PandoraPartyProject

シナリオ詳細

シアエナガ

完了

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オープニング

●まっしろいもふもふ
 まっしろいもふもふは今日も昨日も明日も、あなたの隣で鳴いています。ぴぃぴぃ、ピヨピヨと愉し気な音であなたを誘っているのでしょう。
 まっしろいもふもふはしっかりと、あなたの存在を認識しています。心に浸透するような、とても可愛らしい姿形であなたを誘っているのでしょう。
 まっしろいもふもふはお腹を空かせています、あなたの隣でねだるのでしょう。ぐずぐずと吐き散らかした、あの蛆虫が柔らかくて良いですね。
 まっしろいもふもふはもう限界だと、あなたの腸をつついています。おいしい、おいしい、おいしいな。食糧を恵んでくれてありがとう。
 まっしろいもふもふ。
 まっしろいもふもふ。
 まっしろいもふもふ――。
 それは半透明な身体をしています、眼球に映したならば、成程、ふわふわな鳥とも考えられるでしょう。蟾蜍のような本性を隠してたくさんのお肉を捕食します。ほら、こんなにも魅力的な存在、他にはないでしょう。クスクス、クスクス、クスクスクス。
 伸縮自在の触手がホイップクリームを啜りました、立つ鳥は跡を濁しません。暗い、暗い、とても真っ暗いスクリーンへと化け物がとけて往きました。
 まっしろいもふもふ。
 まっしろいもふもふ。
 まっしろい――。

●イニシャルN
「やあ、やあ、待っていたよ、特異運命座標、イレギュラーズ諸君。何? ここはネクストじゃないのかって? その通りさ、ボクは確かにNPCで君達はPCさ。おっと、自己紹介がまだだったね。ボクは『N』さ。ただの一般人だとも」
 N、と名乗った存在はケラケラと、なれなれしく君の肩を叩いた。ぐるりと見渡せば、嗚呼、しっかりと伝承だ。煉瓦造りの建築物や他諸々、見慣れた光景が広がっている。
「早速今回の依頼なんだけどね。ええっと、ボクが飼っているシマエナガが逃げちゃったんだ。しかもたくさん。これを回収してくれないかな? 報酬ははずむよ」
 シマエナガ。現実の混沌でも確認されている鳥類だ。領地を持っているイレギュラーズならばよく見かけるだろう。食糧を恵んでやると喜んでくれる愛いやつだ。
「それじゃあ期待しているよ。頑張ってね」

NMコメント

 にゃあらです。
 可愛いよね、シマエナガ。

●伝承
 混沌世界で言う幻想。
 あなたは『そう』認識しています。

●目標
 ■■■■■の回収。
 シマエナガだよ、かわいいね。

●N
 一般人です。
 一般人なんだって。

●シマエナガ
 Nのペットです。たくさんいます。
 決して見ないでください。
 決して聞かないでください。
 決して触れないでください。
 ――理解してはいけません。

●特殊ルール
 あなたはシマエナガがシアエナガだと理解する事が出来ます。
 理解した場合デスカウントが増えます。

●サンプルプレイング
「可愛いシマエナガだね。さあ、僕のところにおいで」
 おいしいお肉を与えて回収します。
 さっき売店で買ったんだ、新鮮なやつをね。
「かわいいなぁ」

「いや、待て、これが本当に『シマエナガ』だってのか?」
 くそ、アイツ俺を喰おうとしてるじゃねぇか。
 こうなったら抗ってやる。
 この攻撃を喰らいやがれ、畜生!

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
 『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • シアエナガ完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ラリー(QT)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年05月07日 21時30分
  • 章数1章
  • 総採用数3人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

きうりん(p3x008356)
雑草魂

 死んだところで死にはしないと世界が蔓延っている。その傷にエモーショナルを塗り込んでくれないか、食べ頃だと謂えよう。
 生え散らかしたでぇ根のような面でもしていたのか、奇妙なものを視る『目』でシマエナガが寄ってきた。こっちへぴぃぴぃあっちへぴぃぴぃ、可愛らしい輪郭はぐにゃりと這入り混むのだろう。ほうら、きうりだよ。そっちの果肉は瑞々しいに違いない。おいで、おいでと手招きすればきうりん、瞬く間にもふもふ塊か。
 シマエナガ。それは万人を魅了する愛らしいナマモノ。シアエナガ。それは万人を蠱惑する名状し難いもの。そうとも、きうりで一本釣りする事は容易かったのだ。ああ、かわいい。もふもふかわいい。スゥ――ハァ。頭なでなでしてごらん、いや、頭どこだ。
 でんでんムシャムシャ蝸牛、オマエの人差し何処にある。もふもふの捕食器官からこんにちは。あっ――そういう感じね。成程、成程。だいたい厭んのイニシャルの垂れ流したシナリオだ、狂っていてもおかしくはない。いいよ、召し上がれ!
 きうりを食べる時は咀嚼しなければならない、唾液で溶かすのは邪道だとシアエナガは理解していた。ごりり、ぽりぽり、塩気がないけど上質だ。舌喰い雀が歓び踊っている――あ~……身体が先か言の葉が先か、丸呑みとはまた別の感覚が細胞を鏖た。
 やけに愛らしい半透明が蛙の真似をしている。
 ギラ憑いた赤と緑の目玉がオマエの内側啜りとった。
 君は無い。

