PandoraPartyProject

シナリオ詳細

お前が苦難を乗り越えてる間にこいつらイチャコラしてるんだってよ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●なんかでっかい壺を見つけたし壺をなんかしたいっていうから……。
「何あるかこれは」
「何って大壺じゃないでしょうか。この遺跡からなんかいきなり発掘されたけど、掘り出すまでは兎も角蓋がしてあるし大きすぎるしで全体像をなんとか掴んでガワだけ掘り返してそれきり、調査対象外になっている代物です。盗掘者に悩まされがちなこのテの遺跡ですが、この壺に関してはそういうこともなく、また、『蓋が開かれた可能性が高いのに常に閉まったままである』奇妙さから、調査員達の間では触らないように言い添えられてると聞いています」
 ラサ郊外、砂漠地帯のとある遺跡。内部に入れる構造などは残されておらず、本当に『発掘対象』でしかないその古遺跡まで連れてこられた李 黒龍(p3p010263)は、案内してきたドロッセル=グリュンバウム (p3n000119)を物凄く怪訝な目で見た。
「そんなヤベえモンまでポンと案内してさあ調べていいですよってお前ちょっと頭おかしいある。本当にいいトコのお嬢さんあるか。経歴詐しょ」
「あ゛?!」
「なんでもなかったある」
 自分のことは馬鹿にされても家族のことは我慢ならねぇ。戦争だ。
 そんな威圧感を醸し出したドロッセルの経歴について、黒龍はあんまり追求しないことにした。
「……こほん。まあそういうわけで、色々不明点が多いこの壺を、『なんか壺を調べてえある(要約)』って毎日のように日高さんにクダ巻いてる黒龍さんに押し付けてくれと依頼をうけまして」
「というか、『開けられた痕跡があるのに閉めっぱなし』ってどういうことだ? 中身を全部盗んで閉めたならおかしくないだろ?」
「この壺に爆薬を詰めたらさぞかしいい音がするんだろうな」
「駄目だから。遺跡の資産だから。落ち着いて弾正」
 黒龍にとっては聞き捨てならない話が続くなか、どこか遠い目をして壺を見る冬越 弾正(p3p007105)と、状況が許せば背中を押していたがハイ・ルールに抵触したくないので抑え気味のアーマデル・アル・アマル(p3p008599)がついてきていた。まあ壺とか聞いたらこの男が爆破したくなるのは多くのウォーカーにとって分からないでもない話である。自重を覚えてほしい。
「兎に角、この壺の内部になにかあるかもしれないんだろ? 調査しなきゃいけないなら蓋を取っ、あっ……」
「弾正!? クソッ、こうな、ぁぁぁぁぁぁ……?!」
 だが自重するまえにことは起きた。
 弾正は蓋を開いた直後に身を乗り出し壺の中へと落下してしまい、彼をつかもうとしたアーマデルも宙を掻いた手の勢いでそのまま真っ逆さま。
「縁は滑るから注意してくださいねって言うところでしたのに」
「なんで再現性テキサスホームコメディみたいな肩の竦め方してるであるか!? 笑い声のガヤが聞こえてきそうである!」
「具体的ですね」
 肩を竦めたドロッセルに掴みかからん勢いで問い詰める黒龍だが、事態が動いては黙ってはいられない。急ぎ助けに、と思ってる間に同行していたイレギュラーズ達がロープを垂らそうとしたりなんやかんやして下に居る(声が聞こえてきた)二人を助け出そうとして次々と落下していく地獄を目の当たりにした。馬鹿じゃねえのか。
「クソッ! あいつら教科書のようなボケを見せてきたである! こうなったら吾輩も入ってなんとk」
 黒龍はその惨状をなんとかすべく、壺に足から入ろうとした。外側に命綱をたらして。だが、体の半分ほどを突っ込んだ時点でその異常は始まった。
「なんであるかコレ!? 壺がどんどん縮まって……! 痛っ、締め付け過ぎであるが!?」
 なんと、壺は見る間に収縮し、黒龍の胴を締め付けるほどになってしまったではないか。どうやらこの壺はなんらかの魔術的アレんなってるらしい。
「黒龍さん! おそらく中の人達が潰されたりは無い……と思います! でも閉じ込められたのと一緒だと思うので、外側から力を込めて割るしかありません!」
「割るったってどうするあるか? そんな硬いモノ、この辺にないある!」
「ないのかあるのかどっちなんですか」
「そういうギャグはいいある! 何か硬い……あ」
 ドロッセルのボケはさておき、黒龍は自分の下半身よりちょっと長い程度の大きさになった壺を見下ろし、『硬いもの』を見つけた。突き出した遺跡の断片である。
 だがそれは、掘り返された壺の位置からは柔らかい砂を登ったちょっと上。そこに登る手段が
「ここにお誂え向きの大ハンマーがありましたよ黒龍さん!」
「それブン回して砂を噛んで遠心力で登るあるか!?」
 なんかどっかで見たな、そういうの。

