シナリオ詳細
怪奇・女難の館! くそ、こんな所にいられるか俺はローレットに戻
オープニング
●恐怖、女難の館? はははそんなのある訳なかろう!
咲々宮 幻介(p3p001387)は確かにそんな事を言った。
大体五時間と二十八分前にそんな事を言っていた――今は後悔している。
「うぉぉぉおぉ何故――! 何故こんな、こんな事が――!!」
走る。息を切らして幻介が走っている。
彼がいるのは幻想の山奥にある館だ――窓の外は暗く、時折雷の輝きが生じている。
雷鳴。豪雨。とても外には出られない中で、彼は一体何から逃げているのか――それは。
「まーてまて待て待て待て待てー! たーべちゃうぞー!」
「あああああ冗談めかしながら眼が完全にガチめ感じでは御座らんかアレ――!?」
「ふ、二手に逃げるんだ幻介!! 僕はこっちの方に行く!! 後で生きて会おう!」
リコリス・ウォルハント・ローア (p3p009236)などの『女性』からである――! 共に逃げて居るのは幻介らに依頼を仲介したギルオス・ホリス(p3n000016)だ! 彼もまた追いかけられているのである……!
説明しよう! 今彼らがいるのは『女難の館』と噂される山奥の館である!
なんでもここでは過去にある男女の諍いがあって、女性が男性を刺した事件があったんだそうな……それ以来、なんかこう。女性の怨念が如き呪いの力が館に宿り、女性陣が館に訪れれば、その意思を変質させる事があるのだとか――
つまり女性が男性を襲ってしまう感情に狩られてしまうのである!
『そんな噂があるのでイレギュラーズに調べきてほしいのだ! ハハハ、いや何、私はそんな噂など信じていないが、しかし将来的に密会の為に購入しようと思っている館で万一があっては困るからな! この将来の大貴族たるイツカ・ササレルに! そう万一の事があっては国家の損失であるから――!』
そんな感じの依頼がローレットに持ち込まれたのが六時間前。そして幻介達に依頼が齎され、そんなこんなで現地に訪れてみれば――ご覧のあり様である! リコリスが牙を突き立てんと追いかけているのだ! どうしてー!
来た時には晴れていた天候も、なぜか館に入ると同時に急激に悪くなって今や嵐の真っただ中だ。くそう、これも呪いか!!? それとも山の天候は変わりやすいっていうアレか!?
「はぁ、はぁ! ここまで、ここまで来ればなんとかなるで御座るか!?」
やがて幻介は館の一室へと逃げ込む。
扉に鍵をかけて息を整えるのだ……くそ! これから一体どうしたものだろうか!
外の嵐はまだ止みそうにない。
あくまでも呪いは館の中でだけ発生するものだろうし、なんとか嵐が落ち着けば事態の解決も見込めようが……それまではどこかに隠れておくべきだろうか。イレギュラーズだからある程度の傷は大丈夫とは言え、痛いのはヤダ!
と、その時。
「こ~こ~か~な~?」
――扉の前で声がした。
直後。扉に衝撃が走る――斧だ。斧で扉を破らんとしている――!
一、二、三。亀裂が広がりその奥からは笑い声が。
さすればリコリスはその亀裂に顔を突っ込んで――
「Here is Licorice!(やぁ、リコリスだよ!!)」
「あああああ――ッ!!」
脱兎の幻介! あれって呪いの所為で御座るよね? 素じゃないで御座るよね!?
分からないけどとにかく逃げよう。嵐だっていつかは止む筈だから!
恐怖、女難の館で悲鳴轟く……
この物語の行く末にあるのは、はたして希望か、絶望かッ、爆発オチか――ッ!
