PandoraPartyProject

シナリオ詳細

これが私の爆破オチ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●フラグを立てるな爆発するぞ
 爆発オチ。
 全ての事象は爆発オチで解決するらしい。
 どんなに状況が無茶苦茶でも爆発オチになれば何もかも元通り。
 そんな事を練達の研究者にかつて囁いた馬鹿がいて、それを実現してしまった馬鹿もいたらしい。
 通称、爆破オチウイルス。
 あらゆるめんどくせー状況を解決するウイルスが、なんだかんだあって鉄帝に流れてきて、しかも流出したらしい。
 そう、その恐ろしい実例がある。
 鉄帝の街で、イケメンが大人しそうな女性を壁に追い詰め手を突く。
 いわゆる壁ドンである。
「あんまり俺を挑発するんじゃねえよ……本気になっちまうぞ」
「な、なんなの貴方! 自意識過剰が過ぎるんじゃない!?」
「ハッ、自意識過剰? 俺くらいになるとそういうのも許されんだよ」
 何を言ってるんだコイツは的な台詞だが、確かにそれも許されそうなイケメンぶりではある。
 そのイケメンは女性の顎に手をかけ、ニヤリと笑う。
「俺を否定する女がいるなんざ、天地がひっくり返っても有り得ねえんだ。お前だってほんとは」
 パン、と叩かれる男の頬。
 目に涙を溜めた女性は「そういうところが嫌いなのよ!」と叫んで走り去り……男は、叩かれた頬をさすり笑う。
「ハッ……面白ぇぐはあああああ!?」
 ドゴンッと。ド派手な音をたてて男の立っていた場所が大爆発を起こす。
 何故かアフロになって服がボロボロの男は地面に落下し、ケホッと黒い息を吐く。
「……なんだこりゃ」
 ガクリと気絶した男を見て、誰もがドッと笑う。
 走り去っていく途中だった女性もだ。
 全ての悪感情が消え去ったかのようなその場で……男の方もやがてムクリと起き上がると、全てのしがらみがリセットされたかのような爽やかな表情で歩き去っていく。
 その日、女性に「君の為なら死ねる!」といった男が爆発したり職場でとびきり臭う屁をこいた有名セクハラ親父が爆発したりと、何件かの爆発事件が発生したが……これが、流出事件発覚までの流れである。

●爆破フラグを潰せ
「というわけで、依頼になったわけですが」
 チーサ・ナコックはそう言うと爆発事件の資料を机に並べていく。
 爆破オチウイルス。
 めんどくさくなった状況を爆破し、本人や周囲の悪感情をリセットするという凄まじいウイルスである。
 しかし限界もあり、ある程度の回数や規模の爆発を起こすと力を失い消滅するのだという。
 つまり、どういうことかというと。
「現地に行ってフラグたてて爆破オチきめてくるです」
 そう、誰かがフラグを立てる前に爆破オチで全部解決しそうな状況を作り上げて、爆発して吹っ飛ばされればいいのだ。
 幸いにも、当時の資料からあと数回の爆発でウイルスが無力化しそうだという情報が出ている。
 そして爆破オチで解決しそうならどんなネタでもいいらしい。
 周りが「爆発しろ」と思うようなラブラブや、他にも漫才に1人芝居、大道芸にその他諸々。
 オチをつける必要なんてない。
 ウイルスが爆発させてくれる。
 まあ、万が一。万が一爆発オチウイルスが切れた時点で何かやってる人が居たら、終わりどころを見失うかもしれないが……その時は誰かが介錯してやればいいだろう。
 それもまた、今回の仕事のうちなのだ。

GMコメント

爆破オチは全てを解決します。
好き放題やって爆破オチできれいさっぱり終わらせましょう。
どんなネタでも構いません。全力で挑んでください。
なお、皆さんの中で1人、コンビネタの場合は2人だけ爆発できない人が居ます。
事前に「爆発オチできない人」と「介錯人」を決めておくとよろしいと思います。

コンビネタを決めたい場合で人がいない時はチーサが嫌な顔で手伝ってくれますが、ビンタされるくらいは受け入れましょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 全ては爆発オチで解決し、爆発オチなんてサイテーとか言われる可能性があります。

