PandoraPartyProject

シナリオ詳細

爆転ニギリ! SUSHIダンジョン!

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●想像力を三段階に求めるパート
「ヘイラッシャイ!」
 突然だがご想像いただきたい! 浅黒くでっぷりしたオークことゴリョウ・クートン (p3p002081)がねじりハチマキをして寿司をキュッと握り、トロ寿司二貫をそっと皿に載せてベルトコンベアへ置く様を。
「ヘイラッシャアア!」
 更にご想像いただきたい! 1m半くらいあるデカいコウテイペンギンことジョージ・キングマン (p3p007332)がねじりハチマキをしてあのペンギンハンドでベッて寿司を握り、魚肉ハンバーグ寿司二貫をダァンて皿に叩きつけてからベギャッてベルトコンベアにたたき込む様を。
「シャラセッセースァ!!」
 トドメにご想像できるものならしてみやがれぃ! デカい黒わんこ(狼)こと日車・迅 (p3p007500)がねじりハチマキをしてラーメンを網でザアッて湯切りしてからどんぶりに麺とスープをバッシャアして具材を肉球ハンドでドーンして最後にどんぶりもろともベルトコンベアにバーンするさまを!
 そしてその全てがベルトコンベアでぐおんぐおん流れる中を、なんかスリムなゴーレムの皆さんがスッて取っては寿司を口に運び、お手元の点数プレートを掲げる様を。
 そう、ここは海洋王国は東、『静寂の青』にて発見された未開のSUSHIダンジョン。
 攻略チームは……あなただ!

●食欲をかきたてるパート
 丸椅子に腰掛け、ポットに入った温かい御茶を湯飲みへと注ぐ。
 いつの間にか目の前に置かれていたおしぼりで手を拭きつつ、目をはしらせると、目の前に流れているのは無数の寿司であった。
 ベルトコンベアによってゆっくりと移動するそれは、大トロやイカ、タコや炙りサーモンといったものから始まりカルフォルニアロールやハンバーグ、チーズケーキやラーメンに至るまで流れるというグローバルかつフリーダムな回転寿司であった。
 そんな中でやっぱり手に取るのはトロの寿司。オーソドックスかつポピュラー。皿から一貫だけとり、上に乗ったネタの端へわさび醤油を僅かにつけて口へと運ぶ。
 香るのはわさびと醤油に混じってトロの新鮮な香りである。確かにあるはずの酢飯の香りは、慣れたのだろうかあまり感じない。
 ほんのりとだけ温かく、そして適度な温度に保たれた寿司は口内でかみちぎられ、酢飯とトロの混じり合う豊かな感触があったかと思うとパッと風味が広がっていく。
 わさびは想像したよりもきつくなく、むしろ味わいだけを深く感じさながらトロのよい味わいだけを届けてくれる清涼感となっていた。
「そう、これがSUSHI……」
 ゴリョウ・クートン (p3p002081)たちはそれぞれ寿司を食い、満足げに頷いて振り返る。
「今から行くSUSHIダンジョンは……食材の調達からSUSHIの握りまでを一貫して求められるダンジョンだ。覚悟はいいかい?」

 それでは説明しよう。
 SUSHIダンジョンは二つのエリアに分かれている。
 まず入るのが『海ゾーン』。ここには鮪やイカ、タコといった生物がどれも通常よりずっと巨大な状態で生息しており、どれも魔法や謎の体術を使いこちらに戦いを挑んでくるのだ。
 鮪ロケット頭突きやタコラッシュ、イカスミスプラッシュハリケーンなど多彩な技を繰り出す彼らを倒すのは一苦労となるだろう。
 しかも、あなたは『あなたの狙ったエモノを倒す』というミッションがここでは課せられることになるのだ。
 なぜなら、この後に控えている『寿司ゾーン』は回転寿司屋を摸した古代遺跡でできている。
 客席を含むフロアにはゴーレムたちが着席し、点数パネルを持って待ち構えているのだ。何を待っているのかと言えば……そう! あなたの握る寿司をである!
「前半の海ゾーンで食材をとり、後半の寿司ゾーンで寿司を握る。この二つがセットとなっているのがこのSUSHIダンジョンなのだ」
 眼鏡をクイッとさせたジョージに迅も同じように眼鏡(ないけど)をクイッとさせて言った。
「ゴーレムたちから高得点を出せればダンジョンは攻略完了となります。腕に覚えのある方、料理に強いかた……是非この攻略作戦にご参加下さい! よろしくお願いします!」

