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シナリオ詳細

助けてください! FBが高すぎて飛行機が墜落するかもしれないんです!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●本当にFBが高すぎて
「俺、明日生きて帰って来れるかな」
 妻に聞こえぬ小さな声でそう呟いたのは以前、イレギュラーズの介入でカノジョとのデートや結婚式の介護をしてもらい晴れて既婚者となった青年男性。
 結婚式ならいざ知らず、デートすら介護なんて過保護すぎと思うかもしれないが、そこには致し方ない理由があった。
「飛行機が墜落したらどうしよう。それを乗り越えても変な人に絡まれるかもしれない」
 飛行機に乗って事故死する可能性は限りなく低く、心配が杞憂に終わることの方が多い筈なのだが、この青年――“FBが阿保ほど高く、何をやっても失敗する青年”の場合、墜落して事故死する可能性の方が高かった。
 そんな馬鹿な話があって堪るかと言いたくなる話だが、デート先で隕石すら落ちてくる程の不運に見舞われた男なのだから油断ならない。
「あらあなた、まだ起きてたの? 楽しみで眠れないのも良いけれど、そろそろ寝なさいね」
「ああ、すまん……もう少ししたらそっちに行くよ」
 ふとトイレに起きてきた最愛の妻が少し心配するように青年へ声をかけるが、青年は未だに自分が如何に不幸であるか打ち明けることができていない。言ったところで信じてもらえないだろうし、明日の新婚旅行をキャンセルすることは叶わないだろう。
「(俺が死ぬだけなら良いんだ。でもアイツが同じ目に遭うのは……)」
 青年はそんな度し難い気持ちに苦虫を噛み潰したような顔になりながら携帯電話を手に取り、とある番号に電話をかけるのだった。

●FBは1残すなら0にしろ
「覚えてるか? 運が悪すぎるアイツのこと」
 混沌世界においてFBにまつわる論争が終わることはない。妥協しても良いという意見、残さず潰せという意見、むしろマイナス振り切って限界まで減らせと様々な意見が出ていると思うが、それがもし日常に絡んでくるとしたらどうか。
「察しは付いてるかもしれないが、久しぶりにその青年から依頼が届いてる。
 内容は新婚旅行に行くから、妻が自分の不運に巻き込まれないよう見守っておいてほしいとのことだ」
 おさらいするが、依頼主の青年は恋愛において容姿端麗、正確も優しく落としどころのない男性なのだが、冒頭の通り『運の悪さ』に悩まされているという話である。にわかに信じがたいが、混沌世界に置き換えてみればその運の悪さFB80超え。新婚旅行に海外へ行こうものなら生きて帰って来れるかさえ確かなものではない。
「旅行のスケジュールを受け取ってあるから、それを参考に二人のフォローを入れてやってほしい。コイツを助けれるのはお前らしかいねぇ、頼んだぜ!」

NMコメント

 どうも。牡丹雪です。
 飛行機に乗って事故死する確率は0.0009%なの知ってます?
 ともあれ今回も困ってるらしいので助けてあげてくださいね!

●目標【新婚旅行を成功で終わらせる】
 新郎からの依頼は妻を守ってほしいとの一言でしたが、気を利かせた境界案内人が書き換えた内容が目標になります。
 出来るだけ目立たないように、起こりそうな不幸を阻止してあげてください。

・旅行のスケジュール

 ①飛行機に乗って地中海のリゾート地へ
 (※運が悪く、青年が心配した事態に陥るかもしれません)
 ↓
 ②目的地着。荷物をホテルに置いて、綺麗な海で海水浴
 (※B級映画みたいな、そんなシチュエーションになるかもしれません)
 ↓
 ③遊覧船で優雅に食事をしながら景色を楽しむ
 (※Once more you open the door……)
 ↓
 ④現地で打ち上げられる花火を見る
 (※想定外のトラブルが起きるかもしれません)

