PandoraPartyProject

シナリオ詳細

こうしちゃいられねえ! お前と俺とで黒歴史バトルだ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●イジった奴全員潰す(パパス談)
「『最高のジョークですよ』でしたっけ、パパスさん。なんか物凄く年末にそれっぽい雰囲気醸し出してどうしたのかと思っちゃいましたよ。イメチェンですか?」
「ハァ~~~~~?! メガネおまえこそ『言ってしまえば、教養が足りない』とか依頼書読んで連中の前で手紙を放り出してメガネクイッてしたの覚えてゆが!? おまえそういうキャラじゃねーだろーがゆ! ひとの過去をあんまり抉るのやめゆ!」
 新年のボケがやや抜けてきたこの日、ローレットのカウンター前では『ナーバス・フィルムズ』日高 三弦(p3n000097)と『ポテサラハーモニア』パパス・デ・エンサルーダ(p3n000172)がお互いの『らしくない』言動をつつきあって喧々諤々の様相を呈していた。もとより仲がよろしくない(というかパパスが三弦の報酬を吸い上げて色々やってる)関係上、こういうことをする日も来るだろうとは思っていたが思ったより遅かったなというくらいだ。しかしなんでいきなり年始なのか。
「…………いきなりどうしたんですか2人とも。新年早々お互いの傷口をえぐり合ってまで何か目的でもあったんですか?」
「『酒に強いなら泳いで獲ってくればいい。この辺りなら飲み放題だぞ?』とかキリッとした顔で男アバターだったやつがなんか言ってゆ」
「『ミー』とか『ユー』とかいってた猫には言われたくないんですけど!?」
 なお、ここに仲裁に入ろうとした『蒼ノ鶫』ドロッセル=グリュンバウム (p3n000119)はいきなり『ネクスト』の話を持ち出されて流石に顔が真っ赤だ。キッショ、なんでお互いのアバター割れしてんだよお前ら。
「お互いがお互いの黒歴史を突き合うのやめましょうよ。なんでこんな無益な争いしてるんですか。何か依頼の予行演習ですか?」
「「なんで分かったんですか(ゆ)?」」
「マジだったんですか?!」
 ドロッセルが冗談気味に言った言葉が正鵠を射ているなど、誰が思っただろうか。あと、彼女の絶叫が一番大きかったなんてそんなバカな。

●その遺跡の扉にゲージみたいなものがついてて触れた人の恥ずか死指数を数値化するんだけど、ちょっとやそっとじゃ開かないから他人に暴露されるか自分でらしくありませんでしたアピールをするとゲージがバッて高まってガッて上がるからその時に飛び込んでいって遺跡の奥まで突っ込んでいってガッてすれば依頼成功よ
「というわけなのでよろしくおねがいします」
「わたちたちは割と色々限界キてるからおまえたちが頼りゆ」
 というわけで、なんかラサで見つかったそこそこ大きい扉を備えた遺跡の前。
 パパスとドロッセル、あと2人に連れられたイレギュラーズはその扉に設置されたゲージめいたものと取っ手部分のあからさまにセンサーついてますみたいな作り、そして2人の説明にうんざりするような顔を見せた。
 遺跡に突入し、奥にいる守護者をガッてすれば扉は開きっぱなしになるしそうすれば多分より深層への突入ができるようになるが、成功できる程度に人数を送り込まないと扉が開かず一方通行のまま突入者が餓死する二段構えというわけだ。
「まあ、現にこの構造まで調べ上げた調査チームは恥ずかしさが足りず素人3人突入させて4人目は扉のシミになったし中の連中も戻れずじまいゆ。割とエッグいトラップなのでできるだけ恥ずか死指数が高いやつが扉を全開にするのがいいゆ。1人じゃ無理だから3人くらいはほしいゆなァ~~~~」
「で、中の守護者とやらの実力ですがぶっちゃけそこまで強くないことが分かっています。ですが遺跡のいやらしさ通りに精神的な不利要素を押し付けてくることは明らかなので、注意をお願いします」
 おい意外とエグめの結末を話し始めたぞ。
 一同は戦々恐々とした表情で互いを見つめ合うのだった。

GMコメント

 全員のセリフの出典がわかれば君もふみのマスターだ! なるなそんなもの!

