PandoraPartyProject

シナリオ詳細

余ったお餅の恨みを思い知れ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●お餅の逆襲
 最近の若者はお餅を食べないという。
 なんかダサいとか歯にくっつくとかスタイリッシュじゃないとか。
 色々と理由をつけてお餅離れが進んでいるという。
 そしてお餅を喉に詰まらせてしまう人も毎年出てしまう。
 誰も悪くはない、悲しい事故だ。
 しかしお餅に対する悪いイメージばかりが膨らんで、折角お餅を買っても余らせてしまう人も増えているのだ。
 お餅。
 美味しいお餅。
 悲しいお餅。
 その怨念が生み出したモンスターが居る。
「……それがモチリンだ」
「お、おう」
 伝承兵士の言葉に、話を聞いていたアバターが頷く。
 それ以外に何を言えというのか。
「まあ、そんなわけでモチリンに関する仕事があるのだが」
 兵士がそう言った瞬間、何人かのアバターがスッと何処かに消えていく。
 まあ、当然だろう。
 今の長い前振りからして、どう考えても厄介なモンスターだ。
 しかも「モチリン」とかいうその名前。
 どう考えてもルートモンスター「ゼリリン」の仲間だ。
 となると、絶対に居る。
 ゼリリンにファントムゼリリンがいるように。
 ギアリンにマスターギアリンがいるように。
 モチリンにも絶対に何か理不尽なボスモンスターがおまけのようにくっついている。
 そんなものを相手にしたくはない。
 そう考える者がいるのも当然で。
 兵士は、残った者達を見回し「ふむ」と頷く。
「……君たちは、話を聞いてくれるということでいいんだな?」

●モチリンをやっつけろ
「実はモチリンが大量発生していてな」
 説明の途中、何やら白くて丸いお餅っぽいモノがモチモチと跳ねていく。
「おお、こいつだ。せやっ!」
「モチー!」
 兵士が槍を突き出すとお餅……いやモチリンに突き刺さり、しかしモチリンは倒れない。
 兵士に思い切り体当たりして「ぐおっ!」と声をあげさせる。
「見ての通り、結構タフだ……スパイラルスピアー!」
 兵士がスキルを放つと恨めしげにモチリンは「モチー!」と悲鳴をあげて消えていく。
 そうしてドロップしたのは……パックされた丸餅だ。
「見ての通り、倒せば餅がドロップする。時期的に食べ納めだしな……好きに食べていい」
 焼いても醤油でもいいし、きな粉と砂糖に絡めてもいい。餅の可能性は無限大だ。
 モチリンの由来を思えば、そうしてやるのが供養というものだろう。
「モチリンは町の中を闊歩してるみたいでな。見つけ出して狩ってくれ」
 40匹も倒せば充分だろう。
 そう言ってから兵士は「ああ、そういえば」と口にする。
「モチリンの中にちょっと変な個体がいるという報告もある。ひょっとするとモチリンに擬態した何か強力な個体かもしれない。気をつけてくれ」
 そいつが本気で暴れれば、あっという間に殺されてしまうかもしれない。
 まあ、町を闊歩して今のところ怪我人はいないのだから、虐殺が起こるような心配はないだろう。
「七輪も用意しておこう。たっぷり狩って、たっぷり餅を食ってくれ」
 兵士はそう言って、ニカッと笑うのだった。

GMコメント

●クエスト名:余ったお餅の恨みを思い知れ
●成功条件:モチリンを40体倒す
●対象フィールド:町中(昼)
伝承の一般的な町です。様々なお店、宿屋などもあります。
モチリンは道だけでなく、建物の中に入っている場合もあります。
屋根の上にもいるかもしれません。
上手く駆除しましょう。
なお、サクラメントは兵士詰め所にあります。
この兵士詰め所に七輪とコタツもあります。