  • これが私の爆破オチ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2021年12月12日 22時21分
  • 参加人数4/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ヘルツ・ハイマート(p3p007571)
チュチュ・あなたのねこ(p3p009231)
優しくて不確かなすべて
エア(p3p010085)
白虹の少女
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

リプレイ

●爆発せよ、爆発のために
「随分珍妙なウイルスですね……」
 ヘルツ・ハイマート(p3p007571)が、そんな身も蓋もないことを口にする。
 それとも、いきなりオチをつけて爆発しようというのか。
 だとしたら、中々の蛮勇である。
「フラグ? を立てればいいんですよね。いまいちよく分かりませんが、善行を行えば条件は満たせそうですね」
 この事件はそもそも、ウイルスが原因である。
 爆破オチウイルス。
 めんどくさくなった状況を爆破し、本人や周囲の悪感情をリセットするという凄まじいウイルスであり、その解決の為にヘルツたちは駆り出されたのだ。
 そして仲間たちは、すでに町のあちこちに散っている。
「街を歩けば困った人にも出会えるでしょうね。助けつつ、フラグをたてますか。こう、何て言いますか、恋愛的な? ややこしい修羅場に巻き込まれそうな気もしますが」
 なるほど、それは確かに正しい使い方ではあるだろう。
 ……もっとも、フラグとか恋愛感情は悪感情ではないのでリセットされないが。
 さて、では他の面々はどうしているのだろうか?
『特異運命座標』エア(p3p010085)は、仕込みをしたうえでメイド喫茶に居た。
 鉄帝にもメイド喫茶はある。まあ、鉄帝だからあるとも言えるが、それはさておき。
「えへへー!メイド服、似合ってますか?」
 エアはそう言って、スカートのフリルを少しだけ翻す。
 メイドは可愛らしさと清楚を両立させるべきもの。
 お店ごとのメイドの解釈によるが、大体そんな感じである。
「という事で今日はメイド喫茶のメイド1日体験をさせてもらえる事になりました! 何したらいいかよく分からずに街を彷徨ってたらメイドさんにスカウトされちゃったんです! 爆破オチの明確なビジョンは全然ありませんけど、もしかしたらカッコいいご主人様とのフラグが立っちゃったりして! きゃー☆ よーし、メイド業務頑張っちゃいますよ!」
 そんなこんなでメイド喫茶「ボンボカン」でのメイド業務を始めるエアだが……中々その姿は堂に入ったものである。
 しっかりと萌えビームを放ったりジャンケンしたり、かわいらしさをしっかりと振りまいて。
「いってらっしゃいませご主人様♪ ……ちゃんとお見送りまで出来たぁ、やった!」
 一通りの業務をこなした頃、仕込みが発動する。
「あっとと! いらっしゃいませお嬢さま! ……ってあれ? チーサちゃんじゃないですか、来てくれたんですね♪」
「いや、頼まれたら来るですが……なんでメイドです?」
「え? や、やだなぁ……ちゃんと爆破オチのフラグは探してますよ……?」
「仕事放棄……」
「まぁまぁ! 折角ですしゆっくりしていって下さい! ご注文は何になさいますか?」
 目がバタフライしているエアをじーっと見ていたチーサではあるが、エアが必死に誤魔化そうとしているのでのることにする。
 この状況がどうにもならなくなったら爆発するだろうと、そう考えて。

