シナリオ詳細
サメを一番スタイリッシュにガッてした人が優勝する依頼
オープニング
●スタイリッシュに優勝していくわよ
空を舞い牙をむき出しにする凶悪なサメ。
対してディープシーボクサー撲沢・ギャラクティカ・剛(なぐりざわ・――・つよし)はタイ風ボクシングスタイルの構えを取った。
「オレの名前はギャラクティカ剛。スタイリッシュサメ殴りコンテスト三年連続の覇者!
今日のオレは……テンションしてるぜ!」
何がテンションしてるのか、サメ殴りコンテストって何なのか、すべての説明はもはや無粋。
今ギャラクティカ剛の脳裏に浮かんでいるのは真っ白な世界と、孤児院の子供達。
自分が世話になった孤児院を元気づけるため、彼は地元でも憧れの的となるこのサメ殴りコンテストに出続けていた。
襲い来るサメを睨むギャラクティカ剛が独特のステップでサメへの距離を詰め、素早く顎に一撃。からのスウェー移動と回転するようなターンを組み合わせながら肘、手動、膝、連続で相手の各方向から打撃を浴びせももの一秒程度で『舞い』を完了させてしまった。
スッと拳を突き出した姿勢で止まる彼の背後で、サメは遅れてきた連続の衝撃に踊り、そして力尽きる。
「フッ、この技で今年の覇者もオレが――はうあ!?」
ギャラクティカ剛は脇腹を押さえるとがくりと膝を突いた。
こんなことで倒れるわけには行かない。
今年も華麗なるサメ殴りを待っている子供達が……。
●ピンチヒッター参上
「食あたりですね。昨日食べた牡蠣なのです」
「くっ……!」
医者の診断結果を読み上げた『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)の言葉に唇を噛むギャラクティカ剛。
ベッドに横たわりめっちゃゲッソリした顔をしていた。
「やはりか……かくなる上は、ローレット! オレの代わりにサメ殴りコンテストに出てくれ! 孤児院の子供達を、元気にしてやりてえんだ!」
ギャラクティカ剛が育った孤児院は、海沿いにあるチュラサ孤児院である。
七人の子供を養っている施設であり、壮年の院長が管理している。
ただいまギャラクティカ剛がベッドで寝ているこの場所こそ、まさにそのチュラサ孤児院なのだ。
「最近は、物騒なことが多い時代になりました。子供達も表面的には元気に振る舞っていますが、やはり不安は隠せないようです」
そう話すのは、スポーツドリンクを買ってきた院長だった。
「そんな彼らが毎年いちばんの楽しみにしているのが、このサメ殴りコンテストなのです。この島では毎年行われる祭りで……」
話の途中で、ユリーカがスッと手をかざした。
ここから先の説明はまかせるのです、というジェスチャーである。
「サメ殴りコンテストの内容はシンプルなのです。
それは、サメを一番スタイリッシュに倒した人が勝ちというものなのです」
コンテストに使われるのは陸鮫という特殊なサメで、陸上をなんかふよふよ浮いてるサメである。ぎゃくに海では泳げないという悲しき生き物だが、この季節になると増え出すので駆除もかねてこのコンテストが行われているという。
参加者は陸鮫が発生するフィールドに散らばり、見つけた陸鮫をスタイリッシュに倒していく。
『サメ殴り』と称しているが倒し方に制限はない。魔法で焼いても、銃で撃ち殺しても、なんかよく分からない謎の何かでアレしてもOKだ。要はスタイリッシュなら勝ちというルールである。
「今回ローレットに依頼されたのは、この大会で優勝を狙うことなのです。
とはいっても、簡単にベテランサメ殴リストたちを上回れるかと言えばそうではないので、あくまで『目指すこと』と依頼されました。
子供達にスカッとした気持ちを届けるために! なのです!」