- 怪奇・女難の館! くそ、こんな所にいられるか俺はローレットに戻完了
- GM名茶零四
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年12月31日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●
窓の外が輝く。直後に轟く雷鳴――
さすれば影が見えるよ。ほら、廊下の奥にシルエットが……
( ‘ᾥ’ )ジッ……と見てるよ『狼殺し』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)が。
「ふっふっふ……ふっふっふっふっふ……どーこーかーなー?」
彼女の右手にはリボルバー。歩きながら、しかし弾丸を一発一発丁寧に込めるものだ――
命中を祈るかのように口付けを落とし。
銃身へと納めるその仕草は神へと捧ぐ所作の様に。
狙うは意中の男の心臓……な訳もなく!
「男に当てさえすればなんか大丈夫な気がする!(知能:5)
必殺の一撃でもなんやかんや大丈夫な気がする!(知能:5)
幻介君にはとりあえず最低一発当てるよ、ひゃっほー!(知能:4)」
駆け抜けるリコリス。ああ、口の端から涎が! エモも彼方へと過ぎ去って……
同時。そんなリコリスを辛うじてやり過ごしたのは――
「半信半疑だったとは言え、マジで呪いの館だったんスかここ……! うう、女性陣の様子が大分おかしいっスよ……もう調査とかそういう場合じゃないっスね……つーかこんな曰く付き物件さっさと取り壊せや! 世帯主は誰だ、世帯主は!」
「女難の呪いか……学生時代は男子校、職場はむさくるしい兄弟たちばかりと女と関わる事がない人生を送っていた俺にはトンと縁のない言葉だな。しかしどうにも様子を見るに……此処の呪いは本物らしい」
静かなる抗議を指し示す『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)と周囲を窺う『特異運命座標』日高 天(p3p009659)であった!
外は嵐、屋内は狂いし(?)女性陣……
――状況なんて考えるまでもなく逃げ場ナシである!
いやなんか一部呪い関係なく『素』でやってる者もいる気がするが……と天は別方向を見据えれば。
「幻介さんどうして? どうしてお逃げなさるんですか?」
「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!? 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ近付くなで御座る――!!」
そこには『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)が――『刀身不屈』咲々宮 幻介(p3p001387)を追っていた。全力疾走の幻介に追いつける者など……と思えば、エルシアは悠々と歩く様子ながら、何故かそんなに距離が離されない不思議な速度を出せており。
「誰が私の所為ではないと慰めるのだとしても、私は罪に苛まれる女……その苦しみを理解して下さる幻介さんを、私は感謝こそすれ傷付けたい訳がないではありませんか! あぁいわば運命の方……だというのに、どうして私を信じて下さらないのですか? どうしてそうまでお逃げに!」
「いや絶対お主焼いてくるで御座ろうがああああああ!!」
「はっ。なるほど、そういう事ですか……私を慮って、とびきり碌でもない男のフリをして下さってらっしゃるんですね……どこまでもお優しいお方……そんな方だからこそ私は……」
「話聞いて欲しいで御座るううううう!!」
これが呪いブーストなのだろうか――? 必死に逃げて辛うじて振り切れる程である!
「う~~む。通信教育で陰陽術を学んだ麿レベルになると分かる……
この館の呪いはガチなやつじゃ! 割とガチめにパない呪いじゃ~!」
幻介の叫び。その前方方向に現れたのは――『殿』一条 夢心地(p3p008344)だ!
この館やべーと。じゃが、必要以上に恐れることはな~い。
「呪いには呪いをぶつけ、その力を相殺してやれば良いだけの話よ。故に――分かるな、幻介よ。そう! こんなこともあろうかとえっちっち袋は用意しておいた! これを被り一気に解き放つことさえできれば、この旧館の呪いを吹き飛ばすことも可能……こりゃ、どこへ行こうとしておる幻介。麿の話を聞いておったか? 逃げるでないわ!! 己が運命から!!」
もう男も女も敵な予感がしてきた幻介。
彼は駆ける。ああ本当にどうしてこうなったのだと――思いながら。
●
――そもそも思うのだが。女難ってどういう意味なんでしたっけ?
「なになに? ふむふむ……女性にモテすぎて困る?