●これが私の爆破オチ
 さて、目的を見失う者もいればしっかりと目的の為大暴走する者もいる。
 ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)である。
「わっはっはっー! なんてヘルちゃん向きな依頼が来たのだ!」
 そこまでであれば、なんとも頼りがいのある言葉だろう。
 自分向きと豪語する者は大抵凄い成果を発揮する。
 ヘルミーネもその部類なのだろうか?
「これはつまりアレなのだ……どれだけ周囲に悪戯しようと爆発オチすれば全部許されてお咎めなし!」
 おおっと、ちょっと危ない。
 その通りなのだが……いや、逆にこのやる気は大丈夫なほうかもしれない。
「……なんて素晴らしい! これならヘルちゃんの悪狼っぷりをいかんなく発揮できるのだ! そうと決まれば……スカートめくりで悪戯しまくってやるのだ! 最初の標的は……まずは婆ちゃんなのだ! あえて身内から狙っていく……うーん! 悪なのだ!」
 結末は爆破オチで支払うことになるだろうが……ともかく、ヘルミーネの狙いは「婆ちゃん」……神楽・ニヴルヘイムであるようだった。
 その神楽は自分を婆ちゃんと慕うヘルミーネに呼ばれてウキウキしているのがよく分かった。
「ふむ、ヘルミーネに買い物に誘われ、こうして大通りで待ち合わせしておるのじゃが……ふむ、孫と買い物とはお婆ちゃん冥利に尽きるのォ」
 別に血が繋がっているわけではないが、自分を「婆ちゃん」と慕っているヘルミーネに神楽も悪感情を抱いては居ない。
 むしろ、孫の1人だと可愛がっている。
 だからこそ、今回のお誘いは素直に嬉しくて。
「婆ちゃーん!」
(ここなのだ。大通りの人が沢山いる場所で待ち合わせしてた婆ちゃんに駆け寄る振りして全力移動からのスカートめくり! なのだ!)
「おお、ヘルミーネ。ここじゃ……ハッ?」
 めくれ上がる袴スカート。見えるのは兎さんパンツだ。
「婆ちゃん! まだウサパン(ウサギさんパンツ)履いてるのだ! いい加減年を考えるのだ!」
 そう叫び、ヘルミーネは使える技能を全開で逃亡していく。
 その様子を神楽は呆然と見送って……しかし、すぐにハッとしたような表情になる。
「ふふふ……儂のお婆ちゃん心を傷つけただけではなく、ウサパンを馬鹿にしおって! 許さん! 今日という今日はお仕置きじゃ!」
 笑顔でブチ切れながらヘルミーネを追いかけ続ける神楽からヘルミーネは笑いながら逃げる。
「くっくっく! さてそろそろ爆発オチになるのだ? ……あれ?爆発オチにならない……何なら婆ちゃんも笑顔で超絶怒りながら迫ってきてるー!? な、なんでなのだー!?」
 当然だ。爆発オチをするには一発お仕置きされてからが相応しい。
 オチには足りない、足りないのだ。まだヘルミーネのネタは続いている。
「ひぃ!? は、早く爆発オチさせないと……婆ちゃんにお仕置きされる! こうなったら手当たり次第にスカートめくってやるのだ!」
「きゃあ!」
「ひゃあ!」
「まあ!」
 そうして手当たり次第にスカート捲りをして逃げていくヘルミーネと、追う神楽。
 その様子を『優しくて不確かなすべて』チュチュ・あなたのねこ(p3p009231)は、クスクスと笑いながら見守る。
 どういう感じで爆発しようとしているのか、理解できたからだ。
 あれはさぞ大きな爆発になるだろうと、チュチュはそう理解する。
「最初からオチが解っているというのも不思議な話よねぇ」
 そう、あらゆるオチは爆破オチで分かる。
 安定感はあるが、緊張感は足りないだろうか?
 しかし、やるべきことはこれ以上ないくらいに明確だ。
「それじゃあ折角だし、ナンパでもされようかしら。ナンパされるのは嫌いじゃないけど、その後が面倒なのよね。駆け引きパートだけを楽しんで、後腐れなくドカーン。いいじゃない」
 視線の先では丁度、ヘルツと3人の女性がドカーンといっている。
 何をやったのかは、やはり想像がついてしまう。
 そうそう、ちょうどああいう感じなのだ。
 相手は男でも女でも、一人でも複数でも良い。
 オープンカフェのような場所で一息つきながら、チュチュは非戦スキル『夜花』を活用して、好色そうな暇人を見つけたら視線を送る。
 頬杖をついて、ちらりと見つめて、ふいと視線を逸らして。
 もう一度視線を合わせたら、にこり。