●成功条件
 遺跡守護者(1層)撃破

●恥ずか死遺跡(仮称)
 多分全n層とかあるような大きな遺跡なのだが、そもそも普通の手段では入れない。
「取っ手を握った人間が過去を暴露する、されるなどの『声』と『心拍数や手汗などの数値的要素』の複合による指数を換算し扉が開く時間が変わってくるとのこと。なお一人が限界までやってもその間送り込めるのは『反応50以上』の『3名程度』なので、数名リレーして恥ずかしさ公開処刑みたいにしないと全員突入は難しい。
 もしハンパこいたら自分も皆も扉の染み(重傷判定)なんでよろしくな!

●遺跡守護者(1層)×3
 そんなトラップ扉を通り、階段を降りた先に立ちはだかる銅像型の守護者。精神系BS、不吉系列BSなどを主に使用。相手の失敗を楽しむ凄くやらしい構成をしているようだ。
 なお、攻撃の効果はともかく3体は前衛後衛の概念があり、一網打尽になるような相手ではないらしい。
 戦闘フィールドは遺跡としてはかなり広い。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • こうしちゃいられねえ! お前と俺とで黒歴史バトルだ!完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年01月20日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
エルス・ティーネ(p3p007325)
青鋭の刃
赤羽 旭日(p3p008879)
朝日が昇る
ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)
奏で伝う
ヴィリス(p3p009671)
黒靴のバレリーヌ
サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)
砂漠の蛇
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

リプレイ

●あつまれ! 黒歴史しかない連中!
「黒歴史……ですか。いやまあ、私もそこそこな歳なので、重ねた失敗は色々と」
「黒歴史……まあ、探せばキリがねーのだ。こう見えてヘルちゃん、結構悲惨な人生送ってる自覚あるのだ」
 『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)と『呑まれない才能』ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)はそれぞれ、『黒歴史』のなんたるかを知り、それを抱えて生きている者達である。まあ、知らなくても抱えてる奴や知っていながら沈痛な表情をしている連中がそこら辺にいるのだが。
「黒歴史って調べたけれど、『俗に、今となっては恥ずかしい、できればなかったことにしたい過去などを意味する表現』って出てきたのよね……」
「初めて聞いたけど人に知られたくない過去なのよね。それならちょっと色々あるわ!」
「ごめんなさい。私、お先に失礼しま」
 『竜首狩り』エルス・ティーネ(p3p007325)はどこからか調べてきた情報を基に「そんなものあったかしら?」みたいに首捻ってるけど、バニー服は一般的に黒歴史ですよ。自信満々に宣言する『黒靴のバレリーヌ』ヴィリス(p3p009671)もどうかと思うんだけど、無自覚黒歴史量産機ことエルスよりはマシであろう。なお、他人の黒歴史にかこつけて逃げようとした『砂漠の蛇』サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)は一瞬持ち上がってすぐに断頭台のごとく振り下ろされた扉を見て呆然とした表情を向けた。なお、一同『知ってた』という顔をしている。
「諦めゆ。1人ふたりが恥をかいたゲージで無事に通れる奴がいたとして、どうせ番人に手を焼くだけゆ。せっかくだから全員纏めて恥をかけばいいゆ」
