PandoraPartyProject

シナリオ詳細

怪卿鳴鳥伝ウグイス

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ホーホケキョとか優雅に鳴く余裕を与えると思うか? オラッ「ケキョケキョ」って啼け!
 ある朝、ポポポーポ・ポーポポ(p3p009187)は目が覚めるとウグイスになっていた。
「ケキョ? ……おっと取り乱してしまいましたな。この色はまさしくウグイス。見事な鶯色の羽根でありますな。さて顔立ちは」
 何でかわからないけどこの(元)鳩人間は体躯はかわらず羽根とかその辺だけがウグイスになっていた。確かにウグイスの鳴き声聞くと春限定のバーガー食いたくなるし隣に引っ越してきた人の名字が山田じゃないかとそわそわする。ウグイスになりたいと思ったようなそうでないような。ポーポポは鏡を見た。
「……メジロじゃねぇかッ!」
 はいストップストップ。デザイナーの彩色ミスだよ。

●(Take2)ホーホケ(略)
 ある朝、ホホホーホ・ホーケキョ(p3p009187)は鳩になった夢をみた。
 嘘じゃないもん前世は鳩だったもん。
 なんだか体がとても軽い。昨日の夜はよく眠れたみたいだ。
(はて、ワタクシはなにを……そうそう、近所で仲の良いウグイス夫妻に雇われて延々卵を温めながら日に千回くらい鳴く仕事の初日でありましたな)
 毛づくろいをした彼は鳥類特有の首の巡らせ方をしてから、巣を飛び立った――

 そして一歩踏み出したそこは修羅の国、おっと違った修羅の森だった。

 あたりから聞こえるのはウグイス同士の警戒ボイス。托卵クソ鳥ホトトギスの羽音。猛禽の鳴き声に餌となる虫の羽音。
 そういえば勤め先になる夫妻のところに行く道ってどっちだったっけ。メジロの巣と間違えたりオスウグイスの不倫のダシにされないかしら。
 ありとあらゆる可能性がホーケキョの思考を埋めるがそうはいっても頼まれちゃあ仕方がない。
 まずは襲われないように注意しつつウグイス夫妻の巣にたどり着き、近付く外敵に警告しつつクソ鳥ホトトギスは全力で排除して卵が孵る前にクールに去る。
 これで万事うまく行くはずである。まあきっと他にもウグイスとかメジロとか色々居ると思うのだが、ホーケキョはもう悩まなかった。
「ククク……すっかり騙されておるな。これが儂の生み出した夢の世界だと知らず……!」
 そんな感じで周囲を飛び回る野鳥達を木陰から見つめるのは、首に双眼鏡を携えて( 'ᾥ' )って顔をする半裸中年男性の姿であった。
 全裸はこの季節大変だからね(1週間ぶり2度目)。

●で、結局どういうことなのよ?
 妖怪「春が来ることを許さない半裸中年男性」。春告鳥こと鶯を心から憎みバードウォッチングと称して狩り尽くして長い冬を豊穣にもたらそうとするとんでもねえやつだ。
 ローレット・イレギュラーズはそいつの処理というか討伐を頼まれて豊穣の森の中に意気揚々と乗り込んだんだけどどうやら彼は催眠針をあちこちにしかけて眠らせるように仕向け、以て夢の中に入り込んで鶯ロールプレイをさせ、イレギュラーズを相争わせて消耗させて夢で取り殺そうとしているようだ。滅茶苦茶遠回りじゃん。
「だが……神使のなかにも気骨ある者はいるらしい。おとなしく鶯にならず別の鳥になったりするとは……だが問題ない、この夢から脱するにはクソ托卵鳥金のホトトギスを倒さねば戻れぬ仕組みよ……!」
 多分それ、すぐ見つかってボコされるフラグだと思うんスよね。

GMコメント

 半年かけて大きな企画を終えた虚脱感でシナリオはしばらく休養(イ)っかなって思ってた私は扉を殴りかかってきたノックの音に目を覚ました。
 そして窓から投げ込まれた新聞宜しく飛び込んできたリクエスト文を見て「寝た子を起こすな」ってこういうことかぁって思いました。
 よくもネタの権化の精神みたいな部分を起こしたな。

●成功条件
「春(中略)半裸中年男性」をブン殴って倒す

●(略)半裸中年男性
 ウグイスとして金のホトトギスをどさくさに紛れてぶっ倒して夢から目覚めます。ガッて殴ります。死にます。
 こいつがマガツ妖怪ってマ?