うわ、なんですかソレ。なんかイラッとしますね。いや別に誰がモテようがそんなの知ったこっちゃない筈なんですが、それで問題が起きるって言うのはつまり一人一人の気持ちに対して誠実に向き合えてない男性がいるって事ですよね?」
館の廊下。歩きながら『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)はふつふつと怒りを滾らせていた……煮え切らない態度でフラフラとしてるからそういう事が起こるんじゃないですかねぇ。男ならスパッと一つに決めるべきなんじゃないですかぁ?
「良いご身分ですよねぇ……
よし、それでは皆さん、存分にやっちゃってください。
遠慮はいりませんよ――どうせ誰も逃がさないんですから」
「わーい! ボク、頑張っちゃうぞ~!」
リコリスらに振るうは戦の加護。このレオンハート……ガチである!
同時に彼女が巡らせるは人の助けを求める感情を探知する術――
これにて逃げ回っている男性陣が近くにいるか探知しようではないか。
逃げたいという感情に嘘はつけないでしょうからね……ふふふ……と?
「――わしを殺せるものがおるか!」
その時。館のどこかで大きな声がする――天だ!
彼はもう既に決意していた。己では呪いを解いたりする事は出来ない――逃げるにしても幻介のように逃げ足に長けているわけでもない。ならば、己が成しうるべきは耐える事のみと。最初こそ周囲の勢いに乗って他の男たち同様に逃げて居たが……
「最早逃げも隠れもせん。我こそはと思う者があれば掛かってくるがいい――!」
事此処に至りやるべきことは恐怖に駆られガチ逃げしてる他の男たちの為に時間を稼ぐ事なのだろう、と。思っていれば、その時。突然背後に気配を感じて……
「ああ。こんな所にいらっしゃったのですか――
ここは危険ですよ。どうぞこちらへ……安全な別室の確保に成功しました。
そこで嵐が過ぎ去るまで乗り切りましょう」
現れたのは『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)である――
天の肩を掴み……掴……ちょっと、強……! 全く動けないレベルの膂力が天を抑えて。
「むぅ!? これは……いや、これが館の後押しという事なのか……!
だが、そうはいかぬ。今少しだけでも時を稼がねば……!!
目を覚ますのだ! 呪いなんぞに魂を蝕まれるなどあっては……」
「どうされたのです? ああ呪いの事を心配してるのならばご安心を――天候を変え領域内の人間の精神に作用を及ぼす、よほど強力な呪いを宿している様ですが、抗う事は出来ます。屋敷の一室を改装し、扉一か所を除いて出入り不可能なようにしました。そこを死守すれば安全です――ですのでさぁどうぞこちらへ。そちらにいるギルオスさんも早く」
「ひぃ!? どうして隠れてるのにバレたんだい!!?」
まずい。瑠璃の目がガチだ! 呪いに抗えてない! 既に浸食されてるよ!!
全身全霊をもって抗う天だが――瑠璃は押しも押されぬ。いやむしろ徐々に力が強くなってるような……まずいって。説得しようと試みたものの、はたしてこちらの話を聞いてるかも怪しいって。あっ、まずい力強いホントに強い。まずい――! 監禁される――!
「はぁ、はぁ! どうなってるんスか、どうして向こうはこっちの位置をおおよそ特定して……男は五人もいるんすから、一人は最低でも逃げ切れるんじゃないスかね!? はっ、まさかこれも館の感知能力……!?」
同時。男の方が多いんだからなんとでもなるのではないだろうか――
そんな事を考えていた葵だったが、甘かった。リディア達が物凄い勢いで追ってきてる! ヤッベ見つかった逃げろ! やっぱ五人いてもダメなもんはダメっスかね!? んな都合のいい話ある訳ないっスよね! くっそー!
「ぉぉぉぉ! だけどそう簡単には捕まらな……」
「待ちなさい! 貴方からも無自覚モテモテ野郎の匂いがぷんぷんしますね! アトリエ見てきましたよ! なんですかあの可愛い子は! ちゃんと女の子として扱ってあげなさい! じゃないといつか刺されますよ!! いや今私が代わりに刺しましょう! 天誅!」
だめだ。跳躍し、階段や高低差を一気にショートカットしているのだが――おっそろしい速さでリディアが来る! 時には床をぶち破ってでも来る。これが呪いパワー!!?