●その頃の内部はというと
「弾正! 弾正! 起きてくれ弾正!」
「どうしたんだアーマデル……ん、これは?!」
 慌てて自分を助け起こしたアーマデルに、重たい頭を振って弾正が応じる。壺の下に落ちたまでは覚えている。だが、落下したときの衝撃は然程ではないらしい。それより……。
「ウェディング……ドレス?」
 そう、二人共、というかイレギュラーズ全員がドレス姿だったのだ。そして壺の中だった筈の空間は、いつの間にかチャペルへと様変わりしていた。
「なんだこれは……つまりあそこに立って愛を誓い合えるというのか?」
「え、つまり旦那様もお嫁さまになるということですか?!」
「そもそも周りにいるゾンビっぽい連中もなんかそれっぽい格好してるんだけど、絶対行かせない気満々だよな」
「神父どうするんだよ」
 ……という状況だった。内部は内部でなんとかしないと、多分壺が割れても助からないんじゃないかと思う。

GMコメント

 違うの。アフターアクションが先だったの。

●成功条件
・(黒龍)ハンマーで砂をかきわけ遺跡の飛び出た場所までいって壺を叩きつける
・(他7名)壺の内部で結婚式ゾンビ共を掃討しなんかラヴい雰囲気を堪能する

●壺
 なんかよくわからんけどそうなった、古代遺跡のツボです。今は高さは黒龍さんの腰まで+20cmの深さとちょっと太いくらいのサイズになってます。
 なお移動に使えるハンマー(ドロッセルが投げた)では割れないらしいです。同じ遺跡の構造物じゃないと割れないとかだと思います。しらんけど。
 ハンマーを地面につきたてて引きずるように砂壁をなんかかんか(スキルで砂を変質させるとか)して登りましょう。制限時間? ターン経過? ないよ。
 なお砂はなにもしなければ叩けば叩くだけ崩れるから工夫とか必要です。頑張って。

●の、中(幻惑ゾンビチャペル内)
 チャペル型になっており、一番奥に神父がいそうな壇と鐘を鳴らす紐があります。そこに2名(1名+アルファ)で辿り着いて鐘を鳴らせばOKです。
 なお、数組くらい成立させないと脱出できないかなァ~~~~ってなります。なお、成功基準までいっても黒龍が乗り越えないと脱出できません。祈れ。

●婚活ゾンビみたいな連中×30~
 おそらく盗掘者の成れの果てです。
 ガンガン近付いてきて噛みついたり引っ掻いたりしてきます。
 蹴散らせ。そして道を作れ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • お前が苦難を乗り越えてる間にこいつらイチャコラしてるんだってよ完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年05月28日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

冬越 弾正(p3p007105)
終音
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
オリオン級 弐番艦 ベテルギウス(p3p008833)
宇宙戦艦『ベテルギウス』
ノワール・G・白鷺(p3p009316)
《Seven of Cups》
耀 澄恋(p3p009412)
六道の底からあなたを想う
李 黒龍(p3p010263)
二人は情侶?
浮舟 帳(p3p010344)
今を写す撮影者
リドニア・アルフェーネ(p3p010574)
たったひとつの純愛