- サメを一番スタイリッシュにガッてした人が優勝する依頼完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年12月30日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●サメ殴りコンテストってなに
島のサメ殴りフィールドへと船が進み、飾り付けた甲板では開会式がひらかれている。
ある意味で百戦錬磨の『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)はなびく髪を抑え、キリッとした顔で船の行く先を振り返った。(このむき出しの背中を日に当てた画角からの見返りカットは予告映像にも使われます)
「そうか。もう、サメ殴りコンテストの季節なのだな……」
空に浮かぶのはギャラクティカ剛の笑顔。
共にサメを殴り、サメに乗り、サメを食い、カートレースゲームで箱コン掴んで並んだ思い出(自機はたぬきタマロ)。
とかいう存在しない記憶をよぎらせたあと、『サメ殴りで子供達を幸せにしてやりてえんだ!』という謎の回想シーンが流れた。
「ああ、任せておけ。
世の為人の為子供達の為。この仙狸厄狩 汰磨羈、サメを見事にガッしてみせようではないか!」
すらりと刀を抜くと、ヒュンヒュンと8の字に振り回した後、鋭く構えて目を光らせた。
「フフフ。滾ってきたぞ……!」
彼女の左右には『ドキドキの躍動』エドワード・S・アリゼ(p3p009403)と『謎と闇』レーツェル=フィンスターニス(p3p010268)がそれぞれ並び、これから始まるサメ殴りコンテストの試合開始を待っている。
「スタイリッシュ、か……」
レーツェルは己の手をかざし、指折りすることでこきりこきりと拳の関節を鳴らした。
「この世界のスタイリッシュという概念はまだ完全に解っていないが、ワタシは観たことがあるぞ。海産物がその腕でサメを締め落とす映画を。
フフ、映画になるくらいなのだからさぞや評価される行為なのだろう!」
鮫をしめおとす気満々のレーツェルの横に、『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)がばっさばっさと翼を羽ばたかせながらゆっくりと着地。
海鳥の声がひっきりなしに聞こえるくらい港に近づいたようで、アクセルはどこか爽やかな面持ちで島にそびえる山を見た。
「陸鮫、便利なんだよね。沢山捕まえて売りさばけないかな……」
「また豪気なことを」
陸鮫のことは知らないけど、苺摘みコンテストでとった苺を売りさばいたら開催者からグーで顔面やられそうである。少なくとも心の内では。
「とにかく今回は、スタイリッシュにガッとやれば良いんですね!」
『ゆめうさぎ』冬兎 スク(p3p010042)がガッツポーズで言うと、刀の柄を拳でかつんと叩いて見せた。
「ワニを!」
「サメね」
「サメを!」
きりりっと目を光らせ、そして……すぐ近くの『特異運命座標』エア(p3p010085)へと振り返った。
「所で、スタイリッシュとは?」
「格好良いということですよ」
そう言うとエアは、陸鮫に跨がってビッと親指を立てた。
だいぶお上品なフリルが沢山ついたお洋服をきたお嬢さんがサメに跨がるという、ちょっと同化している光景だった。しかも堂々と。
「この子ですか? ハーブの効いたからあげとビールで懐いたフカ太郎さんです」
「なぜそんな居酒屋のメニューみたいな組み合わせで……」
ツッコミ所に迷うスクをよそに、エアは可愛いポシェットからスッと注射器を取り出した。中身はなんか、なんだろう、妙に不安な色をした紫色のなにかだった。
「これをこの子に注入すれば……えへ、えへへ……」
「たいへん、エアさんがコンテストの趣旨を斜め上に理解してます!」
助けを求めるかのように振り返ると、『enigma box』ティヴァ(p3p010172)が満面の笑みで頷いた。
「ティヴァ、コドモが笑顔になるのスキダヨ」