「あああああ! まずいまずいまずいどの方角からも女子の気配が……
もう駄目で御座る逃げきれないんで御座るよー! うわああああ!!
というか、殿様は一体何を持ってきてるので御座るかァ!!?」
「だから言うておろうに!
咲々宮幻介~~コレこそが唯一にして絶対の、女難の館攻略法じゃと!!
さぁ早く被るのじゃ!! これを付ける事で皆が救われる未来があるのじゃから!!」
絶対ノリとテンションだけで適当な事言ってるで御座ろう殿!!
館の東側を幻介と夢心地は並走する様に駆け抜けていた――殿の手の中には、勿論えっちっち袋がある。ほれ! 被れ! このように! このようにじゃ! 詳しくは麿のイラスト一覧を見てくるのじゃ! ほれ、はようせんか幻介~~!
「幻介さん……そちらにいらっしゃるのですね? 分かっておりますよ――
今焙り出して差し上げますから、ご安心ください」
そして。そんな事話してたら――あっ、やべやべこの声はエルシアだ!
直後。幻介達がさっきまで移動していた所にあった、物陰になり得る台座が――吹っ飛ばされる。それはエルシアなりの祝福と言える火線の砲撃。破滅的威力の熱線は台座を粉々に砕いて、なお壁にすら威力を轟かせており……
「どこまで行かれるおつもりですか? どうせ館の中ではすぐに行き止まりですよ……?
皆様もお手伝い下さいますし、ね。ああ、勿論傷つけたくはないのですが……
もしも幻介さんがお望みなら……私、全霊を持って叶えさせて頂きます……」
「もう何がどうなればあんな事になるんで御座るかね???」
やべー女である! と、また砲撃放ってきた!!
「あっ。み~つっけった」
「――げぇ! リコリス!!」
瞬間。何故か天上の方から声がしたと思えば――其処にいたのはリコリスだ。ぎゃああ!
「ふふふふのふーん! これまで散々『仔犬』『お子様』『わんわんお』などと不名誉な呼び名や称号を与えられてきたボクが、今この時! ようやく! ””狼””となる時が来たッ!! その為の必要な生贄として……お命頂戴するよ~~!!」
「むぅ! これはまずい!! 然らばそこに隠れているギルオスよ、そなたも万が一の事があるとマズい、この予備えっちっち袋を被っておくが良い。これを被ればきっと女性陣か見つからぬ様に過ごせることであろう!」
「今君が指摘したから見つかったんだけどおぉぉぉ!?」
今宵こそリコリスは映えある狼の称号を得るのだ! 元々リコリス・ウォルハント・ローアは狼である。それも『(送り)狼を狩る狼』……言うなれば『狼の中の狼』である。そうなんですってば、そういう設定で産んだんですー!
なんと……与太リスちゃんにそんな設定が……リコリス~今日の称号は『( ‘ᾥ’ )』よ~
ともあれ本来、別に男子勢に恨みはない。ないんだけどなんとなく撃ちたいなぁ。一発ぐらいなら誤射だよね。なーんかラフィングピリオド(ガチ)したくなっちゃったなぁ! 特にそこでちょろちょろしているギルオス君も!
「この前よくも騙してくれたよね。お注射に連れて行かれた恨み……
ふふふふ。ここでチクッとさせてもらおうかなぁ。チクッ(ダメージ2390↑)と」
「や、やめろ! あれは必要な処置であって……そんなの撃たれたら僕が死ぬぞ!」
「ねぇギルオス君、知ってる――?」
男だけが狼とは限らないんだよ――?
轟く悲鳴。遂に男性陣側に犠牲者が出始めたか……! 外はまだ嵐です。畜生!