※PL情報
 基本的にプレイングに起きる不幸が書かれていた場合はそれが起きます。
 時々プレイングに書かれているよりも不幸なことが起きることもあります。
 不幸が思いつかない場合は目的に書かれている不幸をそのまま記載して構いません。

●NPC
 ・新郎になった青年
  今回の依頼主なのでイレギュラーズの存在は知っています。
  FB80超えが足を引っ張り何もうまくいかない青年です。
  根は優しく真面目で落としどころのない青年ではあるのですが……。

 ・新婦の娘
  夫である青年の不運にいつも振り回されている可愛らしい娘。
  青年の不運は多少知っていますが、これまでイレギュラーズが介入してることを知らない為、飛行機が墜ちる程ではないだろうと思っています。

●サンプルプレイング
 以下はプレイングの参考程度にしていただけたらと思います。

 例)もしかしたら海水浴場に〇〇が潜んでるかもしれない!
   海に潜って先に〇〇を蹴散らしておこう!

●関連シナリオ
 当シナリオは以下のシナリオの続きに当たります。
 1話完結ですので確認必須ではありませんが、気になる方はご確認頂けますと幸いです。

『結婚するのにFB値が高くてもなんとかなると思います!』
 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/4986

●アドリブについて
 このシナリオは予期せぬFB、アドリブが多めに含まれる場合があります。
 NGの場合は予めその趣旨を記載頂けますと幸いです。

 それではFB80の威力、とくとご覧あれ!

  • 助けてください! FBが高すぎて飛行機が墜落するかもしれないんです!完了
  • NM名牡丹雪
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年03月03日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ダナンディール=アーディ=シェーシャ(p3p001765)
はらぺこフレンズ
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
出オチちゃん(p3p010131)
また死んでおられるぞ
ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)
ラッキージュート

リプレイ

●言え!! そのFBで何しに来た!?
「もう何も言うことは無い。この季節にイチャイチャする奴はそのまま飛行機ごと爆発しちまえ――というのは簡単だが、そうなったら今までの苦労が徒労に終わっちまうからなぁ……」
 今まで影ながら新郎たちを助けていた『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は、グラオ・クローネにこんな仕事を押し付けられたことを恨めしそうにしながら呟いた。
 フライトは既に始まっている。早朝出立し、時差含めて朝到着予定なのだから、飛行機の外は夕暮れにも似た薄暗さと日の出の光が覗かせている。
「ねえ、彼そもそもヒコーキに乗せていいのかな?」
 真剣に新郎を心配している様子の『はらぺこフレンズ』ダナンディール=アーディ=シェーシャ(p3p001765)は、これまでの彼を知っている世界に問いかける。
 隕石を落としたことすらある新郎を見ていた世界は “さぁな”、としか答えることができなかった。ハッキリ言えるのは、この状態で何かトラブルに遭遇し、自分達が何もフォローを入れなければあの二人は死ぬだろうとだけ。
「なら頑張ってフォローしてあげなきゃだね」
 曇りのないダナンディールの意思に世界はどこか後ろめたさを感じつつも、世界は軽く相槌を返し、機長席に向かった彼女を見送った。

 ――アテンションプリーズ、アテンションプリーズ、今日も×空港×便をご利用くださいましてありがとうございます。――シートベルトは腰の低い位置でしっかりとお締めください。この飛行機の飛行時間はザザ、分をザザ……ザ……。

