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シナリオ詳細

無人島サバイバル生活

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●突然の嵐
「おい、大丈夫かーーー!」
 船長の大声を、ひどい豪雨がかき消してゆく。
 あいにくの嵐。
 荒れ狂う波に揉まれ、船が揺れている。
「大丈夫か? みんな、しっかりつかまれ」
 雷鳴がとどろいた瞬間、船が一層大きく揺れた。
「う、うわーーー!」

●そこは地図にない島?
 ……なんてことが、あったかどうかは知らないが。
 事情はどうあれ、あなたたちは、打ち寄せる波の音で目を覚ました。

 同じように砂浜に流れ着いた仲間たちが、次々と起き上がる。

 真っ白な砂地に自分たち以外の足跡はなく、辺りには現地の人間の気配はない。
 砂浜を軽く探索してみるなら、あなたたちは確信するだろう。
 ここは無人島、絶海の孤島だと。

 ここから出られるのだろうか?
 そして、助けは来るのだろうか?

 確信はない。
 ……とにかく、生きのびねばならない。
 この厳しい自然の中で。

GMコメント

●目標
 無人島での3日間のサバイバル。

※自力脱出も一応可能だが、難易度は高い。
 脱出を試みても、小さいボートでは不思議な海流で同じ島に戻されてしまう。
 おおむね三日後に救助船が現れます。
 ただ、近くに現れるだけなので、気が付いてもらうための努力は必要でしょう……。

●状況
 気がついたら島にいた。
 おのおの、いろいろな理由で遭難中。
 冒頭は一例に過ぎないので、どうしてそうなったのかは好きにロールプレイしてください。
 おおむねコメディを想定しているシナリオなので、あまり有利すぎる状況は難しいですが、ある程度お好きにどうぞ!
(例:船に乗っていて流された等)

 荷物は装備品や、たまたま持っていた簡単な荷物などを持っています。

●場所
 海洋(ネオ・フロンティア海洋王国)の領土内、遠く離れた小島。
 実は無人島ではなく、国には認知されているが、資源の乏しさから放置されている小さな島。

 もともとは海賊の拠点だったこともあるらしい。

<島>
暖かい気候の島。
歩けば半日でぐるりと一周できる程度の広さ。

・海岸
 様々なものが流れ着いている。
 普通の魚と、なかなかに派手な魚が釣れる。
 海流はそこそこ荒く、泳いでもすぐ砂浜に戻ってきてしまう。

 ほか、ヤシの木やカニなどがある。

・森
 深く生い茂る森。
 木の実や果物がとれるほか、南国の鳥や、イノシシなどの獲物がいる。
 毒のある植物も生えているので、注意。

・海賊の拠点
 島をよく探索すると見つかる。
 島のちょうど反対側にある。
 年単位でずいぶん前から放置されているようで、もう人気はない。
 たいした宝物はないが、ちょっとした報酬くらいにはなるかもしれない。

・小さな遺跡
 森の奥深くにある。
 かなり昔の遺跡らしき施設。
 ただ像が立っており、遠くを見つめている(のみ)。

●3日間の島の天気
1日目
 一日中快晴。
2日目
 曇り、夜にかけて激しくなる雨、雷雨
3日目
 激しい嵐、のちの晴れ

  • 無人島サバイバル生活完了
  • GM名布川
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年08月22日 21時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
トリーネ=セイントバード(p3p000957)
飛んだにわとり
シンジュゥ・ソラワルツ(p3p002247)
終わり無きソラゴト
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
瑠璃の刃
錫蘭 ルフナ(p3p004350)
澱の森の仔
Morgux(p3p004514)
暴牛
エリーナ(p3p005250)
フェアリィフレンド
フォーガ・ブロッサム(p3p005334)
再咲の

リプレイ

●漂流者たち
「お仕事帰りの途中に死ぬかと思った! 生きてるって素晴らしいよね……」
『夢見る狐子』ヒィロ=エヒト(p3p002503) が大きく伸びをすると、太陽の下で狐耳が揺れる。
 白い雲、青い海。そして、……見覚えのない景色。
「ってココどこーー!!??」
 答えの出ない問いに波がざぱんと返事を返す。