「あ、いや、そういう話じゃなくてですね」
「ティヴァまだまだ経験、全然ナイケド、笑顔できるようにガンバル。
スタイリッシュガッ、ガンバル!」
「は、はい……」
これから運動会にいく子供みたいな無邪気さで剣をよいしょって担ぐティヴァを見たら、誰だって止められやしなかった。
だって想像してみて。
鑑定団に出てきそうなロボットが両腕(?)をがしゃこんいいながら上下に動かして、ブラウン管テレビみたいな頭を左右に振ってる光景。大きさで言えばご家庭の石油ファンヒーターくらいのサイズをしたそれが、画面に『^▽^』て顔文字を表示してこっちみたら誰だって止めたくない。
大きな剣といっても刃渡り80センチくらいの一般的なロングソードタイプなのに元が小さいからめっちゃデカい剣にみえるし。
「ティヴァ、ミンナのために、ガンバレル!」
「は、はい、がんばりましょうね!」
水を差してはならぬとばかりにガッツポーズでこたえるスク。
そんな仲間達のなかで、『いわしプリンセス』アンジュ・サルディーネ(p3p006960)はふよふよ飛んでるエンジェルいわしのエルキュールさんに人差し指を翳した。
エンジェルいわしの意外とふわっとしてる体表のうぶ毛を指で撫でるとこくりと頷く。
「海を知らないさめなんだ……でもさあ、こいつら、いわし食べてそうな顔してるね。ねえ?」
エアが跨がるフカ太郎さんへ振り返ると、フカ太郎さんがヒッという顔で引いた。
「まあ実際お前らがいわしを食べてようが食べてなかろうが関係ないんだよ。お前らの祖先は食べたかもしれないでしょ。
何のために陸に上がってきたか知らないけど、せめて草食にでも進化していくべきだったね」
これまで食べられてしまったいわしのために……と拳を握りしめ、アンジュは天に向かって突き上げた。
「サメを、なぐるよ!」
●サメをなぐるよ!
大歓声の中で始まるサメ殴りコンテスト。
魔法の中継アイテムによって巨大スクリーンが映し出される観客席たちから、孤児院の子供達が見守るなかで期待をうけたアンジュたちが走り出す。
まずアンジュが陣取ったのは砂浜地帯。
海を泳げないわりに海が好きなのか、一部の陸鮫たちが浜に集まりカバディごっこをしていたが……アンジュを見つけるやいなや牙をむき出しにして振り返った。
「パパたち、出番だよ!」
ビッとアンジュが人差し指を天に掲げると、海から飛び出してきた無数のいわしがアンジュの周囲を高速回遊。
襲いかかる陸鮫とイワシの群れによる大激突が始まった。
「さめっていう巨悪を、いわしの群れが倒す。
一匹一匹は小さくて弱いけど、集まれば大きな力に。
子どもたちはそんないわしを見て勇気を貰えることは間違い無しだよっ」
アンジュが「いけー!」と叫ぶといわしは軽く涙目になりながらも陸鮫へ特攻。サクサクと突き刺さるいわし(イワシの口は案外鋭い)によってグオオと陸鮫が呻いた所で、アンジュは拳に力を込めた。
「戦いの中で犠牲になったいわしたちの無念……いわしの仇!」
「!?」
けしかけたのあなたでは!? という陸鮫の目もなんのその。アンジュは残像をシュガーっと急接近すると陸鮫の顎めがけていわしアッパーストライクをぶちかました。
「ばいばい。次はいわしに生まれてきなよ。
そうしたら愛してあげるから」
キランと空のお星様になった陸鮫に、アンジュはしめやかな祈りを捧げた。
舞い飛ぶ陸鮫の群れ。アクセルはそのなかを縫うように飛行すると、銀鯨の髭を加工して作ったという魔法杖(タクト)ですれ違いざまに陸鮫を打った。
「まずはこれだ!」
描くラインが魔法を生み出し、するどく固い雹を陸鮫たちへと降り注がせる。
何体かの陸鮫がよろよろとなったところで、必殺の『ファッシネイト・ラッシュ』を発動。陸鮫の周囲を舞うように飛び回りながらタクトによる打撃をたたき込み、最後に打ち込んだ魔法の突きはビリヤードボールのごとく陸鮫を吹き飛ばした。
