シナリオ詳細
チキチキデスレース、ケイオス・グランプリ!
オープニング
●デスレースとローレット
幻想王国郊外。華やかな王都の街並とはうってかわった荒野の真ん中に、その集団はあった。
エンジンを吹かす野獣のごとき外観のオープンカーにのり、ハンドルを握る筋肉質の男。
鎧の白馬に跨がり槍をかついだ白髪にして長身の騎士。
脚が10本くらい生えてるいみわかんないモンスターの背に跨がった幼女。
不思議な理由で浮いてる巨大な人間の骸骨。
彼らは全員、まったく同じ方向をむいて並んでいた。
車両(?)の上から互いに向け合うのは敵意でありライバル心。
中には挑発的なサインを出して煽るものまでいる始末。そしてそれを、無数のファミリアーや周囲の観客たちが応援やヤジを飛ばして観戦している。
そう、観戦しているのだ。
「ついに始まるようだな。ルール無用のデスレース」
ダークネス クイーン (p3p002874)は腕組みをして笑い、戦闘員の皆さんが担ぐ神輿の上に仁王立ちした。
「第一回ケイオス・グランプリ! 様々な協賛のもと開かれたこの興業レースのルールは極めてシンプル!
より多くの得点を出し! より早くゴールの地点へとたどり着いた者! それが勝利だ! 妨害、戦闘、なんでもあり!」
「その得点(ポイント)というのは?」
オフロードトラックの運転席から腕を出し問いかける夢野 幸潮 (p3p010573)。
それに応えるように戦闘員の皆さんが大きなボードを皆の前に掲げて見せた。
「道中、危険なエリアを通り抜けることになる。その際モンスターを撥ねるなり魔法や拳でどつくなりして倒すことで得点が与えられる。強いモンスターほど高得点だ」
「もっとシンプルに説明してくれ」
開いた窓から頭をかしげた幸潮の水色髪が、さらりと腕をつたって車外へたれる。
フフンと笑ったダークネスクイーンの黒髪もまた、さらりと肩からたれた。
流れる時間は、オープンカー上のマッチョ(最初に映ったあの人)の葉巻から灰のひとかけが落ちる程度だ。男がアッツとか言いながらむき出しの膝を抑えたと同時に、ダークネスクイーンが叫んだ。
「モンスター轢きまくりながらゴールを目指せ! ライバルはブチ倒してOKだ!」
「「なるほど!」」
全人類納得のルールであった。
●背景くらいは語りたい
いきなりこんなものが開かれたことには理由がある。
いや、理由らしきものが後からついてきたというべきかも知れない。
あるひギルド酒場でいつものようにどうかしちゃってた幸潮が、その場にいる人等に向けてデスレースがしてえよおと空っぽになったビールジョッキをテーブルに叩きつけながら言ったところ、同じように空っぽのビールジョッキを叩きつけたギルド長(たぶんれおんだとおもう)が『いいよ』とか軽く言ったことで実現してしまったのである。
ハイルール的なものを色々とクリアして、ひとまず立ち上げられたケイオス・グランプリ実行委員会からの依頼という形でデスレースに参加したローレット・イレギュラーズたち。
彼らに求められたのは自前の乗り物(自力で走れるならそれでも可)を用意して現地に集まることと、デスレースに挑むことのみだ。
参加者はローレット外からも一般公募され、さっきのマッチョや幼女や謎の妖怪みたいなやつまでぞろぞろ参加し、会場はレース開始前から大盛り上がりだ。
自らのマシンへと乗り込み、ダークネスクイーンがにやりと笑う。
「燃えてきたな」
「じゃろ~?」
幸潮もまたにやりと笑い、前方の信号機めいたシグナルランプが点灯しはじめた。
レース開始まで、3――2――1――
- チキチキデスレース、ケイオス・グランプリ!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年05月17日 22時05分
- 参加人数6/6人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 6 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(6人)
リプレイ
●実況と解説
さあ本日も始まりましたチキチキ混沌デスレース。
司会は地の文スミー。解説に天の声さんをおむかえしております。よろしくお願いします。
『よろしくおねがいします(CV荘司哲也)』
天気は良好。日差しも気温も普通ですが所々謎の灼熱ゾーンや豪雪ゾーンがある模様。いつもの混沌世界ですね。
『よくあることですね。パンツが降らないだけマシでしょう』