「皆様、大丈夫ですの?」
『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)は、波打ち際に流れ着く人々を安全な場所まで引っ張っていた。
「ありがとうございます。不覚を取りました、まさか船から落ちてしまうとは。凄まじい嵐に遭遇したとはいえ、この様は宜しくない」
『再咲の』フォーガ・ブロッサム(p3p005334)は巨躯の狼獣人だ。恐ろしげな見た目とは裏腹に、振る舞いは至極丁寧だ。
「ありがとう……何とか助かったわ」
『聖なるトリ』トリーネ=セイントバード(p3p000957)は白い翼でトサカを押さえる。
「おかしい。嵐の中で「今なら飛べるチャーンス!」と思ってジャンプしてからの記憶がないわ。まさか転移とか、不思議な力に目覚めたんじゃ!? ワシちゃんもそう思わない?」
 トリーネのペットであるワシは首をかしげる。
「嵐。ですか。……"俺"も、いつもの日課で空の上へ上へと飛んでいた時でした。突風に煽られて……」
『終わり無きソラゴト』シンジュゥ・ソラワルツ(p3p002247) は空を見上げた。
「まあ、そちらも!?」
 自分から飛び込んだのと、巻き込まれたのでは結構違う気もするが、そこにある探究心は同じなのだろう。
「ギフトのお陰で落下しても大丈夫と油断していたら、河に落ちて溺れてしまい、気付いたら流れ着いていました」
 シンジュゥはびいどろの澄瞳を傾けて微笑んだ。
 どんなに高いところから落下してもケガを負わないギフトを持つ。しかし、さすがに河の流れに飲み込まれてしまっては。
「猫の【こま】と遊んでたら無人島? にいたんだけど……」
 草むらから少年……『猫派』錫蘭 ルフナ(p3p004350)が姿を現した。ハチワレの猫、こまがにゃあと鳴く。
「あ、こま」
 こまが少女の姿をした妖精を追いかけていく。そこには、『妖精使い』エリーナ(p3p005250)が流れ着いていた。
「こけこっこー!」
 トリーネが高らかに鳴き声をあげると、エリーナは目を覚ます。トリーネのギフトは神鳥の夜明け。……状況に反して、爽やかな目覚めだ。
「キャンプの船に乗っていたら急に嵐が来て遭難してしまいました」
「同じ嵐かもな……」
『暴牛』Morgux(p3p004514) もまた、ここに流れ着いた者のひとりだ。
 情報屋から新たなダンジョンの情報を手に入れたMorguxは、自前の船で航海に出た。そこまではいいが、嵐に遭遇し、この島に流れ着いた。
「ここはどうやら、絶海の孤島らしいな……」
「ここは一体どこなんでしょう」
 シンジュゥが不安げに海を見つめる。 
「は? 絶海の孤島? 知らないよ、迷子に向かってどこから来たのとか愚問でしょ」
 ルフナの強気な一言で、やや緊張がほぐれる。
「ここがどこかは分かりませんが、救助が来るまで皆で協力しましょう」
 エリーナが気丈に頷いてみせる。
「うん、共に流れ着いた皆と力を合わせて生き延びてみせるよ! 目指せ100年生存! ……じゃなかった、目指せ帰還!」
 ヒィロの号令に、皆が続く。
「“俺”は自然知識はありますが、本当にサバイバルをした経験はありません……皆様に頼るしかありません、どうか宜しくお願いします!」
 シンジュゥがぺこりとお辞儀をする。
「外に出られない、島……こんな時は、海種のわたしが頑張らないと、いけませんの」
 ノリアの尾がパシャリと水を跳ねる。
「わたしの海中サバイバル知識で、皆様を、お助けしますの!」

●遭難初日
「まずは課題を整理してみよ。目の前の問題は、今日を生き延びること……」
「幸い、簡単なテントと明かりは持っています」
 エリーナの持ち物にはわずかにキャンプに使った品物が残っていた。
「俺は船とちょっとした食糧があるが……」
 Morguxの炎船ブレイディオは海岸に流れ着いていた。ルフナが輝く団子に目をしばたかせる。
(いざとなれば使って海流を無理矢理突破……という手はあるが)
「潮の流れが、結構強いですの……」
「ああ。最終手段だな」
「直近なら、食べ物・飲み物・安全に休める場所、の確保とか。長期的な目標としては、帰還するために自力脱出の方法を探すか、島外から見つけてもらえる工夫をすること……こんな感じ?」
「食料……は、あんま物を食わねえからな俺。団子だけで十分……となれば、探索だな」
 Morguxは広がる森を振り返る。
「んーボクにできそうなのは、肉体労働とか戦闘的な危険への対処とか、かなぁ……」
 意外と肉体派のヒィロである。
「水なら、わたしには、海があれば十分ですの」
「“俺”は空から島を偵察してきます」
 とりあえず、やることが見えてきた。
「よし、一つ一つやっていこうね!」