●お餅について
食べるとHPとAPが少し回復します。
工夫して食べる事で更に回復量が上がります。

●モンスター
・モチリン
全長1m。丸餅みたいなモンスターです。
攻撃方法は体当たりと、とろけるお餅を放つモッチーアタック。
この攻撃を受けると、その場にしばらく足止めされてしまいそうです。
また、HPが一定以上に減ると確率で自爆攻撃を行います。
周囲にとろける餅をまき散らし、ダメージを与え足止めを行います。
倒すと確定でお餅をドロップします。

・偽モチリン
ボスモンスターの擬態している姿。見た目はモチリンと変わりませんが、ちょっと有難みのある顔をしています。
攻撃されるか、モチリンと戦っているところに出くわすと正体を現します。

・カガミモチリン
全長5mのボスモンスター。見た目は鏡餅(おみかん付き)です。
基本的にモチリンの技の強化版を使います。
また、一定時間相手をモチリンの姿に変えてしまうビームも放ちます。
当然ですが、馬鹿みたいに強いです。
なお、モチリンの姿にされてしまった時は逃がしてくれるようです。
言語が「モチー」になるので、仲間に攻撃される危険性もありますが。
なお、カガミモチリンは戦闘終了時に偽モチリンに戻ります。

●ROOとネクストとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、バグによってまるでゲームのような世界『ネクスト』を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に自分専用の『アバター』を作って活動します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline3

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • 余ったお餅の恨みを思い知れ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年01月21日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

グレイ(p3x000395)
自称モブ
樹里(p3x000692)
ようじょ整備士
メレム(p3x002535)
黒ノ翼
グラシア(p3x002562)
黒翼の守護者
黒子(p3x008597)
書類作業缶詰用
マジカル☆シオン(p3x008729)
魔法少女に憧れて…
エーミール(p3x009344)
夕焼けを穿つヒト
霧江詠蓮(p3x009844)
エーレン・キリエのアバター

リプレイ

●町の中のモチリン
「最近知り得たゼリリンに加えてモチリンなんてのもいるのか。モチーなんて鳴いてぽよぽよして食べ物を落とすなんて……」
『エリート伝承義勇兵』グレイ(p3x000395)はそう呟く。
 モチリン。種類としてはゼリリンの派生形にあたるだろう。
 色々と違っているようではあるが、凄く似ている。
「可愛いし美味しそう……頑張って倒して食べ物集めよう」
 そう、倒せばお餅がドロップする。何をやっても美味しいお餅だが、今日はそれが楽しみの1つでもある。
「おもちはねんじゅーたべられるしこうのたべもの、それをのこすなんてもったいない。せっかくなのでたべつくすいきおいで狩りますよ」
 うんうん、と頷く『シュレティンガーの受理』樹里(p3x000692)も同じ意見のようで、『魔法少女に憧れて…』マジカル☆シオン(p3x008729)もコクリと頷く。
「この世界で初めての依頼が……お餅の複製肉腫に似た「モチリン」という魔物……なんですね、美味しそうなのに……粗末に扱われるなんて、かわいそうです」
 そんな事を言うマジカル☆シオンの目の前をモチリンが跳ねていくが、確かに見た目は可愛い。
 可愛いが、倒せば美味しいお餅をドロップする。
 マジカル☆シオンの参加理由も「お餅を粗末にするのは駄目……だから、要らないなら……私が貰いたいと思いまして」というものであったりする。大変よろしい理由である。
 それはそうとお餅の複製肉腫とか言われると食欲が減退しそうなのは何故なのか。さておいて。
「餅は正月の風物詩だってグラシアが言ってた。1月を過ぎるととんと姿が見えないのはそういう事情なんだねぇ………まあ餅が喉に詰まる言い分もわかる。実際飲み込み時が分かりにくいし! 余り物とはいえ食べ物の恨みは恐ろしいと言うし。お掃除しようか、グラシア先生」
「あー、うん。なんだろうな、この既視感は……」
 『黒ノ翼』メレム(p3x002535)と、乾いた笑いを浮かべる 『黒翼の守護者』グラシア(p3x002562)だが……なんとこの2人、夫婦関係である。
 それにしてもモチリンに既視感とは、一体何があったのか。分からないが、きっと何かがあったのだろう。
「兎に角、要は餅だろ餅。一緒に掃除しよう……」
 真顔に戻るグラシアにメレムも頷くが、まあ結局のところそれが一番ではある。
「餅も武器として売れたらいいんですけど、食べ物を武器ってちょっと。なのでまあ自分が食べる用に確保しましょうか……お餅って結構お腹に溜まって、食費浮くんですよ」
「まあ、確かにな。それに……余った餅、な。そもそも餅って余るものではなくないか? いつの間にかなくなっているというか……。まあ発生してしまったものはしかたない。しっかり食べるので成仏してくれよ、モチリン」
『夕焼けを穿つヒト』エーミール(p3x009344)と『エーレン・キリエのアバター』霧江詠蓮(p3x009844)もそんな会話を交わして、街中のモチリンを見据える。
「では、始めましょう」
『書類作業缶詰用』黒子(p3x008597)の合図に、全員が頷く。
 この詰め所での捜索状況の共有を適宜実施。特にカガミモチリンの所在、捜索済範囲、モチリン討伐数を共有。
 可能であれば地図上に捜索済範囲、カガミモチリンの所在動向を記述することで共有を行う。
 そんな黒子の立てた作戦通りに動けば……今回の仕事も順調にいくだろうと、誰もがそう考えていた。