 まるで恋の物語の始まりのような、そんな爽やかな風景だ。
 当然、チュチュのような美少女に声をかけられた男はフラフラと……花に近づく蜂のようにやってくる。
「あ、あの……」
「なぁに。あなた、暇なの?」
 なんて、気怠げに応えて。
 釣ったのは事実だ。けれど、餌をあげるとは一言も言っていない。
 ワタワタとする男は、残念。今日は可哀想な配役だ。
 このひと時の幻だけが、彼に与えられる報酬。
「どうしようかしら。あたしも暇だけれど、退屈なのは嫌なのよ」
 満足させてくれるの?
 そう微笑むチュチュの姿は、実に魅力的で。
 けれどチュチュにはその気はない。
 のらりくらりと、乗り気を見せたり、相手を試したり。
 彼は知るまい。これは恋物語ではなく、喜劇なのだと。
 相手が熱を帯びてきたら、他の人に視線を送って。
「しつこくて困ってるの、助けて下さらない?」
 殊勝な顔をして、儚き花の上目遣い。
 ああ、なんたることか。それもまた喜劇。
「嫌がってるだろ、やめろよ……」
「な、なんだよ!」
 その光景もまた、チュチュの手の内。
 心の中でくすくす笑うチュチュの配役は、実に悪女だ。
「イケメンがあたしの為に喧嘩するなんて、最高の見世物よねぇ」
 喧嘩が白熱して、あ、そろそろ爆発しそう……と思った頃、チュチュはルーンシールドを張る。
「あなた達だけで爆発していて頂戴な。あたしはいやよ?」
「は?」
「え?」
 ドゴン、と。見事な大爆発を背後に背負いながら、チュチュは悠々と歩いて帰る。
「ふふ、なんだかヒーローショーのワンシーンみたい。これがあたしの爆発オチよ」
 そう、しかし……しかしだ。
 爆破オチはそれを許さない。
 チュチュもまた、ドゴンと爆発して吹っ飛ぶ。
 そのまま、ポテンと地面に転がって。
「……なるほど。二段オチ、ってことね」
 そう、それもまた爆破オチ。
 そして……逃げていたヘルミーネも、背後に迫る夜叉の群れ、もとい神楽を先頭にした被害者連合軍に追い詰められつつあった。
「ぎゃあああ!!! どんどん増えていくのだー! どうすればいいのだー!」
 もうどうしようもない。
 どうすれば。オチは、オチはまだなのか。
 走るヘルミーネは、見覚えのある2人を見つけてメイド喫茶に飛び込む。
 そこでは丁度、視線に追い詰められたエアがゆで卵をチンするという暴挙に出たところだった。
(今も背中に早くやれオーラをビシバシ感じるおかげで、依頼は達成出来そうだよ。幸いほかのメイドさんたちはみんな接客中だし……こわいけどやるなら今しかない……!)
 そう、それはお手軽にして掃除が大変な爆発オチ。
「生卵はオムライス用のものを、レンジの時間は1分30秒位でいっか。さぁ、爆発フラグは託すよ電子レンジさん……あたため、スタート」
(あぁ、一時の夢をありがとうメイドさん……エアは今日の事をずっと忘れません)
 そう言って、温めスイッチを押そうとしたその瞬間。
「たのもーなのだー!」
「ヘルミーネさん!? い、今こっち来たらダメですよー!」 ってわーー!!な んで一直線にこっち向かってくるんですか!!
 スイッチを押さなければ爆発できない。
 そして鬼気迫るヘルミーネとなんか怖い修羅たち。
 互いに追い詰められた2人は、そっと視線で通じ合う。
 そうして捲られるエアのスカートと、倒れこむヘルミーネ。
「いらっしゃいませお嬢さま♪ ……きゃっ」
「フッ……燃え尽きたのだ……」
「さて…追いかけっこは終わり……お仕置きの時間じゃ」
 笑う神楽。
 しかし、違う。違うのだ。
 このヘルミーネを吊るして神輿にして町内を練り歩かないとどうしようもなさそうな、この状況。
 そんな状況だからこそ。メイド喫茶を巻き込んだ大爆発が巻き起こる。
 吹っ飛んだはずの建物は、全部無事で。
 関係者全員全て真っ黒になって……けれど、どうしようもなく気分は朗らか。
 チュチュの言葉を借りれば、そう。
 これが、彼女たちの爆破オチ……である。

成否

成功

MVP

ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
見事な爆破オチでした!

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