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シナリオ詳細

再現性東京202X:タイツを履いたOLにならねばならぬ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●マニエラさん in オフィス
 かたかたかた。かたかたかた。
 硬い音が響くのは、平日のオフィスである。内部には多くのサラリーマンたちが詰めていて、大小のモニターを見ながら何やらPCのキーボードをたたいている。見れば表計算ソフトやワードソフトがひらかれており、キーボードが鳴くたびに、数字や文字が刻まれていく。
 何の業務をしているのか――とは説明するまい。現場仕事ではない事だけは確かであり、或いはこれも『再現された202X年代の業務風景』にしか過ぎないのかもしれない――というのは、再現性東京という都市の描いた夢想だ。
 話を戻す。そのオフィスに、ひときわ存在感を放つ者たちがいる。八名。その全員が、誰かが想像したOLの再現としか言いようのない衣装に身を包み、業務に励んでいた。後タイツを履いていた。
「メーヴィンさん、新しい資料です」
 と、新人なのだろうか、若い背広の男が一人。大量の紙資料を、メーヴィンと呼ばれた件の八名のOLの一人=マニエラ・マギサ・メーヴィン (p3p002906)のデスクに、おいて見せた。マニエラが、ちらり、とその資料を見やる。踊る数字に意味はないのだろう。これもまた、再現された業務、に過ぎないのかもしれない。
 いつもの日常。いつもの業務。それを再現するために描かれる、再現された『仕事』。まぁ、それは良い。マニエラは「うん」と些か色っぽく(重要)頷きつつ、視界をふさぐ眼鏡(伊達メガネである)を色っぽく(重要)なおした。
「ありがとう、洗井君」
 椅子を回転させて洗井君に振り向き、タイツ(重要)の包む足を、色っぽく(重要)組んで見せた(重要)。胸元は無意味にはだけられており(重要)、形の良いふくらみが、下品にならない程度に除く(重要)。
 オフィスという、ある種日常的な、真面目であるべきと歌われる神聖なる場所。そこでどこか、非常に非日常的な色っぽいタイツを履いたOL(超重要)がいる――再現性東京という地で、再現されたわけではないその光景に、洗井君はどきどきした。
「い、いえ。お仕事頑張ってください」
「ええ、あなたもね」
 そう言って、色っぽく、ふふっ、と笑った。かわいい。結婚してほしい。マニエラは洗井君が去っていったのを確認すると、くるり、とデスクに向き直り――モニターの上に置かれたWEBカメラを、じぃ、と嫌そうににらんだ。そのまま、小型のイヤホンマイクを耳に取り付け、
「……これでいいのか」
 と、うんざりした様子で言うと、イヤホンをつけた耳朶を、特徴の薄い男の声が震わせた。
『ええ、さすがです、ミス・メーヴィン』
 A、と名乗った男である。マニエラはうんざりした顔をしながら、WEBカメラのレンズへと視線をやった。

 状況を説明すれば、これはAと名乗る男から、マニエラにもたらされた『練達のためのヨゴレ仕事』の一つである。以前はミニスカチャイナ服で夜の高校を疾走して夜妖を退治したマニエラだが、これは真面目な導入のふりをしたそういう依頼であることをここで暴露する。残念だったな!
『さて、ミス・メーヴィン。新しい仕事の時間です』
 ある夜。Aからの連絡を受け取ったマニエラは、すっごく嫌そうな顔をしながらaPhoneを握りしめた。
「続くのか、アレが……」
『ええ、引き続き頑張っていただきたい、とお伝えしたはずです』
 Aは淡々とした様子で告げると、
『預けたトランクを確認していただきたい。Oの袋があるはずです』
「今度はこの衣装か……」
 マニエラが『O』と記された袋を取り出す。中身を開いてみれば、女性用のオフィススーツと、タイツ(重要)が入っていた。
「……ただのスーツか?」
『ええ、ただのスーツと言えばそうです。ですが、少々胸元がひらき気味なのと、タイツがありますね?』
「ああ。それが――」
『癖です』
「あぁ?」
 Aがこともなげに言うので、マニエラが眉をひそめた。
『それが夜妖の癖です。『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』が、夜妖をおびき出す要件――』
「業が深すぎないか、その夜妖は」
 マニエラがヒいた様子で言うので、Aは嘆息した。
『夜妖になるものが、真っ当な未練を残すはずがない』
「それ世の中の夜妖全部を敵に回す言葉では? 真性怪異もグーで殴る奴だぞ絶対」
『いずれにせよ、今回の作戦は、『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』としてオフィスに潜入し、仕事をしてください。夜妖は、夜遅くまで残業しtげいる『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』を襲うので、残業しつつ待ち構えてください――』
「頭痛くなってきた」
 マニエラが頭を抱えた。
『ああ、それと、今回は七人のエージェントを、あなたの同僚として送り込んでいます。
 すべてイレギュラーズです。ローレットを通じて依頼をしました』
「それだったら、私が現場に出んでも、ローレットに任せればいいだろうが……」
『いえ、あくまで現場のリーダーはあなた。責任者はあなた。騙され、いや、事情を知らずに依頼に参加したイレギュラーズに状況を説明するのもあなた。つまり、あなたは私の代理人として――』
「全責任を私に押し付けるつもりか……」
 マニエラが、諦めたような表情で肩を落とした。