●倒せ、そして食べろ
「突然だけどお邪魔する義勇兵だ、此処にモチリンはい……居たぁああ!」
 こんにちは、死ねとばかりにモチリンを倒していくグレイだが、屋内に入り込んだモチリンはあまり多くはないようだった。
 入ってもすぐ出ていくとか、そんな感じである。
 そして幸いなことにドロップ品を持っていく性質もないようで、警戒していた餅泥棒が現れずにホッとしていた。
 いた……のだが。
「……モチー?(気付いたら何コレ?)」
 運悪く遭遇してしまったカガミモチリンのビームでモチリンの姿になってしまったグレイだが……もっちもっちと跳ねるその姿は、どう見てもモチリンだ。
「モチー!(仲間に助けを呼ばなければ!)」
 一定時間で治るとはいえ、この姿でいるのは非常に心臓に悪い。
 モチリン状態で心臓が存在するかは分からないけれども。
「モッチーモチモチー(にっげろー)」
 そんなグレイの元に走ってくるのは、もう1体のモチリン。
 いや、なんだろう。モチリンになった今だとグレイには分かる。
 あれはたぶん、樹里だと。
 微妙に小さいその樹里モチリンもハッとしたような表情を見せると、言葉は通じないながらも頷く。
 協力してこのピンチを乗り切ろうとしているのだろうと、そう気づいたグレイは先導するように前を向いて。
「モッチチー(かがみもち!)」
 上に乗っかって鏡餅している樹里に気付き、遠い目になってしまう。
 新年の一発芸を開発するとは、流石のグレイにも思い浮かばない。
 そんなもちっと可愛い現場から少し離れた場所では、メレムとグラシアが仲良くモチリンを倒していた。
「前回はプレゼントに悩まされ、今回は餅かあ」
 メレムが思い出しているのはクリスマスイベントだが……あの時も中々に大騒ぎだったと苦笑する。
「ザ季節イベントって感じだね。グラシアはどの季節が好きだい?」
「季節イベントなぁ、俺はチョコが食える二月が好きだな」
 グラシアが思い出しているのは、時期的にはあと少し先のグラオ・クローネだ。
 チョコレートが重要なアイテムになるそのイベントは、人によっては悲しんだり喜んだりと忙しい時期ではある。
「元居た世界は豆まきだの恵方巻だの色々あったが。なんぜ二月はチョコがタダで、しかも渡されるから大量に食えたし」
 どうやら勝ち組のようだが、今も隣をメレムが歩いているので勝ち組であるだろう。末永く爆発しろ。さておいて。
「ん? あれは……」
「モチリン……いや、違う!」
 モチリンを倒していたグラシアとメレムの視線の、その先。
 クルッと振り返った、その有難みのある顔。偽モチリンだ!
 しかもなんということだろう、今は戦闘中。
 偽モチリンはモチモチッと震えると、巨大なカガミモチリンに変身する。
「でーたーぞー!!」
「何だろうな! コイツら見てると『ブランディッシュなんちゃらー!』って叫びたくなるのは気のせいか?!」
 メレムと一緒に逃げるグラシアがそう叫ぶが、人によってはボウリングなんちゃらかもしれない。さておこう。
「ぐあー! やられたー」
 なんか棒読みでビームを受けてモチリンになったメレムをグラシアが抱えて走るが、メレムが少し満足そうであったことは付け加えておこう。
 そしてその一方では、カガミモチリンに運よく出会わず撃破数をあげている者もいた。
 マジカル☆シオンである。
「ま……魔法少女!としての最初のお仕事ですから、頑張って倒しつつ食べます!」