GMコメント

●SUSHIダンジョン
 皆さんでこのダンジョンを攻略します
 端的に言うと、海で食材をゲットして寿司屋でそれを握ります

・海ゾーン
 鮪やイカといった様々な食材がモンスターとして泳いでいるゾーンです。
 彼らと戦い、望みの食材をゲットしましょう。
 食材のとりすぎや無益な殺生はSDGs的によくないらしいので必要な食材だけを狙っていきましょう。
 基本的には「俺は鮪を狙うぜ!」て感じでタイマンはりに行くのが基本ですが、誰かと連携して初めて真価が発揮されるヒーラーやタンク職といった方は、チームで協力して臨んだ食材をゲットしにいきましょう。

 あと基本的に水中戦闘になりますが、水中戦闘装備を持っていないかたは海洋調査隊から装備を貸してもらえるので戦闘が可能です。あんまり気にせずガッと行きましょう。

・寿司ゾーン
 ゲットした食材を使って寿司を握ります。
 OPの文章で察したかもしれませんが、寿司といいつつハンバーグやラーメンを流してもOKです。寿司っていうのは……自由なんだとおもう。トラックでも流さない限りは。
 また、食材自体は外からの持ち込みがOKです。たまに自分を食材にするツワモノがいるらしいですが、今回もOKです!

  • 爆転ニギリ! SUSHIダンジョン!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年05月13日 22時10分
  • 参加人数6/6人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
※参加確定済み※
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
※参加確定済み※
日車・迅(p3p007500)
疾風迅狼
※参加確定済み※
リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
花でいっぱいの
マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)
想光を紡ぐ
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者