「かき捨てどころか永久保存版になりますけど。頑張りましょうね」
 ローレットで恥をかいてきたパパスとドロッセルの清々しい笑顔が憎たらしい。なおその頃、『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)はブランデーを煽っていた。覚悟というか何というか……キマってるのは間違いない。
「遺跡の扉は自分で開けて逝くさ。よし黒歴史GO!」
 『陽気な歌が世界を回す』ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)のノリはもう一体なんなんだよ。携帯端末をイジって音楽と一緒にひと暴れ(意味深)する気だぞ。誰か止めてやれ。是非に。
(思いついてしまった。別のにしたいけど思いついてしまったからには「あれじゃないから……」という思いが絶対残ってしまう……やるしか、ないのか?)
 『ちがうんですこんなはずじゃ』赤羽 旭日(p3p008879)は仲間たちの阿鼻叫喚の地獄絵図めいた態度の応酬を眺めつつ、ふっと考えてしまっていた。というか、依頼を聞いた時点で既に準備はしていたのだ。海洋の軍服に身を包む普段の姿とは異なり、ローブを羽織ったその姿である時点で色々と危機感を覚えなくもない。いや、本当に何を考えてるんだこいつは。
「ひとまず扉は順番に一人ずつ黒歴史を披露して入っていくのね」
「1人の恥に便乗するのも悪い手ではありませんが、それでは不平等でしょう?」
 ヴィリスの確認に、寛治が当然だと言わんばかりに返す。1人の犠牲で3人送り込めるとはいうものの、メカニズムがいまいち掴めていないのだ。事故るくらいなら1人ずつ確実に送り込んだほうがいい。いいのだが……。
「これは絶対秘密なのよ、封印しておきたい不覚なの。……でもあの方がここに居ないから……くっ、あれを知られる以上の羞恥はない……これが、黒歴史、なの?」
 何故か突然、先程まで黒歴史のなんたるやを理解できていなかったエルスが苦しみ悶え出す。あの方の正体はすでに周知の事実であるので誰も突っ込まないのだが、彼女がどの出来事をどう思い出して悶ているのかがいまいち分からない。だって恥ずかしがるような出来事いっぱいあるじゃん?
「……皆さん、ここで知った事は口外しないでちょうだい、本当にお願い、何でもするから!」
「今なんでもと言いましたね?(全く全然ちっとも何も知ってないし口外することはないんですけど言質はとりましたよの意)」
 そして、エルスは言ってはいけない一言を付け加えてしまう。寛治がそれに乗っかると思わなかったのだろうか。考えられないくらい気が動転しているのだろう。
 遺跡の扉のゲージがわずかに点灯したのをみて、思わずエルスは走り出す。羞恥心は十分、全身の緊張も十分だ。これならイケないハズがない!
「あっ……」
「――いやー、だって恥ずかしがってるだけで何一つ曝け出してない一人芝居を見せられても黒歴史かどうか判定できねえゆ遺跡も」
 哀れエルスは扉に押しつぶされかけ、命に別状はないが足を潰されたのでここでリタイアです。まあ足は戻ったら治るさ。
「……話さなければこうなるのですか」
「ま、まあ致し方ないと思います……?」
 偉大なる先人の惨敗を眼前で見てしまったサルヴェナーズは覚悟せざるを得なかった。こんなはずじゃなかった。精霊種であるところの自分がこんな追い詰められ方をするなんて考えてなかった。こんな、こんな……!
「黒歴史か……」
 酒を飲んで完全に酔った様子のウェールは、そんな彼女を押しやって扉に手を当て、力を込める。そして力強く宣言した。
「俺、ウェール=ナイトボートは当時一児の父だというのにイソギンチャクのイソ君と一回だけ肉体関係を持ちました。言い訳になるが……依頼だから、ハイルールがあるからしかたがなかったんだ」
 場の空気が一瞬にして凍りついた。氷点下だとか風速とかそういうチャチなもんじゃ一切ねえ。もっと容赦のねえ恥の無視というものを全力で味わってしまった。しかもまだ話が終わっていない。これからが本当の地獄だ。