 さて、そんなわけで、マニエラに事情を説明された七人のイレギュラーズは、「何言ってんだこいつ?」という顔を一瞬したが、「まぁ、でも再現性東京の夜妖だから、そういうのもいるだろうな……」とすぐに諦めた。
 かくして、男女問わず、『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』の格好をした、マニエラを筆頭に八人のイレギュラーズが、希望ヶ浜のオフィスビルへと潜入する!
 さぁ、OL達よ! 今日の業務とランチをそれっぽく演じた後、出てきた夜妖をぼっこぼこにするのだ!!

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 これはリクエストシナリオなので僕は悪くありません。

●成功条件
 『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』を演じながら仕事をこなし、残業中に出てきた夜妖を倒す。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●状況
 『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』さんが大好きな夜妖、現る――。
 というわけで、『A』と名乗る謎の男から依頼を受けた皆さんは、『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』の格好をしつつ、OLとして一日を過ごし、残業までこなさなければなりません。ちなみに、OLとなっていますが、女子も男子も老いも若きも分け隔てなく『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』になってもらいます。逃げられると思うな。
 仕事はいわゆるオフィスワークです。表計算ソフトでデータを打ち込んだり、ワードソフトで文章を作ったり、電話対応したりします。まぁ、ここのオフィスは『再現された日常を演じるためのオフィス』なので、『日常っぽい業務』をしていればとがめられることはありません。適当にOLっぽい事をすればいいのです。他には、昼は同僚同士でランチに行ったり。夜は自由……とはいかず、残業が待っています。とはいえ、残業まで心がおれずにOLを演じきれればこちらの勝ちのようなもの。残業時には、件の夜妖が現れますので、これまでのうっ憤を晴らすようにぼこぼこにしましょう。
 舞台となるのは、オフィスビルと、その周辺のオフィス街。仕事のできるOLを演じたり、外回りのOLを演じたり、ちょっとドジな新人OLとかを演じたり、仲良くランチしたり、とにかく『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』を演じてくれ! 僕の心の健康のために!

●エネミーデータ
 『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』が好きな夜妖 ×8
  ちょ略OLが好きな夜妖です。残業時間までOLを演じ切ると出てきます。
  数は多めですが、一体一体の戦闘能力はイレギュラーズよりずっと格下です。
  特筆すべき能力もないので、油断しなければ倒せるでしょう。
  うっぷん晴らしにボコボコにしてやってください。

 以上となります。
 それでは、皆様のご参加とプレイングを、お待ちしております。

  • 再現性東京202X:タイツを履いたOLにならねばならぬ完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年06月07日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

志屍 瑠璃(p3p000416)
遺言代行業
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
戦支柱
※参加確定済み※
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
ルーキス・ファウン(p3p008870)
散華閃刀
越智内 定(p3p009033)
なけなしの一歩
レーツェル=フィンスターニス(p3p010268)
闇夜に包まれし神秘
綾辻・愛奈(p3p010320)
つまさきに光芒
ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)
幸運の女神を探せ