●鶯の夢
 OPのとおり、なんか名前がウグイスっぽく改変されることがあります。
 皆さんは鶯です(鉄の掟)。
 でもごく1~2名くらい猛禽になってたりするかもしれません。役割はOPでホーケキョ、じゃなかったポーポポさんがやってくれましたね。
 ホトトギスを絶対に許すな。
 なおプレイングで各自ウグイスネームを名乗ろうな。源氏名? なんのことやら。

●金のホトトギス
 既婚者は托卵って言葉にすげぇ敏感になっちまうんだ。アイツ許せねえよ。

●具体的には
 ウグイスとして周囲を警戒しつつ何故か他所様の夫婦の卵を温めるお前と、
 生まれてきそうなひな鳥に上げる餌を探し回って猛禽から逃げ回るお前と、
 ウグイスを敢えて避けつつホトトギスブッ刺しにいく猛禽のお前らと、
 まあそういうRPを全力でやって満足したら金のホトトギスを全滅させます。卵も残すな。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 怪卿鳴鳥伝ウグイス完了
  • GM名ふみの
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年04月02日 22時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
ウロ ウロ(p3p008610)
虚虚実実
八重 慧(p3p008813)
歪角ノ夜叉
ポポポーポ・ポーポポ(p3p009187)
平和の象徴
※参加確定済み※
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー
物部 支佐手(p3p009422)
黒蛇
アルハ・オーグ・アルハット(p3p010355)
名高きアルハットの裔
標・預安(p3p010378)
悩める子竜