 じゅうねん……砂糖と塩と醤油で混ぜて作ったタレと、クルミを砂糖と塩と水を少し入れて混ぜて作ったタレを持ち歩くという気合の入れようだ。
 理由としてはじゅうねん餅とクルミ餅が大好きなのと、餡子やきな粉は誰かが持ってきそうだからというのがあるらしい。
 その辺りの準備の良さは、とても大切なものだ。
 事実、ドロップするお餅はそのままでも食べられる搗きたてのような柔らかさで、その場で食べるのには何の支障もない。
「アハハハハハ!」
 悪魔のような、と自分で思ってしまっている笑顔を浮かべながらサイズを振り回すマジカル☆シオンは大鎌を振り回す斬殺系魔法少女である。
 世の中にはいろんな人がいるので、何も恥じる必要はない。誇りに思って突き進むべきだろう。
「でも……確か……倒して食べて、また倒して食べて……を繰り返すのですよね? 喉に詰まらない様に気をつけます」
 別にその場で食べる必要はないが、それもまた良しだろう。
 そして、その頃のエーミールはというと、こちらも順調だった。
「さて、モチリンを40体……。1人5体殴ればいける計算ですが」
 カガミモチリンにもてあそばれていなければ何の問題もない数だが……不思議と仲間たちがもてあそばれているような気がするのは、なんかそういうのに慣れつつあるエーミールの予感的なものだろうか。
 そう、カガミモチリン。モチリンそっくりの偽モチリンに化けているというクソ仕様だがR.O.Oにしては比較的良心的でもある。
「偽モチリンはなんかありがたい顔をしているそうですし、よく見ながら攻撃しなくては。でもありがたい顔ってなんかムカつくんですよね……なんででしょう?」
 心が荒んでいるのかもしれない。分からないが。
 とにかく、カガミモチリンを見つけたら逃げるのが正しいだろう。
 そう考えながら、エーミールはモチリンを倒して。
 ドロップしたお餅を拾い上げたところで、「それ」と目が合う。
 なんだかありがたい顔をしたモチリン。
 目と目が合ったその瞬間、エーミールは自分のアクセスファンタズム「運勢トラブルメイカー」が発動したのを感じた気がした。
 逃げなければ。トランクケースの超薬物で足止めしようとするエーミールだが、抵抗空しくモチリンにされて……ごろごろ転がるダンス踊ってめっちゃ鳴くという行動に出た。
「モッチッチー♪ モッチッチー♪」
「モッチッチー♪ モッチッチー♪」
(私って近距離型なのでどうあがいても自爆に巻き込まれるんですよ。ははは。まあたまにはこうなるのもいいですよね。たまには)
 たまに、ではない気もするがそう思い込むのも心には良いのだろう。
 何やらうんうん、と頷いているように見える小さいモチリン……樹里モチリンがエーミールモチリンに乗っかって「かがみもち!」をきめていたが……なんとも平和な光景である。
 ちなみに一緒に歌って踊っていたのは恐らく霧江詠蓮であるようだった。
 やがて3人が元に戻った後、なんとなくそのまま解散したが……その後の霧江詠蓮は、順調にモチリンを狩っていた。
「……正味の話、わざわざカガミモチリンに戦いを挑む意味は薄いな」
 モチリンになったのは貴重な体験ではあったが、わざわざモチリンになりたいとは思わない。
 そしてカガミモチリンは例によってアホみたいなステータスをしているので、狩るのはとても辛い。
 定期的に黒子を中心に詰め所で情報共有してはいるが、それでも対処しきれない。
 そう、黒子の作戦は実に綿密だ。