 シンジュゥはその飛翼を空へと伸ばし、上昇気流に飛び乗り空を舞った。
 恐れることなく高度を上げて、湿った空気が、体を突き抜けていく。
 エリーナのファミリアーの鳥が、シンジュウに続く。
「サモナーが3人もいて良かったよね」
 人手? が多いに越したことはない。
 ついには島の全体を見渡せる位置まで来た。澄瞳が島の隅々を見渡す。
 島の反対側に、人のいたような跡を見つける。
 そこを拠点にすれば、少しはキャンプ設営の手間が省けるだろう。

 というわけで、探索に行った面々とは現地集合をすることになった。

「まずは、食べ物の確保が、急務ですの。足りなくて、食材適性の高い順にお刺身になるのは、嫌ですの……!」
「そうよね……!」
 トリーネも切実に同意する。
 ノリアの透き通った尾は適度な弾力を持ってそうで、なかなかおいしそうだ……。などと他のメンバーが考えたかどうかはそれぞれの胸の内だが、ともあれ、食材の確保だ。
「では私は食料の確保に向かいましょう」
 フォーガは食べ物を見つける自信があるようだ。
「一応ボク個人はなんでも美味しく食べられるから、どんな食べ物でもいいんだけど……」
 食料でさえあればなんでも。
 ヒィロは海岸にふやけたいつのかもわからない固形食糧が打ち上げられていたのをちらりと見るが、慌てて気を取り直す。
「アッハイ少しでも美味しくて食べやすい物探さないとダメだよね!」
「鳥さんとかの動物に動物疎通で怖い動物が住んでる所とか、美味しいものや水がある場所を聞いてみましょう」
 そう言うトリーネを、じっとワシが見ている。
「……うん、ワシちゃん。美味しいもので私を見ないでね? ほら、お魚取ってきて! お魚!」
 幸い、魚は豊富にいそうだった。

「海なら任せてください、ですの」
 ノリアが美しい弧を描いて海に飛び込んだ。
 激しい海流を泳ぎながら、地形や潮の流れを頭に入れていく。
 急に押し流されそうになり、方向を変える。
 海種であるノリアでなくては危なかったかもしれない。
(深い場所の海流は要注意ですの……表層の海流が、船を島に戻すなら、集まった水は深いところで外に流れますの……)
 上手く乗りこなせば、海に出られそうだ。そうすれば、助かれそうではあるが。
(……1人で外海に出る危険を冒すよりは、表層に出て戻りますの)
 戻ってきたノリアは、ぐるりと輪を描くように泳ぐ。魚や貝が集まる場所を見つけた合図だ。
「いくわよ、ワシちゃん!」
 ワシが上空から飛来して、魚をつかみ取る。
(狩りの始まりですの)

 ノリアは波間に漂い、空を見上げる。油断して近づいてきた魚に、きゅっと抱きついて捕獲する。
 弱肉強食。
 近くでは、トリーネのワシちゃんが順調に魚を捕獲している。
 ワシの掴んだ魚を狙って、さらに大きな魚が飛び上がった。引きずりこまれそうになるが……。
「にわとりは怖い動物にも負けないわ!」
「ぴよぴよぴー!」
 トリーネがぴよスターを召喚する。
 小さな星と、それに乗ったヒヨコが、ワシの持っていた魚のみを的確に薙ぎ払い、横に大きく吹き飛ばす。浜辺に打ち上げられた魚は、反撃もできずにびちびちと跳ねるのみだった。

 フォーガは森を歩き、食料を探す。
 フォーガのギフト「食物探査」は、素早く有用な食物を見つけていくものだ。この状況には最適といえるだろう。
「多少の蓄えが出来るといいのですが」
 全てを取り尽くさないように気を配りながらも、少し歩いただけで、すでに一抱えほどの果実やきのこを手に入れることができた。
 しばらく歩くと、休息をとれそうな洞窟があった。雨をしのぐならここでもよいだろう、と頭に入れておく。
 ルフナは自然会話により、目ざとく身を隠せそうな木のうろや、いくつかの食料をみつけてた。一番の収穫は、湧き水の場所を見つけたところだ。
 ここは絶好の狩場となる。
 ルフナは遠くに隠されたような、開けた場所を見つけて立ち止まる。海賊の拠点……だった場所のようだ。