リプレイ

●OL・更衣室
「なるほど……任せて下さい。今日の為にOLの作法は一通り予習してきましたので……」
 と、『秘密のOL特集』なる雑誌を握りしめて言うのは、『新人OL』ルーキス・ファウン(p3p008870)である。ぐっ、とこぶしを握るその姿は、既にタイツを履いて胸元がひらき気味のちょっとエッチなOLである。
「あー、なるほどね。この衣装、問題は胸元だな。ブラパッドで寄せて谷間を作れるか……」
 そう真面目に言うのは、『幸運の女神を探せ』ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)だ。彼は胸元をムニムニしつつ、胸元がひらき気味でタイツを履いたちょっとえちちなOLになっている。
 ちなみにどちらも男性である。
 ステータスシートを穴があくほど確認したので間違いないが、どちらも男性である。
 男性! だがなんか、二人の覚悟はすでに決まっていた。ルーキスは真面目であったし、ジュートはここだけの話、家の都合で、子供の頃は女装をして過ごしていたため、この手の衣装に抵抗感がないのだ! マジで? ドラゴニア、タイツOLに抵抗感ないの? 僕もフリアノンに移住するか……。
「……」
 それに比べて、覚悟は全く決まっていないのが『なけなしの一歩』越智内 定(p3p009033)である。彼は澱んだ瞳で周囲を見ながら(ここは男性用の控室なので、男性しかいない。PPPは健全なゲームなので)、はぁ、と深いため息をついた。
「僕はちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOLさんを見に来ただけで。
 断じてちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いた越智内レディになりに来た訳じゃない」
 そう言った。そしてはぁ、とため息をつく。定の目の前には、胸元(略)OLの服がある。一セット。これを着てもらう。
「どうして……?」
「いや……どうしても言われましても……」
「ノールックで依頼に入ったのか……?」
 二人がそういうのへ、定は目をそらした。
「でも、ここまで来たらやるしかないですよ……?」
 ルーキスが言うのへ、定は嫌々頷いた。
「分かってる……ハイ・ルールだものな。
 でもせめて、最近は女性用でもパンツルックだしそれでも……」
 ダメです。
「ダメ!? なんで? 異議あり! この多様性が尊ばれる世の中でおかしいじゃないか!」
 定の抗議の声が空しく響く。夜妖の性癖はきっちりしていた。故にダメなのである。
「くそ……間違っている……こんな世の中……」
「ま、まぁ……これもいつかいい思い出になるさ……」
 ジュートがそういうのへ、定が空しく頷く。ほんとにいい思い出になるのかなぁ? こういうのデジタルタトゥーって言わない……?

「なるほど、特定の衣装で特定の行動を取らないと倒せないタイプの夜妖、よくいるやつだよね!」
 むふー、と胸を張るOL『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)。こういう事には慣れっこなので、OL衣装も割と抵抗なく着る。
「えーと、胸元を開き気味にっと、なんだか隙間が出来て見えちゃいそうでちょっと不安になるよね……。
 あれ? 何でかな? どうして皆そんなに隙間がないのかな?」
 虚ろな目でそういう焔から、皆目をそらした。かなしい。それはさておき、コホンと咳払い。
「というか、普段のに比べたら、これって全然普通だよね?」
「これが普通なのか……?」
 と、『無名偲・無意式の生徒』マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)が言う。すでにOLルックだが、その表情はさえない。
「いや、確かに、ミニスカチャイナで胸をもまれたことに比べればマシだが……というか、再現性東京の夜妖って、こんなに欲望全開の奴らばっかりだったか……?」
「再現性東京の夜妖って、こういう欲望いっぱいの奴ばっかりじゃないの?」
 小首をかしげる焔に、マニエラは眉をしかめた。
「校長に謝れ……いや、誰とは言わないが。しかし、本当に……そろそろ真性怪異に怒られるんじゃないのか、これ」
「真性怪異が怒るかはさておき、人の心の闇が形作るものが夜妖ならば、こういうのもいるのでしょうね」
 そういうのは、『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)だ。OLルックがとても似合っている。此方は真面目そうなOL、と言った所だろうか。マニエラのような派手な感じはないが、しかし堅実さを感じさせる雰囲気が美しい。
「相手を侮っているわけではありませんが、昨今の情勢に比べれば何とも可愛らしい敵です。
 再現性東京の社会勉強のつもりで、一日OLを演じてみるのもいいのでは?」
「えっと。そうですね。
 実は、こうしてオフィスワークすることに、ちょっとだけ憧れがあったんですよね。楽しみだったりします」
 そう言って微笑を浮かべるのは綾辻・愛奈(p3p010320)だ。普段着の縦セタもいいが、OLもいい。とても良く似合っている……というか、OLだったのではないだろうか。うん、OLだったんだよ。僕だけのOL……。
「ちょっと気持ち悪いですね……」
 虚空に向ってそういう愛奈。夜妖の思念を感じ取ったのだろう。
「ああ、確かにOLというのも面白そうだ」
 と、結構ノリノリなのが『闇夜に包まれし神秘』レーツェル=フィンスターニス(p3p010268)だ。レーツェルさんのOL姿も良い。とても良い。妖しい魅力を持つ、謎のOLお姉さんと言った感じである。その妖艶な魅力は、OLの持つオフィスクライシスな魅力と重なり、まさに名状しがたき魅惑の存在と化しているのだ……。
「わけがわからんが、しかしこの格好は悪くない。
 OLがなにをするかは全くわからんが、要するに夜までここにいればいいのだろう?
 いいだろう。堪能してやろうではないか、OLとやらを」
 レーツェルの言葉に、女性陣は頷いた。
「とにかくそういう事ですね」
 瑠璃が言った。
「それでは始めましょう。ありふれたOLの一日というものを」
 その言葉に、女性陣は頷く。
 かくして、控室から出た女性陣を待ち受けていたのは、あまりにもしっかりと女装していて逆に違和感のない男性陣の姿だった――。