つまりはレース日よりということでしょう。さあここで選手たちのマシンが出そろったようです。第一回の試合にもかかわらずなぜかベテランや常連を名乗る選手が多数エントリーしております。例えば鉄帝出身ハラマイト選手、マシーンはウルトラダイナマイト。途中途中自爆することで加速する暴れマシンのようです。
『他のレーサーにどう影響するのか楽しみですね』
他にも謎の存在山口さんやザッソーの悪霊、エンジェルいわしブリーダーやパンツ工場長など実に混沌らしいいつものひとたちが揃っております。
『この世界の日常風景ですね』
中でも注目はローレットに所属するイレギュラーズ選手でしょう。
コースの先頭からスタートする『チャンスを活かして』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)選手。マシンはシェヴァリオン。羽根のついた白馬という実に美しい騎乗動物です。ぴかぴかシャボンスプレーも完備することで汚れへの対策も万全のようだ。
『騎士キャラは清潔さでイメージがわかれますからね』
「さあ、今回はルール無用のレースというわけだが、僕は愛馬を連れていくとしよう。僕の愛馬、シェヴァリオンはただの馬ではない。そのことをこの場で知らしめて、このレースに優勝するぞ!」
意気込みも充分のようです。やはり目指すは優勝なのでしょうか。
次に続くのは『白騎士』レイリー=シュタイン(p3p007270)選手。こちらは有名な愛馬ムーンリットナイト。幻想王国ではぬいぐるみがコッソリ発売されるほど有名な馬ですね。
『一緒に描かれることも多いうえレース経験も豊富ですから今回も期待が持てますね』
「レイリー=シュタイン! 只今参上! レースって聞いてやってきたわ!」
やはりレースと聞いて参戦した模様。長音がうっかりダッシュ記号だった時からの付き合いなだけはありますね。
その後ろに続くのは『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)。
フィジカルの強さ(主に握力)で有名な彼ですが今回は一体どのような……おっとこれはワイバーンです。リトルワイバーンに騎乗して参戦しているもよう。
『覇竜帰りのローレット・イレギュラーズは大体持ってる品ですね。世間的にはまだ珍しいはずです』
「全員ぶっ飛ばして駆け抜ければイイんだよね? ヨシ! 行くぞ! オレは風になる!」
拳を突き上げヤル気の姿勢。レースとバトルロワイヤルを勘違いしてそうな発言ですが今回は間違っていません。
『実際他全員を倒せば優勝ですからね。そうしたぶつかり合いも注目のポイントとなるでしょう』
ここで次に――おっとこれはなんということでしょう。ご覧下さい『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)選手のマシンはまさかの小鉢。巨大な小鉢の中にノリア選手自らが横たわっております。
「ルール無用……それは、暴力こそが、評価の、かなめのように見えて……じつは、べつの評価が、あるように、おもえますの。
それは……『盛り上げた奴が偉い』、ですの……つまり、パフォーマンスが、重要ですの!」
分かっている側の発言だ。分かっている上でのマシンチョイスだ!
『分かりすぎていて逆に引きますね。ショーレースという側面をついたこのマシンチョイスで勝つことは難しいですが、注目は当然集まるでしょう。そしてその瞬間を狙って――』
おっとここでノリア選手得意の一発芸『ザ・おさしみ』だ!
小鉢の上で尻尾をアピールし居酒屋のお通しででてくるかのような安心感を与える技だ!
『序盤からかなりの魅せプレイですがスポンサーでもついてるんでしょうか。だとしたら非常に処世術の美味……上手いイレギュラーズですね』
そして次は『敗れた幻想の担い手』夢野 幸潮(p3p010573)選手。
今回のレースを規格したのも彼女だそうですが、マシンはオフロードトラック『ゼトロス』。軍用トラックとのことですがレースには影響しますでしょうか。
『混沌肯定のもとでは小鉢と軍用トラックは平等ですからね。しかし見た目の厳つさがの他のレーサーにプレッシャーを与えることは間違いないでしょう』
ハンドルを握る幸潮も上機嫌のようだ。サングラス越しにカメラへサインを送っていますね。
そしてここでレースに協賛した企業、秘密結社XXXの女総統、『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874)が登場しま――。
『説明しよう!』
天の声さん!?