 直射日光がだんだんきつくなってきたように思われる。
 シンジュウは、普段は見かけない大きさの葉を見つけ、そっと手折って微笑む。日傘代わりになるだろう。
「ふふ、森の小人気分です」
「似合ってる似合ってる!」
 ヒィロが笑顔で頷く。
 交代交代で、シンジュゥが拾ったヤシの実を割ってそっと口に含む。貴重な水分源だ。
「! ……なにか、動きました」
「戦闘は任せて!」
 ヒィロは名乗り向上をあげ、襲い来るイノシシをゼシュテルの壁で華麗に受け止めた。
 動きを止めたイノシシに、潜んでいたMorguxが幻打を放った。強烈に虚を突かれたイノシシは動きを止め、そこをヒィロが盾で思いっきり殴りつける。
 イノシシはどさりと地面に倒れた。
(まぁ、俺は肉は食わねえけど……)
 何かの足しにはなるだろう。しとめた獲物を、ヒィロが盾に乗せて、運んでいく。
「こういうの狩りっていうんだね!」
 違う気もするが、なんだか楽しそうだ。受けた傷は、すでにリジェネレートで治っている。

 設営した拠点で、小さな妖精たちがきゃっきゃと探索から戻ってきた仲間たちを迎える。エリーナは、ファミリアと共に拠点の準備をしていた。
「おかえりなさい」
 エリーナは戻ってきた仲間たちに、菓子と紅茶をふるまう。小さくてちょっとしたお菓子だが、元気が湧いてくるには十分だ。
 各々が確保した食料を簡単に調理して、ひとまず1日目を乗り切ることができた。
「寝る時は交代で見張りを立てたほうがいいですね」
「そうですね、まかせてください」
 エリーナの言葉に、フォーガが頷いた。

●あいにくの雨模様
 次の日。
 トリーネの爽やかな声で目覚めた。

 ヒィロは拠点をグレードアップするべく、たき火を作り、さらにその上に石を乗せ、即席の本格的なかまどをこしらえつつあった。
 さらに水場から水路を掘ってきて、周囲を板や枝で囲ってトイレ作りをする。
「い、いや大事だよコレ!」
 たしかに、大事だ。

「なんかすごい雨降りそうじゃない??」
「“俺”もなんとなく……降りそうだなって」
 トリーネと共に、シンジュウが空を見る。
「やはり空模様が悪いです……ただ、曇りは日光で体力を奪われずに活動できるチャンスでもあります」
「そうだね、前向きに行こう!」
 ヒィロがうんうんと頷いた。
 エリーナはファミリアと身振り手振りで言葉を交わし、首を横に振る。
「船……は、まだ来ていないみたいですね」
「おはようございます。昨日は採集でしたが、今日は狩りをしようかと思います」
 フォーガは自分の武器であるブルー・インパクトを整備していた。
「私の場合ですが、動物性たんぱく質……ようするに肉は欠かせないものなので……」
 たしかに、見た目から言って肉食だろうと思われる。
「海賊の拠点の探索をするそうですね」
「うん」
「私も同行したいところですが、留守の番をしておきましょう。食料を野性動物に取られては大変でしょう」
「ああ、助かる」
「別に、一人で大丈夫だし……」
 Morguxが礼を言い、ルフナが横を向く。こまが自分の存在を主張するように鳴いた。

「像以外には特に何もねえな。……この像は何を見てるんだ?」
 Morguxは像と同じように、海の向こう側を眺めてみる。ルフナも背伸びをしてみたが、水平線が見えるのみだ。
「あの方角になんかあるのかねえ。……ま、今の所は関係ねえか」
 海賊の拠点らしき場所に踏み込んだ二人は、残っていたものを探す。
「ここは放置されてから結構時間が経ってるな。住民は何処かに移動したか、全滅したか……まあいい、さっさと金目の物を探すぜ。時間を掛けりゃ何かしらは見付かるだろ」
 幸いなことに拠点も近く、多少の無理もききそうだ。
 Morguxは瓦礫をひっくり返す。
「望み薄だが、運が良けりゃ何か手に入るかも知れねえな」
「孤島なのにイノシシがいるのも、先住民が連れてきた家畜が野生化したのかもしれないね」
「かもしれないな」
 ルフナの洞察に、Morguxも同意する。
 高価そうなものこそ見つからなかったものの、何枚かの食器を見つけることができた。売れば、多少の金にはなりそうだ。

「あ、この遺跡の像、止まり木に良さそう」
 トリーネは像によじよじと登り、頭の上でばさーと翼を広げた。
 太陽に照らされて、くっきりとニワトリのシルエットが浮かび上がる。
(全能感!)
 波がざっぱんと返事を返す。
「……はい。皆に怒られる前に下りましょう」
 満足したトリーネは、大人しく像を降りた。