●OL達の日常
 遅刻、遅刻、遅刻しちゃう!
 ボクは焔。洗井商事に就職したばかりの新人OLだよ!
 ボクももう社会人! しっかりしなくちゃ、って思うんだけど……とほほ、まだまだ学生気分が抜けないのかな? 寝坊しちゃってギリギリ出社!
 いつもより遅い電車に揺られて、買ったばかりの腕時計(社会人なら、スマホだけじゃなくて腕時計も必要っ)を眺めながら、やきもきする気持ちで車窓から外を眺めるの。
 うーん、何だ今日は、嫌な予感……残業押し付けられそうだよ~~。

「ああ、おはようございます、焔さん」
 エレベーターで、コンビニのコーヒーカップを持ちながらボクに挨拶するのは、神人二年目の瑠璃ちゃん! 誤字じゃないよ、神人だよ! 新人なのにすっごく仕事ができるから、皆に神って言われてるんだ!
「おはよー、瑠璃ちゃん! きいてよ、もう、朝トラブっちゃって!」
「ふふ、焔さんはまだまだ学生気分が抜けませんね」
 くすりと笑う瑠璃ちゃんに、ボクはむぅ、と口を尖らせた。
「瑠璃ちゃんはだって、二年目なのにすっごく仕事できるから。ボクも憧れるけど、瑠璃ちゃんみたいにはできないよぉ」
「そんなことありませんよ。あ、今日は一緒のお仕事ですから、色々教えてあげますね?」
「やった! 洗井君も一緒の仕事だっけ? こき使っちゃおっか!」
「いけませんよ、そういうの……でも彼、時々私たちのタイツを盗み見してるようですから。懲らしめてあげるのもいいですね」
 そう言ったので、ボクはにっこり笑ったんだ。
「盗み見してるの、ナチュラルにキモくない?」

 と、焔がそう言った時、ちん、と音を立ててエレベーターのドアがひらいた。やってきたのはOLのルーキスで、大きなカバンを手に持って居る。
「あ、おはよ~、二人とも!」
「おはようございます、ルー子さん。朝から外回りですか?」
 瑠璃がそういうのへ、ルー子……ルーキスは頷く。40デニールのタイツが美しい。
「そう! もう洗井の奴最悪! 朝着たらいきなり仕事ふってきてさぁ。
 あ、でもお昼までには帰ってこれるから、皆でランチしよっか!」
「いいね! 近くにおしゃれなカフェ見つけたんだよね~」
 焔が言うのへ、ルー子が「いいねぇ」と声をあげた。ちん、と音を立ててルー子が下りる階層の扉が開く。
「それじゃ、またね! お互いお仕事頑張りましょ!」
 そう言って去っていくルー子を、二人は見送った。