●コンセンサスって大事だよね。皆持ってきたかな?
「『これから私とふれあうのに、他の男を侍らせながらなんて酷いじゃないか……』なんて、リップサービスだったのに。イソ君に肌を撫でられただけで体がビクってして、今みたいに全身が熱くなって。念話を準備してなかったらあられもないことを言っていた……梨尾の父親なのに」
 R.O.Oの世界で扮された梨尾君の気持ちをもうちょっとウェールは考えてほしかった。ハイ・ルールは守るべきだが、守り方にも品格というものが在るのだ。
「あの夏の思い出を、撮影されたコンプリートボックスを捨てられずにいる。元の世界やROOで俺を待っている息子達に顔向けができねぇ」
 彼の朗々たる恥の宣言を前に、遺跡がこれを否と言えるだろうか?(反語) 彼の精一杯の黒歴史は、扉のゲージを上昇させ、彼の突入を許容した。
「こう見えてヘルちゃん、結構悲惨な人生送ってる自覚あるのだ。まあ、本当にヤバい奴を暴露してもドン引きさせちゃいそうだし、羞恥系でいくのだ! ……だから骨は拾ってほしいのだ!」
 ヘルミーネの黒歴史は相当濃ゆいようだ。これがガチめの不幸系だと目も当てられないのだが、それと同じくらい恥ずかしい思いをしているらしい。おかしい、彼女はイレギュラーズになってそう日が経っている訳ではないはず……。
「シャイネンナハトで散田苦労須なる男に無理矢理『ミニスカサンタで下は黒ビキニ』姿にさせられた。煩悩をカミングアウトしたら、母ちゃんに執着してる事がバレた。そしてこのシスター服……想像以上にdskbだったのだ……うぅ……」
 さんざっぱらドエレー目に遭っていた。なんなの、この子なんか恨みでも買ったの?
 ともあれ、彼女はゲージが増えたことで維持されている扉に飛び込「あっ」裾を踏んづけてヘッドスライディング。これは見えるものが見えたな。黒歴史がまた増えてしまったようだ。
「50年も渡り鳥やってるとな、色々ある。若かった頃は今とは違うキャラ付けで頑張ろうとしたこともある。高い所から派手に登場しようとしたり、名乗り口上考えたり…………した。まあこれは前菜だ」
 派手な音楽に合わせて静かに歩いてきたヤツェクの『前菜』で既に数人が崩れ落ちた。ドロッセルも顔を覆っている。当たり前だよなお前は。
「では、当時のノリで一つ。皆様お耳を拝借」
「聞きたくない」
「おお、憂いの乙女よ、囚われのプリンセスよ、この活劇詩人にして流浪の戦士、星屑の放浪者ヒアシンス、宿命と御身の嘆きに導かれ参上した。さあ、私の手を取りたまえ――銀河に星は数多あれど、今日の夜は昏い。おお、つれなき乙女よ」
 ここで謎のスタイリッシュポーズが入り。
「宵闇が我らを隠し」
 別方面に視線を向けキメ。
「風のように彼方へと連れ去るだろう!」
 最後にもういち方向へと顔を向け決めポーズ。たった十数秒である。その中にスタイリッシュ()な所作と全方位へちょっとずつ意識した目線配りとポージングがまじり、最後にマントを羽織っていたかのような腕の振り。完璧な騎士様ムーブである。決めポーズのまま膝から崩れ落ちた彼を誰が笑えようか。
「何があれってな……このノリ今まだに捨てがたいんだ……。すまん……不治の病さ……。いまだに、やってる……ROOとかで……ロールプレイ勢とかいっといて素です……。きもちいいです……嗤えよ……おぢさんをさ……」
「誰もが通過する道です。ヤツェク様は真っ当でございますよ」
 やりきってもうやりたくないという風情のヤツェクの姿に、背を叩く寛治。多分こいつも似たようなことしてるから。オトコノコは大体そういうもの。
「これは、とあるイベントでタイムキーパーの役割を請け負った時の話なんですけど。前日、ちょーっとだけ飲みすぎてしまいましてね。当日、ちょーっとだけ寝過ごしてしまって。イベント開幕後に会場到着したんですが『お前は自分のタイムキープもできないんか!』と大層罵られました」
 恥ずかしいなあとしれっと笑った寛治の姿に周囲の視線はちょっと冷たい。「あ、こういう話じゃなく?」と首をひねった彼は、そうそう、と話を変える。
「では、私が学生の頃のお話を。
 ゲーム、ってあるじゃないですか。技術的にはそんなに難しいものではないやつです。絵があって、BGMが流れて、それに合わせてテキストを読ませるようなやつ。当時はそういうのを作れるツールが普及し始めた頃だったんですがね。私、それで『ゲーム一本作れないかな』って考えたんですよ。で、こういう募集をかけたんです」