リプレイ

●まともなウグイス居なくねえか?
「ピー、チュルチュルチュチュチュピーィ!!」
 森の中に響き渡る警戒のさえずり。もうちょっと「ピー」「チュル」「ピピピ」の3通りの発生を細かく組み合わせたアレなのだが、まあ兎に角これはヒバリの鳴き声である。
 その名はラーク・セティラハ(p3p000684)。抱卵は頼まれてないけどなんかウグイスとヒバリの巣の周りで警戒する鳴き声を鳴らせばいいというのは承知していた。ヒバリでいいのかって? そりゃあ妄想、夢の世界なんだから融通利かないほうが一方的でズルくね? ってもんよ。
(ヒバリだって立派な春告鳥だ、俺はヒバリ……ヒバリなんだ……!)
 なんか何にでも噛みつきそうなヒバリだな、これ。
「ホーゥ、ホーゥ( 'ᾥ' )……ケキョ。鶯音・フクロウ・狩担、です……よろケキョ。みゃー」
 もうこいつなんなんだよ。どの鳥種なんだよ。鶯音・フクロウ・狩担(p3p009413)はあっちにふらふらこっちにフラフラ、昼の森の中でやや動きが鈍かった。なお、彼は『自分をウグイスだと勘違いしているフクロウ』らしい。夜行性のくせに無茶しやがって。フラフラと飛ぶ様は完全に色々終わってる感アリアリなんだが、大丈夫らしい。何がだよ。ネコ混じってんじゃねえか。
(あ……なれるんだったら強くてきれいな鳥がいいなあ、オオワシとかハイタカとか。猛禽枠あるよね、僕猛禽だよね? 男子だし……いや待てよ猛禽ってこう……もっとこう……なんかこれ……あれ……可愛くされるの……せめてオスで……え、メスですかはいわかりましたそういう……そういう路線ですか僕……。幼妻って声が脳裏に……)
 夢に落ちるなか、その少年はせめてもの祈りを捧げた。男としてちゃんと、猛禽枠をゲットしたいと願った。……のだが彼の生来の外見的魅力がいけなかった。女性性を交えたその美貌は、夢の世界ではどうやらオスとしてにんしきされなかったらしく――。
「ホーホケッ……キョッ……」
 エマニエル・ホケキョ(p3p010378)は気付けば卵を抱いていた。悩ましいメスの鳴き声(メスが鳴かないとかいうロジハラはNG)を上げつつ何某かの卵を愛情込めて抱く様はなんとも言えない「「「「色気」」」」を感じさせる。でもエマニエルって名前で大体分かる通り碌なオチが待ってないんだよね。
「ついにわらわは憧れのリアルウィングをてにいれたぞ!」
 ――ん? 憧れ? わらわは元からこの姿であったではないか。アルハ・オーグ・アル九ッ鳥(p3p010355)は手に入れた翼に喜び勇んで飛び回っていた。九ッ鳥で「ハット」ってまた随分面白い呼び方するんだね。正気大丈夫?
「仕事……はて、なんだっかなあ……三歩、三歩前までは覚えておったのだが。ホントだぞ?」
 鶏じゃねえんだからなんで3歩で忘れるんだよそれ「鳥頭」じゃなくて「鶏頭」の思考じゃないのか、脳のサイズ? 夢で何いってんだオメー。
 ともあれ、メスウグイスであるところのアルハは何処かへと飛び去って警戒を続けるのだった……。
(鳴かぬなら、鳴いて見せようホトトギス! ――フッ、気づきゃあ簡単なことじゃったな。必要なのは冷酷さでも、知恵でも、忍耐強さでもない。自分自身が、ホトトギスになることじゃったんじゃ)
 キンカン(p3p009422)はかつて異世界の偉人たちがホトトギスを引き合いに出し己のスタンスを語ったことを思い出し、自らホトトギスとして振る舞えば天下泰平に持っていけるのではないかと思った(のかは定かではない)。でもその名前絶対三日天下で終わる奴だよね。
「これはホトトギスではなく、ウグイス? 彩色ミスですらない、と? ど、どういうことじゃ。わしの天下統一はどうなってしまうんですか、先生!」
 三日天下どころか三歩天下だったキンカンは、ナリから彩色からまるで違うウグイスになって何故ホトトギスになれたと勘違いしたのだろう。あと先生て誰だよ。
 キンカンは夢の世界とはいえ、起きてしまった事実を全く理解できないままにばっさばっさと飛んでいく。オォーイ抱卵の仕事はどうしたァ!?
「ホーホケキョケキョッ! コーニチワッ! コンゴウインコウグイスノケーチャンダヨ!」
 瑠璃金剛鸚哥(ルリコンゴウインコ)の鶯重(うぐしげ)ケーチャン(p3p008813)はバッサバッサと大きな翼をはためかせ、極彩色の身をこれでもかとアピりながら飛び回っていた。最早ウグイスでも猛禽枠ですらない。ここまでブッ飛んだやつが突如として豊穣の森(仮称)に現れたら生態系が滅茶苦茶なのだが、さきの5人も大概なので大差ないと思われる。
「ツメスルドイ! クチバシブキ! ジッシツモウキン!
 エッウグイス? ジャァナキゴエホケキョ! ジッシツウグイス!」
 『実質』ってのたまっときゃごまかせるな? それでいこう! みたいなノリでゴリ押ししてくんのやめろ。なお、こんなナリで雛に対する誠意みたいなものは備わっているのか、何処かへと飛び去っていった。多分餌を探しに。……ルリコンゴウインコの雛に?
「うん、よ~く寝たね。春だから縄張りの見回りしないとね」
 ケキョ ケキョ(p3p008610)は冬に冬眠的なノリで寝入るより、春のうたた寝をこそ喜んでいた。だからだろう、長らく寝てすっきりした思考で己の役割を果たすべく飛び立つ。まあこのナリは完全にメジロなんだけど。メジロ以外のなにものでもないんだけど。大丈夫なのかこれ本当に。
「ホ~~~~ホキョケッ」
 全然ダメそうだった。ウグイスを模すな、持ち味をイカせ。
「さあ可愛い可愛い卵達よ、その身を任せなさい。ワタクシの羽毛でクレバーに抱いて差し上げますよ」
 ばっさばっさと羽根をはためかせ、ウグイスの巣に抱卵のバイトに訪れたホホホーホ・ホーケキョ(p3p009187)はリテイクを経て己をウグイスとして完全に定義しているがゆえに、その役目を見誤ることはなかった。――そう、彼の役目は抱卵である。警戒やなんやかやは他に任せればいいのだ。すべての卵は新しい命として生まれるためにあるのだ――。
「ってこれ無精卵じゃないですか!! ︎とっととスーパーに並んで来なさい! 今ならまだ新鮮なので買い手がつきますぞ!!」
 無精卵を一発で見破ったホーケキョであるが、この出来事はこれから始まる長い長い抱卵の戦い、その最初のページでしかないことを思い知ることとなる。