「全員、両手をゆっくりと上げて後頭部に付けろ」
 はい、早速トラブル発生。
 ま、まさか乗った飛行機がハイジャックされるなんて誰が予想したんだ!
「いいか、騒ぐ奴がいれば殺す。機長がいうことを聞かなければ一人ずつ殺す」
 ハイジャック犯は全員で三人、全員覆面を被って銃器を乗客に向けていた。
 依頼人の青年といえば、それはもう顔面汗まみれでこの世の終わりのような青ざめた表情をしている。このハイジャック犯もきっとこの青年のせい――
「ちょっとまっごっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 遮るようにハイジャック犯の前に現れて突如吐血した娘、『消費期限10秒系女子高生』出オチちゃん(p3p010131)。
 説明しよう、出オチちゃんとは! 今はもう亡き伝説のカースド武器『でんせつのまけん』を携えたハイパーハイスクールガール(超ネイティブ)。FB112という重い制約を背負いながら驚異のCT102を確立した――え、FB112? ねえ、FBとCTは重なるとFBの方が優先されるって知ってる? もしかしてハイジャック犯が来たのって――
「私の話を聞いて下さい、ハイジャックさん! え、この出血ですか?
 ちょっとそういう装備してるだけなのでお気になさらず!
 それよりも……この私特製の血袋をどうぞ! 出来たてですよ!
 さぁこれを売り捌いてこんな事は――」
 はい、十秒経ちました。
 なんと不運な事か、出オチちゃんとハイジャック犯がいた床が突然抜け落ちて真っ逆さまに落ちていった。ボッシュートになります。
「え、何今の、え……」
「気にしたら負けだな、多分」
 
●今時B級鮫映画でもそんなベタな展開ないゾ
 所変わって海水浴場。
 あの後飛行機はなんやかんやあって無事に着陸したし、新婚の二人も無事に目的地へ辿り着くことはできた。細かいことは気にしちゃいけない。
「どんなにヤベーくらい不幸でも今日だけはラッキーだぜ青年!
 何しろ豪運な俺がツイてる、無事に一日過ごせるようにしようじゃねーの!」
 意気込み十分の『幸運の引鉄』ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)が海に向かって叫ぶが……すみません、この場のFBは既に200超えてるんですどう考えても助かりません。
「海は恐らくサメだな。サメが空を舞ったり頭を増やしたりして襲ってくるんだろう知ってる」
 勘のいいお兄さんは嫌いだよ。
 既に全て察してチェーンソーを吹かしてる世界お兄さんはこうだ。
「ちょっと、そこのチェーンソー持ってるお兄さん」
「おう」
「最近物騒な事件とか増えててねぇ?」
「おう?」
「そんな物騒なモノ持って、向こうでちょっとお話しようか」
「ちょっと待て、俺は不審者とかじゃねぇ! やめ、HA☆NA☆SE!」
 彼は不運にも海にいた警察の人に職質され連れていかれてしまった。
 仕方がないので当初予定していたタイトル『鮫と眼鏡と竜と』を『鮫vs竜』に変更しよう。なに、ストーリーに大きな変更は無いさ。
「で、集まった鮫は誰が討伐するんだ?」
 ジュートがギフトで発生させた匂いは、鮫にとって血の臭いに感じたのだろう。
 鮫は彼を取り囲むように集まってきたが、それを討伐する筈だった世界は職質で連れていかれていない。
「私ですっ!」
 真打登場、現れた救世主――鮫の中にすっぽり納まった出オチちゃん。今度は不運にも十秒も貰えなかったらしい。
「ちょ、何で既に喰われてんだよおおおおおおおお!!!」

●CT積もればFBとなる
「はー、ハードな護衛で疲れてきた。ちょっと甲板で休ませてくれよ」
 ジュートが大きなため息を吐きながら、風が心地よい甲板に座り込む。
 新婚たちは客船の中でディナーの予定だったが、実は既にハプニングと遭遇しつつあった。

「これおいしーねえ……」
 その原因は肉厚なハンバーグを頬張る彼女、ダナンディール――といっても別に悪気があるわけではない。ちょっと厨房の料理を毒見しすぎて、新婚たちが食べる分まで食べつくしてしまっただけである。
 そう、もしかしたらこれを食べて新婚たちが中っていたかもしれないと考えれば、彼女は大きな仕事をしたことに違いない。むしろ命を守ってあげているのだから感謝をされるべき行為なのだ。
 彼女が夢中で料理を頬張っていると、不意に船がぐらりと揺れた。
「うわっとっと、危ない危ない」
 宙を舞う料理を口で、落ちそうになった皿を間一髪尻尾でキャッチ。
 何事かと思いつつ食事(毒見)を再開しようとしたダナンディールは、ここでようやく厨房の違和感に気付いた。
「そういえばコックさんたち、皆どこ行っちゃったんだろう?」