リプレイ

●SUSHIダンジョン!
「ヘイ!」
「ラッ!」
「シェイ!」
 寿司を握るフォームで三人の男達が振り返った。
 腰をくいっとひねって効果線を背負うその姿に、『想光を紡ぐ』マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)が頬にひとつぶの汗を流す。
「これが……SUSHIダンジョンへ挑む男達の姿なのですね」
「えっそういうテンションなの今日?」
 デフォルメした姿であたりめはむはむしていた『( ‘ᾥ’ )』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)が覗き込むように振り返る。
 袋から食用( ‘ᾥ’ )を取り出すとモッモッモて食べ始める。
「ほえでひょうはどーうーおひごほ――」
「食べるか喋るかどちらかにしてください」
「ンゴッグ」
 一瞬で飲み込んでいつもの顔になったリコリスが瞬きをする。
「話は聞かせて貰ったんだけどさ、今日はどういうお仕事なんだっけ? 寿司食べたらいいの?」
「絶対話を聞いていなかったでしょう……」
 マグタレーナはフウと息をつくと、さっきからヘイラッシェイの姿勢のまま止まっている三人組をさししめした。
「今から皆さんでSUSHIダンジョンに挑むのですよ。食材となる魚を自らの手で倒してとり、調理してゴーレム審査員に食べさせるのです」
「ナンデェ!?」
「なんでと言われましても……!」
「話は聞かせて貰ったわ!」
 バーンと扉を開き『パンケーキで許す』秦・鈴花(p3p010358)が現れた。
「新鮮な魚料理が食べられるのよね!?」
「なんで皆さん自信満々に話を聞いてないんですか?」
 目を瞑り頬に汗を流すというひとつだけの表情パターンで全部返すマグタレーナ。
 鈴花はむふーんと口をオメガ型にすると、回想でもするように目を閉じた。
 ていうか実際回想シーンにいった。
「フリアノンは地底にあるから魚の味もイマイチだったのよ。昔はあれが普通だと思ってたけど、海洋王国や練達にいって驚いたわ。まさか魚を生食する文化があるなんて……しかも、恐ろしいほど美味しく……」
 さっきから回想シーンがモノ食ってるシーンしかない。
 鈴花は両手をわきわきとさせながら両目を開いた。
「もうだめ我慢できないわ! 世界平和とかそういうのいいから早くお寿司食べたい!」
「本音に至るまでが秒なんよ(byリコリス)」
「食材を入手し、美味しいSUSHIを握る世にも不思議なダンジョンですね!
 寿司聖ゴリョウ殿や魚と言えば海洋生まれのジョージ殿がいらっしゃるのが頼もしい限りですが、せっかくですから僕も皆さんに美味しいと言ってもらえるよう頑張って握ろうと思います。鈴花殿たちが作るパンケーキ等々もとても楽しみですね!」
「うわ急に喋った!」
 さっきのポーズのままずっと固まってるのかと思った『疾風迅狼』日車・迅(p3p007500)が喋り出したせいでリコリスがビクッてなった。
「魚なら、任せてもらおう! 寿司は拘れば職人。そうでなくとも、魚を捌けば手軽に食せる。
 こうして、皆で握るというのも中々無い機会だ。皆の寿司も楽しみだ。さぁ、今日は全力で握らせてもらおう!」
「うわこっちも喋った!」
 同じく喋り出した『絶海』ジョージ・キングマン(p3p007332)にリコリスはウワアって顔で震えだした。
「どうした。俺たちがリプレイ終了時までずっとこのポーズで固まっていると思っていたのか」
 コウテイペンギンフォームになって未だ残ってる眼鏡を手(あのペンギンハンド)でくいってやるジョージ。
 黒犬(狼)フォームになって吠えまくる迅。
「ワンワン! ワンワンワン!」
「獣になった途端人間性失うの恐怖なんよ(byリコリス)」
「…………」
 『寿司聖』ゴリョウ・クートン(p3p002081)が最初のポーズのままかたまり、スマイルを浮かべた顔にだらだらと汗を流し始めた。
「しまった……俺にはそういうネタがねえ……豚に変身するスキルいまからとってくるぜ!」
「落ち着いて! そんなスキルないわよ!」
 ダッて走り出したゴリョウを後ろから羽交い締めにする鈴花。
「そんなことより寿司作って! 寿司!」
「ハッ! そうだった! 全国の子供達が待ってる!」
「全国の子供達は待ってないけどアタシは待ちわびてるわ!」
「そうときまれば――」
 ゴリョウは両目をカァッて開くとねじりハチマキをしめなおし、流れるようにクラウチングスタート姿勢をとった。
「食材をとるぜ!!!!!!!!」
 走り出すゴリョウ。
 目の前にある巨大プールにむけ、飛び込み台を踏み込み三回の宙返りをしたのち美しい飛び込みフォームでプールへと着水した。
 そう、さっきまで言わなかったが……既にここはSUSHIダンジョンの中だったのだ!