他の陸鮫に衝突し団子状になったところに、アクセルはすかさず次なる魔法を発動。
突き出していたタクトかた放たれた魔法の光線が陸鮫たちを打ち抜いていく。
何体もの陸鮫を見事に、かついっぺんに倒したアクセル。
その一方でレーツェルは低空飛行状態になった陸鮫へと跳躍し殴りかかった。
「楽しませてもらおうじゃないか」
拳に湧き上がる闇のオーラ。彼女を食いちぎろうと開いた陸鮫の口に怯むことなく鼻っ面に拳をたたき込むと、強引かつ暴力的に陸鮫を吹き飛ばした。
地面をバウンドし転がっていく陸鮫。
他の陸鮫がレーツェルを警戒するように振り向き殺気を向けるが、レーツェルが止まることなど無かった。素早く陸鮫の一匹へと組み付くと、首部分に触手を回し謎の腕力でもってしめおとしてしまった。
サメをしめおとすという巨大イカしかできないような芸当に、観客席が歓声を送る。
そのまた一方では、エドワードが陸鮫たち相手に奮戦している。
「ミンナ、スゴイ……」
両腕をがちゃがちゃと動かし、ティヴァはディスプレイにキリッとした顔文字を表示させた。
「飛んでるサメを、ティヴァも飛んでタタカウ!」
箱状のボディの背部をぱかっと開くと、おもちゃのロケットめいたパーツを露出。ジェット噴射をかけると、ティヴァは空へと舞い上がった。
その様子にギョッとする上空の陸鮫たち。
両手でしっかりと握った剣で斬りかかると、陸鮫はすぱんとヒレを切られ墜落していった。
いくら空を飛べるといっても飛行戦闘に適した生物ではない。空まで追いつけばひとたまりもないのだ。
墜落した陸鮫がドサリと地面に横たわる一方、他の陸鮫たちが降下しティヴァへと戦いを挑んでくる。
ティヴァはディスプレイにスピードメーターめいたグラフを表示させると、胸の中でガチャンと一段階重いギアへと入れる音をたてた。まるでティヴァの気持ちに応えるようにメーターが赤いラインにまで針をふりきれさせると、ティヴァは頭部からぶしゅうと蒸気を噴き出しながら急降下。
握っていた剣にオイルを流し炎を灯すと、燃えさかる斬撃で陸鮫を両断した。
いかにもロボットロボットした足で大地を踏みしめ、あがる砂煙と蒸気のなかで顔をあげるティヴァ。
「…………サメッてオイシイノカナ?」
普段捕食者側にいがちな陸鮫に向けたそんな言葉は、意図せず彼らを怯えさせた。
ティヴァはここぞとばかりに剣を水平に構え、ロケットもまた水平方向に傾けると急速回転をかけ、回転のこぎりのごとく陸鮫たちを次々に切り裂いて行った。
「な、なんという猛攻……負けていられませんね!」
自前の陸鮫(フカ太郎)に跨がったエアは、注射器をぶっすりとフカ太郎へと突き刺した。
「えへへ、この超人薬でぱわーあっぷしたフカ太郎さんを乗りこなし縦横無尽に駆け回る……スタイリッシュ大賞間違いなし。フカセレクション金賞受賞!」
カッと目を見開いたフカ太郎のヒレをしっかり掴むと、エアは眉尻を上げた。
「さあ行くのです! 超鮫化フカ太郎! さめの限界をみせr――!?」
ギュボッ、という音がした。
浜辺から超高速で飛び出した陸鮫が一旦水面に突っ込んだ後いきおいで浮上し上空へと飛び出しインメルマンターンをキメたあとそのへんの陸鮫へと突っ込んでいった音である。エア主観の。
「きゃあぁぁ!! フカ太郎止まってぇぇ~~~!!」
あまりに猛烈な突撃に驚いた陸鮫がぎゅっと目を瞑り、どころかヒレで顔を覆うほど怯えた……が、その横をフカ太郎は高速で突っ切っていく。
そう。超人薬でハイになった上タル一杯のビールと唐揚げでべろんべろんになったフカ太郎は暴走機関車もとい暴走陸鮫。エアのコントロール力のなさ(ある意味の美点)も相まってきりもみ回転しながらヤシの木へと突き刺さった。
「むきゅう……」