 いや好き勝手されすぎて導入5割なのマジでどうなってんだよ。

●役割というものは何処に
「オイシソウナカジツ! エッウグイスノエサハムシ……カジツモオイシイカラ! モンダイナイ!」
(笑うて下さい。平安京で呑気にピヨピヨ鳴いているのがお似合いの、この無様な姿を。掲げる理想も、成し遂げる力もない。天下とは、これ程までに遠いもんでしたか……)
 奇妙な鳴き声をあげるケーチャンを背景に、天下布武を成し遂げんとノリ気だったキンカンにその面影はまるで残されておらず、絶望に包まれたその鳴き声は鶯と呼ぶには余りにアレであった。そんな彼の眼前を一般通過ホトトギスが飛べばどうなるだろうか? 決まっている、間違った理解を覚えるに違いないのだ。
「下剋上は世の習い! おんしを倒して、わしがホトトギスになる! ……あっあっ、あんな所に美味そうな木の実が……身体が勝手に吸い寄せられて……」
 成り代わっても鶯は鶯なのだがキンカン頭だけにそれは理解できなかったらしい。ふらふらと木の実に吸い寄せられたキンカンは、そのまま毒の実をついばんで夢の中で命を落としてしまった。しんでしまうとはんさけない。
「托卵……『たくらん』……つまりホトトギス等は何かを『たくらん』でいる。たくらんどる……托卵鳥(たくらんどり)。ホトトギス滅すべし慈悲はない」
 鶯音はホトトギスの托卵については詳しくなかったが、それらの害悪ぶりがよりはっきりと『理解』できた。フクロウなので眠いはずだが知ったことではない。今しがた眼下を飛ぶホトトギスに舞い降りると、その鉤爪で一羽のメスホトトギスの首根を引き裂いてしまった。ヤダ怖い……。
『アルハ……アルハや……。迷ったらなんでもビームしておしまい………』
「誰だ貴様ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
 アルハの回想に割り込んで現れた謎の老婆(とり)は、本来の意識に残された親族とは似ても似つかなかった。亜竜種に似た鳥がいてたまるか。それはそれとして鳥であっても言うことに大差なかったので彼女はとりビームを……いや鳥がビーム出すなよ。鳥種の違いはギリギリセーフだけどビーム撃っちゃだめだろ。世界の摂理を見出したのでアルハはここで退場です。たりめーだろセトリが狂うし巣が巻き添え食らうわ。
「あっオニーサンこんにちは~~卵、美味しそ~~~~だね、丸呑み……あれ?? いやいや気のせいかも、あっ梅の花!! 蜜!! 美味しそう!!」
「美味しそう!? 何を言っているでありますか、アッこの卵はいいですぞ不法占拠よろしく置いてあったホトトギスの卵ですぞ!」
 いくつかの巣を回ってツッコミ入れまくっていたホーケキョは、ケキョのド不穏な言葉に思わず身構えてしまった。なおケキョは次の瞬間には梅にとびついていたので事なきを得た。得たのだけど不穏にもほどがある。
「どうも、ワタクシ抱卵業者のホホホーホ・ホーホケキョと申します。此度はお宅のお卵様をクレバーに……ってここメジロの巣じゃねえか!!」
 ホーケキョは飛び込んだ先の巣で慇懃な挨拶をしようとして、間違いに思わずツッコミを入れてしまった。メジロはびっくりして彼を追い出した。当たり前だよ。
「ケキョケキョケキョケキョケキョ……」
 と、そこに飛び込んでくるケキョの無駄にうまい鳴き声。これは多分、ホトトギス発見の報だろう。
(ん? でっかい鳥の声がする! ヤバい! 隠れなきゃ!)
「……いやなんで俺が隠れる必要があるんだよ俺は最強のとりさんだぜ? ヒバリは最強。間違いない」
 ラークはつよいヒバリを自称していたため、悠々自適に空を飛び回っていた。だが、突如聞こえた警戒ボイスに思わず草むらへと隠れかけ、自分がヒバリとして最強という謎の自信(さくご)を取り戻し、空へ飛び立つ。ヒバリはつよい、最強。だからホトトギスは倒す。OKこれで十分だ。
「ナワバリトエサバアラスホトトギスセンメツ! ジヒナイ! ホケギャーッ!」
 自信を取り戻したラークだったが、いざホトトギスに飛びかかろうとした先に現れたのはケーチャンだった。その嘴の強度は一級品だけあって金のホトトギスをがっしりつかむと宙に持ち上げ、一気に地面に叩き落とす。うわぁエグい。「ペッペッ」とか血を吐き出す動作もヤバい。怖い。
「……ケキョッホーゥ! 狩ったからには食べなきゃ……金なら1羽、銀なら……?」
 鶯音はよくわからんことをつぶやいたが、誰も聞いちゃいなかった。というかこれ以上は色々とまずい気がした。