 カガミモチリンが移動する可能性を危惧、「発見時刻」を記述した付箋付きのピンで表記するという手段も使っている。
 それでもモチリンは突然現れるし、移動速度がランダムで変わっているとしか思えなかった。
 しかも初手でモチリンビームを放ってくるのが実にタチが悪い。
 どんな作戦も1人がモチリンにされた時点で瓦解するのだから。
「だがまあ、カガミモチリンとかち合いさえしなければモチリン自体はそこまでの強敵ではない」
 事実、1人で対処できるレベルだ。むしろ固まっていた方が一網打尽にされて危ないと現場で判断したくらいだった。
 そうして狩っていくと……自然と、40個を超えていた。
「これで終わりですね」
 黒子の集計に全員がホッとしたような表情になる。
 これでクエストは終了。あとはお餅を食べるだけだ。
「美味しい食べ方知っているなら教えて」
「お餅の食べ方は、そうですね……やっぱりきなこ餅にするのが一番なんですよね~砂糖を少し混ぜたきなこをまぶしたら、最高です」
 グレイの問いかけに、エーミールは自分の分に持参したきなこをばっさああぁ、と振りかけるが、あまりかけすぎるとむせないだろうか。
 いや、むせた。ウケる。
「おいしい、ですね」
 マジカル☆シオンもじゅうねん餅をもぐもぐと食べるが、こたつに入ってゆっくりと食べるお餅はまた趣が違う。
 七輪の上で焼けていく餅の姿も、実にコミカルだ。
「聖句・偽典より一節、『隣の餅も食ってみよ』。それでは、いただきます」
 樹里は砂糖を振りかけたり、醤油と海苔といった比較的スタンダードな食べ方だ。
「ただ焼いていれるのもよいですが、揚げるのもなかなかイケますよ? おぞうにもよいですね」
 ちなみに揚げ餅は出し汁に入れても美味しいらしい。
「そういえば細かくしてパンケーキに入れると美味しいって聞いたなぁ。今度グラシア先生で実験しよう!」
 ということで付き合ってねー、と笑うメレムにグラシアは「多分普通に美味いけどな、それ」と笑みを返す。
「こういうのは焼いて食う、シンプルが一番楽だが……グラタンに入れても美味いぞ、メレム今度作ってくれ」
 そんなラブラブな2人を邪魔しないようにしつつ、霧江詠蓮が全員の前に汁粉を置いていく。
「ほら、出来たぞ」
「ほうほう、色々調味料付けて食べるのが餅というモノ、覚えた」
 汁粉に浮かんだ餅は、まるでモチリンのようだとグレイは思う。
(モチリンにそのままコレら付けて齧り付いてみようか?)
 そんな、たぶんやめておいたほうがいいだろうことをグレイは考えていたが……。
「すくなくとも、一か月くらいはたべつづけたいですね……」
 樹里のそんな言葉に、全員が自然と笑い出す。
 それもまた良い。そんな風に思ったのだ。
 お餅の美味しい年は、きっと良い年になる。
 だからきっと今年も、素晴らしい年になるだろう。

成否

成功

MVP

グレイ(p3x000395)
自称モブ

状態異常

グレイ(p3x000395)[死亡]
自称モブ
樹里(p3x000692)[死亡]
ようじょ整備士
マジカル☆シオン(p3x008729)[死亡]
魔法少女に憧れて…
エーミール(p3x009344)[死亡×2]
夕焼けを穿つヒト

あとがき

コングラチュレーション!
お餅美味しいです!
今回のリプレイ書いていて思ったのですが……皆様は結構甘党です?
甘いお餅、美味しいですもんね。

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