『ダークネス クイーンのマシンXXX神輿は今日がシフトに入っていた戦闘員の皆さんを動力とした人力神輿である。普段猫カフェや漫画喫茶やファミレスでバイトしている戦闘員たちの足腰から繰り出される底力はどんな人生の悪路も踏破し受験戦争や就職難を乗り越えたスタミナで海も山も乗り越えることだろう。叫べ、Wasshoi!』
天の声さん!?
『ダークネスクイーン選手が挨拶とルールの説明をするようですね』
え、あ、ほんとだ!
えーいまダークネスクイーン選手が壇上へとあがりまして、マイクのテストを終えたところのようです。
「ダークネスクイーンである! ルール説明! 相手の殺害以外の全てを認めるッ! 以上!」
この言葉に観客達の歓声が響いております。期待と興奮が満ちあふれているようです。
『本当に何でもありにできるところが自社出資の強いところですね』
これよりレースが始まります。
実況から完全な地の文モードになりますが、チャンネルはそのまま。
『good lack & good drive. Here we go!(イケボ)』
●レースが始まるぞ
ねずみ色に輝くアスファルト。照りつく太陽を駆け抜けるべく、幸潮は丸形のハンドルを小指から順に握っていく。最後の人差し指を親指とむすぶように強くハンドルを握ると同時に、宙に浮かぶシグナルが青を示した。浅く踏み込んでいたアクセルに力を込め、ギアレバーをドライブモードへとシフトさせ――るかと見せかけてバックモードへ入れた。
「騙されたなっ!」
スタートと同時に妨害を行うとしていた左右の選手が空振りする中、幸潮はペンをとった片手で魔方陣を空中に描画。副次的に力を持った魔方陣が拡大、発光し前方の選手たちを吹き飛ばしていく。
今度こそドライブモードにギアをいれ、押さえ込まれた力を解放するかのように急激に走り出すオフロードトラック。妨害を試みていた選手たちは転倒したままだ。
バックミラーでそれを見た幸潮はフッと口の端だけで笑い更にアクセルペダルを踏みしめる。
直線コースは加速するだけした者の勝ちだ。逃げ切れたならなおのこと。しかし、逃げ切ることを許さない存在が幸潮のミラーへと映り込んできた。
鹿毛の毛並みを躍動させ、加速に加速を重ねる馬の姿である。
いや、馬の姿は後方から迫り、そのままオフロードトラックのそれを追い抜いていった。
「さぁ、最初から飛ばしていくわよ!みんな、追いつけるもなら追いついてみなさい!」
馬上で器用にバランスをとり身を低くしたレイリーが吠え、後方へ意識をむける。
幸潮のトラックの更に後ろ。やけに背の低い箱形の自動車が追従していた。車輪はキャタピラによって繋がり、凄まじい速度で回るキャタピラがアスファルトを削るいきおいで噛む。
そして車体の中央から伸びているのは、あろうことか大砲であった。
「ちょっと待って、戦車じゃないあれ!?」
目を見開くレイリー。すかさず放たれる大砲。
腕のアームドコンテナを緊急展開し盾を出現させたレイリーはそれを傾斜させて砲弾を受けきるが、馬がその踏ん張りに耐えきるにはスピードが乗りすぎていた。
大きく傾くレイリーとムーンリットナイト。
「耐えてリット! この程度――」
レイリーは更に突撃槍を展開すると地面を削るようにして突きつけて体勢を維持。追い抜こうと横を抜ける戦車へと馬上から飛んだ。着地。と同時に槍を突き立てる。戦車の装甲をレイリーの槍が貫き、凄まじい火花が散った。
がくがくと蛇行をはじめ、ついにはコースアウトしていく戦車。ボンッという破裂音を背にして走るレイリーたち……の頭上をイグナートのワイバーンが飛行し抜けていった。
「お先に!」
いや、彼だけではない。彼と並んで飛行する巨大な大鷲。その背に乗る身長30センチほどの二足歩行カエルがマキモノを口にくわえ、何かの印をきった。
両者前方に放り投げられた煙玉が激しい煙を広げ、中から無数の鴉が出現しワイバーンへと襲いかかる。