成否

成功

状態異常
きうりん(p3x008356)[死亡]
雑草魂

第1章 第2節

エイル・サカヅキ(p3x004400)
???のアバター

 保健室の隅っこ、ふんわりと置かれたベッドのようだった。しこたま酩酊しての参戦だ、周囲の混沌には気付けていないのだろう。酒気を孕んだ呼吸は僅か右か左にズレている――お? おー、ふわもこ――エイル・サカヅキはとりぴっぴが大好きだ。かわいーし少しだけミケランジェロに似ている。ピアスにしたり鞄に付けたりするのも良さそうだ。ぴぃぴぃ響いてきた頭の中、ぐわんと揺れるのはスピリッツの所為か。
 兎にも角にもスクショ祭りだ、いつメン連れてバズりへの道なき道、嗚々、その人海戦術はまるで濁流する絵文字か。真っ黒ギャルな誰かさんが嬉しそうな悲鳴をあげた。お、見つけたっぽい。しかしどしたん色を失ってぶくぶくと喧しい。
 エナガっちは自由になりたいお年頃だと謂うのに、如何にもシアエナガだと主張している。そんな事よりもふもふやばい。そのおめめは思っていた以上にキャンディだ。先程から耳朶をつつく鳴き声もぴよぴよ、ぴ、P、y……? ずるりと剥がれ、融けた羽毛の裏側、とっても蟾蜍の臭いだ可愛いね……目、目は? 赤と緑の単眼か複眼か双眸か――こんな『もの』だったっけ? ひらりと散った常識、侵された幻想。
 彼方側からの誘いとでも表現すべきだ、聞こえていた筈の鳴き声も遠くへ遠くへ投げ込まれる。いや、浸透している『これ』が音なのだ。振盪している眼中にドアップしたシアエナガ――いやいやわけわからんけどこれ――あ、理解っちった。

成否

成功

状態異常
エイル・サカヅキ(p3x004400)[死亡]
???のアバター

第1章 第3節

メネロー(p3x010430)
レオナのアバター

 四度目の願い事は禁忌ではないのか、伽藍洞に成り果てたランプを埃が舐っている。ふわふわと遊び始めたのは砂漠に潜む蜘蛛に違いなく、成程、白い粒を三つほど食めば異次元の視界だ。シマエナガってあの可愛らしいもふっもふした子でしょー? 幻想が暢気に中てられれば家探し子探し、幾等でも啜れるような柔らかさだ。そんなかわいい子ちゃんと見てみたいもの! 嗚呼、茫々たるかな、暗渠には魔性が棲んでいる。
 この子かあの子か、品定めしながらグー・チョキ・パーと作るが好い。どの子かはきっとシマエナガ。ちゅんちゅんと鳴き始めた太陽がひどく近い――あれってシマエナガじゃなくてシアエナガでは? 蟾蜍の成分がぐじゅぐじゅと滲みだして美味い、夢いっぱいに詰め込まれた冒涜的副産物――何それ、輪郭が定められなくなって眩暈、とても変。
 そんな奇怪は傍らに置いて戯れの時間だ。こっちにおいで、こっちだよ、甘そうなお肉に蠱惑的なジュース、ああ、ふわっふわしてて可愛い――顔が埋もれる、貌に埋もれる、何でこんな液体が綿毛みたいに思えているのか。乱立する疑問符に一滴の真理、溢れだすオマエへの神意――ま、いっか。ぶちゅりと開いたおめめ、色々咲いて綺麗だな。
 シアエナガ。シアエナガ。シアエナガ。
 母性を刺激し、食べられたいが加速する。
 シアエナガ。シアエナガ。
 メネローが撹拌され、終には理解へと到達する。
 シアエナガシアエナガシアエナガ。

成否

成功

状態異常
メネロー(p3x010430)[死亡]
レオナのアバター

第1章 第4節

 シマエナガ――シアエナガはひとつと成り、Nの内側へと還っていく。
 ありがとう、彼等も楽しかったって言ってるよ、特異運命座標。
 蟾蜍じみた鳴き声と粘つく臭気が幻想として満たされる。
 まっしろいもふもふ、また遊んでね。

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