『ゲーム制作メンバー募集。企画・監督・シナリオは私』

 その寛治の言葉を聞いた異世界出身の面々、というかウェールとヤツェクは顔を覆った。多分夢見ても実行しない類なので、恥ずかしさも一入だ。
「最終的にどうなったか? メンバーはまあ、仲間内で集まったんですよ。出来上がったのは線画とフリーBGMと、1kbにも満たないテキストで構成された予告編だけですけど」
 そして空中分解した。……嗚呼、げに悲しきは若かりし日の根拠のない自信。締切がなくダラダラやると何も出来上がらない典型であった。なおさりげなくゲージの上昇値が高い。
「私、あんまり恥ずかしい思い出がないから寛治さんと一緒に入らせて……」
 扉がピクリと動いたところで、ついでに入ろうとしていたヴィリスがぴくりと身を捩った。
「いや、あっ、ひ、一つあるわ。え、でもこれは……でも言わないと入れないのよね……黒歴史かは分からないけれど……実は私文字が書けないわ!!!」
 彼女の思いがけぬ告白に、一同はキョトンとした様子だ。成程、たしかに。この混沌世界は『崩れないバベル』で不自由しないように見えて、そういうところがあったか。
「あーあーあー、手がちゃんと動かないから文字書けなくてもいいわねラッキーとか思っててごめんなさい! イレギュラーズになって読めるようになったのはとっても助かってます!!! お願いこれで開いてください!!!」
 人によっては気にしないのだろうが、彼女にとっては人生の恥として死活問題である。その恥じらいたるや、識字率の高い国では想像を絶するもの。黒歴史認定待ったなしだ。だもんで、ゲージも増えてるし、通れた。
「……私ですか、そうですか」
 終盤にさしかかって何故全員ちゃんと話してるんだろうと黄昏れたサルヴェナーズではあったが、さりとてここまで聞いてやらない選択肢はなかった。精霊種にも黒歴史ってあるんだなあ。
「ローレットに召喚されたばかりの時、長く生きた精霊種として甘く見られてはいけないと思って、独りで練習していたのです。宿の鏡の前で、威厳のある話し方を」
 おっと重い導入だぞ。これは精霊種だけど威厳が足りてなかったり恋人にべったりしてたら故郷が大変だったやつに聞かせてやりたい。もっと威厳に気を遣って。
「ある時、物音がしたと思って振り返ったら、見られて……いたのです……。宿で働いている方に。次に会った時は何事もなかったように応対してくれましたが、あの方の頭の中ではあの時の光景がフラッシュバックしていたのでは、帰って誰かに話したのではと思うと……誰か、誰か私を殺して下さい……今すぐに!」
 あ、ごめん前言撤回。この子も中々どうしてアレなオチがついたぞ? 頭を床に叩きつけようとしたサルヴェナーズだが、しかし背後から肩を掴んだ者がいた。残っていたのか、面子?
「行ってくれ」
「え」
「行ってくれ」
 硬い表情でサルヴェナーズを送り出した旭日は扉の前で――ついにその全貌を露わにする!

●露わにするじゃねえんだよ露わになってるナニをしまえよ
 旭日の下半身は普段の下履きだ、それはいい。だが上半身がほぼ裸、そう『ほぼ』だ。濃い紫の1/2カップブラ……女がつけても大概なそれを、彼が。
 そして恭しく取り出したのはそれと揃いの――勝 負 下 着 で あ る 。それを……まさか……頭にかぶろうというのか?!
「「知人のウォーカー(21歳女性)に土下座して借りてきた勝負下着を!! あらゆる記録が残るローレットの依頼の最中に!!! 同行者に見られながら身に着けましたぁ!!!!!」
「コイツ依頼中と依頼後に2回死んだゆ」
「英雄的行動というか、『英雄的にこいつ、どう?』みたいなことしましたね。尊敬はしますけど真似したくはないですね」
 なおこの決死の行動で扉は跳ね上がり機構ごとぶち壊れた。

「おれもつらい。皆生きろ」
「……やっぱり自由になったんだしお勉強ちゃんとやり直した方がいいのかしら」
「見聞きした黒歴史は、お互いに聞かなかったことにするということでどうでしょう。約束ですよ。絶対に口外しないで下さい。破ったら、次にトイレに入っている時にサソリをけしかけますからね」
「話を聞いた遺跡の番人は始末した。それでいいじゃないか……」
 その後。
 イレギュラーズは恥じらいを力に変え、頑張って設計したはずの遺跡の番人を鎧袖一触にして考えた方の努力を無に帰し、お互いに牽制し合いながら帰路に就きましたとさ。
 ところで、エルスは『ナニが恥ずかしいのか』は分かるけど『どれが黒歴史だったか』は誰も気付いてないよ? 俺も。

成否

成功

MVP

赤羽 旭日(p3p008879)
朝日が昇る

状態異常

エルス・ティーネ(p3p007325)[重傷]
青鋭の刃

あとがき

 誰かに自分をさらけ出す時はきちんとした説明とコンセンサス(合意形成)が大事だってはっきりわかんだね。
 そういう意味で再現すらしてみせた面子は良かったと思います。
 ……ところでその、依頼後にさらにパンドラ減らしに行くやつ居ると思う? 俺はいないと思ってた。

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