「おぅわ!? ど、どこに隠れてるのかと思いきや、こんな狭い所で瑠璃さんと二人きり!? ハ、ハレンチですよ! 貴方だけは実直な人だって信じてたのに! 天誅!」
「待て。誤解だ。せめて話を聞けッ――!」
「ふふ。おやギルオスさんもお疲れで倒れられているようで……
これはもう一室ぐらい改装が必要でしょうかね――?」
瑠璃に抵抗していた天をリディアが目撃。脳内お花畑レオンハートは天を後ろから『天誅』し、ついでに引きずられてるギルオスも女の敵因子が詰まってるので『天誅』しておいた。ふぅ、正義を成すと気持ちがいいですね!
「ぐおおお! だ、だが、稼げた一瞬で……他の者が助かるならば……本望極まる!」
「ふふふ。後はシェルターでお聞きしますね。大丈夫ですよ、外出が出来ないだけですから……」
「たすけてー! だれかー!」
天、敗れる。だけど……この一瞬はきっと無駄じゃなかったと、信じたい。
そうこの一瞬で助かった者がいるなら……それで、いいんだ……
謎のシリアス。引き摺られながら瑠璃特製のシェルターに連れていかれる――
「むぅ。このままで男衆が減り続けるばかり……なんとかこの袋を幻介に被せねば、事態の打開は、出来ぬ!」
「お、殿じゃないっスか……なんスか? 館の呪いを解く為にアイツ(幻介)がいるんスか? 面白そ……じゃなくて、必要だから仕方ないっスよね! よっしゃオレも協力するっスよ!」
「おお葵よ! やってくれるか! 幻介の奴が聞き分けがなくてすまんの!」
幻介が全部悪いんだ幻介がー! ともあれ合流した夢心地と葵は共に往く。
葵にとっては、まぁ他の男をデコイに逃げるのも少し気が引ける話なのだが……幻介に限っては話が別だ。何でも女性を誑かして遊んでるとかどうとかって噂だしな――そんな奴ァ一回痛い目でも遭わなきゃいかんだろ、なぁ幻介ェ!
女性陣には気を付けつつ、進行方向に先回りしてブロックして足止めするのだ――!
「ぐああああお主らどっちの味方で御座るか――!」
「今っスよ殿! その訳分からん物を被せるっス!」
「チェストォォッォオ!!」
えっちっち袋、IN!!
こうして誕生したのがえっちっち・幻介――幻介創世記一日目の話である。
「いやそういうナレーションいいからこの袋剥が……せない!?
殿――!! どうなってるんで御座るかこの謎物質! 殿、殿――!!」
周りが見えないよー! これはまずい。殿たちはどっかに走り去る気配があるし……
まずい、と思ったその時。
『……あー、ほら。こっち、安全だから来なさいな』
脳髄に言葉が響く――リディアのハイテレパス、だ。
なに――? 己を逃すというのか――? 呪いはどうしたのだ。
『え、呪い……? なんですか貴方、私にモテている、だなんて自惚れてるんですか?
そんなの無いから、さっさと行ってくださいよ
まぁどうせ、すぐにエルシアさん辺りに焼かれるんでしょうけどね!』
「酷くないで御座るか!!?」
でもまぁ逃がしてくれるなら良いかと、幻介は駆け抜けて。
……うーん。やっぱり、一発くらい殴っておけば良かったかな……
後悔しているような、そうでないような。まぁでもとにかくそれはそれとして。
「おのれ参ったで御座るか呪いの権化! しかし麿はタダではやられぬ!」
なんか殿が向かって来た。変な印を切りながら。
臨! 兵! 闘! 者! 皆! 陣! えち! えち! 前!
ぬおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!
えっちっちパワーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
全!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
開!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
謎の光が館を包む――これが幻介創世記二日目の出来事――
「ハァ……ハァ……やったか?」
「やってない(天誅)」
リディアが殿を一閃する。背中より討たれる麿――時世の句すら読めぬ神速。さすれば。
「う、うわあああ! 来るな! 来るなで御座る!!
このギルオスブレードが目に入らぬで御座るか――!!」
遂に追い詰められた幻介は恐怖のあまりかぶっ倒れてたギルオスを武器に壁際で抵抗せんとする。えっ? いや女性陣だし、流石に刀で斬り伏せる訳にはいかないし……えっ? いやだからギルオスはいいんだってギルオスだし!!