「おいおい、素人目に見てもこれはヤバいんじゃねぇのか?」
 船は余程のことがない限り沈んだりしない。特に海の上を進むために出来ているのだから、過積載とか整備不良とか明確な原因がない限り早々沈んだりはしない。
 しかし目の前の光景を見て同じような事が言える状況ではなかった。
 渦を巻くように流れる渦潮。船体の何十倍もあるだろう巨大な渦に捕まった船は、流れに沿いながらゆっくりと中央へ引きずり込まれつつあった。
「クルーは何してやが――」
 甲板から船内に戻ろうと振り向いたジュートは遠くにいくつか救命ボートが浮かんでるのが見えた。乗組員と思われる人たちが必死にオールを漕いで、渦潮から離れるように進んでいる。
「何乗客見捨てて逃げてんだアイツらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
 逃げた乗組員に対する怒り半分、このまま行けば本当に沈没してしまう焦り半分にジュートは急いで操舵室へ向おうとするが、そこにも彼女は現れた。
「私の出番みたいですね! 任せてください!」
「ちょ、おい、余計なこと――」
 自信満々に登場した出オチちゃんがジュートの制止を振り切り海へ飛び込んだ。
「あっ、武器が重っ、ゴボボボボボボボ……」
 そして沈んでいった。
「……」
「今回、俺たちの方が不運に苦しめられてないか?」
 唖然としてしまったジュートを後目に現れた世界は甚く疲れたような表情を浮かべていたが、ため息交じりに水の精霊へ沈んでいった出オチちゃんの回収と船の方向転換を告げると、船は軋みながらも渦潮から逃れるように方向を変えて進み始める。
「クソッ、俺はFBマイナスにしてるってのにどうしてこんな――」
 水の精霊により鮫に納まった出オチちゃんが引き上げられた。
「お前らはさっき倒しただろうが!! マンネリ化に繋がるから何度も出て来るんじゃねえ!!」

●災い転じて福となる
 一日の締めくくり。毎日客の絶えない観光地であれば毎晩賑やかな祭りを行うくらい珍しいことではない。この地域はその中でもとりわけ賑やかで、毎日花火が上がる程だ。
 客船でディナーを食べ損ねた新婚はといえば、乗組員が我先に逃げたことへのお詫びとして、花火のよく見えるVIP席で二人では食べきれないくらい豪華なディナーにありついていた。
「えへへ、私これすごく好き」
 ダナンディールが運ばれてきた卵料理を食べながら笑顔で呟く。
 依頼とはいえ現地では客として新婚たちを尾行していたイレギュラーズも詫びられた例外ではなく、宜しく揃って綺麗な花火を見ながら美味しい料理にありつくことができたのだ。
「今日一日、怒涛だった気がするぜ……」
 ジュートは同じテーブルでぐったりと突っ伏していた。一日で色々あり過ぎた上、メンツの中では一番ベテランの世界でさえ「俺はもう疲れたから先にホテルの自室に戻らせてもらう」と言いながら部屋へ戻ってしまったのだから、当然疲れたのだろう。
 パーッと花火が上がり、宝石に光を当てたような輝きで一面が照らされる。
「けどよ、誰かの幸せを守れるっていうのはハッピーな仕事だよな! 特異運命座標になれて本当によかっ――」
 良い感じに締めくくろうとしたジュートが不意にきょろきょろと辺りを見回した。ここまでのことを思い出し、一つ嫌な予感が頭を過る。

 出 オ チ ち ゃ ん ど こ い っ た ?

「はっ、気付いたらこんな……ここは何処でしょう!」
 いた――。
「おいぃぃぃっ! 何でそんなところにいるんだよぉぉぉ!」
 花火を打ち出す、導火線の短くなった大砲の中に。
 ――。
 ―――!!!

 ――爆発オチなんてサイテー!!

成否

成功

状態異常

なし

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