リプレイ

●この人が頑張らないと解決が遠ざかります
 吾輩は古物商である。
 名前はヘイロン・リーと云う。
 どういう訳か「そろそろ壺を売っとかないとキャラが立たなくなる」といった旨の感想を抱いた結果、キャラではなく足腰が立たない状況に陥ってしまったある。
「なんあるかこの状況……」
「なんですかねえ」
 『尸解老仙』李 黒龍(p3p010263)は果てしない砂の地平線を遠い目で見つめ、『ハハッ』て感じで薄笑いを浮かべるドロッセル=グリュンバウム (p3n000119)にちょっと激しい敵意を抱いてしまう。いかんいかん。攻撃したらハイルール違反だ(依頼達成に必要ある場合を除いて)。
「立つどころか寝たきり方向に迷走し始めたある。てゆーか古物商に骨董の壺を割らせるとか万死あるよ。そう思わないあるか汝も」
 黒龍は今しがた作った式神に語りかけるが、式神は我関せずという雰囲気で肩を竦めた。この野郎……。
「汝に告ぐ、吾輩をあの遺跡の尖った所まで運び給え!」
「滅茶苦茶遠いところじゃありません? 二人で持ち上がるんですか? 片方要介ブフッ、不自由な状況ですのに」
「汝は手伝わないあるか!? あと要介護って言おうとしたあるな」
 なんだか今日のドロッセルは滅茶苦茶口が悪かった。このままでは式神+ハンマー+役に立たない美少女()という1.75馬力みたいな状況での移動になってしまう。
「まあ吾輩は致命的失敗しないよう血道を上げてきたわけであるから? この程度なんともないであるが?」
「ケツがどうにかなりそうですって?」
「お前もう暑さにやられているある」
 豆知識:「尻」も「腰」も厳密には「Hip」だから間違っちゃいねえんだ。

●中の人達も頑張らないかんよ。待ちの姿勢は負荷大きいんだよ。
「あはははははは、全ての状況がわけわかんなすぎて笑うしかないね! とりあえず奥まで突き進めばいいんだよねよく分かんないけどそれでゴーだ!」
 もう状況が全く掴めないままドレスを着せられた『今を写す撮影者』浮舟 帳(p3p010344)は完全に笑う以外の選択肢がなかった。だって周囲にゾンビまみれなのにイレギュラーズ七名がドレス着てりんごんベルを鳴らしにいって幸せになります! とかやるの頭おかしいとしか思えない。
「当艦、ただ黒龍殿がいるから心配でついてきただけでありますのに……どうしてこうなったでありますか?」
 『宇宙戦艦『ベテルギウス』』オリオン級 弐番艦 ベテルギウス(p3p008833)(以下ベテルギウス)にいたっては黒龍を追って来てこの有様である。あーもーこんなにプリンセスラインが目立ってて肩出し純白ウェディングドレスで……薔薇の衣装まで……いやちょっとこいつポージングとか完全に無表情だけどノリノリでやってるな?
「依頼八名から壺おにとなった黒龍様を抜くと七名……カッポゥ↑の成立しにくい奇数ではありませんか!」
「……結婚前に着ると婚期が遅れる? 初耳なのでそれは嘘ですね。誰ですか行き遅れとか言った御方は。いえ気にしておりませんよ? 私生涯現役でございますし。……年寄じゃないですが!? 絶対に! 許しませんが!?」
「それは嘘ですねだってわたしには旦那様がおりますのでホラっねえ!?」
「えっ、あ。……すいません……」
 『《Seven of Cups》』ノワール・G・白鷺(p3p009316)がブランクを埋めるために入った依頼が壺の中でなんかこうイチャつけみたいなやつ、最高じゃないですか。良いお相手も『ここには』居ねえのになァ~~~~!! というのは兎も角、『もうおんなのこでいいや』澄恋(p3p009412は女の聞き捨てならない迷信を聞いて半狂乱になってしまったではないか。責任取れよ。
「すいませんでした、ではカッ……」
「え、つまり旦那様もお嫁さまになるということですか?! わたし×お嫁さまの百合ということで宜しいですねッ!?」
「えっ、あー……」
 ノワールはわびとばかりに澄恋をエスコートせねばと身を固くしたところで、澄恋は旦那様をお嫁様と認識して一人で完結させる気満々だった。はい冒頭回収。振り上げた拳はなかなか下ろせないものである。
(……私は、結婚を放棄して特異運命座標になった身。この服を再び着る事になるとは、何の因果なのでしょうね。これも神が定めた運命だというのなら、受け入れましょう)
「……とか一人シリアスしたところでどーしようもねーですわ!!! ハジケましてよ!!! オラッ!! 婚活ゾンビ共!! 人生の敗者共邪魔ですわ!!! か弱くて素敵だよ♡頼むから死んでくださいまし!」
 『特異運命座標』リドニア・アルフェーネ(p3p010574)は割りと重い過去があるのだが、まあこれはちょっと前に自己完結させたからセーフとして。彼女はウェディングドレス姿をものともせず竜鱗剣(偽)を振り上げ婚活ゾンビに斬りかかる。なんか言葉遣いおかしくない? そうでもない? そう……。
「故郷では冠婚葬祭の最大手に属していた。司式は任せてくれ。俺は葬しか習ってないが、基本は同じ。古き縁の糸を断ち、新たに結ぶ儀式だろう?」
「アーマデル、ちょっと理屈は強引だが……その、相変わらず可愛いな。刮目して見よ、ドレス姿のアーマデルの可愛さ……いや、見るな! 花嫁は俺のものだ。複雑な中年心を理解できない奴は死ね!」
 冠婚葬祭(葬だけ)に特化した『冬隣』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)の理屈は屁理屈の領域に近く、正直その理屈はどうかと思う。……のだが、『残秋』冬越 弾正(p3p007105)がいる以上きっと無理のあるこじつけも「でもアーマデルがそう言うなら」で終わらせてしまう気がする。どうでもいいけど見せたいのかそうでないのか、どちらなのか。
「周りはカップルや既婚者……既婚者? いや、澄恋殿は既婚者でいいのでありましょうか‥…?」
「これから結婚すればわたしも既婚者! いえ……すでにバツイ」
 その辺やめよう。話が長くなるから。
「と言うか、このお仕事の話を持ち掛けておいて、その当人がこの場に居ないということが……えぇ、ひじょ~~に腹立たしいですね。そう、そうです。面白いから愉しいからと言いながらも、直ぐ霞の様に消えて煙に巻いてしまう。……いえ、別に不愉快ではありませんし。寧ろ楽しくはありますが」
「よく分からないけど、黒龍さんも中に入ってきてないしそういう意味では心配だね。あっ、もしかして外でぼくたちを出すために頑張ってくれてるのかな?」
 ノワールが『誰に』怒っているのかは帳にはちょっとわからなかった。でもなんだかとっても深い情念を覚えたような気も、まあする。そして降りてきてない黒龍も気がかりだ。……大丈夫なんだろうか本当に、これ。