 さて、ここはオフィス。たくさんの洗井とOL達が働く、再現性東京ではよくあるオフィスの光景が広がっている。
「洗井くん、このユーザー向け資料に誤字があるのだけれど」
 と、定子ちゃんがシナリオ『再現性東京202X:タイツを履いたOLにならねばならぬ』のページをモニターに映しながら、そう言った。
「見て此処、『形の良いふくらみが、下品にならない程度に除く(重要)。』、除く、じゃなくて覗く、よね。
 それから、『真面目であるべきと歌われる神聖なる場所。』……ここは歌われる、じゃなくて謳われる、とすべきだわ。
 それに、『夜妖は、夜遅くまで残業しtげいる……』これは言うまでもないわね?」
 と、定子ちゃんが、きっ、と洗井を見つめた。椅子に座っているので見上げるような形になるのだが、胸元がちらりと見えた。セクシー……。
「いい、洗井君。別に責めているわけじゃないわ。でもね、お客さんはRCを支払って、このシナリオに入ろうかな、って考えるものなの。
 それが、ちょっとした誤字で、その意欲を失ってしまうかもしれない……これはRe:versionにとっては機会損失だわ」
「ごめんなさい、越智内さん……ちょっと、タイツ履いたOLの事ばかり考えていて……」
「ううん、お互いまだ慣れない業務だしね。肩の力抜いてこ?
 ほら、コーヒー。奢ってあげるから、しゃっきりしてきて」
 そう言って、差し出す微糖の缶コーヒー。OLがkるえた缶コーヒー……。
「ありがとうござあます!」
「ほら、また二か所も誤字ってる! 他にも誤字ってたらFLで指摘するからね!」
 嬉しそうに去っていく洗井に、「もう」と定子ちゃんが苦笑する。そこを通りかかったのはジュートちゃんである。
「もう、定子さんったら。洗井さんには厳しいんですね」
「まぁね。でも、別に嫌ってるわけじゃないわ? ほんとよ。ただ間違いは指摘しないとね」
「それは、そうですけど。あ、定子さん、この間の経費請求、不備でてますよ。ちゃんと領収書添付してくださいね」
「あら、いけない……領収書、どこにあったかしら……」
「ふふ、定子さんったら」
 くすくすと笑う二人。仲の良いOLの、職場での会話である。まぁ、二人とも男なのだが……。

 さて、愛奈は自分の席に資料を並べつつ、表計算ソフトにデータを打ち込む。開いた胸元は、下品にならぬ程度のエロスさを醸し出しており、この位ならPPPのウォール・センシティブには引っかからないので大丈夫です。お心遣い本当に助かります。
「そうね、エロスもほどほどにね、洗井君」
 はい!
「でも……流石に、資料の量が多すぎますね。ペーパーレス時代はどこに行ったのでしょう……」
「あ、綾辻さんお疲れ様です」
「あら、洗井君。お疲れ様です」
 にこりと笑うOL……。
「綾辻さん資料大変そうですね。これから資料室ですか?」
「ええ、もう今日は何往復もしてます……」
「ああ、大変だ。じゃあ、運びますよ。丁度休憩するつもりだったんで」
「本当ですか? ありがとうございます、洗井君。
 今度エナドリ差し入れしますね」
 ぺこり、と一礼する愛奈胸元がのぞく。せくしー……。
「え、あ、いいですよ、そんな」
 慌てる洗井君に、愛奈はくい、と顔を近づけた。
「だめです。それじゃ私の気持ちが収まりません。ちゃんとお礼、受け取ってくださいね?」
 にこりと笑う愛奈に、洗井君はなんかごくりと生唾を飲み込んだ。

 さておき。洗井君はなんか今日は役得だった。朝から皆優しいし、なんかえっちである。あとOLが皆えっちだ……。
 特にマニエラ・マギサ・メーヴィンというOLは特にえっちだった。なんでだろう、こう、ことあるごとに足を組み替えてみたり、胸元をチラ見せしたり、スカートを見えるか見えないかのギリギリリバージョンセンシティブラインの上を反復横跳びしている……どういうことだ、どうなってるんだ、マニエラ・マギサ・メーヴィン! えっちなのか!? エッチなのかマニエラ・マギサ・メーヴィン!!
「おっと、いけない。ボールペンを落とした」
 と、ボールペンを落として前かがみになるマニエラ・マギサ・メーヴィン! あーいけませんいけません! 胸元が! ちらりと! いけませんマニエラ・マギサ・メーヴィンさん、いけませんよマニエラ・マギサ・メーヴィンさん! そういうのほんとに、あーいけません! あー! あー!