ぎょっとしてスピードをおとそうとするワイバーンだが、イグナートはその背をポンっと叩いて優しくそして勇ましく言った。
「大丈夫。オレたちを止められやしないよ」
イグナートは背負っていたジェットパックを起動。ワイバーンの背から飛び上がると、鴉たちめがけて目にもとまらぬ打撃のラッシュを叩き込んだ。
脚と拳の乱打が鴉たちを瞬く間に撃墜。ストンとワイバーンの背に戻ったイグナートとシューヴェルトの馬が横並びとなった。
「「――ッ!」」
両者にらみ合うように視線を交わし、そして同時に加速。
そんな彼らの前に現れたのはモンスターの群れであった。フォードウルフという体長2m近い狼型モンスター種で、当たり前に人を食うことで知られている……が、今更人食い狼ごときに臆するシューヴェルトたちではない。
シューヴェルトは厄刀『魔応』の柄に手をかけると、すらりと鮮血の如く赤い刃を抜き放った。
いや、抜き放ったように見えた。
彼がそのような動作を始めた時には既に、牙を剥き白馬シェヴァリオンへ襲いかからんとするフォードウルフの一体を通り抜けており、赤い一本の閃きがあった。刀は既に抜かれており、シューヴェルトはその刃を見せつけるかのように周囲のフォードウルフたちへと煌めかせる。
倒れた個体がリーダーだったのだろうか。力量さを察したフォードウルフたちが怯えたように散っていく。
「次は誰だ」
「オレダァ!」
この緊迫した場面でカタカナでしゃべり出したのはそう、肌色青緑の小柄な亜人型モンスター……。
「オレたちの名はゴツゴウゴブリン! 都合良く現れ都合良く襲いかかグワーーーー!?」
造形が描写されたかと思った矢先に巨大な小鉢に轢かれた。
因みに踏み潰して突っ切るのが轢くで勢いよく突き飛ばして転がすのが撥ねるなので間違えないようにしようね。
「人身事故・ザ・おさしみ! ――ですの!」
ゴツボウゴブリンを新手のネギトロに変えたのはノリアの『おいしい海鮮小鉢』号であった。
尻尾をぴしゃーんとやって謎のウォーター推進システムを動かすと急回転を初める。
「なんだあの回転は!」
「武器か!?」
「罠か!?」
「いや――」
ゴツゴウゴブリンの皆さんが都合良く反応する一方で、ノリアがぴーんと尻尾を掲げた。
そのさまはまさしく回転寿司に言ったときぼーっと見てたら急にめにとまって手に取る皿のそれ。気付いたらそればっかりとっててそろそろ別のとろうかなって直接注文用のメニューを開いてるのにうっかりまたとって気付いたらそれだけでおなかいっぱいになってるときのヤツである。
「「ハッ!?」」
それは戦場のゴツゴウゴブリンの皆さんとて例外ではない。
気付いたらノリアのおいしい海鮮小鉢号へ吸い寄せられるかのように集まり、全員せーのでノリアへ飛び込んでいた。
「かかりましたの!」
(高速回転しながら)目をキラーンとひからせるノリア。直後に群がるゴツゴウゴブリン。皆でボコボコに殴ってる時に出るあの謎の煙が吹き出しぼこすか音が鳴る中で、ノリアはなぜかキリッとした顔で解説を続けた。
「暴力に飢えた、観客の皆さんは、こういうアクシデントを、望んでますの! わたしを、むさぼり食えば、なお注目ですの!」
とか言いながら、ノリアはスッて取り出したデカい水道の蛇口みたいなものをゴツゴウゴブリンの皆さんへと翳した。
経験したことはあろうか。回転寿司に言って「あれ、水道がついてる」つってうっかり素手でボタンをおしちゃったことが。あれマジで火傷のあとが残るんだよ。左手真っ赤になったよ。
「ア゛アアアアアアン!?」
それを頭からくらったゴツゴウゴブリンが悲鳴をあげ、そのそばからとげとげに変化した謎のウォーター推進システムがゴブリンへ突き刺さる。その様子に観客達はポップコーン片手に大盛り上がりだった。
そして……。
「フ、フフフフフ……」
ダークネスクイーン神輿(名前なんだっけ)がはるか最後尾を走っていた。