勢い余って自分も頭からヤシの木へと刺さったエアはびぃーんと震動すると、木から頭を抜いて首を振った。
一連の動きがほぼカートゥーンアニメだった。
そして暫くの間、エアは子供達の間で『暴走シャークライダー』の名で呼ばれるという伝説を残したのであった。
「さあ、ここはひとつ堅実にいきますよ……!」
スクは小高く切り立った丘を走り抜けると、崖っぷちで勢いよくジャンプ。
大空へ舞い上がるような美しい跳躍を見せると、陸鮫たちに群れへと飛び込んだ。
陸鮫は空を飛ぶわりに高高度ではほぼ無力。スクの垂直回転斬りによって真っ二つにされ墜落していく陸鮫をみて、残る陸鮫たちが急いで地上へと急降下を始めた。
「逃がしません!」
スクは上下反転したまま空中に半透明なホッパーパネルを生成すると、中央に表示された兎型のロゴマークを両足でぎゅっと踏みつけた。
反発する勢いをそのまま推進力にして地面に向けて『再跳躍』した。
その速度は地上へ向けて泳ぐように飛ぶ陸鮫たちのおよそ二倍。後から走ったにも関わらず地上で待ち構える形になったスクは、刀を両手でしっかりと握りしめた。
まるで大きな旗をふるかのようなフォームで斬撃を放つと、赤い斬撃のオーラが彼女の頭上へアーチ状にかかる。
ただ美しく赤いアーチをかけたわけでは、もちろんない。
降下してきた鮫たちは一片に斬り割かれ、そしてバラバラになって落ちていった。
「少しは、『スタイリッシュ』ができたでしょうか……」
「さて」
汰磨羈は抜いた刀をくるくると回し、空へと放り投げる。
スローモーションになる世界のなかでゆっくりと自らもスピンし髪をなびかせると、落ちてきた刀をチアのバトンのごとくキャッチした。
「――来い」
人差し指だけでくいくいと手招きする汰磨羈に、陸鮫の群れが襲来。
が、汰磨羈はそんな中を凄まじいスピードで走り抜けた。
群れで襲いかかった陸鮫だったが、誰も彼女を捕らえることも、まして傷つけることもできない。
汰磨羈は細く息を吸うと陸鮫の開いた口に刀を当て、顎の付け根から尾びれにかけてを一直前に切り裂いて行った。
上下に分割された陸鮫が地面へと崩れるのを背に、ターンした陸鮫の鼻先を刀の柄で殴りつけ怯ませた。
追撃に出る――でもなく、汰磨羈は滑るように180度ターンをかけて刀を収める。
首をふった陸鮫は今度こそはと食らいつくが、動くのは汰磨羈の方が先だった。
食らいつこうと口を開いたその瞬間、下をスライディングで滑り抜けながら胸びれを斬り割き、すぐさま振り向きながら側面へと回り込んだ。
「見せてやろう。ねこの本気というものを」
クールに微笑む一瞬。
既に刀を収めていた両腕に十字の光が無数に瞬き、一瞬遅れて凄まじい連打が陸鮫側面へとたたき込まれた。
最後に突っ込んだ手で陸鮫のヒレをもぎとり、天へと掲げてみせる。
観客席はその様子に拍手し、そして立ち上がって歓声を送った。
……かくして、大歓声の中終了したサメ殴りコンテスト。
表彰台に上ったのは、ひときわスタイリッシュなアクションを見せつけた汰磨羈だった。
鮫型のトロフィーを小脇に抱え、手を振る汰磨羈。
表彰式の拍手は、暫く鳴り止むことは無かったという。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
――mission complete
GMコメント
●オーダー
サメ殴りコンテストで優勝を目指す
陸鮫の発生する島に散って、サメを倒していきます。
このとき倒す数や大きさは関係ありません。
いかにスタイリッシュに倒すかが重要なので、あなたの考えるスタイリッシュバトルアクションをプレイングに叩きつけてください。
困ったら『こういうスキルでかっこよくしたい!』という気持ちを叩きつけるだけでもOKです。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
Tweet