 ノリアは水に潜り、探索を続けていた。雨が降っていても、海の底は静かだ。
(深いほど、嵐の影響は少なくなりますの)
 ついでにほどよい布を見つけ、破れたテントの補修によさそうだと持ち帰ることにする。

 フォーガの精密射撃が、獲物の頭を正確に射抜く。
 その腕前に、エリーナが感嘆した声をあげる。
 倒れた鳥に、フォーガは眼を閉じ手を合わせる。
(この糧に感謝を……)
 二人は狼煙に使うための草を集めつつ、拠点に近い洞窟へとしまいこんだ。
 ぽつりぽつりと、雨が降ってきた。もしかすると、テントではもたないかもしれない。
「今のうちに荷物を移動させてしまいましょうか」
「そうしましょう……」
 エリーナは危険がないかどうか、ランタンで軽く探索してみる。獣をとるための罠を見つけて、万能竿で作動させておく。

 イレギュラーズたちは雨風を避け、洞窟で暖をとることにした。
 雨は次第に嵐となりゆく。

 ノリアは嵐に備え、尻尾が千切れないように変化し、嵐に備えていた。
「わたしは、陸のサバイバルはわかりませんから、皆様の手の足りないところをお手伝いしますけれど……」
 テントが一つ、飛ばされていくのを見て身震いする。
「拠点が、嵐に耐えきれないようなら、1人ででも海の底の安全地帯に逃げますの!」
「ここまでだと、もしかすると陸のほうが危険かもしれません」
 フォーガが雷鳴に目を細める。
「1人でも助かるほうが、いいに決まってますの……!」
「ついでに、助けでも呼んでくれ」
 Morguxの言葉に、ノリアは頷いた。

「こんなときに【こま】、いないし……」
 行方不明というよりは、どちらかといえば安全なところにとっとと避難しているのだろう。
「少し……不安です」
 シンジュゥの脳裏に、仲良しな友達の顔が浮かぶ。
 もう会えないのだろうか。
 一寸泣きそうになりながら、膝を抱える。ふと、温かいものが胸に満ちて振り返ると、ルフナがブレッシングウィスパーをかけてくれていた。
「大丈夫、きっと助けは来るよ」
「そうよ!」
 トリーネとヒィロが励ました。
 仲間たちが頼りだ。

●3日目
「ひいぃ風がすごいわ!」
 雷鳴と共に、嵐に負けずにトリーネの声が響き渡る声で、イレギュラーズたちは目を覚ます。
「激しい嵐ですね……これはあまり出歩かないほうがいいです」
 フォーガの言う通り、ひどい嵐だった。イレギュラーズたちは洞窟でじっと身をひそめる。
 ノリアだけは、朝が来てから、安全な海中に避難することとなった。

 しばらくすると、嘘のように空は晴れ渡る。

 のちに、救助船の人間はこう語る。
 救助船は嵐で島に近づけずにいた。しかし、ルフナの放った鳥がくわえたたいまつをかすかに見て、何かあるのではないかと、嵐が去った後も、双眼鏡で波を見ていた。ちかちかと光る妖精を頼りに航行していると、鮮やかで巨大なインコが、一瞬だけ空を覆ったのだ。

「せ、船長、救助要請です!」
 そして、ワシが運んできた紙には、「いれぎゅらーず はちにん たすけて」と書かれていた。
 どこからか現れた人魚ノリアの案内で、船はゆっくりと島へと向かう。

 船を求めて波の上を飛んでいたシンジュゥが、海岸に向かってぶんぶんと手を振る。フォーガが吠えるように海に叫ぶ。しばらくすると、船はゆっくりと着岸し、イレギュラーズたちを迎えた。
 こまはちゃっかりともうすでに船に乗っている。
「たっ……助かりました!」
 シンジュゥは甲板に乗り、崩れ落ちるようにして安堵する。安心からか、涙が出ていた。
「帰ったらぜったいご馳走を食べる……!」
 ヒィロはそう強く決意しつつも、島での三日間が懐かしかった。
 島が、思い出が、だんだんと遠ざかっていく。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

3日間のサバイバル生活、お疲れ様でした。
無事8人の生還となりました!
遭難から始まる大変なシナリオでしたが、イレギュラーズの皆さんも、多少なりとも、楽しい思い出はできましたでしょうか。
みなさま、おかえりなさいませ。

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