担いでいた戦闘員の皆さんは最初こそワッショイワッショイしていたものの、途中からバテにバテはじめ今ではスーツの下からだばだば汗が流れていた。
一方のダークネスクイーンはといえば、神輿よる不安定な上下運動で早くも三半規管をやられ、途中からのぐでんぐでんした動きに胃までやられていた。
『神輿でわっしょいすれば胸も揺れて観客大盛り上がりじゃん』くらいの軽い気持ちで作ったことを早くも後悔しているダークネスクイーンである。
「ゴールが先か綺麗な虹が如き物を噴射するのが先か……勝負だな!」
もう勝負の相手が自分自身になってる総統であった。
そんな総統を取り囲むのは……。
「オレの名はカバディゴブリぐわーーーーー!?」
造形すら説明されないカバディゴブリンの皆さんが突然の超・世界征服砲によって吹き飛んだ。
「ええい邪魔だ! 貴様トイレに駆け込もうとしてる人を捕まえてアンケートを求めるクチかぁ!?」
ゆ゛る゛さ゛ん゛! て叫ぶとダークネスクイーンはゴブリンにマウントとってから総統パンチの限りを尽くすと、なんかすっきりしたのか神輿に戻って仁王立ちした。
「しかし先頭から随分と離されすぎてしまったようだな……こうなれば奥の手よ」
ダークネスクイーンは悪役三段笑いをしながら神輿を展開。
戦闘員の皆さんを違法セグウェイに乗せると自らの神輿を接続した。
「驚天動地!パンドラフィニッシュ!(世界征服version!)」
後方に向けて放たれた虹色のなんかすごいビームで推進力を得たダークネスクイーン神輿が他の選手達を蹴散らしながら凄いスピードでゴールへと突き進んでいく。
「何!?」
驚いたのは幸潮である。直撃を受け車体が崩壊。爆発するトラック――の荷台が突如開き、車輪の輝く大型バイクが飛び出した。その名も『現に映る天の流星』。
「第二のマシンを隠していただと!?」
「カッコいいだろ。コレこそがうちの新しいアシだぜい」
負けじと加速をかけるダークネスクイーン。
回転しながらぐったりとしたノリアがその横に並び、ワイバーンを羽ばたかせるイグナートとその頭上に。
レイリーのムーンリットナイトとシューヴェルトのシェヴァリオンが横並びになって追いつき、最後の直線でデッドヒートを繰り広げ――た所で、ノリアのおいしい海鮮小鉢号が突如として爆発四散した。
「ああああああああ!」
飛び散る謎の水がダークネスクイーンたちへ思い切りぶつかり、次々にクラッシュアウト。
そして最後に残ったのは……。
「……はっ、生きてる!」
『ゼピュロスの息吹』を握りしめていたイグナートだった。
ゴールラインの直前でうつ伏せに倒れていた彼は、その腕をプルプルさせながら伸ばし……そしてがくりと力尽きた。ゴールラインを、きりながら。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
ケイオスレースはこれにて終了です! 皆さん、ごきげんよう!
GMコメント
●おーだー?
ルール無用のデスレースが始まります
ライバルたちを蹴落としモンスターをブチ轢いて荒野の先にあるゴール地点を目指しましょう。
途中いろんな場所を通りますが総合してどうかしちゃった絵になるのは確実なので、あえて細かいルールは定めません。
楽しんでくれ! 細かいところはどうにかするから!
●マシンの選択
冒頭に示したように何をどうしても可! レギュレーション無し!
どうせ混沌肯定がかかるのでモンスタートラックと馬と三輪車がちゃんとデッドヒートしてくれるでしょう。
●ライバルからの妨害
ローレット・イレギュラーズは組織レベルで世界的に知名度が高いので、他のレーサーたちから結構ねらわれています。
なので他のPC(ローレット・イレギュラーズ)を攻撃するよりはローレット外のレーサーたちを迎撃したりむしろ積極的に狩っていったりしたほうが効果は高そうです。
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