●あっ……
「そろそろ暑さでミイラになりそうあるよ……」
「枯れた老人気取ってませんでした?」
「『花咲かじいさんの灰でも被ったなにか』扱いされたのは誰のせいだったあるか?!」
「いえ、私は関係ありませんが」
「チィッこうなったらこのハンマーで……こうしてこう……しっ、アッ、オ゛ォン!?」

●っていう事態の三分前くらい
「とにかくドーンってしておけば問題ないよね!」
「ええ、まずは道を作ってスクラップアンドビルドですわー!」
 帳とリドニアは持ちうる技術を凝らして次から次へとゾンビ達を倒していく。aPhoneじみた石版を手にした者達がいるが、あれが誰ともマッチングできなかった末路である。売り手市場でも買い手がいないと経済は回らないんだぞ。期せずして協力してチャペルの最奥まで突貫する形となった二人は、そのまま鐘に手を添えた。
(きっと誰かを愛すことは無いでしょう。誰かに愛される事は無いでしょう。私は愛する資格を失ったのですから)
「それでも、このベルを鳴らしてくれまして?」
「え? うん、ガーンガーン! って大きく響かせれば縁起もよさそうだよね!」
 リドニアの一瞬の逡巡には気づかず、帳はそのまま鐘を思い切り鳴らした。まず一回。
「やーい独身ぞんび~!」
 旦那様と両手をつなぎ(?!)スキップ気味にバージンロードを歩みながら、澄恋は煽る煽る。怒りの余り迫ってくるゾンビ達はしかし、『旦那様大好き』の一撃によりガンガン次元の狭間に押し潰され消えていく。なんだよこの、なに?
 周囲を腐った血で染めながら、しかし純白のチャペルを怖さぬ工夫をして迫っていく彼女は神秘的ですらあった。そんな三人(?)の前に現れた生き残りの大型ゾンビはしかし、心臓を引き抜かれて無様に転がってしまった。一瞬である。
(過去に地面すらオンナにしてみせたわたしなら、配偶者を一時的にTSさせることなど朝飯前……!)
「汝、悩める時も病める時も共に傍に寄り添い、支え合っていく事を誓いますか? 誓うなら、このベルに祝福の鐘を」
 冥婚じみたことしてバ……になった鬼人種のプロは考えることが違った。彼女は御嫁様と御嫁様と私の三角関係の果に、リドニア介添えのもとで幸福の鐘を鳴らしたのであった。

