフィロトのがしたら出しどころねえなって思うと……。
●成功条件
感染兵団が領主執務室へ到達する前に殲滅を完了させる
●失敗条件
領主執務室へ感染兵が潜入する(室内に入った場合、たとえ撃破しても失敗)
●感染兵
『セフィロト』から流出した(リークした)とされる薬品により植物と人間の間のような姿になってしまった人々。
感染源となる薬に混ぜられた血の持ち主(司令塔と呼ぶ)を聞き、従う性質がある。また、感染時点で司令塔との間にのみ「ハイテレパス」相当の意思感応を有するようになる。
身体能力が爆発的に向上し、首を切っても胴を両断しても死なない(=EXF極高)。また、感染後しばらくすると花粉をばらまくようになり、これを取り込んだ人間は「感染兵」となる(PCに対しては「レンジ1以内での常時【狂気】抵抗判定)。感染兵の中には2~3名程度存在。リプレイ開始後10ターン生存した個体も同様の性質を獲得する。
当然だが外壁伝いから屋敷の上階に入ることも可能だが、領主室へのダイレクトアタックのみ不可(後述)。
●感染騎士ノード
元々は天義領地「ヒスティラ」領主つき騎士、ノード・ダ・モーレ氏(57)でした。現在は感染の影響か、やや若返っているように見えます。
感染兵のなかで珍しく自我がありますが、司令塔の指示には忠実です。また、花粉を撒き散らします。
基本的にロングソードによる戦闘のほか、懐に拳銃を持ち合わせています。また、この銃は副行動でロングバレルを取り付けることで強貫通弾(物超貫・【失血】【崩れ】他)を放つことができるようになり、それ以外の射撃も威力が増加します。なお、攻撃5回(EXA含む)でロングバレルは使用不能になります。
剣技は遠近どちらにも対応できますが、遠距離は神秘系攻撃メインとなります。
全体的に性能が高めで、感染者のためEXFも高いです。
●司令塔:???
自称「破滅を創る者」。
本来はセフィロトと関係ない人物ですが、なんらかの経緯から彼らに迎合し、独自の行動原理で天義革新派に大打撃を与えようと考えています。
そのためセフィロトから薬の供与を受けているのです。
当然ですがセフィロトからは完全に信用されておらず、また彼自身がセフィロトを信用していない節があります。
ある程度屋敷外から指示を行ったところで逃げ出しますし、離れても司令塔として動く手段を有しているようです。
OP時点で色々出ておりますが、飽くまでPL情報のためプレイングで色々工夫しないと正体に辿り着けません。
また、どの程度の強さか判明していないため、戦おうとするのは得策ではありません。ぶっちゃけ足止めとかならまだしもガチ気味に倒しにいったらハイルールに抵触すらしかねないのです(依頼成功に影が差しかねない)。
●戦場
ヒスティラ領主邸。
三階建てで領主の部屋は最上階。執務室は通路内に設置されてあり外部から侵入される危険性は薄いです。
ただ三階からこんにちはして三階を直で制圧しに来るクソデコイはいるはずなので油断なきよう。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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