●食材は己の手で掴め
 章は区切ったけどシーンはそのまま。着水姿勢のままプール深くへと潜り込んだゴリョウは、その身を一度くるんと丸め体育座り姿勢となると、突如として両手両足を広げX字の姿勢をとって満面の笑みを浮かべた。
「ザ・招惹誘導!」
 今までずっと描写がふんわりしてきた招惹誘導の発動シーンだ! 今までずっとこうやってきたのか!? そんなわけがあるか!
「過去のリプレイを読み返すたびにゴリョウがこのポーズで招惹誘導してると想像してみよう。人生がちょっと楽しくなるゾ」
 リコリスが( ‘ᾥ’ )て顔で後ろからスライドアウトしてきた。
 頭の上にのってた食用の( ‘ᾥ’ )がしばらく同じ顔していたが、シュッてどこかに逃げ出していく。
「俺の狙いはマグロだ。オメェさんはなんだい」
「サーモン!!!!!!!!!!!」
「元気でよろしい」
 ゴリョウはぶははと笑って腹を叩――いた瞬間横からマグロにドッて突進された。
 あの、マグロって至近距離で見たことあるかな。日本の水族館にマグロがずっと回遊してる水槽の中央が休憩室になってるっていうイカれたところがあるんだけど、至近距離でみるとけっこうヤられそうなでかさと顔してるんだマグロって。
「お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
 マグロの泳ぐスピードとパワーに思いっきり振り回され続けるゴリョウ。腹がなんかぺこっと歪んで顔もなんか水圧にやられていた。
「誰か! 誰かはやくマグロを撃てェ!」
「お任せください」
 マグタレーナが頬にひとつぶの汗を流しながらヨイショってロケットランチャーを担いだ。
 万能すぎないかその表情。あとどこから出たロケラン。
 身をぐっと低くかがめてなぜか片足だけをやけに横に広く伸ばした謎のフォームで構えたロケランから魔法のTBG-7Vサーモバリック弾を発射すると魔法のロケット噴射によって推進力を得た弾が魔法の接触により魔法の爆発がおきディスペアー・ブルーが炸裂した。
 そうかディスペアー・ブルーってロケット弾だったんだね。そんなわけがあるか。
「過去のリプレイを読み返すたびにディスペアー・ブルーがロケランだと想像してみよう。人生がちょっと楽しくなるゾ」
 プールからちゃぷって顔だけ出したリコリス。ついでにゴリョウとマグロ。
 魔法で目を回したマグロをヘッドロックみたいにして確保し、ゴリョウがじゃぶじゃぶプールから上がってくる。
「で、サーモンはいたの? アタシ、イクラも食べたいわ」
「うん、いたいた」
 リコリスがここだよって言って自分の下を指さした。
 どれどれといって鈴花と迅が覗き込む。
 と、リコリスの下半身を巨大なサーモンが食っていた。もう腰までいかれていた。
「食われる側になってる!!!!」
「リコリス殿そのまま!」
 迅が上着をバッて脱いで女子垂涎の引き締まったボディを見せつけると頭からプールに飛び込んだ。
 飛び込んでからカラテの構えを取ると、もんのすげー勢いでサーモンのボディを殴りまくる。
 ゲハァとリコリスを吐き出すサーモン。垂直発射されるリコリス。
 落ちてきたリコリスを、鈴花が片腕でキャッチした。
「ていうか遠距離型なのになんで自分からプール飛び込んだのよ」
「ウケるかなかって思って」
「ウケに命まで賭けないで」
 あとよろしく! て言いながら後ろにリコリスを放り投げると、鈴花も助走をつけてプールへダイブ――したかと思うと鈴花ドロップキックがサーモンの顔面に炸裂した。
 リコリスが今は戦闘シーンだとあとで裁判で主張できるように二丁拳銃を取り出してぴすぴす撃ちまくり、サーモンは最終的に迅と鈴花によってプールから掲げられた。セイッつってプールサイドへ放り投げられる。
「これでトロとサーモンはゲットよ! あとは……」
「イカ」
 ジョージが眼鏡をキラッて光らせた。
 褌一丁(+ねじりハチマキ+眼鏡)のジョージが巨大なイカを担いで立っていた。
「その身のみならず、ゲソ、耳と、それだけで食感の違いも楽しめるイカは、外せない」
「もうとってる!」
「今日は戦じゃない。狩りであり、調理だ!」
 トゥッて言いながらイカをおろしてプールへ再度飛び込むと、ジョージを狙って襲いかかる巨大なホタテモンスターにジョージドリルドロップキックを炸裂させた。どういう技かはアニメ版でご覧頂きたい。
 更にプールサイドへとびだし巨大な出刃包丁を担ぐと、おいといたイカをだごんだごん斬り始める。
「使える食材を取り出していけ! 鮮度が保たれているうちに調理にうつるぞ!」
 イカの使える部分を切り出し、カートに乗せるとジョージは猛烈な速度で両開きの扉をバーンてひらいた。
 そこは……そう、SUSHIダンジョン第二のフロア。寿司ゾーンの調理室だったのだ!