「おやおや。幻介さん……随分と可愛らしいお姿になられましたね。ですがご安心ください。幻介さんにはウルズさんが居られますし、それに割り込んだりはしません……一時的なモノですよ」
「あぁ。そんなに震えながら反撃のフリだなんて……どこまでも優しいのですね……」
そしたら眼前に瑠璃とエルシアが現れた。
もう駄目だ逃げられないよー!
エルシアの魔力が収束し、瑠璃の妖しき瞳も彼を捉えれば。
お望み通り、正妻(予定)のウルズさんの分まで婚姻届に判を押したくなるように――
「調教……致しますね♡」
いやああああああ!!
銃撃。魔力。斬撃。転倒。捕縛。監禁。調教。以下省略!
悲鳴轟く――女難の館にて男子全滅。
それと同時にまるで館が浄化されたかのように――外も晴れ始めた。
「はっ、私達は一体何を……いや大体全部覚えてますけれど」
瑠璃は呟く。死屍累々となった館の一角で。
これが女難の館の――力だったのだろうかと。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
ありがとうございました!!!!!!!!!!!
これ女難の館、今度は船の上とか謎の地下室スタートとか完全に逃げられないパターンもやってみたいですね(
GMコメント
リクエストありがとうございます!! ちくしょう、なんだこのシナリオは!!?
以下詳細です!!!
●依頼達成条件
うおおおお生き延びるんだあああ!!
●フィールド・シチュエーション
『女難の館』と称される場所です――
この館ではむかーしむかし、色々あった末にある男性が女性に刺されたそうな。
それは男側の自業自得とか言われてるそうですがともあれ……その時の悶着が呪いとして残っているのか、この館へと訪れた女性陣には異変が発生するそうです。
例えば。男性を見ると包丁で刺さんとしたり、お皿を投げつけたり。
熱湯ぶちまけようとしたり、黒板消しトラップ仕掛けたり。
連帯保証人にしようとしてきたり勝手に財布を盗み取らんとしたり……そう色々です! えっ、ちょっと待って後半のは本当に呪いかって? 呪いだよ呪い!! 呪いの所為さ!!
それらを纏めて『女難の呪い』がこの館にはあるのです――!
●メタ的に
つまり本依頼の女性陣は男性陣になにがしかの攻撃を仕掛けてしまいます!(そういった呪いに抗う事自体は可能です!) しかも呪いブーストなのか、女性陣はあらゆる能力値に大きな補正が付きます!
館から離れる事が出来れば効果はなくなるはずですが……しかし外は嵐の真っただ中!
『ええいこんな所にいられるか、俺はローレットに帰らせてもらうぞ!』そんな事をしようものなら嵐に巻き込まれて遭難してしまうかも! 幸い、山の天候は変わりやすいので少し粘れば晴れるかもしれませんね。うん!
――とにかく男性陣は逃げてください! 女性陣は呪いのままに追いかけちゃってください! 勿論これは館の呪いによるものなのでハイルール違反などではありません! 気にせずやっちゃいましょう!(真面目に『流石にこれはちょっと!』的なやりたくない事があったらプレイングで記述があればそれは避けます!)
●『女難の館』
幻想の山奥に存在する古い館です。
結構大きめです。書斎や客間、大広間にキッチンなども完備しています。なんか殺人事件とかミステリーものが始まりそうな雰囲気を携えている場所です。館の周囲は林に包まれており、人気はありません。
また外は嵐になっており、大変危険です。隠れる場所とかは沢山ありそうだから、頑張ろうねイレギュラーズ!
●ギルオス・ホリス
皆に依頼を斡旋した情報屋です。彼も女難の呪いなんて信じてなかったのですが、ご覧の有り様ですよ! どうしてー! 彼もまた逃げています。幾ら呪いの所為とは言え仲間を殴るのはちょっと……という場合は彼を殴ってください。大丈夫、ギルオスだよ!
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
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