「行こう、君がくれたペンダントでドレスがZENRAに変わる前に!」
「安心しろ弾正、あんたがそれを大切にしてくれている限り、パンツの安全は保証されている。即ちZENRAは免れるという訳だ。いざとなったら俺が……くっ」
 半裸年頃男性になりかねない呪い(あい)を被った弾正は、放って置いたらバンバンとドレスがやぶけブライダルどころではなくなってしまう。アーマデルは最悪自分が身代わりになれば、と……あーうんなんかすごいなんか。姫騎士的な。そういうのを感じる。
「やるぞ弾正、Cプランだ!」
「分かっているさアーマデル、プランCだな!」
 なお二人の間で「C」の疎通がとれているようでとれていないのだが脇においておこう。
 とはいえ二人の連携は抜群だ。多くは語らずとも違いの攻撃で傷つけ合わぬ程度に距離を取り、弾正が引きつけた個体を互いに蹴散らしていく様は、即席の面々の荒削りな戦いぶりとは違う魅力を感じさせる。そういう辺りで、彼等は多分今個々で最高にイチャついているのである。爆発しろ。
「あぁ、思考を巡らせていたら、尚更腹が立ってきました。この鬱憤は、貴方様方にぶつけさせて頂きます。御容赦を……なんかイイ感じの雰囲気になってる方もおられますしー?」
 ノワールは魔砲や死の舞踏を駆使し、アーマデル達に追いすがるゾンビを蹴散らしていく。その背後で機械的に敵を蹴散らすベテルギウスは、何事か怪しいあれそれを計画している様子。だが本題でもないので脇に。
「たとえ世界がゾンビにまみれて、片割れが生きる屍となり果てても、俺は変わらず共に居て、愛する事を誓おう」
「……どうしたんだ弾正、こんな所で言う事では……チャペルだったな」
 渾身の告白を決めた弾正に、アーマデルはきょとんとした顔を向けた。結婚しろ。速く。

「……で、黒龍様は何やってますの? せっかく鳴らしたのにまだかかりますの?」
「というか」
 リドニアの苛立たしげな声に、ベテルギウスは真顔で返す。
「確か当艦達は上から落ちてきたでありますな……であれば、上に穴が見えねばおかしい……なのに何も見えないという事は、蓋がされているという事。であれば……こんな事もあろうかと持って来ていた、この花火を頭上にぶち上げれば破壊できるのでは?」
(天井に向けて盛大にぶちあげたら黒龍殿もスゴイオシリヨワイドラゴンになってしまうのではないか?)
(花火を打ち上げる? しかし上に……あーまぁ、イレギュラーズですし大丈夫でしょう、多分)
 ベテルギウスの提案に、アーマデルとノワールは不吉な予感を覚え止めようとしたが、打開策としては適切(おもしろ)そうなので口を出すのをためらった。
「何故か花火セットを持っていたから盛り上げるようド派手に打ち上げよう! 星夜ボンバーも合わせてキラキラを足して、追加で『夜葬儀鳳花』も上空に向けて撃てば更にキラキラだね! 上が何処まであるのかわからないけど多分そんなに低くないだろうし、何かに当たるとかもきっとないだろうから!
「♪HAKAIせよ! HAKAIせよ! TUBOジェノサイダー黒龍ゥウウ!!」
「イエーイ!! MATUNAGA魂ー!! 何のことかさっぱりですけど!」
 帳、弾正、リドニアは完全に色々理性をふっとばして弾けていた。ゆえに、一同はそのノリにあわせ……ベテルギウスが五号玉の花火を打ち上げたのだった。

●で
「だあらっしゃあああああ!!! ああああああ…………」
 黒龍は汚い悲鳴を上げながらハンマーを振りかぶり、下からの衝撃にあわせ腰を跳ね上げ、砂を登った。そのまま接続部から落下した彼の腰の不安感が何処までのものかは語るまでもないが、なんか色々不思議なことが起きて壺は割れた。
 そして黒龍の腰はしばらく再起不能になった。澄恋は治療しようとしたけど、きったないイモムシみたいに砂の上を這い回る黒龍を見て不覚にもキュンこいてしまったので放置したらしい。
 もうちょっと敬老精神を大事にしてあげなよ。

成否

成功

MVP

オリオン級 弐番艦 ベテルギウス(p3p008833)
宇宙戦艦『ベテルギウス』

状態異常

李 黒龍(p3p010263)[重傷]
二人は情侶?

あとがき

 もうちょっとなんとかならなかったのか……こんな……。

 ※黒龍さんとベテルギウスさんと、まあ数名は称号とかみようね

PAGETOPPAGEBOTTOM