 その頃。
「僕はロマンティックラブを信じてるんだ! そんな乱れた愛とか間違いから起こったむらむら、似ていない子に夫以外の面影を見つけて思わず昼下がりに奥さんが駆け出してくようなそんなそんな、そんな世界は知りたくなかったんだ、女抱いた数だけ強くなれるよだなんて兄さんの声なんて聞かなかったんだ!! 卵丸いよ! 思わず抱いちゃうよ! なんか抱いていると体が暖かくて……っ」
 エマニエルは托卵されているという事実に何故か興奮していた。お前卵であれば何でも良いのかよ! そんなみだらな姿に育てた覚えはありませんよ! 育ててないけど!

●夢から醒めたら半裸中年男性がいたのでシバくしかねえ
「ん……おはよう?」
「なんだとぉ!? あの夢から醒める奴がいたというのか!」
「……ぬこぽー( 'ᾥ' )」
 鶯音、じゃなかった祝音は起き抜けに驚き後ずさった半裸中年男性目掛けガッてしに迫った。ぬこぽーってなんやねん。
「オーーーーッポッポッポッポッポ!! 因果オーポーでございますぞ!! オーーーーーーーーーッポッポッポッポッポッポッポ!!」
「なにやらわからぬがとりあえず魔☆砲☆発☆射~~~~~~~~~~♪♪♡♪♪♪♪♡♪♡♡♪♡♡♡♪」
 凄まじく極彩色の魔砲をぶっ放すアルハ。というか突如として飛来し羽根でガッてしにいくポーポポの勢いたるや溜め込んだ鬱憤を晴らそうとする意思が強い。あまりにも強い。大丈夫なのかこれ。
(一度抱いた卵を壊すのは胸が痛むけど、今度は僕の卵として生まれてきておくれ。君が生まれるまで何度でも産むよ!)
 預安は夢の余韻だろうか、それとも夢でブッ潰したホトトギスの卵に罪悪感があったのか。性的倒錯を胸に懐き中年男性に魔砲を叩き込んだ彼の顔はそれはもう清々しいものであった。
「 あああ!! あああああ!!!! ウオラアアアアア!!!!!」
 ケーチャンこと慧はガバっと起き上がると、そのままの勢いで中年男性に殴りかかる。もはや虫の息のそいつに改めて攻撃する必要性があるかは別として、まあやっぱそいつは恥をかかせたクソ野郎なのである。
「ホトトギス信者は死ね!」
「な~んというか……ボク蛇なのに小鳥ムーブさせられたの……ちょ~~っと何とな~く腹が立ってるから」
 卵生のカイトにとって托卵は許されざる話であり、ウロにとってメジロ扱いされたことはそこはかとなく遺憾だったらしい。一発で二人の地雷を踏み抜いた中年男性は、銃床打撃で繰り返し顔を殴られ内側に凹む勢いとなっていた。これじゃあ前が見えねェが、もう前も後ろも見えなくたって死ぬだけだから構いやしねぇな!
「天下布武の夢……儚いもんでしたの」
 そもそもウグイスの身で鳴いてみせようとか言い出したって天下はその手になかったわけだが、支佐手はそんな現実はなんのその。仲間達がボッコボコにした中年男性の姿に諸行無常を強く覚えたのだった。
 儚き鶯の夢に巻き込まれた一同はなんとか現実に戻り、憎き半裸中年男性を打ち倒すことに成功した。
 これでマガツ妖怪の野望を破り、豊穣の地はほんの少し平和に近づいた……ってことでいいんだろうか?

成否

成功

MVP

標・預安(p3p010378)
悩める子竜

状態異常

物部 支佐手(p3p009422)[重傷]
黒蛇
アルハ・オーグ・アルハット(p3p010355)[重傷]
名高きアルハットの裔

あとがき

 シナリオ出してから終始一貫して「なんでこんなもん書いてんだろうな俺」ってなりました。我が子のかわいい声が聞こえなかったら発狂してた。
 MVPのあなたはそろそろ男だということを思い出してください。頼むから。

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