●寿司食べたい!
「ぶはははッ、食材現地調達後に料理作って他人(ヒト)に食わせるか!いつも通りだな!」
 ゴリョウは今日一番の顔で厨房に立った。
 ひらいたおひつに炊き上がった米が湯気を立て、適度に温度と酢を調節されたシャリとなったそれを、ゴリョウは繊細な手付きで素早く取り上げる。
 かたわらには一口サイズに切り分けられたばかりのマグロの切り身。
「シャリはゴリョウ米、ネタはいまとってきたばかりのマグロ……完璧な布陣だぜ」
 いつかネット販売されると巷で噂のゴリョウ米と鮪でつくられた王道の握り寿司。
 それらが小さな皿に載せられスッと流れるさまを、迅がじっと見つめていた。
「どうした、握り方をしりてぇのかい」
「はい! ゴリョウ殿!」
 迅の手は既に寿司の型を成していた。
 それを見て、小さく頷くゴリョウ。
 迅の型をそっと掴むと、やさしく下ろした。
「そんなに身体に力を入れるもんじゃねえ。疲れや緊張は寿司にのるぜ。リラックスだ」
「な、なるほど……」
 ゴリョウのレッスンを受けながら迅はとったばかりのサーモンをスライスしていた。
 作ろうとしているのは巻物と軍艦である。
「ネタはなんだ?」
「干瓢、かっぱ、鉄火巻。あとサラダ巻にも挑戦したいですね」
 挑戦はいいことだ。ゴリョウはそういって包丁を置くと、同じようにやってみろと言って鮪の寿司を握り始めた。
 それをまねつつ、サーモンの寿司を作り上げる迅。
 丁寧に成形し、かつ素早く皿へと届ける。手は予め冷やしておき、そんな状態でも正確に動くように指の動きは身体に覚えさせていた。
 流れてゆく寿司。ゴーレムはそれを一皿ずつとり、その横にフツーに座って居た鈴花も皿をとった。
 全員で寿司を口に運び。数秒。
 目を閉じ……一斉にバッと10点のプレートを掲げた。(鈴花も)
「今日は来て良かったわ!」
「未だ終わってないぞ」
 ジョージがそう言いながらイカの三種盛りを更に整えると、それをコンベアへと流した。
 それだけではない。
 予め一緒に作っておいたシジミのお吸い物を加え、横に立っていたリコリスへちらっと合図の視線を送る。
「『炙り』……入ります」
 チャッと両手に翳したピストルの銃口は( ‘ᾥ’ )のカタチのついた焼き印になっていた。
 中央のあのなんていうの名前のわかんない文字の所からヴォーっと炎が噴き出し、ジョージのイカや迅のサーモンを綺麗に炙っていく。
 最後に( ‘ᾥ’ )のカタチの焼き印を卵焼きに押すと、それを更に添えてコンベアへと流し始める。
 コンベアが流れてくる客席(?)では、マグタレーナが丁寧に入れた御茶を一人ずつに配っていた。
「次はイカの三種盛り、炙りサーモン、炙りイカ。しじみ汁を添えてとなっております」
 トンッと湯飲みを置くマグダレーナに礼を言い、鈴花たちは湯飲みに口をつける。
 そしてそれぞれのメニューを口にし……黙ってスッと10点の札を掲げた。
「これは、お返しをしなくちゃいけないわね」
「鈴花さん……もしや、『あれ』を?」
 マグタレーナの閉じた目がキラリと光った。なんで閉じたままひかったのかはしらない。
 鈴花は立ち上がり厨房へと向かうと、予め作っておいた生地をアツアツの鉄板へと流し始めた。
「海洋王国の粋を尽くした寿司……見事だったわ。だからアタシも全力で応えさせて貰う。そのメニューは……パンケーキよ!」
 カッと目を見開き最新の注意をはらって焼かれたパンケーキは綺麗なきつね色となり、そこへパワー(腕力)できめ細かく泡立てたホイップクリームを添えていく。
 更にフルーツを盛り合わせたのちチョコレートソースで鈴花の角のカタチを描き出し、皿の端の飾りとした。
「……完璧な出来映えね」
 スッと流したベルトコンベア。
 一皿ずつとったゴーレムは一旦皿を写メってから適度に切り分けて口へと運び……。
「オォウ」
 笑顔(?)を浮かべながら10点の札を一斉に掲げた。

●ゴチソウサマデシタ
 攻略を完了したイレギュラーズたち。
 SUSHIダンジョンを出る鈴花の両脇にはペンギンジョージとデフォルメされたリコリスが抱えられていた。
「お土産も手に入ったし、今日は完璧ね!」
「鈴花さん、それはお土産のマスコットではありません」
 いつもの顔で後ろにつづくマグタレーナ。手にはイカスミソフトクリーム。
 迅とゴリョウもダンジョンを出ると、晴れ渡る空をみあげた。
「今日も……いいメシが作れたな!」
「はい!」
「だが……まだ俺たちは満足してない。そうじゃないか?」
 小脇に抱えられたまま、ジョージがキラリと眼鏡を光らせた。
 ハッと振り返るリコリス。
「それは……まさか……」
「寿司、食いに行こうぜ!」
 サムズアップジョージ。
 その場の全員が、一斉に賛成のサムズアップをとった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete

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