「洗井とやらが救護室に運ばれたらしいな」
 と、おしゃれなカフェでレーツェルが言う。ランチの時間に集まったOL達は、一時の作戦会議兼休息をとっていた。
「んー、なんかあったのかな? ね、マニエラちゃん? なんか知らない? マニエラちゃん?」
 と、焔が聴いてくるので、マニエラは小首をかしげた。
「ぜんぜんわからん」
「そう言えば、なんか変なお弁当食べたとか聞きましたね」
 と、瑠璃が言うので、レーツェルが目をそらした。
「そうか、大変だな、洗井も」
「レーツェルちゃん……?」
 焔がいぶかしんだ。
「でも、洗井って人、なんかこう……皮をはぎたくなるというか、鍋に沈めたくなるというか……」
「焔さんはアライグマに対する恨みが強すぎるのでは?」
 焔の言葉に、ジュートちゃんが言う。
「しかし、OLというのも楽しいものだ。会議の準備をしろというので全力でいすを並べてやったら、洗井がびっくりして泡を吹いていたな。ワタシの手際に驚かなくてもいいだろうに」
 そういうレーツェルに、定子ちゃんが胡乱気な視線を向けた。
「それって、手際に驚いたのか……?」
 洒落たサンドイッチやパスタやらをぱくつきながら、OL達の談笑は続く。
「えーと、午後もこの調子で。後は残業ですね」
 ルー子ちゃんが言うので、皆は頷いた。
「しかし、新人を随分と遅くまで働かせるものですね。ブラックでしょうか……」
 愛奈がはぁ、とため息をつく。そのまま、皿の上のパスタを所在なさげにフォークでつついた。
「恋バナとか、そういううわさ話とか、聞きたかったのですけどね。そんな余裕もなさそうです……」
「というか、まともに私たちが接する男性社員が洗井だけだからな……」
 マニエラが不思議そうにそう言った。なんで洗井としか接触しないのだろうか。謎である。ちなみにこれは伏線とかではない。
「まあ、でもあと少しですし。そうすれば、この妙な職場ともさようなら、です。頑張りましょう」
 瑠璃がそういうのへ、おー、とOL達は頷いたのである。

●夢の終わり
 さてさて、無事に午後の仕事を終えて、夕方。オフィスの窓から差し込む夕日を、OL達はまぶしげに見つめていた。
「終業だな」
 レーツェルが言うが、ぽん、とその肩に手を乗せて、頭を振ったのはマニエラだ。
「残業だ」
 レーツェルがわずかにしゅんとなる。なれない作業は、思いのほか疲れるものだ。たとえそれが、外での冒険よりも数倍は楽に思えても。
 窓から覗く景色が、徐々に暗く、そして明かりがともり明るくなっていく。夜のオフィス街の景色。傍から見ればキラキラとしていて綺麗だが、その明かりの下に疲労をこらえて仕事をするOL達がいる事を忘れてはいけない。
「ふわぁ……」
 焔がデスクに座りつつ、伸びをした。
「いつもはねる時間だから、さすがに眠いよぉ」
「そうですね……私も、この時間までの作業は久しぶりです」
 愛奈がそういうのへ、皆も頷いた。明確に、疲労の色が見えていた。これを毎日、週5とか6とかやってるOLさんは凄い。えらい。僕は褒めてあげたい。
「だけど、例の夜妖っていうのは現れないな……」
 定子ちゃんがそういうのへ、おや、と瑠璃が小首をかしげた。
「定子ちゃん、その胸元あたりにいる変なのは」
「ん?」
 そう言って、定子ちゃんが自分の胸元を見た時に。
 それはいた。
 なんか小さいおっさんだった。
 目があった。
「あ」
 おっさんが言った。
「私、『ちょっと胸元がひらき気味で、優しくてえっちなタイツを履いたOL』が好きな夜妖――」
 べちっ、と。
 定子ちゃんがそれをはたき落した。しゅう、って言って消えた。皆が自分の周りを見てみると、なんかこちらを食い入るようにみている変なおっさんがいたので、なるほど、これが夜妖か、と納得した。踏んだり蹴ったりした。夜妖が消えていく。
「……これで終わりか」
 ルー子……いや、ルーキスが言った。
「そうだな……」
 ジュートが疲れた様子で言った。
 皆視線を合わせた。それから、自分の格好を見た。

 こんな格好で、自分たちは何をしているんだろう。
 そう自問自答した。
 答えは出なかった。
「じゃあ、タイムカードおして退勤で」
 マニエラが言った。
 皆タイムカードを押すと、オフィスから出ていった。

 おつかれさまでした。

成否

成功

MVP

ルーキス・ファウン(p3p008870)
散華閃刀

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでした、OLの皆さん――!

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